FAQサイトは、顧客の疑問を解消し企業の負担を軽減する上で不可欠です。しかし、いざ作ろうと思っても「どこから手をつければいいのか分からない…」と悩む方も多いのではないでしょうか?
本記事では、そのような悩みを解決すべく、FAQサイトの作り方を5つのステップで徹底解説します。おすすめのシステムも紹介していますので、問い合わせ対応の効率化と顧客満足度向上を実現するFAQサイト作りに、ぜひお役立てください。
なぜFAQサイトが必要なのか?メリットも紹介
FAQサイトとは、ユーザーからのよくある質問とその回答をまとめたページのことです。FAQサイトを設置するメリットは、ユーザーと企業の双方に存在します。
FAQサイトが必要な理由
現代のビジネス環境において、ユーザーは迅速かつ正確な情報提供を求めています。
電話やメールでの問い合わせ対応に依存してしまうと、ユーザーを待たせてしまい、顧客満足度の低下につながる可能性があります。企業側にとっても、時間的・人的コストの負担は大きいでしょう。
FAQサイトを設置することで、ユーザーと企業にとって以下のようなメリットがあります。
ユーザー側のメリット
- 問題解決までの時間を大幅に短縮できる
- 製品やサービスへの理解が深まる
- 24時間365日時間や場所を問わず疑問を解決できる
企業側のメリット
- 問い合わせ対応の負担軽減
- 適切なキーワードによる検索エンジンからの流入増加
FAQサイトの作り方【5ステップ】
FAQサイトは、ユーザーがもっとも知りたい情報を即座に見つけられるような設計にする必要があります。
ここでは、FAQサイトの作り方を5ステップで分かりやすく解説します。
- 目的と目標を明確にする
- コンテンツの準備
- FAQシステムの選定
- FAQサイトの構築
- FAQサイトの公開/運用
【ステップ1】 目的と目標を明確にする
FAQサイトを構築する前に、その目的と目標を明確に定義しましょう。
以下はその具体例です。
設定項目 | 具体例 |
ターゲット | 新規顧客、既存顧客、特定の製品ユーザー、社員など |
FAQサイトの目的 | 顧客満足度向上、問い合わせ削減、セルフサービス型サポートの促進など |
具体的な数値目標(KPI) | 顧客満足度を5%向上、問い合わせ件数を20%削減など |
誰のためのFAQサイトなのか、何を達成したいのかを明確にすることで、コンテンツの内容やデザイン、システム選定などがスムーズに進みます。
【ステップ2】コンテンツの準備
次に、FAQサイトに必要なコンテンツを収集します。コンテンツは、顧客の疑問を解決するためのもっとも重要な要素です。
ここでは、コンテンツの準備を「コンテンツ収集」、「潜在的な質問の予測」、「カテゴリーとコンテンツの整理」の3つに分けて説明します。
コンテンツ収集
FAQコンテンツは、多岐にわたる情報源からの収集が不可欠です。カスタマーサポートや営業部門が日々接する顧客からの質問や問い合わせ内容、顧客からのフィードバック、SNS、レビューサイトなどを活用しましょう。
なお、ユーザーにとって価値の高い情報提供を継続するために、コンテンツは定期的に更新し、常に最新の状態を維持することが重要です。
潜在的な質問の予測
ユーザーが抱くであろう潜在的な質問を予測し、それらに先回りして回答できるコンテンツを作成します。
新規顧客向けコンテンツ作成時はマーケターに、既存顧客向けの場合は営業担当やカスタマーサポート担当者にヒアリングを行いましょう。
ユーザーが検索しそうなキーワードを網羅的にカバーする質問をリストアップすることが重要です。
カテゴリーとコンテンツの整理
ユーザーが直感的に理解できるようなカテゴリーを設定し、情報を整理することで、FAQサイトの見やすさと使いやすさが向上します。
以下は、カテゴリーとコンテンツの例です。
対象ユーザー/業務 | カテゴリー | コンテンツ |
顧客 | 商品/サービスについて | 使い方、操作方法、機能、特徴、よくある質問、トラブルシューティング、料金、コース |
購入/注文について | 注文方法、支払い方法、配送、送料、返品、交換 | |
アカウント/会員情報について | 登録、ログイン、パスワード再設定、退会 | |
その他 | お問い合わせ、会社情報 | |
社内 | 総務/人事 | 勤怠管理、給与、賞与、福利厚生、入社、退社手続き |
経理 | 経費精算、請求書処理 | |
IT/システム | 社内システムの使い方、パスワード管理、トラブル対応 | |
その他 | オフィス設備、社内イベント |
さらに、ユーザーの行動を予測し情報をツリー形式で整理することで、ユーザーが必要な情報によりアクセスしやすくなります。
以下は、ECサイトにおける「会員登録/Myページについて」を4階層まで設定した例です。
例
– 会員登録方法
– 新規登録
– 名前の入力
– メールアドレスの入力
– パスワードの設定
– 登録情報の確認
– 入力内容の確認
– 誤りがあった場合の修正方法
– ログイン
– ログイン手順
– メールアドレスの入力
– パスワードの入力
– ログイントラブル対策
– パスワードを忘れた場合
– ログインエラーの対応方法
– パスワード再設定
– 再設定手順
– パスワード再設定用メールの受信
– 新しいパスワードの入力
このように、ユーザーのニーズや行動を考慮してカテゴリーと階層を設定することで、見やすく使いやすいFAQサイトを作成できます。
【ステップ3】FAQシステムの選定
FAQサイトを独自に構築するには、多大な時間とコストがかかります。そのため、FAQシステムを使ってサイトを構築するのがおすすめです。
FAQシステムとは、FAQコンテンツの作成・更新や、ユーザーが入力したキーワードから質問内容を分析するなど、さまざまな機能を備えたシステムのことです。サイトの構築から運用、効果測定、改善といった一連のプロセスを効率化できます。
FAQシステムは、無料版から有料版まで幅広い選択肢があるため、自社のFAQサイトの規模や予算、求める機能に応じて最適なシステムを選びましょう。
おすすめのFAQシステムは、のちほど紹介します。
【ステップ4】FAQサイトの構築
FAQシステムを選定したら、FAQサイトのデザインと構築に取り掛かります。デザインは、ユーザーにとって見やすく使いやすいものであることが重要です。
キーワード検索や絞り込み検索など、ユーザーが必要な情報を簡単に見つけられる検索機能の実装も欠かせません。さらに、FAQページに「役に立ったか」「解決したか」といったフィードバックボタンも設置するとよいでしょう。
【ステップ5】FAQサイトの公開/運用
FAQサイトは公開して終わりではなく、定期的な改善や更新が必要です。古い情報を放置してしまうと、ユーザーからの信頼低下や問い合わせ増加といった事態を招きます。
具体的には、FAQサイトのアクセス状況や検索キーワードなどを分析し、評価することで改善点を見つけます。
ユーザーからのフィードバックやデータ分析に基づいてFAQコンテンツを定期的に見直し、新しい質問や回答を追加したり、古い情報を更新したりすることが大切です。
FAQサイトの運用改善に必要な指標
FAQサイトを構築・運用するにあたり、収集しておきたい指標は以下のとおりです。
指標項目 | 説明 |
問い合わせ件数 | 各問い合わせの種類別件数、日別、週別、月別の問い合わせ件数の推移 |
問い合わせ対応時間 | 各問い合わせに対する平均対応時間、問い合わせの種類別対応時間 |
顧客満足度 | 問い合わせ対応後の顧客満足度調査結果、FAQページの利用後の顧客満足度 |
FAQ利用率 | FAQページの訪問数、閲覧数、離脱率 |
検索キーワード | FAQサイト内での検索キーワードランキング、検索結果のヒット件数とヒットしなかった件数 |
解決率 | FAQページ利用後の解決率、解決できなかった問い合わせの件数 |
フィードバック | FAQページのフィードバック件数(「役に立った」「解決した」など)、改善提案やコメント |
FAQサイト作成時の注意点
FAQサイト作成時に注意すべき点を3つ紹介します。
1.分かりやすい言葉を使う
FAQサイトのコンテンツは多様なユーザーが利用するため、専門用語を避け誰にでも理解できる言葉を使いましょう。
専門用語を使用する場合は、用語説明を付け加えるのが効果的です。また、なるべく短く簡潔な文章で説明し冗長な表現を避けることで、ユーザーが理解しやすくなります。
2.レイアウトを最適化する
FAQサイトのデザインは、ユーザーが目的のFAQをすぐに見つけられるように最適化する必要があります。視覚的に分かりやすい構造にするために、以下のような見せ方も検討してみましょう。
- ランキング表示:よく見られる質問や重要な質問をランキング形式で表示し、ユーザーが頻繁に求める情報にすぐにアクセスできる
- アコーディオン形式:項目をクリックすることで、詳細情報を表示・非表示にできるメニュー。FAQページがすっきりと見え、ユーザーが関心のある質問だけを展開して詳細を確認できる。
3.問い合わせフォームを設置する
FAQサイトを利用しても課題を解決できない場合に備えて、問い合わせフォームを設置しましょう。
入力フォームは、項目を必要最低限にすることが重要です。項目が多く条件分岐もある複雑なフォームはユーザーにとって負担となり、入力をためらう原因となってしまいます。
また、企業側は問い合わせがあった場合には迅速に対応しましょう。問題に対して早急に対応することで、顧客満足度を高められます。
kintoneの連携サービスであるFormBridge(フォームブリッジ)には、高機能なフォームを簡単に作成できるだけでなく、問い合わせ対応を自動化する自動返信メール機能も搭載しています。
FormBridge(フォームブリッジ)の無料お試しはこちら
FAQサイトの構築におすすめのシステム3選
FAQサイトの構築や運用には手間がかかるため、FAQシステムの導入がおすすめです。
ここでは、FAQサイトの構築に最適なシステムを3つご紹介します。
1.kintone(キントーン)
▲出典:kintone
kintoneは、顧客情報を一元管理し、業務効率化と生産性向上を同時に実現できるクラウドサービスです。現場に合わせてFAQシステムを自由に設計でき、問い合わせ管理やデータ分析などの機能も利用できます。
プラグインも豊富に用意されており、カスタマイズ性に優れているのも魅力です。
主な機能 | ・直感的な操作で簡単にFAQサイトを構築できる ・カテゴリー機能で情報の検索性を向上(5階層まで分類可能) ・FAQ情報に紐付けて追加の情報をコメントで残せる ・全文検索機能で文字情報だけでなくファイルの中身まで検索できる |
料金 | ライトコース:780円(税別)/1ユーザー/月 スタンダードコース:1,500円(税別)/1ユーザー/月 ワイドコース:3,000円(税別)/1ユーザー/月 |
2.Zendesk(ゼンデスク)
▲出典:Zendesk
Zendeskは、世界で累計10万社以上に導入されているカスタマーサービスソフトウェアです。問い合わせ管理やチャット、CTI(コールセンターシステム)機能などを統合的に利用できます。
AIを活用したチャットボットを同時に実装することで、FAQの回答を抽出し顧客の問題を迅速に解決するなど、自動化に強みがあります。
主な機能 | ・AIチャットボット ・AIが問い合わせを自動で分析 ・生成AIが回答作成をサポート |
料金 | Suite Team:$69/1ユーザー/月 Suite Growth:$115/1ユーザー/月 Suite Professional:$149/1ユーザー/月 Suite Enterprise:要問い合わせ/1ユーザー/月 |
3.Tayori(タヨリ)
▲出典:Tayori
Tayoriは、FAQサイトを簡単に作成できるカスタマーサポートツールです。質問と回答を入力するだけでFAQが完成し、社内マニュアルやナレッジベースの作成にも活用できます。
コンテンツ作成の操作性や、問い合わせフォーム・チャットとの連携が強みです。FAQページの検索窓や頻度の高い質問の配置もドラッグ&ドロップで簡単に設定でき、タグ設定による検索やGoogleAnalyticsを用いた分析にも対応しています。
主な機能 | ・AIチャットボット ・シンプルで検索しやすいデザイン ・閲覧時のパスワード設定 |
料金 | スタータープラン:3,800円(税別)/3ユーザーまで/月 プロフェッショナルプラン:9,400円(税別)/10ユーザーまで/月 エンタープライズプラン:25,400円(税別)/11ユーザー~30ユーザーまで/月 ※エンタープライズプランは、別途初期費用が50,000円(税別)必要 |
kintoneを使ったFAQサイトの作り方
ここでは、30日間無料で利用できるkintoneでFAQサイトを作る方法を紹介します。
kintoneの登録はこちら
1.初期設定とログイン
まずkintoneにログインし、部署別や用途別に適した設定を行いましょう。kintoneは直感的な操作で設定できるため、初心者でも簡単に始められます。
2.FAQのサンプルアプリをダウンロードする
kintoneには、FAQサイトを簡単に作成できるサンプルアプリが用意されています。
これを活用することで、すぐにFAQの運用を開始できます。
FAQアプリの主な機能
FAQアプリに搭載されている機能は以下のとおりです。
カテゴリー機能
「知りたいことから探す>備品の利用」、「管理している部署から探す>人事・総務」など、さまざまな軸で質問を分類して登録できます。カテゴリー名を選ぶと、該当する質問を絞り込んで表示できます。
全文検索
kintoneアプリの右上にある「アプリ内検索」にキーワードを入力すると、全文検索ができます。
コメント欄
FAQで解決できなかった場合など、該当する項目にコメントを残せるので、情報を分散させないで1か所に集約できます。
3.FAQアプリをカスタマイズする
文字列、日付、チェックボックス、計算など28個のパーツを組み合わせることで、目的に合うFAQを用意できます。
なお、ここまで解説した設定は、kintoneライセンスを持つユーザーが閲覧できるFAQアプリです。kintoneライセンスを持たない外部ユーザーにFAQアプリを利用してもらうには、kintone連携サービス「kViewer」をご活用ください。
「kViewer」を使えば、kintoneライセンスを持たないユーザーも、FAQアプリの内容を閲覧できます。
企業のホームページや商品サイトなどで頻繁に見かけるFAQページ。 FAQページを設けることで、業務の効率化や負担削減のほか、品質向上や顧客満足度の上昇が期待できます。 また、kintone連携サービス「kViewer」を用いれば、kin[…]
まとめ:FAQサイトで顧客満足度向上と業務効率化を実現しよう
FAQサイトは、顧客満足度の向上と業務効率化の両立に貢献します。
サイト構築・運用においては、ユーザー視点に立ち、検索機能や問い合わせフォームの設置など、利便性を高める工夫が重要です。
また、FAQサイトは一度作って終わりではなく、定期的な更新と改善によって、その効果を最大限に引き出せます。長期的に運用する必要があるため、使いやすいシステムを選びましょう。
kintoneは30日間無料で利用できます。FAQサイトの構築を考えている場合は、まず一度お試しください。