kintone(キントーン)に登録されている顧客リストに対して、効率的にメールマーケティングを実施したいと考えたことはありませんか。kintoneに登録した情報から配信先リストを作成し、普段使っているメーラーに宛先を手動で貼り付けて……と進めていると時間がかかり、ミスも出てきます。
そこで、より効率的且つ正確にメール配信を行うため、ツールの導入を検討している方も多いはず。
今回はkintoneの連携サービスであるkMailer(ケイメーラー)と、配配メールの比較を行います。
どちらのツールが自社に適しているか迷っている方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
kMailerと配配メールの比較
それぞれの機能を簡潔に表にまとめます。
kMailer | 配配メール | |
テンプレート作成 | 無制限に作成可能 | 6つのテンプレートを用意 自社でも新たに登録可 |
HTMLメール作成 | 全コースで可能 | 全プランで可能 |
開封ログ | 全コースで取得可能 | 全プランで取得可能 |
送信元メールアドレス | 普段使っているメーラー設定可 1契約1アドレス指定 |
普段使っているメーラー設定可 |
送信方法 | kintoneに設置された 送信ボタンを押下 |
配配メール内から送信 |
配信可能数 | 無制限 (各ドメインのサーバー許容量に準ずる) |
毎時100万通の大量送信が可能 |
登録アドレス数 | 無制限 | 数によって料金が変動 |
料金体系 | kintone1環境につき1契約 自動配信・予約配信の有無で 2つのプラン 月額15,000円〜(税抜) |
登録アドレス数に応じて変動 分析・効果測定の充実具合によって3つのコース 月額30,000円〜*(税抜) |
kMailerの特徴
kMailerはFormBridge(フォームブリッジ)やkViewer(ケイビューワー)など、いち早くkintone連携サービスを開発してきたトヨクモが提供しているメール配信のためのサービスです。
kintone内の情報をマスタとしたメール送信が可能
kMailerはkintoneに特化した連携サービスのため、kintoneに登録された情報を引用してメール作成が可能です。たとえば、宛名に使いたい「顧客企業名」「顧客氏名」、過去に参加した「セミナー名」、ヒアリングしている「関心の高いサービス」など、アドレス帳アプリのレコードに登録された情報を自由に引用しながらメールを作成し、テンプレートとしてkintoneに保存できます。
kMailerは個別配信もできるので、下記のような請求書の個別送付にも応用できます。
「送信後レコード編集」で送信履歴も簡単に確認できる
kMailerが備えている「送信後レコード編集」機能は、メール配信後に送信先のアドレス帳アプリの情報を更新できる機能です。たとえば、レコード内で空欄になっていたフォローメールの送信状況を、メール送信後に一括で「送信済み」に変更できます。
送信履歴をたどらなくても、該当のレコードを一目見ただけでメールを送付したかが分かります。自動で情報が更新されるため、手作業によるミスも起こりません。テキストやデータの置き換えだけでなく、送信数のカウントなどもできます。
添付ファイルをダウンロードリンク化しセキュリティも万全
kMailerでは、テンプレートアプリやアドレス帳アプリに添付されているファイルも同時に送信できます。全員に同じファイルを送ることも、個々で別のファイルを送ることも可能です。添付ファイルはダウンロードリンクとして送付され、パスワードが設定されるため、万が一誤配信しても添付ファイルの情報を守ることができます。
30日間の無料お試しが可能
kMailerは30日間無料でのお試しができ、何回でも申し込みが可能です。トヨクモの他の連携サービスもあわせてお試しすることが可能なので、他にもkintoneと連携したサービスを検討したいと考えている場合にもおすすめです。
配配メールの特徴
配配メールは、楽楽精算を運営する株式会社ラクスが提供するメール配信サービスです。kintoneのほかセールスフォースとも連携でき、営業メールを効率的に配信・分析できます。
メール配信時に送信元のアドレスを設定可能
送信元のアドレスをメールごとに設定できるので、それぞれの営業担当や担当部署のメールアドレスからメールを送れます。一括で代表メールからメールが来るよりも、親しんだ営業担当から来るメールの方が開封されやすいといったケースも考えられます。
開発の必要なくkintoneと連携可能
配配メールは独立したメール配信サービスですが、kintoneとセールスフォースと連携できます。連携する際には、APIの開発も不要で専門知識は求められません。開封・クリック状況はkintoneと自動同期が行われるので、kintone内に各メールの状況を蓄積できます。
迷惑メール対策に注力
配配メールでは、送信したメールがスパムメールに認定されないように多数の対策を行っています。同一のIPアドレスから大量に送信されたり、エラーが多く起きたりしていると、各ISP、キャリア、メールサービス運営組織からスパムメールと認定されることがあります。それを避けるために、複数のIPアドレスから分散配信を行い、エラーアドレスの徹底的な管理や原因追及を行っています。
無料トライアルが可能
無料トライアルは、機能の制限なくお試しできます。個別相談や設定支援も受けられるので、自社に適した使い方を具体的に検討できます。なお、無料トライアルで登録可能なメールアドレスは100件までです。
kMailerと配配メールの料金・コース
両サービスとも、kintoneのライセンス料とは別途料金が発生します。
kMailerの料金・コース
kMailerのコースは、スタンダードとプレミアムの2つです。メールの作成機能と、ほとんどの送信機能には違いがありませんが、kintone内の登録データに連動した自動配信や、予約配信はプレミアムコースのみの機能です。自動配信は、たとえばアドレス帳アプリのレコードで、受注見込み顧客の契約ステータスが「契約中」に変わったのと連動して、「ご契約に関するメール」の送信を自動で行うというような機能です。スタンダードコースは月額16,500円、プレミアムコースは月額26,400円です。
配配メールの料金・プラン
配配メールのプランは、Lightプラン、Standard/Premiumプラン、Bridgeプランがあります。メール作成機能については、プランによってそれほど差異はないものの、メール配信機能や送信後の分析・効果測定機能については、プランによって充実度が変わります。また、メール配信後に自社サイトなどの指定したWebページへの来訪があったかが察知できる「来訪通知」や、配信したメールへのリアクションごとのフォローアップ実施などのメールマーケティング機能は、Bridgeプランに限られます。
具体的な料金表については、要問い合わせとなっていますが、登録アドレス数によって月額料金が変動する仕組みになっています。
メール配信はkintoneと連携して工数削減!機能や目的に合わせてサービスを選ぼう
kintoneと連携してメールマーケティングを効率的に行うことができる2つのサービスについて紹介しました。基本的な作成機能や送信機能は似たところがありますが、より高度な機能については細かい違いがあったり、各サービスのコース・プランごとにカバー範囲が異なっていたりしています。
kMailerは、よりkintoneの情報を活用した使い方ができ、大量の営業メールから個別対応メールまでさまざまな局面での活用が期待できます。また、トヨクモが提供する他のサービスと連携するとより活用の幅が広がるため、どんな業種や業態に対してもカスタマイズ性が高いと言えます。スタンダードプランは、ほとんどの機能がそろっている上に比較的リーズナブルであるため、導入のハードルも高くありません。
一方で、配配メールはメールマーケティングに特化したサービスであるため、メール配信を中心に営業活動をするような業種・業態には使いやすいサービスです。Bridgeプランまで機能を拡張すれば、配信したメールの効果検証や改善点の明確化ができ、PDCAを回しながら配信業務を行うことができます。料金体系については、配信する宛先数や必要な機能によって幅があるため、コストパフォーマンスとあわせて検討する必要があります。
いずれのサービスも何度でも申し込みができる無料お試しがあるため、実際に使用してみながら、欲しい機能や目的とすり合わせて最適なプランを検討してみてください。