【警備業DX】ITスキル不問!トヨクモ×GASで「入力させない」報告システムを構築したアースセキュリティの逆転発想
目次
ユーザー会でのLT(ライトニングトーク)登壇の様子をレポート!
この記事はユーザー会でのアースセキュリティ株式会社 中西さんのLT(ライトニングトーク)登壇の様子をお届けするレポート記事です。
今回は「ITスキルを問わずに使える報告システムを構築した話」をテーマにご登壇いただきました!
警備報告書の提出・管理で抱えていた問題
アースセキュリティ株式会社は、雑踏警備・交通誘導・イベント警備などのサービスを展開している大阪の警備会社です。
本日は、「トヨクモkintone連携サービスで夢を見た話」と題して、トヨクモのFormBridgeとkViewerを活用し、報告書の提出をデジタル化した事例をご紹介します。
当社のメインとなる交通誘導警備の業務では、お客様からご依頼をいただき、その依頼に基づいて警備員が当日現場に向かうという、派遣業に近い形態を取っています。
業務後、警備員が現場でサインをもらった「警備報告書」を当社に提出することで、勤務実績が確定し、請求や給与の金額が決まるため、正確なチェックが欠かせません。
当社では、kintoneで稼働予定を管理しており、担当者が毎日100枚以上の紙の報告書とkintoneの画面を1枚ずつ見比べながらチェックする運用を行っていました。
ただし、この運用には、大きく以下の4つの問題がありました。
- 報告書の提出のためだけに警備員が出社しなければならない
- 担当者がチェック時にミスを起こしやすい
- 紙の書類が物理的な場所を取る
- 書類の破損・紛失リスクがある
さらに、雨に濡れてにじんだり、くしゃくしゃの状態で提出されたりする報告書も多く、担当者を悩ませていたのです。
LINEでのデジタル化を試みるも失敗
最初に試みたのは、LINE公式アカウントを使い、警備員に報告書の写真を送ってもらう方法です。
しかし、この方法は新たな問題を生んでしまいました。
まず、これまで通り紙で直接提出する人とLINEで画像を送る人が混在してしまうようになりました。
それを受けて、チェック担当の事務員が、画像か紙のどちらかに統一しようとした結果、受け取った画像をすべて印刷して、すべて紙で処理するようになってしまったのです。
結果として、紙の印刷コストだけが増えるという本末転倒な状態に陥りました。
それならば画像で統一して欲しかったのですが、振り返ると「とりあえずLINEでやってみましょう」と、若干雑でその場しのぎな提案をしてしまったと反省しています。
FormBridgeとkViewerで報告書フォームを構築
失敗を踏まえて、今度はToyokumo kintoneApp認証を活用したFormBridgeとkViewerによる報告フォームを構築することにしました。
仕組みの全体像は、以下のようにシンプルです。
まず、警備員がLINE公式アカウントのリッチメニューから「日報提出」ボタンをタップし、FormBridgeのフォームに遷移します。
この際、Toyokumo kintoneApp認証でログインしてもらうことで、kintoneアプリで管理している情報と紐付けて、自動で勤務情報などを入力できます。
参照:【フォームブリッジ】1,000人に1,000通りの初期値を自動でフォームに入力できます!
最後に、警備員が残業時間などの情報をフォームに入力し、報告書の写真を添付して送信すれば、ユーザーと紐付いた状態でkintoneアプリに直接登録されるという仕組みです。
これなら、事務員がkintone上で簡単にチェックできるようになり、紙の束と格闘する必要がなくなります。
「ログインすること」が壁だった
Toyokumo kintoneApp認証を用いたフォームを構築したことで、今度こそ解決だと思ったのですが、現実はそう甘くはありませんでした。
構築したフォームにおける警備員側の操作を分解すると、以下の4ステップになります。
- LINEを開く
- ログインする
- 入力する
- 画像を撮る
警備員の方々は、LINEを開くこと、写真を撮ることはできます。
問題は、Toyokumo kintoneApp認証でのログインと、フォームへの入力です。
Toyokumo kintoneApp認証でログインするには、メールアドレスを入力して、送られてきたメール内のリンクをクリックする必要があります。
対して、警備員はITに不慣れな方が多く、「ブラウザって何?」「メールってどこから見るの?」といった質問が飛んでくるレベルです。
さらに、老眼で画面が見えない、手が震えて文字が打てないという物理的な壁まで立ちはだかりました。これではログインできず、入力も困難です。
しかも、警備員は約200名いるのに対し、対警備員のヘルプデスクはわずか1人。
「これは現実的じゃない」と判断せざるを得ませんでした。
トヨクモkintone連携サービスとGASを連携し、作業不要の仕組みを構築
どう解決するのか悩んだ末、諦めることにしました。
正確には、できないことはできないと考え、「ログイン不要で、文字も打たなくていい仕組み」を構築することにしたのです。
結果、GAS(Google Apps Script)を活用した新しい仕組みを構築しました。
※Googleが提供する無料のローコードツール。開発環境不要で、各種サービス連携や作業の自動化ができる。
こちらが、新しい仕組みの全体像です。
この仕組みを動かす上でのポイントは、以下の3つになります。
- パラメーター入りURLの動的生成
- 最小限の入力項目
- 事務員側での手動ルックアップ
1つ目は、パラメーター入りURLの動的生成です。
LINEのリッチメニュー上のURLをGASで動的に生成し、FormBridgeのURLにパラメーターとして従業員IDを埋め込みます。
こうすると、フォームを開いた時点で自動的に本人の従業員IDが入力された状態になるため、警備員が自分の名前を入力する必要がなくなります。
参照:カスタマイズ不要!フォームのURLごとに回答を判別する方法
2つ目は、入力項目の簡略化です。
警備員が手動で入力する項目を、可能な限り簡略化しました。
稼働日(カレンダー選択式)と日報画像(報告書添付)の2つだけをフォームに残し、日付も当日のものが自動入力されるようにしています。
これにより、文字の入力は基本的に必要なくなりました。
そして、3つ目は事務員側での手動ルックアップです。
警備員から届いた報告書画像のレコードに対して、事務員が手動でkintoneルックアップを実行し、案件と稼働情報を紐付ける運用にしました。
完全な自動化ではありませんが、紙の書類と格闘する手間に比べれば大きな改善です。
一見複雑に見える仕組みですが、実装は入社予定のインターン生が1人でできるほどシンプルな作りになっています。
kintoneをデータベース、FormBridgeを入力フォーム、LINEをログインの識別とナビゲーション基盤として、それぞれの責任範囲を明確に分けました。
GASは、各製品をつなぎ合わせるだけの最小限のコードで済んでいるため、最低限のリソースで実行可能です。
まとめ
今回の仕組みでは、情報を外に出さないようセキュリティを確保しつつ、LINEのように現行の基盤をそのまま使うことで、移行後のギャップを最小化しています。
これなら、警備員にかかる負担を抑えつつ、構築にかかるコードも最小限にできるため、ユーザー・管理側の双方がハッピーになれる仕組みが作れたと考えています。
現実では、妥協が大事です。「なくす」のではなく、「責任を減らす」という考えを持ってみるといいのではないでしょうか。
今回の場合だと、「紙」が事務員・警備員・取引先まで含めたコミュニケーションツールになっていました。
そこで、紙が持つ広い責任範囲を削り、ただの入力フォームにして、電子データの責任範囲を増やすことが大事だと考えたのです。
ここまでお話ししましたが、こちらの仕組みは、まだ完成しただけで運用に至っていません。これから展開していく予定なので、うまくいくよう祈っていただければ幸いです。
今回は以上になります。ありがとうございました。
ご登壇ありがとうございました!
明日から真似できそう!と思えたご活用Tipsは見つかりましたでしょうか。
中西さんの「『なくす』のではなく、『責任を減らす』」という言葉に少し心が軽くなった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
試行錯誤のヒントを、ぜひこちらのご登壇からゲットしていただければと思います。
今回お話しの中でご紹介いただいたFormBridge、kViewerは30日間のお試しを何度でもご利用いただけます。
それぞれの製品で何ができるかについては以下の動画にてご紹介しております。
また、過去のユーザー会の登壇レポートまとめはこちらからご覧いただけます。
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