【事例あり】中小企業におけるDXとは?求められている背景や課題、取り組み事例を紹介
中小企業では、人手不足や情報不足などの課題が浮き彫りとなっており、業務の効率化や顧客満足度の向上を実現する手段が必要です。
その選択肢であるDXは、競争力の維持や拡大だけでなく、持続的な成長にも寄与する要素の一つであるため、中小企業における重要度が非常に高まっています。
本記事では、中小企業が抱える課題や実際の取り組み事例を通じて、DXの重要性とその推進ポイントについて解説します。
中小企業における2つの課題
中小企業では、業務を進める上で「人材不足」と「情報不足」が大きな課題となっています。
人材不足
中小企業において深刻な課題となっているのが、スキルを持った人材の不足です。
多くの中小企業では、業務の専門知識やスキルを持つ人材が限られているため、新しいビジネスを進めることが難しい状況にあります。
また、人材教育やスキルアップのための仕組みが不足していることもある上、採用も簡単ではないため、業務上の課題があったとしても人の力で解決することは簡単ではありません。
そこで、操作性の高いデジタルツールを導入することで効率を上げ、業務上の課題を解決することが有効とされています。
情報不足
必要な情報や知識の不足も、中小企業における業務上の大きな課題の一つです。
特に、業界の最新動向や効率化のためのノウハウなどの情報が不足しがちなため、どのように業務改善を進めるべきか、どう取り組むべきかといった判断が難しくなっています。
こうした課題に対しては、業界団体や専門家など、業務知識が豊富な企業・団体から情報提供やアドバイスを受けることが望ましいです。
外部機関と中小企業で随時情報交換をすることで、自社に最適な業務改善を実現し、無理のない形で効率化を進めることができます。
中小企業業界でのDX取り組み事例3選
日本では、課題に直面してなかなかDX推進を進められない中小企業がいる一方、ツールを有効活用して成果を出した中小企業も存在します。
ここでは、以下3社の事例を紹介し、それぞれの企業がDXをどのように取り入れているか紹介します。
- 小髙莫大小工業株式会社
- 株式会社三上旗店
- 常盤工業株式会社
小髙莫大小工業株式会社
参照:デジタル活用・DX事例集 vol.37 小髙莫大小工業株式会社|東京商工会議所
小髙莫大小工業株式会社は、伝統的な繊維業でDXを推進し、業務効率化を実現した中小企業です。
同社は、外部パートナーの協力を受けながら、ノーコード開発ツールを用いて「編み機の生産管理アプリ」を作成。編み機毎の生産能力が可視化されたことで生産計画が立てやすくなり、生産効率の向上や無駄なコストの削減ににつながりました。
また、データは現場からスマートフォンで簡単に入力できるため、負荷なく運用することができているそうです。
株式会社三上旗店
参照:デジタル活用・DX事例集 vol.32 株式会社三上旗店|東京商工会議所
株式会社三上旗店は、創業100年を超える老舗の旗専門店ながら、DXに取り組むことで業務の効率化を図っています。
同社では営業プロセスの改善に取り組んでおり、手書きしていた受注情報の管理をデータベース管理ソフトウェアに移行したことで、記載ミスや手間を削減。また、見積書・受注伝票の作成、在庫管理、納品書・請求書といった一連の営業プロセスをシステム上で管理できるようにしたことで、迅速な対応が可能となりました。
また、サイバーセキュリティ対策にも同時に力を入れており、セキュリティソフトや自動バックアップソフトを導入し、リスクを最小限に抑えるデジタル化を進めています。
常盤工業株式会社
常盤工業株式会社は、創業から100年近くに渡って、建築をはじめとする事業を行ってきた企業で、kintoneとトヨクモkintone連携サービスを活用して業務効率化を実現しました。
同社では、業務で活用するデータを一つのプラットフォームに集約したことで、お客様情報や営業ステータスなどを全社的に閲覧できる状態に。
これにより、情報の透明性が向上し、データを活用した業務が各メンバーで実行できるようになりました。加えて、業務効率化や入力ミスの削減といった効果も生まれています。
中小企業DXを進める上での3つの課題
中小企業でDXを推進する際、下記3つのような課題が立ちはだかります。
- 資金不足
- 社員のITリテラシーの不足
- 既存システムとの連携の難しさ
限られたリソースや予算の中で、いかにしてデジタルツールを導入し、全社的なDXを進めるかが重要なポイントになります。
DX成功の確率を高めるためにも、これらの課題への対応を検討しておきましょう。
資金不足
新しい技術導入にかかるコストは、中小企業にとって考えなければいけない重要な要素の一つです。
DX推進に必要なツールの導入や人材の教育にもコストがかかるため、投資が難しい企業も多く、DX推進に時間を要する要因となっています。
また、事前の計画や効果の見通しが不透明であるため、投資判断が難しくなる場合もあります。
社員のITリテラシーの不足
DX推進では、基本的なスキルや知識が足りないと、新しいツールの導入がスムーズに進まないことがあるため、社員にITリテラシーは必要不可欠です。
しかし、中小企業では、社員のITリテラシーが低い企業も少なくないのが現状です。
このような状況では、ITの導入効果が十分に発揮できず、業務効率化どころか、かえって業務負荷が上がってしまうことがあります。
既存システムとの連携の難しさ
既存の業務プロセスと新しい技術の統合は複雑で、システム間の連携が難しいことが課題となっています。
特に古いシステムのアップデートやデータ移行は、大きな負担となりがちです。
また、業務プロセスの再構築が必要なケースもあり、社内の体制やルールの見直しが求められることも多くあります。
中小企業でDXを推進するためのポイント
中小企業がDXを進めるためのポイントは、主に次の3つです。
- 経営層と現場が一体となって推進する
- 実現可能な部分からスモールスタートする
- 補助金を活用する
具体的にどのような点に注意すべきか解説します。
経営層と現場が一体となって推進する
中小企業におけるDX推進では、経営層と現場の連携が極めて重要です。
経営層がDXの方向性やビジョンを明確に示し、その意義を現場に伝えることで、従業員の協力を得られます。
また、実際の業務に即した効果を上げやすくするため、DXを推進する際は、現場の意見やニーズを反映することが大切です。
現場と経営層が共にDX推進に取り組むことで、業務効率化や生産性向上が期待でき、企業全体の成長を支える土台が築かれます。
ツールの導入だけではなく、必要に応じて外部リソースを活用した教育などを経営層主導で行うことでDX推進の課題を解決し、効果を高めることができるでしょう。
実現可能な部分からスモールスタートする
中小企業がDXを推進する際には、いきなり大規模な改革を目指すのではなく、実現可能な部分からスタートすることが理想的です。
スモールスタートすることで、初期投資やリスクを最小限に抑えつつ、導入したツールが会社の課題解決にとって本当に有効か判断することができます。
また、従業員の適応もスムーズになり、運用にあたっての課題とその対応策を検討しながら、現場への負荷がなるべくかからない状態でDXを進めることが可能です。
まずは、特定の業務や部門にデジタルツールを導入し、効果を測定しながら少しずつ範囲を広げていくことが最適と言えるでしょう。
補助金を活用する
中小企業がDXを推進する際、補助金を活用することで初期投資の負担を軽減できます。
政府や自治体が提供する補助金や助成金は、ITシステムの導入や業務のデジタル化にかかる費用をサポートするものです。
例えば、デジタル化を支援するための補助金を活用することで、企業は資金負担を減らしながら最新のツールを導入でき、競争力を高められます。
補助金制度をうまく活用し、計画的に投資を行うことが、DX成功への重要なステップです。
中小企業DXに役立つ業務改善ツール3選
中小企業がDXを進めるためには、特に下記の3つの業務改善ツールの活用が効果的です。
- Salesforce
- サスケWorks
- kintone
自社の課題や目標に合わせたツールを選定し、DXを進めましょう。
Salesforce
参照:Salesforce|株式会社セールスフォース・ジャパン
Salesforceは、クラウドベースの顧客管理(CRM)ソフトウェアです。
企業の営業、マーケティング、サービスなど業務の一元化ができ、社内での連携強化にもつながります。
また、Salesforceを活用することで、顧客データの一元管理が実現し、リアルタイムでの情報共有や分析が進みます。
これにより、企業は顧客対応を効率化し、パーソナライズされたサービスの提供が可能です。
また、直感的に操作できるため、専門的なITスキルがなくても、営業活動やマーケティング戦略を強化できます。
サスケWorks
サスケWorksは、業務を効率化するためのアプリを作成できる業務支援サービスです。
顧客管理から商談の進捗管理、成約に至るまでのプロセスなど、目的や現場に応じて直感的にアプリを作成できます。
さらに、過去の顧客データを蓄積し、分析機能を活用することで、見込みのある顧客への効果的なアプローチが可能です。
カスタマイズ性に優れており、業種に応じた業務内容に柔軟に対応できます。
kintone
kintoneは、サイボウズが提供するクラウド型業務アプリ開発クラウドサービスで、業務の見える化と効率化を実現するツールです。
ノーコードでアプリを作成でき、プログラミングの知識がなくても業務に合わせたカスタムアプリを簡単に構築できます。
例えば、顧客管理やプロジェクト管理、在庫管理など、幅広い業務プロセスを一元管理し、データ共有もリアルタイムで可能です。
また、チームメンバー間でのコミュニケーションもkintone内でスムーズに行えるため、業務のスピードと精度が向上し、中小企業のDX推進に貢献します。
kintoneをより便利に使うならToyokumo kintoneApp
kintoneをより便利に使うためにおすすめしたいのが、トヨクモ株式会社が提供するkintone連携サービス「Toyokumo kintoneApp」です。
Toyokumo kintoneAppでは、以下6つのサービスが提供されています。
FormBridge | kintoneへデータが自動で保存されていくWebフォームを作成できるサービス |
PrintCreator | kintoneアプリのデータをPDFで出力できるサービス |
kViewer | kintoneライセンスがない人に、kintoneアプリのデータを共有できるサービス |
kMailer | kintoneアプリのデータを引用してメール送信できるサービス |
DataCollect | 複数のkintoneアプリに登録されたデータを集計できるサービス |
kBackup | kintoneアプリに登録されたデータを安全にバックアップするサービス |
ここからは、Toyokumo kintoneAppの各サービスについて紹介します。
FormBridge
FormBridge(フォームブリッジ)は、kintoneアカウントがない人でもkintoneに直接データを保存できるWebフォーム作成サービスです。
kintoneの基本機能における「ライセンスを持たないユーザーは情報を登録できない」という問題を解消できます。
また、FormBridgeで作成したフォームは、kintoneに直接データが保存されるため、転記の必要がなく、業務効率化や入力ミス・漏れの削減ができるのがメリットです。
kViewer
kViewerk(ケイビューワー)は、kintone内の情報を手間なく外部に公開できる連携サービスです。kintoneアカウントを持たないユーザーにも簡単にkintone内の情報を公開できます。
kintoneの情報を共有する際にわざわざデータを移し替える手間もなく、グラフなどの数値情報もそのまま外部に公開することが可能です。
公開範囲を設定することもできるので、社外秘の情報が漏洩するリスクを抑えつつ、社外の人に資料やデータを気軽に共有できるようになります。
kMailer
kMailer(ケイメーラー)は、kintone上で管理しているメールアドレス宛に、kintone内のデータを自動引用したメールを自動・手動・予約で送れるサービスです。
kintoneで管理している顧客に向けて一斉送信や、kintoneからのテキスト引用などを行ったり、誰にいつどんなメールを送信したかなどのログを確認することもできます。
普段社内で使っているメールアドレスからメールを送信するため、新たにメールサーバーやメールアドレスを用意する必要はありません。
誰に、いつ、どんなメールを送信したか、受信者がいつ資料をダウンロードしたかなどの情報をログとして確認することもできます。
PrintCreator
PrintCreator(プリントクリエイター)は、kintoneに登録されている社名や金額などの情報を活用して、マウスのみで簡単に帳票が作成できる帳票出力サービスです。
現在使用している見積書や請求書などをPDFファイルでPrintCreatorにアップロードすれば、マウス操作のみで簡単に帳票を作成できます。
kintoneアプリの複数レコードを一括で出力できるので、複数社の請求書や月報を簡単に印刷できるのもメリットです。
DataCollect
DataCollectk(データコレクト)は、関数を利用した計算や複数アプリ間の収集・計算・加工を可能にし、kintoneが苦手とする予実管理や在庫引き当てを実現できるサービスです。
Excelと同じ感覚で複数のアプリから情報の集計や計算が可能で、スケジュール設定による自動実行やリアルタイム更新などにも対応しています。
事前に設定しておけば、手動で操作することなく情報を自動で収集・計算できるので、情報の集計漏れや更新忘れを防げます。
kBackup
kBackupk(ケイバックアップ)は、kintoneアプリに登録したデータが消えてしまった際に備えて、kintone内のデータを別環境にバックアップできるサービスです。
kintoneの基本機能では、kintone上のすべてのデータを一括でバックアップすることはできません。kBackupを利用することで、誤って必要なアプリを削除してしまったり、スペースが復旧できなくなったという事態を防げます。
また、大切な顧客情報や添付ファイルのバックアップにも対応しています。
まとめ:Toyokumo kintoneAppでkintoneをより便利に活用しよう
「kintoneで貸出管理を行いたい」「kintoneを活用する幅を増やしたい」とお考えの方は、kintone連携サービス「Toyokumo kintoneApp」の利用がおすすめです。
トヨクモのkintone連携サービスは1万契約を突破し、サイボウズのオフィシャルパートナー評価制度においても全製品で受賞と、実績と使いやすさに定評があります。
トヨクモ連携サービスを導入することで、紙の書類を介さず、直接データの書き込みや管理が行えるため、職員の負担軽減や業務効率改善が図れるでしょう。
FormBridge | kintoneへデータが自動で保存されていくWebフォームを作成できるサービス |
PrintCreator | kintoneアプリのデータをPDFで出力できるサービス |
kViewer | kintoneライセンスがない人に、kintoneアプリのデータを共有できるサービス |
kMailer | kintoneアプリのデータを引用してメール送信できるサービス |
DataCollect | 複数のkintoneアプリに登録されたデータを集計できるサービス |
kBackup | kintoneアプリに登録されたデータを安全にバックアップするサービス |
悩みややりたいことに合わせて最適な機能を追加できるので、kintoneと一緒に使いたい便利なサービスをお探しの場合は、30日間無料お試しからぜひ実際の使用感を体感した上でご検討ください。
YamadaNaoki