kintoneの「ゲストユーザー」とは?活用するメリット・できること解説

kintoneのゲストユーザーは、ライセンスユーザーが「ゲストスペース」と呼ばれる指定した範囲のスペースのみを閲覧・編集できるユーザー権限、あるいはユーザーです。

自社の社員だけでなく、社外のパートナーやクライアントと不要な情報を外部に漏らすことなく、手軽に共同作業を進めたいケースに活用されています。

ただ、ゲストユーザーがもたらすメリットや、ゲストユーザーでできないことについて知らない方は多くはありません。

そこで、本記事は、kintoneのゲストユーザーについて説明した後、kintoneのゲストユーザーを活用するメリットや、ゲストユーザーでできないことについて解説します。

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kintoneの「ゲストユーザー」とは

出典:kintone「ゲストスペース・ゲストユーザー」

kintoneのゲストユーザーは、招待されたゲストスペース内の情報のみを閲覧・編集できるユーザー権限、あるいはユーザーのことです。

通常のドメインユーザーから、ゲストスペースに招待したい相手に招待メールを送付することで追加でき、削除もドメインユーザー側から可能です。

例えば、自社(ドメインユーザー)が顧客であるB社とのやり取りに使う「ゲストスペース」を立ち上げたとしましょう。

その後、自社はゲストスペースにB社の社員を招待します。すると、ゲストスペースは、自社とB社の社員のみが使用できるクローズドなスペースになるのです。

ゲストスペースは、クローズドなスペースなため、ゲストユーザーは招待されたゲストスペースの中の情報しか閲覧できません。

これにより、ゲストユーザーに社外秘の情報が漏れることはなく、企業はゲストスペースを活用して、安全に情報共有ができます。

kintoneのゲストユーザーを活用するメリット

kintoneのゲストユーザーを活用するメリットは次の5つです。

  • 外部との情報共有や承認作業が効率化される
  • ゲストによって閲覧できる情報の管理ができる
  • コミュニケーションを組織で管理できる
  • 社内外の関係者を巻き込んだ進捗管理ができる
  • ライセンスユーザーよりも安価

ここからは、それぞれのメリットについて解説します。

外部との情報共有や承認作業が効率化される

ゲストユーザー機能を活用することで、外部との情報共有はもちろん、ワークフロー(申請業務)における承認作業が効率化されます。

ワークフローにおける承認作業の効率化が可能なのは、ゲストスペースで申請書類の申請から各担当者間の承認、最終確認者の決裁に至るワークフローの構築ができるためです。

本来、企業がシステム開発やマーケティング事業などプロジェクトを進めるに当たって、外部とのやり取りを迅速かつ密にするのは、難しいものです。

しかし、ゲストスペース、ないしゲストユーザー機能の活用により、これまでは把握が困難であった承認フローやプロジェクト全体の状況、コミュニケーションが可視化されるとともに、容易になります

ゲストによって閲覧できる情報の管理ができる

ゲストスペース内のアプリはゲストユーザーを対象にアクセス権を設定できることから、ゲストユーザー機能の活用により、閲覧できる情報の管理が可能です。

閲覧できる情報の管理は、アプリ設定画面の「アクセス権」から、アプリごと、レコードごと、フィールドごとに設定できます。

ただし、ゲストスペース内のアプリでは、営業部や総務部といった「組織」単位や、任意で追加した「グループ」ごとにアクセス権が設定できません。アクセス権の設定は一人ずつ行ってください。

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外部とのコミュニケーションを組織で管理できる

ゲストユーザー機能を活用すると、外部とのコミュニケーションを組織で管理ができるようになります。

ゲストスペースは、ゲストスペースにアサイン中のゲストユーザーの一覧や、ゲストユーザーに関するライセンスの使用状況を確認できるためです。

電話やメールといった一昔前のビジネスコミュニケーションツールは、外部とのやり取りを組織で管理することが困難でした。

ゲストユーザー機能を用いれば、社内の誰が社外の誰と、どのようなやり取りを行っているかが可視化されるため、業務の進捗もゲストスペース内の全員が把握できます。

この点、ゲストユーザー機能は、会社の垣根を越える画期的なシステムだといえるでしょう。

社内外の関係者を巻き込んだ進捗管理ができる

ゲストユーザー機能を使うと、社内外の関係者を巻き込んだ進捗管理(プロジェクト管理)ができます。

具体的には、エクセルやメールなどで、バラバラに管理していたプロジェクト概要や進捗状況などをゲストスペースで一元管理したうえで、担当者やスケジュールを可視化することが可能です。

また、プロジェクト内で飛び交うタスク依頼や、それらの実行状況もリアルタイムに集計・可視化して業務生産性の向上が図られます。プロジェクトチームは、これまでのメール渦からも脱却でき、業務の属人化を防げるでしょう。

ライセンスユーザーよりも安価

ゲストユーザー機能は、ライセンスユーザーよりも安価に利用できます。ゲストユーザーとライセンスユーザーの月額使用料は次の通りです。

ライトコース スタンダードコース
ゲストユーザー 580円/1ユーザー 1,200円/1ユーザー
ライセンスユーザー 780円/1ユーザー 1,500円/1ユーザー

※上記は全て税抜き価格です

ゲストユーザーの利用料金は、招待するライセンスユーザーのコースに左右されますが、いずれの場合でも、ライセンスユーザーより2割程度割安になります。

作業や案件が限定されている社員やパート・アルバイト、業務委託は、ライセンスユーザーではなく、ゲストユーザー機能を活用することで、ランニングコストを抑えられるでしょう。

また、スタンダードコースのライセンスユーザーに招待されたゲストユーザーは、ライセンスユーザーと同じように、初月の料金が発生しません。プロジェクト期間が1ヶ月と短い場合は、実質無料でゲストユーザー機能を使えます。

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kintoneのゲストユーザーができないこと

kintoneのゲストユーザーができないことは次の通りです。

  • ゲストスペースの設定変更
  • ゲストスペースのお知らせ掲示板の編集
  • ゲストスペースの削除
  • 参加メンバーの編集
  • 自分以外が作成したスレッドの削除
  • 自分以外が作成したスレッド本文の削除
  • kintoneモバイルアプリの利用

ここからは、詳しい内容について解説します。

ゲストスペースの設定変更

kintoneのゲストユーザーは、ゲストスペースの設定が変更できません。

つまり、ゲストユーザーは、次の項目が設定できないことになります。

  • スペース名
  • スペースの参加/退会、スレッドのフォロー/フォロー解除を禁止する
  • アプリ作成できるユーザーをスペースに管理者に限定する
  • カバー画像の設定
  • ゲストスペースの参加者の追加

ゲストスペースのお知らせ掲示板の編集

ゲストユーザーは、ゲストスペースのお知らせ掲示板の編集ができません。

お知らせ掲示板は、ユーザーに共有したい情報を集約できるクラウド上のエリアです。営業の受注見込み金額や社員の月別活動量などをグラフで表示したり、見やすく使いやすいリンク集を作ったりし、ダッシュボードやポータルとして活用できます。

ゲストスペースで、このお知らせ掲示板を編集できるのは、ライセンスユーザー側に限られます。

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ゲストスペースの削除

ゲストユーザーは、ゲストスペースの削除ができません。

スペースを削除できるのは、スペース管理者とシステム管理者のみです。スペース管理者は、スペースのオプションメニューから削除できます。

参加メンバーの編集

ゲストメンバーは、参加メンバー(ユーザー)の追加・削除といった編集ができません。

参加メンバーの編集ができるのは、スペースの管理者だけです。現在のスペースの管理者からゲストユーザーへ管理権限を付与することはできない点にも、注意しましょう。

自分以外が作成したスレッドの削除

ゲストユーザーは、自分以外が作成したスレッドの削除ができません。

スレッドを削除できるのは、スレッドを作成したユーザーと、そのスレッドが所属するスペースの管理者だけです。

なお、スペースの作成時に自動で作成されるスレッドは、削除できません。

自分以外が作成したスレッド本文の削除

ゲストユーザーは、自分以外が作成したスレッド本文の削除ができません。

スレッド本文を削除できるのは、ゲストユーザー以外のコメントを書き込んだユーザーだけとなっています。

kintoneモバイルアプリの利用

ゲストユーザーは、kintoneモバイルアプリが利用できません。つまり、ゲストユーザーは、ブラウザー環境でしかゲストスペースを利用できないのです。

モバイルアプリでは、同じスペース内のユーザーとのコミュニケーションはもちろん、プッシュ通知機能の利用や情報の閲覧が可能です。プロセス管理機能における承認作業も実行できます。

この点、ゲストユーザーは、業務の効率化推進で不利なポジションにいるといえるでしょう。

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トヨクモの連携サービス「kViewer」で外部との情報共有が可能に

トヨクモで提供している複数のサービスのうち、今回紹介したゲストユーザーとの関連が深いのが、kintoneの情報をkintoneアカウントがない第三者にも公開可能にするkintone連携サービス「kViewer」です。

kViewerでできることやメリットは次の通りです。

  • kintone内の情報を複数のビュー形式で表示できる
  • ユーザー単位の料金体系ではない
  • IPアドレス制限・Toyokumo kintoneApp認証などによる強固なセキュリティ体制
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ここからは、それぞれのできることやメリットについて解説します。

kintone内の情報を複数のビュー形式で表示できる

kViewerは、ダッシュボード機能により、kintone内の情報を複数のビュー形式で表示できます。

ダッシュボード機能で作成できるビューは次の8つです。

  • リストビュー
  • ダッシュボードビュー
  • グラフビュー
  • 高度なグラフビュー
  • カードビュー
  • セグメントビュー
  • カレンダービュー
  • Myページビュー

上述の通り、ゲストユーザーは、お知らせ掲示板でグラフが作れませんでした。この点、kViewerのダッシュボード機能は、ゲストユーザーへのメリットが大きい機能といえるでしょう。

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ユーザー単位の料金体系ではない

kViewerは、ユーザー単位の料金体系ではありません。kintone1ドメインにつき、kViewer1契約で済むため、非常にリーズナブルといえるでしょう。

kViewerの利用料金は次の4つです。

  • ライトコース:6,000円/月
  • スタンダードコース:9,000円/月
  • プレミアムコース:15,000円/月
  • プロフェッショナル:24,000円/月
    ※価格は全て税抜き表記です

なお、kViewerは、初期費用が0円のほか、年間契約すると割引されます。

IPアドレス制限・Toyokumo kintoneApp認証などによる強固なセキュリティ体制

kViewerは、IPアドレス制限・Toyokumo kintoneApp認証などによる強固なセキュリティ体制が構築されています。

IPアドレス制限は、作成したビューにアクセス可能なIPアドレスを設定できる機能です。社内ユーザーのみにビューを公開したい場合などに利用できます。

Toyokumo kintoneApp認証は、ユーザーが作成したビューにアクセスする際、メールアドレスの認証制限をかけられる機能です。kViewerのプレミアムコースから利用できます。

Totokumo kintoneApp認証は一度認証を通ると、認証のかかったkViewerで作成したビューを、認証なしで行き来することが可能です。

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ゲストユーザー機能を活用してコスパの良い業務効率化を実現

ゲストユーザーは、外部との情報共有や承認作業が効率化されたり、外部とのコミュニケーションを組織で管理できたりするメリットがあります。

また、社内外の関係者を巻き込んだ進捗管理や、kintoneライセンスユーザーよりも安価な価格帯も魅力だといえるでしょう。

ゲストスペースの設定変更や、ゲストスペースのお知らせ掲示板の編集など、できない機能もありますが、一部機能は、kViewerで補えます。

kViewerは、kintoneアカウントがない第三者にも公開可能にする点でも、ゲストユーザー機能との相補性が高いため、ぜひ活用してください。


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