プロジェクトの進捗状況をリアルタイムで知り、管理したいと考えたとき、チャットツールやメールでのやり取りをする方は多いでしょう。しかし、チャットやメールは欲しい情報を検索するのに時間がかかり、情報を集約・把握しづらい点がデメリットです。
そんなときに便利なのが、日報アプリです。日報アプリを活用すれば、常にプロジェクトの正確な進捗状況を把握でき、コミュニケーションを活性化できます。今回は、日報アプリのメリットや選び方とともに、おすすめの日報アプリ10選をまとめました。
日報とは
日報とは、日々の業務の進捗状況を報告するための業務記録のことです。日報を作成することで、進捗状況を把握しながらトラブルや課題を見つけることができます。また、問題を早期発見したり、組織としての業務品質向上を狙ったりするのも目的の1つです。
従来は、日報を紙媒体やExcelなどで作成していたものの、近年ではアプリを使って管理するのが一般的になりつつあります。
日報アプリとは
日報アプリとは、その名の通り日報を効率よく作成・確認するためのツールです。どこにいても進捗状況を確認することができ、的確なフィードバックが行えます。また、プロジェクトメンバー同士のコミュニケーションも円滑になるでしょう。
紙媒体やExcelなどで日報を作成すると社内共有がしにくいこともあるため、導入するメリットは大きいと言えます。
日報アプリの種類
日報アプリには、大きく分けて以下の4つの種類があります。
日報特化型
日報の機能に特化したタイプのアプリで、他の機能が必要ない企業におすすめです。シンプルな作りで使いやすく、日報の作成が手間になりません。
営業支援ツール連携型
日報が必要になるケースの多い営業職に特化したタイプです。営業支援システムや顧客管理システムと一緒に日報アプリが組み込まれたもので、営業に関わる業務をサポートしつつ、日報を作成できます。
社内コミュニケーション重視型
チャット形式で業務の進捗を管理するタイプです。チーム内でチャットができるため、社内コミュニケーションの改善にも役立ちます。
グループウェア型
「kintone」などのグループウェアに日報機能が付随しているものです。他の機能と連携させて使うことができ、日報を含む情報をしっかり共有したい場合に向いています。
また、勤怠管理アプリの中に日報機能が含まれているものもあります。このように、日報アプリにはさまざまな種類があるため、自社の課題に合わせて選ぶことが大切です。
日報アプリを導入するメリット
日報アプリを導入することで、以下のようなメリットを得られます。
- 日報の作成時間の短縮
- コストの削減
- コミュニケーションの活性化
- 問題の早期発見・解決
- ノウハウの蓄積
日報の作成時間の短縮
日報アプリには豊富なテンプレートが用意されているケースが多く、日報の作成時間を大幅に短縮できます。毎日のように作成するものだからこそ、手間を省けるのは大きなメリットです。
また、PC以外にタブレットやスマホに対応しているアプリもあり、外出先や営業先で日報を作成することもできます。社内以外でも作業したい場合には、マルチデバイスに対応したものを選びましょう。
コミュニケーションの活性化
日報アプリの導入は、コミュニケーションの活性化にも役立ちます。コメントや「いいね」などができる機能で意見を交換したり、上司やメンバーと密なコミュニケーションを取れるのが大きなメリットです。
密にコミュニケーションを取ることは、チームワークの向上にも役立ちます。チームワークが良くなれば効率よく作業を進められるため、業務の効率化や改善にもつながるでしょう。
コストの削減
現在、日報を紙媒体で作成している場合は、日報作成に使っていた紙代や印刷代などの諸費用を削減可能です。また、紙の利用や印刷代を削減することで、環境保護にもつながります。
日報アプリの利用には費用がかかるケースもありますが、紙媒体の作成・管理にかかるコストを削減できる点、その他のメリットが得られる点を考慮すると、アプリを利用するメリットの方が大きいと考えられるでしょう。
課題の早期発見・解決
日報アプリを活用すると、課題の早期発見・解決が可能です。日々の業務の進捗状況をリアルタイムで把握できるため、「どこに遅れが出ているか」「何が不足しているか」などといった課題が見つけやすくなります。
課題を早期発見できれば、解決に向けた改善も手早く行えるでしょう。その結果として、スムーズに課題が解決できるのがメリットです。
ノウハウの蓄積
日報アプリを活用すると課題や問題を早期に把握できるほか、ノウハウの蓄積にも役立ちます。アプリ内には提出した日報が蓄積されており、検索機能を使うことで欲しい情報をすぐに探し出せるのがメリットです。
こうした機能を活用することで、次に同じような業務が発生した際に効率よく対応できるようになります。日報アプリの中には、分析機能が付いているものもあり、現状を分析しながら業務の改善を図ることも可能です。
日報アプリの選び方
日報アプリを選ぶ際は、以下のポイントに注目しましょう。
- 操作性
- 機能
- 費用
- 無料お試しの有無
- セキュリティ対策
従業員が使いやすいかどうかはもちろん、費用面やセキュリティ対策について確認することも大切です。ここでは、日報アプリを選ぶ際に気を付けたいポイントを解説します。
操作性
せっかく日報アプリを導入しても、従業員が効率よく活用できなければ意味がありません。より多くのメリットを得るためにも、従業員が使いやすいかどうかに注目しましょう。操作性について不安がある場合は、サポート体制が充実しているアプリを選ぶのがおすすめです。
導入後のサポートが充実していれば、操作に関する不安や質問があった際も柔軟に対応できます。また、デモ機能などがあるアプリなら事前に操作性をチェックすることも可能です。
機能
日報アプリに備わっている機能としては、以下のようなものが挙げられます。
- テンプレート機能
- 写真・音声添付機能
- コメント・いいね機能
- タスク管理機能
- 分析機能
- 勤怠管理連携
- セキュリティ対策
- バックアップ機能
- データ分析機能
- 多言語対応
短時間で日報を作成したい場合は、テンプレートが用意されているアプリがおすすめです。また、コミュニケーションの活性化を目的としている場合は、コメント・いいね機能などが充実している日報アプリを選びましょう。
そのほか、業務の効率化を図りたい場合はデータ分析機能、社内に外国籍の従業員がいる場合は多言語対応など、自社の課題を解決できる機能が備わっているかどうかを確認することが大切です。
費用
費用については、自社の予算を考慮して選ぶのがおすすめです。ユーザー数に応じて料金が発生するタイプや買い切りのアプリ、機能やデータ量に応じて費用が決まる従量課金など、さまざまな料金体系があるため、自社に合うものを選びましょう。
とくに、従業員数の多い企業においては、ユーザー数に応じて料金が決まるタイプを選ぶと高額になるケースがあります。月間や年間など、長い目で見た際のコストを踏まえて選ぶといいでしょう。
無料お試しの有無
日報アプリの中には、無料お試しや無料プランを設けているものもあります。操作性や機能面などを確認したい場合は、無料お試しを実施している日報アプリを選びましょう。
無料お試し期間はアプリによって異なりますが、数日~1週間程度の期間を無料で使うことができます。無料期間終了後は、自動で有料版にアップグレードされる場合もあるので注意しましょう。
セキュリティ対策
日報アプリには、従業員の氏名・役職・顧客情報・プロジェクト情報など、重要な情報が含まれるため、セキュリティ対策は非常に重要です。日報アプリに備わっているセキュリティ対策としては、以下のようなものがあります。
- データ暗号化
- アクセス制御
- SSL/TLS証明書
- データのバックアップ
- 脆弱性対策
- セキュリティログの監視
データ暗号化では、通信中のデータと保存されているデータを暗号化したり、AESなどの暗号化アルゴリズムを使用したりすることで、情報の漏洩を防げます。アクセス制御では、二段階認証や権限設定を行うことで、外部のユーザーがアクセスできないようにすることが可能です。
そのほかにも、SSL/TLS証明書やHTTPS通信などでセキュリティ対策をしたり、万が一のためにデータのバックアップを取得できたりするアプリもあります。
上記のようなセキュリティ対策に注目することに加え、社内の従業員にセキュリティに関する教育を実施することも大切です。社内全体で情報漏洩に関するリスクの理解を深め、データをしっかりと管理しましょう。
おすすめの日報アプリ10選
日報アプリの概要が分かったところで、次はおすすめの日報アプリ10選を紹介します。各アプリの特徴や費用、機能面も詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
kintone(キントーン)
kintoneの日報アプリは、業務効率化クラウドサービス「kintone」上で動作する、日報作成・提出・管理を支援するアプリです。テンプレート機能で項目入力を省略できるほか、写真や音声を使って効率よく情報を伝達することができます。
また、コメントやいいね機能で活発なコミュニケーションを取ったり、部署を越えた情報共有ができたりするのも特徴です。マルチデバイスに対応しており、外出先でも日報を提出・確認できます。無料お試し期間もあり、お試ししてから導入を検討できるのもメリットです。
kintoneは業務アプリがつくれるサイボウズのノーコード・ローコードツールとして知られており、日報アプリ以外の機能も豊富に備わっています。グループウェア型のアプリを求めている方には、とくにおすすめです。
プラン | スタンダードコース:月額1,500円(税別)/ユーザー ライトコース:月額780円(税別)/1ユーザー |
無料お試し | 30日間のトライアルあり |
機能 | テンプレート機能 写真・音声添付機能 コメント・いいね機能 タスク管理機能 分析機能 勤怠管理連携 セキュリティ対策 バックアップ機能 データ分析機能 多言語対応 マルチデバイス対応 |
日々の業務の管理のため、社員に日報の提出を義務付けている企業は多いのではないでしょうか。 日報の形式はさまざまで、紙で管理しているところもあればExcelやスプレッドシートで管理しているところもあります。なかには部署によって日報の管理[…]
Stock(ストック)
Stockは、社内のあらゆる情報をストックできるアプリで、フリープランが用意されているのが特徴です。フリープランは機能に制限があるものの、無料で気軽に使えます。
シンプルな作りで扱いやすく、コミュニケーションの活性化にもつなげやすいのが特徴です。タスク機能やメッセージ機能を活用すれば、アプリ内に記載したテーマごとにコミュニケーションが取れます。情報が分散せず、整理しながらやり取りできるのが魅力です。
プラン | フリープラン:無料 ビジネスプラン:月額500円(税別)/1ユーザー エンタープライズプラン:月額1,000円(税別)/1ユーザー |
無料お試し | フリープランあり |
機能 | 情報共有 タスク管理 分析・レポート テンプレート機能 各種連携 (Googleカレンダー、Chatwork、Slackなど) セキュリティ対策 カスタマイズ機能 |
LINE WORKS(ラインワークス)
LINE WORKSは、LINEと同じ使い勝手でLINEユーザーであれば手軽に取り入れられるのが魅力です。リーズナブルな料金体系でさまざまなビジネスニーズに対応しており、日報アプリの導入が初めてでも簡単に扱えます。
タスク管理では期限を設定できるため、漏れや抜けを未然に防げます。LINEは多くの方が利用しているツールのため、社内でも浸透しやすいでしょう。
プラン | フリープラン:無料 スタンダード:月額450円(税別)/1ユーザー アドバンスト:月額800円(税別)/1ユーザー |
無料お試し | フリープランあり |
機能 | チャット ビデオ通話 音声通話 ファイル共有 アンケート タスク管理 スケジュール管理 ToDoリスト 名刺管理 |
ナレカン
ナレカンは、チームのコミュニケーションと業務効率化を目的としたアプリです。シンプルで使いやすいインターフェースで、初めてでも簡単に使い始められます。
直感的な操作で日報作成・提出・確認ができるほか、業種や職種に合わせたテンプレートが多数用意されているのも魅力です。
プラン | ビジネスプラン:月額600円(税別)/1ユーザー エンタープライズプラン:月額900円(税別)/1ユーザー |
無料お試し | あり ※期間は要問合せ |
機能 | 豊富なテンプレート 写真や動画の添付 コメント・いいね機能 分析機能 「記事」の作成 「質問」の作成 タグ付け機能 バックアップ機能 セキュリティ機能 |
日報くん
日報くんは、利用ユーザー数に合わせてプランを選べる日報アプリです。日報提出・稼働集計システムとして知られており、日報の作成だけでなく稼働の集計も同時に行えます。
クラウド型の日報提出・集計システムなので、テレワーク中の従業員も一緒に使える点も魅力です。マルチデバイスに対応しており、スマホやタブレットからも利用できます。
SSL/TLS暗号化や2段階認証といったセキュリティ対策も万全で、テレワークにおける情報漏洩のリスクも防げるでしょう。
プラン | ミニマムプラン:月額825円(税込) Sプラン:月額2,750円(税込) Mプラン:月額4,400円(税込) Lプラン:月額8,800円(税込) |
無料お試し | 1ヶ月の無料お試しあり |
機能 | テンプレート機能 コメント機能 自動集計機能 稼働集計機能 マルチデバイス対応 セキュリティ機能 入退室管理システム「入退くん」と連携 多言語対応 |
未来日報
未来日記は、シンプルなインターフェースと豊富な機能で、使いやすい日報システムです。無料お試しも用意されており、気軽に試すことができます。プランも豊富で、ユーザー数に合わせて最適なものを選べるのが特徴です。
クラウド型の日報アプリなので、いつでもどこでも日報を作成・確認できます。また、マルチデバイスに対応しており、インターネット環境があれば自由にアクセスできるため、社員の外出が多い企業にもおすすめです。
プラン | Aプラン(1~20ユーザー):月額6,600円(税込) Bプラン(21~50ユーザー):月額15,400円(税込) Cプラン(51~100ユーザー):月額28,600円(税込) |
無料お試し | 30日間の無料お試しあり |
機能 | 日報の作成・編集 写真や動画の添付 提出・承認機能 テンプレート機能 コメント機能 顧客管理機能 案件管理機能 分析機能 |
BeWorks(ビーワークス)
BeWorksは、プロジェクト管理とコミュニケーションに特化したグループウェアです。シンプルなインターフェースと使いやすい操作性で、チームワークを向上させられます。とくに、コミュニケーションの活性化を求めている企業におすすめです。
初期費用は無料で、ライセンス料+人数に応じた費用が発生するシステムとなっています。少人数の企業であれば、比較的安価で利用可能です。
無料お試し期間も設けられており、操作性や機能を試してから導入を検討できます。
プラン | 初期費用:無料 基本料金:月額5,500円(税込)/1契約 ライセンス料:月額1,100円(税込)/1ユーザー |
無料お試し | 14日間の無料お試しあり |
機能 | ファイル共有 ストレージ タスク管理機能 プロジェクト管理機能 コミュニケーション機能 日報作成機能 分析機能 |
Notion(ノーション)
Notionは、メモ・タスク管理・データベースなど、多岐に渡る機能を一元的に使えるクラウド型のアプリです。万能アプリとも呼ばれており、日報を作成・管理する際にも役立ちます。
無料のフリープランがあるほか、3つのプランが用意されています。有料プランは年払いにすることで、費用を抑えられるのが魅力です。SlackやGitHubなどとの連携が可能で、複数人でコミュニケーションを取りながら活用できます。
プラン | フリープラン:無料 プラスプラン:月額10ドル/1ユーザー ビジネスプラン:月額18ドル/1ユーザー エンタープライズプラン:要相談 |
無料お試し | フリープランあり |
機能 | メモ作成 タスク管理 ドキュメント作成 Slack・GitHub連携 データベース コメント機能 共同編集機能 権限設定機能 監査ログ機能 |
gamba!(ガンバ)
gamba!は、タイムライン形式で日報を閲覧できるアプリです。SNSのように、手軽に閲覧・コメントができます。チームで使う際にも管理がしやすく、日々の進捗をグラフなどで常に確認可能です。
KPI設定ができる機能が搭載されており、進捗や成果を投稿できるのも特徴です。必ず見て欲しい連絡がある場合に利用できる「読んでみて!機能」もあるため、コミュニケーションが取りやすいでしょう。
プラン | シンプルプラン:月額816円(税別)/1ユーザー |
無料お試し | 15日間の無料お試しあり |
機能 | 日報作成 写真や動画の添付 コメント機能 いいね機能 フォロー機能 タグ機能 テンプレート機能 目標設定機能 KPI設定機能 |
nanoty(ナノティ)
nanotyは、豊富な機能を備えた日報アプリです。シンプルなインターフェースと使いやすい操作性で、チームで手軽に日報を共有・管理できます。業務内容別の作業時間を集計できる機能があり、進捗や活動量の見える化を図れるのも特徴です。
プロジェクトごとの工数の自動集計や、週状況の変化をグラフで確認できる機能も搭載されています。時間を有効に使えるように見直せば、作業の効率化や生産性の向上が図れるでしょう。
プラン | スモールプラン:12,000円(税別)/1社(~20名) ミディアムプラン:26,000円(税別)/1社(~50名) ラージプラン:50,000円(税別)/1社(~100名) |
無料お試し | 15日間の無料お試し |
機能 | 日報作成 写真や動画の添付 コメント機能 いいね機能 タグ機能 テンプレート機能 KPI設定機能 ライトプラン テンプレート機能 コメント機能 分析機能 権限設定機能 監査ログ機能 |
日報アプリ導入のポイント
日報アプリを導入する際には、社員のITリテラシーを確認するほか、導入目的を明確にすることが大切です。以下で、詳しく見ていきましょう。
社員のITリテラシーを確認
日報アプリには、さまざまな個人情報が含まれるため、利用においては情報漏洩のリスクが伴います。そのため、事前に社員のITリテラシーを確認することが必要です。。情報を漏らさないためにも、アプリを浸透させる前に社内教育を実施しておきましょう。
日報アプリ導入のリスクや情報の管理についてなど、事前に教育をしておくことで情報漏洩のリスクを抑えられます。
導入目的の明確化
日報アプリを導入する際は、導入目的を明確にしておくことも大切です。導入目的が明確でなければ、自社の課題を解決できるアプリは選べません。
日報アプリの導入によって、どのような課題を解決したいのかを明確にし、その課題を解決できる機能が備わったアプリを選びましょう。
日報アプリで日報管理を便利にしよう
今回は、おすすめの日報アプリや導入のメリット、選び方などを紹介しました。日報アプリを導入することで、日報の作成時間の短縮やコミュニケーションの活性化などさまざまなメリットがあります。
日報アプリを選ぶ際には、使いやすさやセキュリティ対策に注目しましょう。また、自社の課題を解決できるアプリかどうか見極めることも重要なポイントです。
無料お試しが利用できるアプリもあるため、気になるものがあれば申し込んで比較検討してみるといいでしょう。