kintoneのWebhookとは?具体的にできること・設定方法

テレワークや在宅勤務などの浸透、人手不足などにより、業務効率化はどの業界にも求められる共通の課題となっています。

サイボウズ社が提供する業務管理クラウドサービス「kintone」も、業務効率化を実現するシステムの一つです。汎用性が高く、自在にカスタムができるため、さまざまな業種で採用されています。

また、オンラインでのやり取りが多い職場では、kintone以外にビジネスチャットアプリなどを用いてコミュニケーションを取っていることもあるでしょう。

しかし、それぞれのシステムは基本的に独立しています。スケジュールやToDoなどの入力・反映は、システムごとに対応しなければならず、二度手間に感じたこともあるのではないでしょうか。

今回は、kintoneと他サービス・アプリとの連携が可能となる「Webhook」について解説します。また、Webhookの設定ができ、業務効率化に役立つおすすめのプラグイン・サービスも併せてご紹介いたします。

Webhookを用いて、さらなる業務効率化を目指したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

そもそもWebhookとは?

Webhook(ウェブフック)とは、平たく言えば「Webアプリケーション同士を連携する仕組み」のことです。あるWebアプリケーションにおいてイベントが発生すると、外部のサービスにHTTPで通知してくれます。

例えば、ブログを更新した時に、SNSにブログ更新のお知らせが投稿されるようにしたり、メールを受信したらビジネスチャットアプリで通知されるようにしたり、といった使い方が挙げられます。

Webhookにおける「イベント」とは、「ブログを更新した時」「メールを受信した時」といった“きっかけ”を指します。イベントは任意で設定でき、Webhookはその条件を満たした時にのみ通知を行います。

一般的に、アプリケーションを連携させるにはプログラミングの専門知識が求められることが多いですが、Webhookはコーディング不要で対応できます。ただし、アプリケーション同士を直接繋ぐことはできないため、連携を支援してくれるツール「Zapier」「Microsoft Power Automate」「IFTTT」などを経由させる必要があります。

kintoneでは、Webhook機能が2017年に標準実装されており、レコードの追加・編集・削除やコメントの書き込み、ステータスの更新がイベントの対象となっています。いずれかのアクションをトリガーに、他のサービスと連携できます。

Webhookを活用して具体的にkintoneでできること

Webhookの機能は、kintoneのスタンダードコースの契約で利用可能となります。

では、Webhookの活用でkintoneはどのように便利になるのか、具体例をみていきましょう。

レコードの追加通知をチャットアプリで受け取る

kintoneでレコードの追加や更新が行われると、kintoneのアプリ上またはメールで通知されます。
しかし、わざわざkintoneを開いたり、メールをチェックしたりするのは面倒だな……と思われる方も多いかもしれません。

最近では、業務上のコミュニケーションを円滑にするツールとして、SlackやChatworkなどのチャットアプリを導入する会社も多く見られるようになりました。普段から開いているチャットアプリで、kintoneの更新通知をリアルタイムに受け取ることができれば、確認にかかるまでのタイムラグを減らせるでしょう。

ここで活躍するのが、kintoneのWebhook機能です。kintoneとチャットアプリを連携させることで、チャットアプリ上に通知が投稿されるようになります。

kintone上で依頼された作業を自分のTodoリストに反映させる

kintone上で依頼された仕事を自分のタスクとして管理する時、kintoneのデータをコピペしてTodoリストに入れている、ということはありませんか。Todoに転記する手間がかかるだけでなく、入力ミスが生じる可能性もあります。

このような場合にも、Webhook機能が役立ちます。外部のTodo管理ツールと連携させることで、kintone上に追加された情報が自動的にTodoリストに反映されます。

Webhook設定が可能なkintoneのおすすめプラグイン・連携サービス

ここからは、Webhook機能を備えたkintoneのおすすめプラグイン・サービスについてご紹介します。

kintoneのデータをリアルタイムで集計できるサービス【データコレクト】

データコレクトは、kintone上の複数のアプリ間で、情報の収集や計算などができるシステムです。

kintoneの標準機能では、同じレコード内にあるデータの計算のみが可能で、レコードやアプリをまたいだ集計ができません。データコレクトでは、kintone上の他のアプリから数値を引用して計算したり、合算したりできるため、情報の一元管理に役立ちます。

また、データコレクトは表計算ソフトと同じような感覚で関数や数式の設定ができます。データはkintoneに登録しているけれど、計算は表計算ソフトを使って別に行っている、といった状態を解消できるでしょう。さらに、スケジュール設定を行うことで、定期的な情報収集・計算にも対応します。

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Webhook活用シーン

データコレクトのプレミアムコースでは、データのリアルタイム集計が可能となるWebhook機能を利用できます。kintoneへの操作をきっかけに自動で集計が行われるため、「明日の朝にならないと最新データが確認できない」といった状態を解消できます。

リアルタイム集計は、在庫管理や予実管理に活用することができます。例えば、kintone上に発注・受注・在庫を管理する3つのアプリがあったとします。発注アプリで商品を注文し、入庫されたらステータスを入庫済みに変更します。

この操作だけでは、在庫管理アプリ上の数値は増えませんが、データコレクトにWebhookを設定しておくと、「発注アプリのステータスを入庫済みにした」操作をきっかけに、自動で在庫管理アプリ上でも集計が行われ、在庫数が更新されます。

商品を受注して在庫が減った場合にも、受注アプリと在庫管理アプリ間で同様の操作が可能です。
Webhookを用いた在庫引当の方法は、以下の記事でも詳しくご紹介しています。

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kintoneで在庫引当

kintoneにデータを直接保存できるサービス【フォームブリッジ】

フォームブリッジは、webフォームを作成できるツールです。入力されたデータは自動でkintoneに保存されるため、顧客が入力した情報を手入力でkintoneに転記する必要がありません。

kintoneのライセンスを持たなくても、フォームに入力するだけで直接kintoneにデータを登録することができます。

条件分岐やステップフォーム、住所の自動入力など、豊富な機能を備えており、幅広い業種で使われています。面談日程の調整や、施設の貸出管理、セミナーやイベントの申し込みなど、活用方法は多岐にわたります。

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Webhook活用シーン

Webhookを設定すると、フォームブリッジからの申し込みや予約の通知をリアルタイムで受け取れるようになります。例えば、問い合わせフォームを通じて顧客から連絡が届いたら、チャットアプリやメールで通知されるように設定することも可能です。速やかな対応が求められるシーンでは、特に便利な機能と言えるでしょう。

フォームブリッジとkintoneの自動同期については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

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kintoneのデータを特定の人にだけ公開できるサービス【kViewer】

kViewerは、kintone上に登録されたデータを外部に公開できるツールです。

kintone内の情報は、原則としてkintoneのライセンスを持つユーザーのみが閲覧できるようになっていますが、kViewerの活用により、社外の方にもデータを共有することができます。

kintoneのデータを、リストビューやダッシュボードビュー、グラフビューなど、8つの表示形式から選択ができます。また、表示項目は任意で設定できますので、情報を絞って公開することも可能です。

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Webhook活用シーン

kViewerでは、メールアドレスなどの認証により、特定の人だけ閲覧可能なビューを作成することができます。Webhookを設定しておくと、kintoneのレコード追加(メールアドレスの登録)をきっかけに、kViewerと自動的に同期。これにより、ビューの閲覧が速やかに許可されます。なお、Webhook機能はkViewerのプロフェッショナルコースで利用できます。

kintone内のデータに連動してメールを自動送信できるサービス【kMailer】

kMailerは、kintoneに登録されている顧客・取引先のデータを活用してメール送信ができるシステムです。

kintoneの標準機能では、kintoneユーザー以外とメッセージをやり取りすることができません。

kMailerを導入することで、kintone上の顧客マスタをもとにメールを一斉送信する、kintoneの日時フィールドと紐づけて予約送信する、といった操作が可能になります。

また、メールの開封率やダウンロードリンクへのアクセス状況なども把握できます。例えば、開封してもらいやすいメールタイトルや、時間帯のテストに用いることで、より実効性のあるメルマガが作成できるようになるでしょう。

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Webhook活用シーン

kMailerには、Webhookを用いた自動送信機能があり、プレミアムコースで利用できます。今回はオンライン面談の予約管理を例に、Webhookの活用方法をご紹介します。
運用ルールとして、参加者が申し込みを行った段階では仮予約、オンライン面談の実施日時の決定をもって予約完了とします。

kintone上で参加者の申し込みデータを作成し、決定した面談日時を入力。ここでkintoneとkMailerを連携し、さらにWebhookを設定しておくと、「面談日時が入力されたら、参加者に予約完了メールを送信する」という処理が自動で行われます。これにより、手動で参加者に予約完了の連絡をする手間を省くことができます。

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Webhookの利用制限

さまざまなプラグインで活用でき、大変便利な Webhook ですが、注意すべき点もあります。kintoneでWebhook機能を使う際には、一定の利用制限があることを把握しておきましょう。

まず、設定可能なWebhookは10個までです。また、通知はドメイン単位で1分あたり60回まで送信されます。レコード操作が1分間に60回以上行われた場合、以降の操作分は送信されません。

なお、cybozu.comの共通管理者によって、Webhookの利用が禁止されている場合は、Webhookを設定することができません。また、組織間のアクセスが禁じられている場合、Webhook機能の利用にはkintoneシステム管理権限が必要です。

Webhookを用いた連携で仕事効率アップ

本記事ではWebhookの役割や、具体的な活用シーンについてご紹介しました。

Webhookを利用することで、プログラミング知識がなくても、kintoneと他のサービスを連携させることができます。設定はやや複雑ではありますが、うまく活用することで業務にかかる手間を大幅に削減できるでしょう。

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