【トヨクモ歴10年のユーザーが語る】トヨクモ製品を使い続ける理由

トヨクモが主催する「トヨクモ kintone フェス 2024」は、25以上のkintone+トヨクモ製品の活用例を大公開する年に一度のオンライン+リアルイベントです。

2024年のテーマは「きっと、もっと好きになる、kintone」で、さまざまな業界で活躍中のユーザーからkintone+トヨクモ製品の便利な使い方をご紹介いただきました。

今回は、スペシャルゲストに株式会社利根川産業 経営企画部 取締役部長 利根川靖氏を迎えて、トヨクモ株式会社 取締役 開発本部長 木下とトヨクモ製品を使い続ける理由をテーマにトークセッションを行いました。

はじめに

木下:本日はトヨクモ歴10年のユーザーが語るトヨクモ製品を使い続ける理由と題しまして、利根川さんとのトークセッションをお送りします。はじめに自己紹介をお願いいたします。

利根川氏:利根川産業の経営企画室で取締役部長をしております、利根川です。

利根川産業は、「すべての人に快適でクリーンな世界を提供する」というミッションのもと活動している会社です。設立は1986年、資本金2,000万円、代表は私の父親の利根川満彦になります。

東京都足立区で23区を中心に事業系の廃棄物の収集運搬、処分リサイクルをしております。本日は短いお時間ですが、皆さんの気づきになれば幸いです。ぜひ、何かヒントを得て行動していただきたいと思っております。

IT製品導入前の運用体制

木下:まずは、トヨクモ製品を使い始めるきっかけになる出来事についてご紹介いただきたいと思います。

利根川氏:遡ること約12年前になりますが、当社では以下のようにまだまだアナログな部分が多くございました。用紙がなければ記録もなく、かなり属人化していた状況でした。

木下:今だと紙が未だに残っているという話もありますが、当時は申請用紙すらなかった状況だったんですね。

利根川氏:そうですね。基本的には人との会話という形で、今みたいにスマートフォンもなかったため、直接話すか電話が多かったと思います。

下記の画像は、当時スケジュール管理や整備点検表として使用していたホワイトボードの写真です。

利根川氏:メンバー全員のスケジュールをホワイトボードで管理していましたし、いつ点検したかなどの車輌点検の情報も手書きで管理していました。

また、私自身もExcelで作った紙のスケジュール帳を使っておりまして、今であればクラウドで自動で同期できますが、当時は手動で同期していましたね。

2012年:情シスが逃走

木下:ホワイトボードで管理されていたのは、いつ頃になりますか?

利根川氏:2012年になります。実は、これがIT製品導入のきっかけにもなるのですが、同年の9月に情シスが逃走するという事件が起こりました。

木下:どのような出来事だったのか教えてください。

利根川氏:当時、社長の知り合いの外部の個人事業主の方に、物理サーバーやデータベースおよびドメインの管理をすべてお任せしていました。

2012年の9月、その方と急に連絡が取れなくなったのです。ちょうどドメインの更新時期ということもあり、メールも使えずホームページも見れないという状況になってしまいました。

木下:そうなると事業にも影響が出ますし、どうしたらいいのか分からなくなりますよね。基本的には、その方だけですべてのIT関連の管理をされていたのでしょうか?

利根川氏:そうですね。PCの購入もその方に頼っていましたし、サーバーも組んでいただいていました。

サーバーは生きていたものの、もし壊れてしまうと私ではどうしようもできなかったので、とても不安になったことを覚えています。

kintoneを導入した経緯

木下:情シスの逃走がきっかけとなり利根川さんの挑戦がスタートされたということで、こちらが時系列表になります。

 

2013年:1人情シスとしてkintoneを導入

木下:情シス逃走が2012年とのことでしたが、翌年の2013年にはkintoneを導入されたんですね。どのようなきっかけやアイデアがあって、kintoneをやってみようと思われたのでしょうか?

利根川氏:元々、私もスケジュール管理や社内の課題の部分で変えていかなければいけないと感じていることがありました。

元々サイボウズ Officeというクラウド版のグループウェアに興味を抱いておりましたので、情シスが逃走したタイミングを機に一気に社内に導入しました。

最初はサイボウズ Officeを契約したものの、ちょうどその頃kintoneが出始めで、より柔軟にいろいろなことができそうだと感じたのでkintoneに切り替えました。

木下:当時、kintoneは今ほど日本で広がっていなかったと思います。

当時の新製品を導入されたことになりますが、それまで利根川さんはいわゆる情シス業務やITでの仕事経験、もしくは勉強などはされてこられたのでしょうか?

利根川氏:まったくしていないですね。当時は社内に詳しい人間もいませんし、PCやシステムも言われた通り買っていて、不要なソフトなどもいっぱいありました。

私も二代目なので、会社を引き継ぐにあたって、そういった部分もしっかり整備していかなければいけないと思い、勉強していきました。

信頼の獲得が業務改善に繋がった

木下:2012年の出来事をきっかけに、ご自身で情報収集をされたり勉強されたりして情シスとしての業務をやられるようになったということですね。

短期間で知識を身につけて、なおかつ最新のサービスを導入するということは、なかなか簡単ではないと思います。何か工夫や日頃意識されてきたことはありますか?

利根川氏:やはり中小企業なので、私も会社を継ぐにあたって全体的に仕事を覚える必要があり、仕事を覚えていく上で課題も見つかってきました。

また、社長の息子として会社に入ったので、まずは従業員から信頼を獲得しなければいけないという部分で、皆さんの困り事の話を聞いたり、提案したりなどはしていました。

環境を改善すれば皆さん喜ばれますし、従業員とコミュニケーションを取り、信頼を獲得していった結果として業務改善に繋がったのだと思います。

木下:改善を続けることで身近な人が喜んでくれるというのも、ノーコード・ローコードツールと呼ばれるものの楽しさややりがいがある部分なのかもしれないですね。

トヨクモ製品の導入経緯&活用方法

木下:現在、利根川さんにはPrintCreatorFormBridgekMailerkViewerの4製品をご活用いただいております。ここからは、製品ごとの導入経緯と活用方法についてお話しいただきたいと思います。

2015年:PrintCreator導入

木下:まずは、2015年にPrintCreatorを導入していただきました。どのようなことをやりたくて導入されたのでしょうか?

利根川氏:「kintoneの印刷機能を補完するならPrintCreatorが良い」という情報を嗅ぎつけて導入しました。当時は今ほどイベントもないですし、情報発信も盛んではなかったので、確かネットで拾ってきた情報だと思います。

別製品となるとお金がかかりますが、より活用が進められるということで私はすごいワクワクしましたし、新しいアイテムを手に入れたような気持ちになったのを覚えています。

木下:楽しみながら、いろいろと業務改善をされたんですね。

2020年:FormBridge/kMailer導入

木下:5年後となる2020年にFormBridgeとkMailerの2製品を導入していただきました。やはり、これはコロナ禍の影響があったのでしょうか?

利根川氏:そうですね。コロナで社会活動も停止しましたし、私自身も会社にいる時間がすごく増えました。

元々タイミングを見計っていたのですが、Webからの集客を強化するというときに、まさに必要なサービスの組み合わせだということで導入を決めました。

木下:なるほど。FormBridgeで作成したフォームをHPなどに載せて集客されているのでしょうか?

利根川氏:そうですね。こちらが実際の画面になります。

廃棄物の収集や処分のために、お客様の情報をお聞きしなければいけないので、問い合わせフォームをFormBridgeで作って、そこからkintoneに情報を集約できるようにしています。

木下:kMailerも同時に導入されていますよね。こちらは、kMailerを使ってFormBridgeからの自動返信メールを自社のメールアドレスから送信するために使われていると思います。

当時、この発想を最初からするのは難しかった気がするのですが、どういったきっかけでこの仕組みを取り入れてみようと思われたのですか?

利根川氏:Cybozu Daysやトヨクモのブログなどを通じて、いろいろな使用例を見ることができたので、そういった情報から組み合わせが有効的だと判断してkMailerも導入しました。

木下:やはり、事例などを読まれると自分もできるのではないかと考えるきっかけになるのでしょうか。

利根川氏:そうだと思います。皆さんいろいろ使い方を工夫されているので、新しい使い方に気づけますよね。

あとは、私もkintoneなどを導入してから結構時間が経っているので、昔の熱意を呼び戻すために情報に触れるようにしている節があります。

2023年:kViewer導入

木下:2023年にkViewerを導入いただきました。取引先とのメールでの情報共有とお伺いしていますが、具体的にはどのようなことをされているのでしょうか?

利根川氏:kViewerについては、取引先から「リサイクルした商品の証明として、明細と一緒に写真を共有して欲しい」というお話を受けたことがきっかけになります。

1日に2〜30個ほどと膨大な量を共有することになるため、メールでの共有は難しいところがあります。

元々kintoneに情報を管理しているアプリがあったため、そのアプリのレコードに写真を添付してkViewerで外部に公開すれば良さそうだと思い導入しました。

木下:ありがとうございます。確かに何十枚も送るのは大変ですし、間違って違う写真を送ってしまう事故も起こりかねないので、すごく有効的なkViewerの活用方法だと思いました。

業界内での差別化に成功

木下:ここまで10年に渡って1人情シスとして活動を続けてこられたわけですが、同業他社と比較して、作られたITの仕組みはいかがでしょうか?

利根川氏:我々の業界はITなどには非常に疎く、当社でも情シスがいなくなり、社内にできる人間がいなかったため、私が変えていかなければならないと思い動き続けてきました。そのため、業界の中では非常に詳しい人間だと思われています。

ITを駆使して素早い対応ができたり、いろいろな情報を蓄積してさまざまなサービスができていたりするため、そういった意味では差別化ができているのではないでしょうか。

社内での働きやすさおよび取引先にとっての利根川産業への信頼にも繋がっていると感じています。

木下:社内だけでなく、社外においても効果が出て、業界の中でも一目置かれる存在になってきたというのは、10年1人でやってこられた実績としてはすごく大きいと思います。

振り返り

利根川氏:今回のお話の振り返りとして3つポイントをまとめました。

  1. しっかりと自分で考えるべき
  2. ルールを設けて、誰でもできるように体制を整えるべき
  3. しっかりした業者と付き合うべき

情シスがいなくなってパニックになりましたが、やはり丸投げではなく、しっかりと内製化して自分でやらなくてはいけないと感じました。

また、社内でルールを設けて、誰でも代わりができるようにすることも大切です。もちろん、業者に依頼するのであれば、しっかり選定するべきだなというのも強く感じましたね。

木下:業者の選定についてお話がありましたが、最終的にはご自身で育ててこられたということで、そうできるのもkintoneと連携サービスの強みだなと今聞いていて思いました。

新しくサービスを導入するとなると、そこから数ヶ月や1年という時間軸になってしまいがちです。一方、kintoneと連携サービスであれば、まさにその日から業務改善ができたり、思いついたことをすぐに試せたりするので、そこに強みがあることを再認識いたしました。

トヨクモ製品の変遷

木下:ここからはトヨクモのプロダクトマネージャーをしている私の方から、トヨクモ製品がこの10年間でどのように変わってきたかを振り返っていきたいと思います。

今回は、利根川さんにもご活用いただいているPrintCreator、FormBridge、kMailer、kViewerの4製品に絞ってお話しさせていただきます。

PrintCreator

木下:はじめにPrintCreatorになりますが、この10年間で以下の画像のようにUIが変わってきました。

木下:ここ最近、複数枚帳票をすべて一連の帳票として扱えるようになるというアップデートをして、このようなUIに変わりました。PrintCreatorにおいて、私としては細かい改善を大事にしています。

エレメントの一括編集や「元に戻す/やり直す」などの機能が該当しますが、細かく設定をやっていく必要がある製品のため、細かい使い勝手にこだわって開発を続けてきています。

FormBridge

木下:FormBridgeについては、以下のように変わってきています。左下、2012年の画像は前身となるフォームクリエイターという製品の画像です。

木下:最近はHPも新しくいたしまして、徐々に洗練されたUI、洗練された見た目になってきていると思います。

FomrBridgeはPrintCreatorと違い、最初から多くの機能がある製品でした。その問題点として、どこに何の機能があるのか分かりにくいというものがあります。

そのため、こんなことができますよということを、もっと発見しやすく、分かりやすくするための改善をしてきています。

kMailer

木下:kMailerは2018年にリリースした製品になりまして、現在以下のようなUIになっています。

木下:FormBridgeやkViewerなどと連携して使っていただくことが多いため、似たデザイン・UIにしています。

他製品を触ったことのある方が、kMailerを触ったときに「似ているな」「使えそうだな」と同じ感覚で使っていただけることを意識して変えてきております。

kViewer

木下:最後にKViewerになりますが、kViewerも先ほどのkMailer同様に他製品と同じような形でUIが変わってきております。

木下:Toyokumo kintoneApp全体の体験として、同じような製品として感じていただけることを意識しています。仮想待合室の機能やビューの種類を追加するなど、さまざまなユースケースで簡単に情報公開ができることを目指して開発を続けてきています。

テンプレートギャラリーの紹介

木下:最後になりますが、現在テンプレートギャラリーという機能の開発を予定しております。

木下:こちらは、多くの方に共通するような素材やカスタマイズのテンプレートをダウンロードして簡単に使えるものとなっております。

例えば、フォームやビューのCSS/JavaScriptカスタマイズ、kMailerですぐに使えるHTMLメールのテンプレートなどを公開いたします。

業務に合わせてダウンロードしていただき、より簡単に業務改善に役立てていただけるようなものを作ろうと考え、現在実装を進めております。

最後に

木下:最後に利根川さんから、これから業務改善を進めていこうと考えられている方に向けてメッセージをお願いいたします。

利根川氏:私もいろいろな危機をきっかけに現在のような状況になりましたが、基本的には前向きな姿勢で失敗を恐れずにチャレンジしていくことが大事だと考えています。

私は従業員から信頼されるために取り組みましたが、業務改善となると大きな話になってしまうので、PCの便利な操作を教えてあげるみたいなことからでも全然いいと思います。

いきなり大きなことをやろうと思うと大変なので、そうしたスモールスタートから徐々に階段を登ってください。

そうしていろんな人とコミュニケーションを取り、社内で繋がっていくと、いろんな繋がりが見えてくるはずです。それを起点にして、本当に業務改善と言われるようなことに取り組んでみてください。

kintoneやトヨクモ製品を使えば、課題に対して柔軟な対応を適応していくことができますので、ぜひ皆さんもご活用いただいて会社をより良くしていただければと思います。

利根川産業からのお知らせ

利根川氏:利根川産業では、廃棄物の収集リサイクルを行っております。何かお困りな方がいれば、ぜひHPからお問い合わせください。

また、kintone関係で何かお困りの方も私でアドバイスできるようなことがあれば、ぜひ雑談でもしたいと思いますので、お気軽にご連絡いただければと思います。

また、SNSで各種情報発信を行っております。TikTokが若い方に向けて非常に有効な媒体ということで、当社も廃棄物業界のイメージアップのためにも力を入れております。

現在フォロワー数も2万人※を超えておりますので、ぜひお時間あるときに見ていただいて「いいね」や共有をしていただけますと幸いです。本日はありがとうございました。(※2024年8月時点)