kintoneで名刺管理を楽に!プラグインや連携サービスも紹介
名刺管理ができるアプリやツールをお探しの方におすすめなのが、kintone(キントーン)です。
kintoneは、プログラミングの知識なしで簡単にアプリを作成できるサービスです。名刺管理アプリを作ることもでき、さまざまなプラグインと連携すれば、自社にぴったりな形態で多くの名刺を楽に管理できるでしょう。
今回は、kintoneでアプリを作成する流れ、名刺管理に役立つプラグイン・専用拡張サービス、連携可能なサービスをご紹介します。「kViewer」を用いたオンライン名刺の作成方法などもご紹介しているため、オンライン上で名刺管理を行いたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
名刺管理の方法
名刺管理の方法は、名刺ホルダーなどで紙の名刺を物理的に管理する「アナログ管理」と、デジタル化してオンラインで管理する「デジタル管理」に大きく分けられます。
アナログ管理は名刺の枚数が少なければ手軽に行うことができ、管理するためのコストも抑えられるのがメリットです。その一方で、チームでの情報共有のしにくさや紛失リスクなどの課題があります。
しかし、デジタル管理ならその課題を解決できるでしょう。
なお、デジタル管理の手法はExcel、Googleスプレッドシート、名刺管理アプリなどがあります。
名刺管理をオンラインで行うメリット
名刺管理を紙からオンラインに切り替えることで、以下のようなメリットを得られます。
目当ての会社や人物を簡単に見つけ出せる
紙の名刺を管理するときの困りごとといえば、やはり名刺を探す「手間」でしょう。「この間のあの人の名刺はどこにあった?」「前にもらったことがあったはずだけれど……」と、あちこち探した経験がある方は少なくないでしょう。また、受け取ったままで整理や管理ができていないこともあるかもしれません。
オンライン上で名刺管理を行っていれば、名刺の情報がすべてデータベース化されているため、目当ての情報を簡単に、かつ素早く見つけ出すことができます。また、検索条件を指定すれば、会社名や担当者名から名刺データを検索することも可能です。名刺を探す無駄を省ければ、業務の効率化にも寄与するでしょう。
個々の人脈が会社全体に共有される
オンライン上でデータベース化した名刺情報は、チームや部署などで共有することもできます。個々の人脈が可視化されることで、より効率的な営業活動に繋げられるでしょう。「チーム内に面識のある人はいないが、別の営業担当者が面識を持っているかも……」といったケースでは、とくに役立つ可能性があります。
また、異動や退職に伴って担当者が交代する場合にも、オンラインで名刺情報を共有していれば、顧客情報の引き継ぎが容易にできます。過去の商談内容などをデータに残しておくことで、後任の担当者もスムーズに業務を進められるでしょう。
いつでもどこでも情報を閲覧できる
現在主流となっているオンライン名刺管理ツールは、クラウド型と呼ばれるものです。インターネットに繋がるデバイスがあれば、いつでもどこでも情報にアクセスすることができます。
外出時や移動中などにも名刺データをチェックできますので、急な訪問が決まったときはスマートフォンでさっと閲覧して営業先へ、といった使い方も可能です。
もちろん、名刺の登録も外出先からできますので、データの入力をうっかり忘れていた、などのミスも減らせるでしょう。
情報が最新のものにアップデートされる
紙ベースの場合、名刺管理は個々の担当者に委ねられていることが一般的です。そのため、以前受け取った名刺情報がそのままになっているケースも多くあるでしょう。しかし、名刺交換した相手が部署異動していたり、役職が変わっていたりといったことは決して珍しくありません。
オンライン名刺管理ツールは、担当者が名刺を交換するたびに最新の情報にアップデートされます。部署が変わっていたことに気づかず連絡してしまった、同じ人物に営業をかけてしまった、といったトラブルを防ぐことにも繋がります。
あらゆる業務をシステム化できる「kintone」なら名刺管理アプリも作成可能
kintoneとは、プログラミングなどの知識なしで簡単にアプリを作成できるサービスです。業務のシステム化が可能なため、既にkintoneを活用している方もそうでない方もスムーズに名刺を管理でき、以降の営業活動にも役立てられるでしょう。
アプリを作成する流れ
ここでは、名刺管理アプリを自分で作成する方法とその流れをご紹介します。
なお、アプリストアにはさまざまなサンプルアプリが用意されていますので、それをベースにしてカスタマイズを加え、より実際の業務にフィットするようアレンジすることも可能です。
【①名刺管理アプリに登録する項目を決める】
まずは、どのようなデータを名刺管理アプリに登録したいか、必要な項目をリストアップします。例としては、以下のようなデータが挙げられます。
- 会社名
- 部署名
- 氏名
- 役職
- 郵便番号
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
- 名刺交換日
- 自社の担当者名
- 名刺画像
【②kintoneでアプリを作成する】
続いて、kintoneでアプリを作成します。まずはアイコンやアプリグループを設定し、次にデータの入力フォームを作成します。kintoneは、ドラッグ&ドロップの操作だけで項目の配置や並び順を設定できます。入力する内容に合わせて、日付型・文字列型など適切なデータ型を指定しましょう。
【③機能拡張】
作成した名刺管理アプリをさらに便利に使うには、プラグインを追加します。たとえば、一覧検索プラグインを追加すると、会社名や氏名で検索できるようになりますので、より効率的にアプリを活用することができます。
プラグインを追加すれば利便性アップ
kintoneには、さまざまなプラグインや連携サービスが用意されています。これらを上手に活用することで利便性がアップし、より自社に合った名刺管理アプリになるでしょう。
kintoneでの名刺管理に役立つプラグイン・専用拡張サービス
ここでは、kintoneでの名刺管理に役立つプラグイン・専用拡張サービスをご紹介します。
本見出しでご紹介するもの以外にも、kintoneには豊富なプラグイン・専用拡張サービスが存在します。詳しくはこちらのページをご覧ください。
AI名刺解析プラグイン
『AI名刺解析プラグイン』は、スマートフォンで撮影した名刺の画像を、AIを用いたOCR解析機能で電子データ化し、各項目をkintoneに自動で取り込んでくれるプラグインです。スマートフォンさえあれば簡単に登録できるため、名刺交換後すぐにチームへ共有できます。
本プラグインは2024年6月のアップデートによって、解析精度が90%も向上しました。
kViewer
『kViewer』は、kintoneのライセンスを持たないユーザーにも情報を共有できる連携サービスです。顧客や協力会社とのやり取りを外部公開するための公開ビューを作成したり、自身のプロフィールページをオンライン名刺として共有したりできます。
作業の進捗状況や売上情報の共有などにも役立つでしょう。
オンライン名刺の作成方法については後述します。
名刺管理アプリpew
『名刺管理アプリpew』は、スマートフォン版の名刺管理アプリです。本アプリで名刺を撮影すれば、自動的にkintoneにも登録されます。編集も可能であり、また、ほかの営業担当者が登録した名刺データも閲覧できます。
自分が登録した名刺から絞り込んで検索したり、ワンタッチで電話帳へ登録できたりなどの機能があるのもうれしいポイントです。
検索拡張プラグイン
『検索拡張プラグイン』は、一覧画面の上部に検索窓を追加できるプラグインです。設定画面では、検索条件を追加したりレイアウトを設定したりできます。直感的に操作できるため、導入することでkintoneの扱いに慣れていない方も簡単に情報を探せるようになるでしょう。
kintoneと連携できるサービス
続いては、kintoneと連携できるサービスや、連携に必要なツールをご紹介します。既にほかのサービスを利用している方は、とくに知っておきたい内容です。
その他の連携サービスについては、こちらのページをご覧ください。
HotProfile(ホットプロファイル)
『HotProfile(ホットプロファイル)』は、名刺管理・マーケティング施策・営業支援(SFA)の3領域をサポートするツールです。名刺情報のデータ化はもちろん、Webフォームからの申し込みやお客様リストなど、散らばりがちな顧客データを一元管理できます。
企業ごとの組織ツリーを自動で生成してくれるため、どの顧客とどの社員が接触しているのかまで瞬時に把握できます。
Sansan with kintone
『Sansan with kintone』は、『Sansan』の名刺データをkintoneへ一括登録できるプラグインです。Sansanをご利用中の方は、このプラグインを利用することで二重管理を解決できるでしょう。
メールアドレスをキーにして両データを紐づけ、一括更新することも可能です。
Eight Team
『Eight Team』は、中小企業向けの名刺管理サービスです。スマートフォンで名刺を撮影するだけでデータをチームと共有できます。シンプルな操作性で、名刺にタグをつけて整理できるのも魅力です。
既にご利用中の方はボタン1つでkintoneと連携できるため、手動で一つひとつ入力し直したりデータを取り込んだりする手間がかかりません。
アルテマブルー for kintone 連携オプション
『アルテマブルー for kintone 連携オプション』は、法人向け名刺管理サービス『アルテマブルー』の情報をkintoneへ展開するアプリです。情報が重複しないよう、「名寄せ機能」や「二重登録防止機能」が搭載されています。
『アルテマブルー』は名刺データのOCR処理後にお客様自身で入力・修正できる「ゼロモード」と、OCR処理後にオペレーターが入力補正などを行う「フルモード」があります。
そのほか、人脈の可視化や日々の活動履歴の記録など、名刺管理以外でも役立つ場面が多いでしょう。
SKYPCE
『SKYPCE』は名刺データを正確に取り込み、営業活動に活かせる営業名刺管理サービスです。東洋経済新報社、東京商工リサーチが提供する信頼性の高い情報を活用できるため、営業計画の立案や訪問先に応じた提案内容の準備にも重宝します。
登録した情報は、kintoneで作成した名刺管理アプリに取り込むことが可能です。
トーニチ・ネクスタ・メイシ
『トーニチ・ネクスタ・メイシ』は、初期費用0円、登録枚数無制限の高コスパ法人向け名刺管理サービスです。シンプルな画面設計で操作しやすく、「オンライン名刺交換機能」も搭載されています。
kintoneの「関連レコード一覧」機能を使えば、顧客の関連情報を簡単に探せるでしょう。
オンライン名刺も注目されつつある?そのメリットとは
新型コロナウイルス感染拡大により、在宅勤務やリモートワークといった新しい勤務スタイルが定着し始めた昨今、対面による名刺交換の機会は激減しました。コミュニケーションのデジタル化・オンライン化が進み、ビデオチャットで会議や商談、飲み会が行われることも日常的なものとなりました。
そのため近年では、QRコードやURLなどを使って名刺を交換する、「オンライン名刺」というスタイルが広がりつつあります。比較的新しいサービスではあるものの、リモートワークの恒久化やペーパーレス化などの影響で、今後さらに注目されていくと予想されています。
ここからは、オンライン名刺の特徴やメリットをご紹介します。
情報の変更が簡単
紙の名刺の場合、一度作ってしまうと情報を書き換えることができません。部署や役職が変わっても、すぐに情報を反映できないため、新しいものができるまで従来のものを使い続けなければなりませんでした。
一方オンライン名刺は、オンライン上で簡単に情報を変更することができますので、名刺を新たに作り直す必要はありません。必要に応じて、その場で情報を追加して相手に渡すことも可能です。
保管場所がいらない
紙の名刺の在庫が大量にあると、保管スペースの確保に困ってしまうこともあるでしょう。
オンライン名刺はデータで管理されるため、保管場所が不要です。また、物理的に名刺を紛失する心配がなく、保管状態を気にかける必要もありません。
これまで名刺を保管するために使っていたスペースを、別の用途に活用することができます。
印刷コストがかからない
紙の名刺にかかる費用は決して小さくありません。紙質にこだわったり、多色刷りにしたりと、こだわればその分印刷コストも高くなってしまいます。
オンライン名刺の場合、紙代や印刷代はかかりません。また、デザインに工夫を凝らしたものを作ってもコストが上がることはなく、オリジナリティのある名刺を作ることができます。
kintone連携サービス「kViewer」ならオンライン名刺も作成できる
kintoneを既に導入しているのであれば、連携サービスを使うことでオンライン名刺の作成が簡単にできます。今回は、「kViewer」を用いたオンライン名刺作成の方法をご紹介します。
kintoneでオンライン名刺や自身のプロフィールページを作成
kintoneのプロフィールページに必要なデータを登録し、自身のオンライン名刺に掲載したい情報をまとめます。
kintone内の情報を外部に公開できる「kViewer」と連携させると、プロフィールページのデータが反映されます。
>関連記事:kViewer(ケイビューワー)とは?できること・使い方
kViewerで見た目を整え取引先との商談前に共有
次に、kViewerで見た目を整え、Webページのように見やすくレイアウトします。写真を載せる、デザインに工夫を凝らすなどすれば、よりその人の人となりが伝わるページを作成できるでしょう。取引先との商談前に、オンライン名刺としてkViewerのページを共有します。
エン・ジャパン株式会社様では、kintoneとkViewerを連携してオンライン名刺を作成し、取引先とのやりとりの際に活用しています。
事前にプロフィールページを送っておくと、相手に自分のことを詳しく知ってもらうことができます。当日のコミュニケーションがスムーズに行えれば、商談の成立や契約にも繋がることでしょう。
>ノーコードでカンタンにWebページ作成!エン・ジャパンのkintoneでのCMS活用法とは
kintoneを社内で有効に活用する方法
kintoneを社内で有効に活用したいなら、以下の2点を押さえるのが重要です。
- kintoneの使い方をメンバーへ共有する
- チーム内で運用ルールを統一する
チームのなかには、PCの操作や新しいツールの扱いに不慣れな方もいるはずです。社内でkintoneを浸透させるためにも、使い方はしっかりと共有しましょう。マニュアルを作成するのも一つの方法です。
また使用する際は、名刺情報をどのように分類するのか、「株式会社」は省略するかなど、細かい部分まで運用ルールを決めるのもポイントです。名刺を受け取ったら○日以内に記録する、という期限を設けておくと、入力漏れを防げます。
kintoneに関するよくある質問
最後に、kintoneに関するよくある質問にお答えします。
スマートフォン・タブレットからでも利用できる?
kintoneはモバイルアプリが用意されているため、スマートフォン・タブレットからでも利用可能です。そのほか、WebブラウザにkintoneのURLを入力すれば、ブラウザ上でモバイル向けのkintoneページにアクセスできます。
ただし、一部の機能はモバイルアプリおよびモバイル向けページでは利用できません。PCと同様の操作を行いたい場合は、PC表示に切り替えましょう。
>関連記事:モバイルでkintoneを利用するには?モバイルでできることや活用方法を紹介
セキュリティ対策は大丈夫?
安心してご利用いただけるよう、kintoneはIPアドレス制限や2要素認証、ヒューマンエラー対策など、7つのセキュリティ体制を構築しています。詳しく知りたい方は、以下のページもあわせてご覧ください。
>関連記事:kintoneの情報を守る強固なセキュリティ体制7選をご紹介
kintoneを活用してオンライン上で名刺管理・作成をしよう
名刺管理をオンラインで行うメリット、kintoneでアプリを作成する流れ、名刺管理に役立つプラグイン・専用拡張サービス、連携可能なサービスをご紹介しました。
kintoneは、さまざまなプラグインやサービスを活用することで、自社に適した名刺管理アプリを作成できます。社内に浸透させるなら、使い方の共有や運用ルールの統一が大切です。
また、非対面・リモートでのコミュニケーションが増えている昨今、オンラインでの名刺管理の必要性・重要性はますます高まっていくと考えられます。
オンライン名刺は、情報変更までのタイムラグや印刷コストなど、紙の名刺が抱えていた課題を解決できるだけでなく、より“その人らしさ”が伝わる名刺を作成することができます。
kintoneを活用したオンライン名刺の管理・作成をお考えのご担当者様は、ぜひkViewerの導入もご検討ください。


