◆ 入庫した数量を、自動的に在庫管理アプリに反映
・発注中の時は、実在庫数を変えない
・入庫済みになったら、実在庫数を増やす
◆ 受注した数量を、リアルタイムで在庫管理アプリに反映
・注文を受けた段階では、有効在庫数だけを減らす
・納品が完了したら、実在庫数も減らす
こんにちは。平山です。
kintoneで在庫引当ね…できますよ。
(一応)
これ、私がサイボウズで営業部の一員として働いていた頃の心の声です。
そもそも在庫引当とは?在庫管理との違い
在庫引当は、在庫管理の中の一種です。
在庫引当は、受けようとしている注文に対して、在庫があるかどうかを把握するために必要になります。
在庫引当では、実在庫数と有効在庫数を記録していきます。
▶︎実在庫数 :実際に手元にある在庫数
▶︎有効在庫数:発注アプリで発注した時点の総個数から、既に受注している数量を引いた数
例えばノートの実在庫が300冊あった場合、営業マンAが200冊受注した段階で有効在庫から200冊を引いておかないと、在庫に余裕があると判断して商品の追加発注が遅れてしまったり、他の営業マンが即納できると勘違いして受注してしまう可能性があります。
こういった事態を防ぐ為に、在庫引当を行います。
在庫引当を行う場合、まずは実在庫数と有効在庫数を記録します。
その後、注文を受注した場合は、まずは有効在庫数のみを引きます。
実在庫数300冊|有効在庫数300冊
↓200冊の注文を受ける ⬇️
実在庫数300冊|有効在庫数100冊
最終的に顧客への納品が完了したら、実在庫からも200冊引きます。
このように、在庫引当を行って有効在庫数を把握しておくと、発注が必要な商品が早期に発見でき、在庫不足による機会損失を防ぐことができます。
在庫引当がリアルタイムにできていないと、受けた注文の納期が想定より大幅に遅れてしまったりなどして、クレームに繋がってしまうこともあります。
kintoneで在庫引当をする時の、みんなの課題
「在庫数がリアルタイムで反映されない!!」
もうね、これしかないんじゃないでしょうか。
私がサイボウズで営業マンとしてkintoneを紹介していたころ、この在庫引当と予実管理については非常に多く質問を受け、簡単に解決できない二大問題でした。
在庫引当を行う場合、有効在庫情報が常に最新になっている必要があります。
そうでないと、納品できるだけの在庫がないにも関わらず、注文を受けてしまったりということが起こります。
もちろん、在庫引当を行っても在庫切れを起こしてしまう可能性はゼロにはなりませんが、受注の段階で納期に時間がかかることを説明できれば、余計なトラブルを抱えずに済みますよね。
kintoneでのリアルタイム在庫引当は、なぜ難しいのか
kintoneには標準機能として「計算フィールド」というのがあります。
これを使えば自動で計算をして、リアルタイムで現在の在庫数を算出することができます。
ただ、この計算フィールドアプリ間での計算ができないのです。
つまり、kintoneの計算フィールドだと、商品を発注して入庫したら在庫アプリの数を増やして、注文を受注したら在庫アプリの在庫を減らして…というのを、手動で行わなければいけません。
ちょっとした手間かもしれないですけど、毎回となると年間で結構な作業量になりますよね。
それにこの作業、忘れなければいいですよ?
でも、人間がやっている限り絶対ミスは起きますよね。だって人間だもの。
そうすると、在庫が足りなくてお客様に迷惑をかける…なんてことも起こりえちゃいます。
そんな時のデータコレクト
データコレクトは、トヨクモ株式会社が提供するkintone連携サービスです。
略称はデーコレです。(マッチングアプリっぽいなって思ったあなた。仲間になれるので、いつか魔王が現れたら一緒に倒しに行きましょう。)
「連携サービスってなに?」って方は「kintoneを便利にするオプションサービス」と覚えておいてください。
(kintoneのプラグインと、ほぼ同義です)
オプションってことは有料なの?って疑問が出てきますよね。
この振りが出てくるってことは無料だと思いますよね?
有料です。笑
でもでも!在庫引当がビックリするほど正確・確実になった上で作業時間の削減にもなりますし、予実管理や勤怠管理なんかにも利用できるので、お得に感じると思いますよ!
最後に料金もご紹介しますので、もう少し読んでいってください。
(予実管理についてはコチラ↓)
kintoneでリアルタイム予実管理を行う(サンプルアプリあり)
データコレクトとは
データコレクトは簡単に言うと、エクセルのように関数を使ってアプリ間の計算ができるようになるサービスです。
データコレクトでは、計算式と条件を設定した上で、kintoneのWebhookという機能を利用することで、kintoneアプリへのデータ追加や編集をトリガーに、他のアプリのデータを更新することができます。
つまりデータコレクトを使えば、在庫引当をする際に必要な、
▶︎商品を発注して倉庫に入庫したら、実在庫数を増やす
▶︎注文を受注したら、有効在庫数を減らす
という作業を自動で行うことができます。
kintoneで行ったレコード追加や編集などを”キッカケ”に、さまざまな処理を実行する機能です。
在庫引当は3つのアプリで
では、実際どのように設定していくのか見ていきましょう。
用意するkintoneアプリは、以下の3つです。
在庫が少なくなってきて商品を発注した際にデータを追加するアプリです。
発注が他の人と被ってしまうと過剰在庫になってしまうので、発注した際はこのアプリにデータを追加します。
ステータスとして「発注中」と「入庫済み」の2つを用意しておきます。
顧客から注文を受けた際にデータを追加するアプリです。
ステータスとして「納品未完了」と「納品済み」を用意しておきます。
商品ごとの、実在庫数と有効在庫数が登録されているアプリです。
発注アプリで発注した時点で、有効在庫数を増やし、発注した商品が入庫されたら実在庫数を増やします。
顧客から注文を受けた場合は有効在庫数のみを減らし、顧客へ納品が完了した場合は、実在庫数を減らします。
商品の発注〜入庫まで
まず ①発注管理アプリ に発注した商品のデータを追加します。
この時点では ③在庫管理アプリ の実在庫数は増えないようにしています。
商品が入庫されたあと ①発注管理アプリ のステータスを「入庫済み」にすると、kintoneのWebhookが自動的に起動して③在庫管理アプリ の実在庫数が増えます。
これは、データコレクト側でエクセルで式を書くのと同じように、以下のような関数式を書いて設定しています。
(この記事では、例として有効在庫数の計算をする式を紹介します。)
難しく見えるかもしれませんが、日本語に直すと簡単です。
まず、ちょっと見えにくいかもしれませんが、2つめの「SUMIFS」という関数の直前にある「–」で式を分けて考えます。
SUMIFSは、指定した条件に一致した場合に合計する関数です。
この関数を使って、前者の青文字の式は「発注アプリに登録されているノートの個数を合計する」という式になっています。
対して後者の緑文字の式は「受注アプリに登録されているノート(”納品未完了”と”納品済み”どちらも)を合計する」という式になっています。
この2つの式を繋げて「受注アプリのノートの合計 ー 受注したノートの合計」とすると、現在の有効在庫数が自動的に集計されて ③在庫管理アプリ に反映されます。
「いやいや、難しいわ!!」
って、思いますよね。私も同じでした。
でも大丈夫です。
式を書くときは、こんな感じでガイドが出てくるので、それにしたがってコピペしていくだけです。
もっと言ってしまえば、在庫引当ってエクセルでは当たり前にできることで、関数の書き方例は初心者向けのイラスト付きのものがネットに山ほどあるので、分からなければ「ネットみる」で解決できます。
ちなみに、自動更新するためのWebhookの設定も簡単で、レコードの追加と更新がされたのをトリガーに集計を行うので、その2つにチェックを入れて生成されたURLをkintoneにコピペするだけです。
注文の受注〜納品まで
30日間、無料でトライアル可能です
サンプルアプリと設定方法の詳細を追加しました(2020.5.8)
この記事で紹介したアプリをそのままkintone環境に展開できるアプリテンプレートと、詳細な設定方法をヘルプサイトに公開しました!
【ヘルプサイト】SUMIFS関数を使ってリアルタイムで管理する在庫引当を設定する
https://kintoneapp.zendesk.com/hc/ja/articles/900000728003
無料お試しをお申し込みいただいた際は、こちらも是非ご活用ください。