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kintoneとNotionはどちらを選ぶべき?違いの比較と連携・使い分けの方法を解説

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ビジネスツールとして、kintoneNotionのどちらを導入するかを迷われている方もいらっしゃるでしょう。

両ツールは、それぞれ得意分野が異なるため、目的や用途に合わせて選ぶことが大切です。

また、kintoneとNotionは連携して使い分けることで、両ツールの得意分野を活かせます。連携後の使い分け方法を知っておくと、より業務の効率化を促進できるはずです。

本記事では、kintoneとNotionの違いとおすすめの人、連携・使い分けの方法を解説します。ビジネスツールとして、kintoneとNotionのどちらを導入するか迷われている方は、ぜひ参考にしてみてください。

kintoneとNotionの違いがわかる比較表

kintoneとNotionは、どちらもプログラミングの知識がなくても利用できるノーコード・ローコードツールです。

両者の共通点は、大きく4つあります。

  • データベース機能を備えている
  • ニーズに合わせてカスタマイズできる
  • モバイル端末から利用できる
  • 多言語に対応している

kintoneとNotionは、どちらも簡単にカスタマイズできるビジネスツールですが、得意分野が異なるため、用途や目的に応じて選択・使い分けが必要です。

両ツールの違いは、次のとおりです。

【kintoneとNotionの違い】

違い kintone Notion
得意分野 ・業務プロセスの管理

・社内データの一元化

・ドキュメントの作成

・データベースの作成

カスタマイズ性 高い 中程度
機能の拡張性 高い 低い
同時編集の可否 できない できる
管理しやすいデータ形態 構造化データ

(売上・在庫データなど)

非構造化データ

(画像・動画など)

料金の傾向 料金形態 ・初期費用無料

・1ユーザーあたりの月額制

・1ヶ月ごとに更新可能

・初期費用無料

・1ユーザーあたりの月額制

・年払いと月払いで料金変動

1ユーザーあたりの料金の目安(税別) 月額1,000円~ 月払い:月額2,000円~

年払い:月額1,650円~

(Notion AIなしの場合)

たとえば、Notionは視覚的にわかりやすいデータベースを作成できる一方で、複雑な集計や分析は苦手です。データの集計・分析は、kintoneのほうが適しています。

ただし、kintoneとNotionを連携すれば、Notionでデータベースを作成して、kintoneで集計・分析するというように、両者の長所を活かした使い分けが可能です。

自社に適したツールを選択する、または用途に応じて使い分けるためには、それぞれの特徴を理解しておく必要があります。

kintoneの特徴|Notionより優れているポイント

出典:kintone公式サイト

kintoneとは、プログラミングの知識がなくても、業務の効率化につながるアプリを構築できるビジネスツールです。

kintoneは、次のような基本機能を持ちます。

kintoneの基本機能 概要 できること
アプリ 業務の効率化・円滑化を図るシステム ・データの蓄積から検索まで可能なデータベース機能がある

・業務を円滑化するコミュニケーション機能がある

・設定したタイミングで通知を送るリマインド機能がある

スペース 社内コミュニケーションが取れる場所 ・社内掲示板を作成してディスカッションができる

・社内Wikiを作成してナレッジ管理ができる

kintone連携サービス kintoneの機能を拡張、または外部サービスの機能と連携させるサービス ・kintoneで使いたい機能を増やせる

・kintoneの基本機能ではできないことができるようになる

・外部サービスの機能やデータを活用できる

基本機能はシンプルに見えますが、kintone内でアプリを作成したりkintone連携サービスを活用したりすれば、幅広い機能を付与できます。

kintoneの特徴のうちNotionよりも優れているポイントは、次の4つです。

  • 高いカスタマイズ性がある
  • 作業・業務に合った管理ができる
  • 構造化データの管理や集計が得意である
  • ビジネスツールとして高いセキュリティを誇る

kintoneの特徴が、自社のビジネスツールを導入する目的や用途に適しているかどうか確認してみましょう。

なお、kintoneの特徴は以下の記事でより詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください。

関連記事:わかりやすいkintone(キントーン)とは?特徴・機能、メリットを解説

高いカスタマイズ性がある

kintoneは、必要なパーツをドラッグ・ドロップして組み合わせるだけで、業務改善に必要なアプリを作成・カスタマイズできます。Notionよりもカスタマイズ性が高く、ビジネスツールとして「かゆいところに手が届く」イメージです。

JavaScriptというプログラミング言語を使えば、より細かい設定や柔軟なカスタマイズも行えます。

サンプルアプリや既存のkintone連携サービスを活用すると、誰でも簡単にカスタマイズ不要で使える機能を拡張できる点も魅力です。

たとえば、トヨクモの『PrintCreator(プリントクリエイター)』は、kintoneの情報をもとに書類の作成・出力ができるkintone連携サービスです。電子署名法に対応した電子契約機能も搭載しており、契約書の作成から契約締結までをkintoneだけで完結できます。

機能や使い方の詳細は、以下の記事をご覧ください。

関連記事:プリントクリエイターとは?できること・使い方

なお、アプリやkintone連携サービスは、kintoneのライトコースでは使用できません。スタンダードコース・ワイドコースでのみ使用できる点には注意しましょう。

作業・業務に合った管理ができる

kintoneには、多様なアプリや連携サービスがあり、業種・業務に合った管理ができます。

たとえば『運転日報アプリ』は、メーターの数値を入力するだけで、走行距離の自動計算と管理が可能です。車両でメーターを確認しながらスマホから数値を入力したり、文章ベースの報告書を削減したりと、ドライバーの業務負担を軽減できます。

このように、自社のニーズに沿ったアプリを活用することで、課題の解消に取り組める点がkintoneの魅力です。該当のアプリがなくても、自分で作成・カスタマイズすれば、自社に最適化された業務システムを簡単に構築できます。

構造化データの管理や集計が得意である

kintoneは、アプリにデータを登録すると、事前の設定にしたがって集計・分析を自動化するほか、グラフで可視化できます。

単純なテーブル集計だけではなく、クロス集計やアンケート結果の自動集計など複雑なものにも対応可能です。kintoneにデータを蓄積しておくだけで、スムーズに集計も行えるため、改めて数値を打ち直したり自分で計算式を入力したりする必要がありません。

Notionもデータベースの作成は可能ですが、集計・分析はkintoneほど得意ではありません。そのため、データベースの作成から集計・分析までを一元化したい場合は、kintoneが適しています。

なお、Excelで管理しているデータをそのままkintoneへ移行できるため、脱Excelの手段としても効果的です。

kintoneのデータ集計機能の使い方は、以下の記事で詳細に解説しているので、参考にしてみてください。

関連記事:kintoneのデータ集計機能の概要・設定と使い方

DataCollectを使えば集計機能を強化できる!

トヨクモの『DataCollect(データコレクト)』なら、kintoneが得意な集計をさらに強化できます。

DataCollectは、kintoneの基本機能ではできない複数アプリ間のデータ集計や、関数を使った計算ができるkintone連携サービスです。設定したタイミングで自動集計ができ、集計業務の効率向上を促進できます。

たとえば、従業員からの経費申請データをもとに毎月決まったタイミングでDataCollectによる自動集計を行えます。担当者の集計工数が削減されるのはもちろん、集計ミスのリスクも抑えることが可能です。

Excelのような使い心地のため、Excelを使い慣れた人も移行しやすいでしょう。

DataCollectは、30日間無料で利用できるので、ぜひお試しください。

ビジネスツールとして高いセキュリティを持つ

kintoneは、ビジネスでの活用を前提に設計されているため、個人や小規模チームでも簡単に導入できるNotionと比較すると、セキュリティ性能が高いといえます。

たとえば、kintoneにアクセスできるIPアドレスや、ログインできる端末の制限が可能です。アプリごとに操作・管理のアクセス権限を柔軟に変更することもできるため、特定の情報にアクセスできるユーザーを限定可能。情報漏洩・情報改ざんなどのリスクを抑えられます。

Notionには、同様の機能はありません。

kintoneの基本機能では、kintoneライセンスを持たない人への情報公開ができない仕様のため、社内のデータが漏れるリスクが低く安心です。ただし、外部との連携が完全に断たれるわけではありません。

トヨクモの『kViewer(ケイビューワー)』を活用すれば、必要な情報だけを外部に公開できます。詳しくは、以下の記事をご覧ください。

関連記事:kintoneのデータを外部公開して業務負担軽減!連携サービス活用事例も

Notionの特徴|kintoneより優れているポイント

出典:Notion公式サイト

Notionとは、ドキュメント・データベースの作成からプロジェクト・タスク管理ができる多機能ワークスペースツールで、次のような基本機能を持ちます。

Notionの基本機能 概要
データベース テーブルやリスト形式でデータを管理・検索できる
ドキュメント テンプレートを活用して簡単にドキュメントを作成できる
プロジェクト カンバン方式やタイムライン形式でプロジェクトの進捗を可視化できる
AI 文章の要約や生成ができる
カレンダー タスクやスケジュールを管理・共有できる
サイト 作成したページをWebサイトとして公開できる
フォーム 質問やアンケートを簡単に作成・共有できる
Notionインテグレーション APIを活用して外部サービスと連携できる
メール(※) メールの自動整理や送信予定の管理ができる

※2025年初頭にリリース予定

Notionは、充実した基本機能を使いこなしたり、外部サービスと連携したりすることで業務効率を向上させられます。

Notionの特徴で、kintoneよりも優れているポイントは、次の4つです。

  • メモ・ドキュメントの作成が得意である
  • データベース機能が直感的に使える
  • ドキュメント・データベースを同時編集できる
  • 非構造化データを一元化できる

Notionで、自社の課題を解消できるかどうか確認してみましょう。

メモ・ドキュメントの作成が得意である

Notionは、メモやドキュメントを直感的に作成でき、Wordのようにまっさらな紙に文書や資料を構築するという使い方が適しています。

豊富なコンテンツテンプレートを活用して、目的や業務に応じたコンテンツを簡単に作成できる点が魅力です。自社に最適化したテンプレートを作成すれば、報告書の作成業務を効率化できるでしょう。

また、Notionは、スマートフォンでドキュメントを作成しながら、その場で撮影した写真や動画を挿入できるため、現場での報告書作成がしやすくなっています。

Notion AIを使えば、蓄積されたナレッジにもとづく文章の生成や要約も可能です。

kintoneは、基本的に設定した項目ごとにデータを入力して、請求書や納品書などフォーマットが決まっている書類の作成を効率化できます。フォーマットのないメモやドキュメントの作成は、Notionのほうが得意です。

データベース機能が直感的に使える

Notionのデータベースは、レイアウトに応じてデータを可視化できる機能です。

既存のレイアウトは、7つあります。

  • テーブル
  • ボード
  • タイムライン
  • カレンダー
  • リスト
  • ギャラリー
  • チャート

各レイアウトは、初見でもどこに何を入力すればよいかわかりやすく、Notionを使い慣れていない人でも直感的に利用できます。

たとえば、リストビューによく利用するWebサイトを蓄積してタグづけしておけば、再訪問したいときに便利です。高い検索機能もあるため、ナレッジベースとしても活用できます。

なお、自分でレイアウトを操作して、自由にカスタマイズすることも可能です。

kintoneもデータベースとして優れていますが、テーブルの機能にレコード(※)をはじめとする独自のルールがあり、使い慣れるまでに時間がかかることがあります。そのため、直感的に使いやすいのはNotionです。

※レコードとは表における「行」のことで、kintoneでは1レコード(1行)をひとつの情報単位(1セット)として数えます。

ドキュメント・データベースを同時編集できる

Notionは、ドキュメントやデータベースの同時編集が可能で、リアルタイムに最新情報を共有できます。

たとえば、チームのブレインストーミングやディスカッションをNotion上で行うといった使い方が可能です。

同時編集をブロックするページロック機能もあり、重要なドキュメントの編集事故を防げます。

リアルタイムでの共同作業を重視する場合は、同時編集機能が可能なNotionが適していると言えるでしょう。

非構造化データを一元化できる

Notionは、画像やデザインデータなど形式の異なる非構造化データを一元管理しやすいのもメリットです。そのため、非構造化データを多数扱うプロジェクトで便利です。

たとえば、データベース機能のギャラリービューを活用すると、従業員の顔写真に名前や所属などの情報を付加して、名刺のような一覧を作成できます。

また、FigmaやinVisionなどのデータを埋め込めるため、Webサイトのデザインを視覚的に確認しながら、プロジェクトの進捗管理が可能です。

kintone VS Notion!それぞれのおすすめの人

kintoneとNotionの特徴を踏まえて、それぞれのおすすめの人をまとめました。

【kintoneがおすすめの人】

  • 自社に合わせて柔軟にカスタマイズしたい人
  • 大量の構造化データを一元化管理し、集計・分析したい人
  • 高いセキュリティのもと安全に使いたい人

【Notionがおすすめの人】

  • ドキュメントの作成から管理までを効率化したい人
  • 画像や動画、デザインデータなどの非構造化データを管理・共有したい人
  • ITリテラシーが高くないメンバーのために簡易的なビジネスツールを導入したい人

どちらかを選択する必要がある場合は、目的や用途に合わせて選びましょう。まずは自社の課題をベースに、ビジネスツールの目的や用途を明確化して、課題解決に役立つツールか比較することが大切です。

kintoneとNotionを連携して使い分ける方法もある!

kintoneとNotionをどちらかひとつに絞らなくても、両ツールを連携すれば、互いの得意分野に応じて次のような使い分けが可能です。

  • パターン1.Notionでドキュメントを作成して得意分野を活かす
  • パターン2.Notionで作成したドキュメントをkintoneで管理する

ここでは、kintoneを提供するサイボウズが公開しているコードを利用した場合の、使い分け例を紹介します。

JavaScriptの読み込み方は、以下の記事で紹介しているので、参考にしてみてください。

関連記事:初めてJavaScriptを読み込んでみます

パターン1.Notionでドキュメントを作成して得意分野を活かす

Notionで作成したドキュメントをkintoneで管理すれば、ドキュメントの管理状況や手続きの進捗を可視化し、条件に応じてリマインドできるため、対応漏れのリスクを抑えられます。

たとえば、現場で撮影した画像や動画を盛り込みながら、Notionで作業日報を作成します。事前にテンプレートを作成しておけば、作業負担の軽減・作業効率のアップを実現できるでしょう。

作成した作業日報をkintoneへ連携し、以下の項目をテーブルで管理します。

  • ドキュメントのURL
  • 作成年月日
  • 担当者
  • 手続きの進捗

kintoneなら、単純にテーブル形式で進捗を可視化するだけではなく、報告完了や承認などの手続きも行えます。未報告・未承認の作業日報があるとリマインドが飛ぶように設定すれば、作業漏れも簡単に予防可能です。

なお、kintoneの業種・業務に最適化された日報アプリがあれば、Notionでテンプレートを作成するより迅速に業務を効率化できます。

以下の記事でkintoneの日報アプリを紹介しているので、あわせてご覧ください。

関連記事:【無料あり】おすすめ日報アプリ10選!メリットや選び方のコツも解説

パターン2.Notionで作成したデータをkintoneで集計・分析する

Notionのデータベースをkintoneに連携すると、kintone側で集計・分析できます。Notionが苦手とする集計・分析をkintoneが補う形で運用できるので、両者の長所を活かすことが可能です。

Notionのほうが、kintoneよりもExcelに近い感覚でテーブルを作成できるため、脱Excelを目指す場合はNotionとkintoneの連携から始めてもよいかもしれません。

ただし、トヨクモのkintone連携サービス『DataCollect』なら、kintoneでもExcelのようにデータを入力・集計できます。

データの入力・集計を効率化するためにNotionとkintoneを新規導入する場合は、まずkintoneのみで運用できないか試してみたほうが、結果的に手間を削減できるでしょう。

kintoneとNotionを導入・連携して業務を効率化しよう!

ビジネスツールとして、kintoneとNotionのどちらを導入するか迷ったときは、両ツールの得意分野を比較して、自社の用途や目的に適したほうを選びましょう。

ただし、どちらかを選ばなくても、連携したうえで両ツールを使い分ける方法もあります。ドキュメント・データベースの作成はNotion、手続きの管理やデータの集計・分析はkintoneといった使い分けで、より業務の効率化を目指せます。

kintoneを利用される場合は、機能を拡張するトヨクモのkintone連携サービスをご活用ください。たとえば『PrintCreator』なら、Notionで管理している売上データをkintoneへ連携して、kintone上で請求書を作成・出力できます。

トヨクモ製品で機能を拡張したkintoneとNotionと連携すれば、用途がグッと広がるはずです。kintone連携サービスが気になる方は、まずは30日間の無料お試しを利用してみてください。

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トヨクモ編集部


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