kintoneで煩雑な契約情報管理を効率化!各種機能も解説

kintone(キントーン)は、契約書の作成依頼から、作成した書面の添付・確認までをワンストップにできる契約書情報管理の機能が備わっています。
この契約書管理機能は、さまざまなビジネスシーンでニーズが高い機能です。なかでも、取引先として小売店(販売者)と販売店契約を結ぶ多店舗展開型の企業にとって、より高いニーズがあるとされています。
そこで、本記事では、契約情報管理のアプリのほか、売上管理や店舗の客注管理など、kintoneでできる店舗情報管理の機能についても紹介します。
契約情報管理を便利にするトヨクモのユーザー管理機能「Toyokumo kintoneApp認証」についても解説するため、契約情報管理を効率化したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
kintoneでできる店舗情報管理
契約情報管理を含む、kintoneで可能な店舗情報管理は次の通りです。
- 売上管理
- 店舗の客注管理
- 契約書管理
- 店舗日報
- 目安箱
ここからは、kintoneを利用することで可能な店舗情報管理について解説します。
売上管理
kintoneでは、サンプルアプリやプラグインを使うことで、取引先店舗の売上データを案件や取引先情報、受注内容とまとめて管理ができます。売上データの一元管理により、案件の進捗状況が見える化されるため、対応漏れや重複を防げるでしょう。
さらに、アプリ内でたまったデータは、棒グラフや円グラフ、折れ線グラフなどにグラフ化することが可能です。事前に計算式を入れておくことで、売上の予測も可能になることから、正確な予実管理にも役に立つでしょう。
店舗の客注管理
サンプルアプリにあたる店舗の客注管理アプリは、1つの画面で、取引先店舗より受け付けた注文を一括管理できます。具体的には、注文を受け付けた製品の発注・手配から、店舗への入荷や検品、顧客へお渡しまでのプロセスを管理可能です。
このアプリでは、入荷後の取引先店舗への連絡の履歴も併せて管理でき、情報共有漏れを防げます。さらに、受取希望日を入力することで、リマインド設定もできるため、注文の見落としをなくせます。
契約書管理
サンプルアプリの契約書管理アプリは、契約書の作成依頼から、作成した書面の添付・確認までをワンストップでできます。
このアプリでは、更新日や更新箇所を記録しておけるため、契約書の版管理が可能です。さらに、契約書管理で重要とされる作成や修正の経緯も、コメント欄に残せます。
店舗日報
サンプルアプリの店舗日報アプリは、取引先店舗と自社のスタッフ間で日報を共有できます。
このアプリでは、売上や客数などの実績に加え、取引先店舗への対応や検品などの引き継ぎ事項も漏れなく共有できることから、情報の一覧性に優れているのが特長です。
また、売上の推移をグラフ化するなど、レポーティングに活用できるのもメリットといえるでしょう。
さらに、日報アプリ上では、コメント欄を介して上長やほかのメンバーとのコミュニケーションが可能であり、日報へのフィードバックや内容についての確認が逐次できます。
目安箱
サンプルアプリの目安箱アプリは、店舗の気になる点(例:空調が寒すぎる/加湿器がほしい)や、自社の製品・商品についての改善アイデアを気軽に投稿できます。
このアプリでは、アクセス権の設定により、投稿者の匿名性を守れます。投稿者の匿名性を守ることで、忌憚なくアイデアを集められるでしょう。
また、投稿に対し、対応部署や担当者の設定も可能です。これにより、アイデアが活用されないままになってしまうのを防げるでしょう。
kintone単体の機能で複数店舗の管理は難しい
kintoneには取引先店舗の情報を管理できる機能はあるものの、kintone単体の店舗管理機能で複数店舗を管理することは、次の2つの理由から難しいといわれています。
- ライセンスユーザーでなければkintone内の情報は閲覧できない
- 1ユーザー単位の料金発生となるため店舗数が多いときのコストが大きくなる
ここからは、上記の2つの理由について詳説します。
ライセンスユーザーでなければkintone内の情報は閲覧できない
ライセンスユーザーだけが内部情報を閲覧できる点は、取引先の複数店舗の管理に不向きとされます。
複数店舗の管理には通常、マネージャーのみならず、一般社員やアルバイトが関わるケースが多いですが、その全員にライセンスを付与することは、ライセンス管理やコストといった面で負担が大きくなるでしょう。
社員をライセンスユーザーではなく、ゲストユーザーとしてkintoneに登録させる方法もあります。しかし、ゲストユーザーは、参加メンバーの追加や削除ができないほか、自分以外が作成したスレッドを削除できないため、kintoneを介した店舗情報管理で支障が出る可能性が大きいといえるでしょう。
1ユーザー単位の料金発生となるため店舗数が多いときのコストが膨大
kintoneに用意されたライトコースとスタンダードコースは、組織単位での精算はできません。いずれも1ユーザー単位で料金が発生します。
このため、店舗数が多いときは、コストが膨らみます。たとえば、2021年度の期末時点で2万1,205店舗のフランチャイズ店舗を全国に構えるコンビニのセブン-イレブン本部が1店舗につき3人ずつスタンダードコースでkintoneを登録させた場合、月額の使用料は、9,542万2,500円に上ります。
割引利用が可能なチーム応援ライセンスもありますが、このライセンスは、特定非営利活動法人(NPO法人)や任意団体などが対象です。一般企業は、コスト負担を減らしながらkintoneを利用する場合、何らかの工夫が必要となるでしょう。
kintone連携サービス『kViewer』で外部ユーザーによる情報閲覧が可能に
上述の通り、kintone単体の機能で複数店舗を管理するのは難しいのが事実です。
しかし、kintone連携サービス「kViewer」を利用することで、外部ユーザーによる情報閲覧ができるとともに、複数店舗の管理が容易になります。
それを踏まえ、ここからは、kViewerで実現できるメリットについて説明します。
kViewerを用いて取引先に情報開示し業務効率化
kViewerはkintone内の情報をkintoneのライセンスがない取引先に対して安全に情報開示ができることから、業務効率化に寄与するメリットがあります。
たとえば、kViewerで顧客専用のポータルサイトを構築することで、店舗ごとの在庫状況や過去のよくある質問といった情報の開示が可能です。
これにより、各店舗は電話やメールでの都度の問い合わせ対応を極力減らせるでしょう。
kintoneを導入していない店舗にも情報の開示が可能に
kViewerは前述のようにkintone内の情報をライセンス不要で外部に公開できることから、kintoneを導入していない店舗にも情報の開示が可能になります。
たとえば、kViewerの利用により、kintoneを導入していない店舗に対しても、各店舗の在庫状況や他店舗で起きたクレーム・トラブル事例、過去の問い合わせに対する応対者の回答などの情報共有が可能です。
こうした情報を事前に店舗同士で共有しておくことで、業務の効率性や業務品質の向上につながるでしょう。
Toyokumo kintoneApp認証で店舗ごとの情報開示が可能に
kViewerで作成したビューに簡単に認証制限をかけられるToyokumo kintoneApp認証を使うと、店舗ごとの情報開示が安全かつ簡単になります。
多店舗展開している場合、本社は全取引先(店舗)に対し、業績や店舗ごとの戦略など、各店の情報をすべて開示できるわけではありません。もちろん、開示できる契約情報の内容も店舗ごとに異なります。
その時、Toyokumo kintoneApp認証を使えば、各店舗のメールアドレス単位で開示する情報を細かく設定することが可能です。
情報を開示する範囲を決めた結果、情報の開示を受ける側もメールアドレスさえ把握していれば、販売戦略から契約情報まで、いつでも開示された情報を閲覧できるようになるでしょう。
kintoneとトヨクモ製品を組み合わせて効率的で安全な契約情報管理を
kintoneは、契約書の作成から、作成した書面の添付・確認までをクラウド上で完結することで、煩雑な契約書情報の管理を簡素化してくれます。
売上管理から店舗の客注管理とあわせて利用することで、高い業務効率化の効果を発揮してくれるでしょう。
kintone単体の機能で複数店舗の管理は難しいデメリットもありますが、kViewerを利用することで、課題を解消することが可能です。
さらに、Toyokumo kintoneApp認証の利用により、個別店舗に対する契約情報の開示ができるようになるでしょう。
本記事を参考に、kViewerやToyokumo kintoneApp認証といった関連のサービスや機能とあわせて、契約情報管理のアプリを利用し、業務の効率化につなげていただけますと幸いです。

トヨクモ編集部
kintoneを便利に活用する情報を発信|サポートチーム全員がkintone資格保有者|【クラウドで、もっと便利に。もっと簡単に。】をモットーに活動