皆様こんにちは、嶋田です。緊急事態宣言を受けて、弊社も多くのメンバーがテレワークをしていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。私は食いしんぼうなので、業務終了後、すぐに夕飯作りに取り掛かれるのは利点だなと思っています。20時までに夕飯を済ませた方が太りにくいらしいですし……(笑)
さて、突然ですが今回のテーマは「売上予測」です!!!
皆様の会社では売上予測は立てていますか?売上管理は行っているけど、それ以上は検討中とか、仕組みはあるけど使えていないなんて方もいるのではないでしょうか。
今回はkintoneを利用して、売上予測を立てることについて考えてみたいと思います。
なお、今回の設定方法に関しましてはこちらのヘルプサイトにて詳細の設定方法を案内しています。アプリのテンプレートもダウンロードできますのでご参照ください♪
◆ kintoneで売上予測を立てる
・手入力やExcelでの計算は不要!kintone上のクリックのみで売上予測データを計算します
◆ 売上予測を自動的に入力
・ワンクリックで自動集計を行う、もしくはスケジュールを設定して集計することや、リアルタイムに集計することも可能です
売上予測とは
予め決めた期間での売上を予測することです。売上目標と似ていますが、目標とは、到達したい、「これくらい売りたい」という期待を含んでおり、通常前年や前月を上回る数値を設定します。
対して売上予測は、過去のデータや現在所有しているデータを活用し、「現実的に達成できうる数字」として売上予測を算出します。
売上予測の出し方としては、一年前の売上利益に年間平均成長率を掛けるなど、様々な方法が考えられますが、今回はより現場に近い形で考えたいので、現在ある案件から、導入確度を勘案して売上見込みを計算する形で考えてみたいと思います。
kintoneで売上予測を行うときの課題
kintoneで売上管理や、案件の管理をされている方は多くいらっしゃるかと思います。案件が立ったら、1レコードずつ登録していく感じですね。アプリとしては、以下のようなものをイメージしてみました。
さて、いざここから、例えば月一の定例会議のために、売上予測を出すとします。kintoneの集計機能でも簡単な集計は出来ますが、これは「全て受注が立った時」のグラフになってしまっていて、実際にどの程度売上が立ちそうか、という集計は出来ません。
そのため、集計はスプレッドシート上で行っているとか、月一回Excelに出力して集計する、などの作業が発生します。このような手作業はミスが発生することもありますし、誰かが誤って書き換えてしまったり、最新の情報が見れなかったり、といった問題が発生します。
データコレクトを利用しての売上予測
データコレクトを利用すると、任意の計算式を設定して集計を行うことができます。そのため、確度別の係数を掛けた計算式を設定することで、簡単に、「どれくらいの売上が予測されるのか」を弾き出すことができます♪一度計算式を設定すれば、その後の集計は手間なくできますよ。
今回は「月ごとにどれくらいの売上が予測されるのか」を出してみたいと思います!
まず、売上予測のアプリはこんな感じで作成しました。kintoneの関連レコード一覧を使い、「当月の案件」で案件管理から案件を参照できるようにしています。
また、案件管理アプリから、月ごとの案件を紐づけるキーとするため、DATE_FORMAT関数を利用して「対象月」という文字列1行フィールドを設けています。設定は以下のような感じです。
同じように、案件管理のアプリにも、見込み日付を対象月に変更するフィールドを用意しておきます。
データコレクトの設定
案件管理アプリ、売上予測アプリをデータコレクトに登録し、売上予測のアプリにフィールド式を設定します。データコレクトの設定方法は割愛しますので、こちらをご確認ください。
+SUMIFS(案件管理!金額,案件管理!対象月,対象月,案件管理!確度,”=B”)*0.6
+SUMIFS(案件管理!金額,案件管理!対象月,対象月,案件管理!確度,”=C”)*0.2
案件管理アプリの中で、このレコードと対象月が同じレコードを抽出し、その中で確度がAの案件は90%の確率、Bの案件は60%の確率、Cの案件は20%の確率で入るだろう、という仮定で式を立てました。このレコードは5月のレコードですが、案件を確認してみましょう。300000*0.9+30000*0.6+800000*0.6+100000*0.2=788000なので、計算も問題なくあっていそうですね!
ワンクリックで自動集計
さて、データコレクトのJavaScriptを設定し、「売上予測」のアプリで「DataCollectする」を押してみましょう!
先程試算した通り、正しく値が入っていますね!案件が増えたときなども、「DataCollectする」を押すとワンクリックで集計ができます。
一覧画面で「まとめてDataCollectする」を押して、一括で自動集計することも可能です。
※ちなみにDataCollectでは「レコードを新規追加すること」は出来ないので、7月以降については、売上予測アプリに7月、8月…とレコードを足していく必要は出てきます!もちろん年初に12ヶ月分など、予めレコードを作成してしまっても問題ないです。
スケジュールで自動集計
集計を行うタイミングを指定して、その時間に集計を行うことができます。これを設定しておけば、会議前に慌てて売上予測の計算を行うことも、慌ててレコードを確認することもありませんね。今回は毎週月曜日の、みんなが出社する前の朝7時に、今年のレコード全てを更新するような設定にしてみました。
Webhookでリアルタイム集計
kintoneのWebhookの機能を利用して、レコードの追加などの操作が行われた際に、自動的に集計を行うことが可能です。
更新のきっかけとなる「入力元データアプリ」には、「案件管理アプリ」を指定します。今回、通知を送信する条件としては、「レコードの追加」「レコードの編集」を設定しました。これでレコードが追加されたときも、金額が変わってレコードを編集したときなどにもリアルタイムで集計が行われます。
一つ注意点があり、更新対象を「通知内容と一致するレコード」とする場合は、一致するレコードが1件でないと更新が実行されません。売上予測アプリは1か月1レコードで作成しているので、一致するレコードは1件になりますね。保存後、Webhookの設定を行い、実際に案件管理アプリにレコードを追加してみます。今回は200000円で確度Aのレコードを追加してみました!確度Aなので、0.9を掛けて計算することになります。200000*0.9=180000なので、788000+180000=968000で正しく売上予測金額が増えていますね!DataCollectのシステム画面の「更新履歴」から更新がされたかどうか確認もできます。Webhookからの更新の場合、更新者名が取得されないので「–」で表示されます。
設定方法とアプリテンプレートはこちらから確認いただけます。