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kintoneで予実管理を行う方法は?プラグイン&連携サービスも紹介

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予実管理は、企業の経営判断や事業成長に欠かせない重要な業務です。しかし、Excelやスプレッドシートで管理すると、集計作業に時間がかかる・データが属人化する・リアルタイムで状況を把握できないといった課題が発生しがちです。

kintoneを使えば、こうした課題をある程度は解消できますが、基本機能だけでは十分な予実管理を実現するのは難しいのが実情です。

この記事では、kintoneで予実管理を行う3つの方法と、それぞれの特徴やメリットをわかりやすく解説します。

業務効率化に役立つプラグインや連携サービス、導入事例も紹介します。

予実管理とは

予実管理とは、設定した予算と実績を比較・管理する業務を指します。

売上や利益、コストなどの実績データを定期的に確認し、経営目標の達成度や進捗に問題がないかをチェックします。

適切に予実管理を行うことで、経営状況を正確に把握でき、問題点の早期発見や改善、将来の計画策定にも活用できます。

中小企業でも、Excelやスプレッドシートだけでは限界があるため、専用ツールやクラウドサービスを取り入れる企業が増えています。

>関連記事:予実管理とは?目的や苦労する点に加えて効率化の方法も徹底解説

kintoneで予実管理を行う際の障壁

kintoneで予実管理を行うには、売上やコストなど複数のアプリに分散したデータをまとめて閲覧・管理できる仕組みが必要です。

しかし、kintoneの基本機能だけでは、複数アプリのデータを一元的に集計することができません。

ポータル機能を使えば、複数アプリのグラフを並べて表示するといった基本的な操作は可能ですが、それぞれの数値をかけ合わせる・合算する・条件ごとに集計するといった複雑な処理はできません。

そのため、kintone単体では「単一アプリごとの情報を別々に表示する」ことしかできず、予算と実績を突き合わせて管理する本格的な予実管理には限界があります。効率よく予実管理を行うには、プラグインや連携サービスの導入が欠かせません。

kintoneで予実管理を行う方法

kintoneで予実管理を行うには、以下3つの方法があります。

  1. 手作業で行う
  2. 予実管理アプリを作成する
  3. プラグイン/連携サービスを使う

それぞれの方法を解説します。

1.手作業で行う

kintone基本機能だけでも、定期的にデータをCSVで書き出し、スプレッドシートなどで集計することで予実管理自体は可能です。ただし、手作業での運用には以下の課題があります。

  • 集計作業に時間がかかる
  • ミスや入力漏れが発生しやすい
  • リアルタイムで状況を把握できない

そのため、運用負荷が高くミスも起こりやすい方法であり、長期的な運用には適していません。

2.予実管理アプリを作成する

kintoneサンプルアプリ「予算・実績管理」

▲出典:予算・実績管理

kintoneサンプルアプリ「予算・実績管理」を活用すれば、基本機能をアプリ化して予実管理を行えます。無料で利用でき、次の手順で簡単に導入できます。

予実管理アプリの作成方法

  1. kintone アプリストアで「予算・実績管理」を選択する
  2. 「予算管理」と「実績管理」の2つのアプリが自動作成される
  3. 予算管理アプリに、予算や担当者などを登録する
  4. 実績管理アプリに、売上や担当者、日付などを登録する
  5. 開発者向けコミュニティ「cybozu.com developer network」で無料公開されている、JavaScriptサンプルコード(プラグイン)を読み込ませる

この方法は初期費用ゼロで始められる一方で、以下の制約があります。

  • JavaScriptカスタマイズが必要(スタンダードコース契約が前提)
  • JavaScriptを扱えない担当者には運用が難しい
  • アプリをまたいだ複雑な集計は対応できない

簡易的な予実管理には向きますが、本格運用には限界があります。

3.プラグイン/連携サービスを使う

kintoneプラグイン/連携サービスで行う予実管理

手作業やアプリ作成だけでは、リアルタイムな集計や複雑な分析ができず、運用負荷も高くなりがちです。本格的に予実管理を効率化したい場合は、プラグインや連携サービスを活用する方法がおすすめです。

プラグインを導入すると、プログラミングの知識がなくても以下が可能になります。

  • 複数アプリに分散したデータを一元管理・自動集計
  • 予算と実績をリアルタイムに突き合わせて確認
  • グラフやダッシュボードで進捗を可視化
  • 集計作業の属人化を防ぎ、ミスを削減

たとえば弊社トヨクモでは、複数のアプリに分散した経営データを手作業で集計する手間を解消するため、連携サービス「DataCollect」を活用しました。

DataCollectを活用したトヨクモの事例

従来は1時間かかっていたチェック作業がワンクリックで完了するようになり、ミスの削減と迅速な経営判断につながっています。このように、プラグインや連携サービスの活用は予実管理の精度と速度を大きく向上させます。

>事例記事:kintoneデータをBI化するデータコレクトのトヨクモ活用法!

予実管理におすすめなプラグイン/連携サービス3選

ここでは、予実管理におすすめなプラグイン/連携サービス3選を紹介します。

1.DataCollect(データコレクト)

DataCollectはトヨクモが提供する、複数アプリ間で情報の収集、計算、加工が行える連携サービスです。Excelを使用するような感覚で関数が利用でき、kinotoneが苦手としている予実管理を手軽に行えます。

複数アプリ間のデータ集計/計算が1か所で行えるため、一括管理できるのが魅力です。

収集/計算した情報を加工することもでき、予実管理にはピッタリでしょう。データの登録はkintone、集計や計算はExcelと分けて行っていた企業も1つに集約できます。

料金は月額9,000円(税別)〜となっており、30日間の無料お試しも利用可能です。

2.krewData(クルーデータ)

krewDataはMESCIUSが提供する、データ集計に役立つプラグインです。複数のkintoneアプリのデータを集計、加工、結合し、新しいkintoneアプリを作成したり、既存アプリのデータを更新したりできます。

krewDataは直感的な操作ができ、柔軟なデータ連携や多彩な加工機能により、簡単に予実管理を行えるのが特徴です。30日間の無料お試し期間が設けられており、以降は月額12,000円(税別)〜利用できます。

3.予実管理プラグイン

予実管理プラグインはジョイゾーが提供する、予算と実績の自動集計等を行うプラグインです。kintoneに格納してある予算/実績データを自動で集計し、グラフ表示が行えます。グラフの種類は、「縦棒グラフ」「縦棒グラフ(積み上げ)」「表」の3種類です。

一度設定を行えば、レコードの追加や変更があっても自動でグラフに反映されるため、常にリアルタイムで予実績管理が行えます。

月額3,900円(税別)〜利用可能です。30日間の無料のお試し期間もあります。

プラグイン/連携サービスの比較表

代表的な3つのプラグイン/連携サービスを「機能範囲」「設定難易度」「特徴」「価格」「無料トライアル」の観点でまとめました。

プラグイン/連携サービス 対応範囲(機能) 特徴 価格(税別) 無料トライアル
DataCollect 複数アプリのデータを一元管理・自動集計。リアルタイム更新やスケジュール集計にも対応 ノーコードで設定可能。属人化を防ぎ、中規模〜大規模運用にも対応 月額9,000円〜 あり
krewData 複雑な集計や条件分岐も可能。大量データや高度な加工に対応 データ加工が柔軟で、他システムとの連携も視野に入れた大規模利用向き 月額12,000円〜 あり
予実管理プラグイン 予算と実績を突き合わせて表示する基本機能に特化 低価格で導入しやすく、小規模な運用に最適 月額3,900円〜 あり

kintoneで本格的な予実管理を行うには、複数のプラグイン/連携サービスを比較して、自社の運用に合ったものを選ぶ必要があります。中でもDataCollectは、プログラミング不要で設定でき、複数アプリのデータを自動で集計・統合できる点が特長です。

リアルタイム更新やスケジュール集計にも対応しており、属人化や集計ミスを防ぎながら、日々の予実管理業務を効率化できます。30日間の無料お試しも用意されているため、初めてプラグイン/連携サービスを導入する企業でも安心して試せます。

複雑なデータ加工や大規模な運用を前提としたプラグイン/連携サービスもありますが、その分設定が難しく、導入には一定のノウハウが必要です。予実管理では「現場が自分たちで簡単に運用できるか」「集計業務をどこまで自動化できるか」が選定のポイントです。

DataCollectで行う予実管理

DataCollectを活用すれば、kintone上で分散して管理していたデータを自動で収集・集計できます。これまで別々のアプリで管理していた予算データと実績データを一元化できるため、達成率や差異をリアルタイムで確認できます。

案件管理と予実管理

DataCollect導入前後の予実管理の効果

案件管理アプリと予実管理アプリをDataCollectで集計

今回の例では、以下2つの関数を使っています。

  1. DataCollect側:SUMIF関数(該当月の実績情報を取得するため)
  2. kintone側:DATE_FORMAT関数(月ごとに集計のキーを作成するため)

一見難しそうに見えますが、実際に使うのは上記2つの関数だけです。

※実際の細かい設定は以下の参考記事で詳説しています。
関連記事:データコレクトとは?できること・使い方
DataCollect(データコレクト)の関数でデータ整理が簡単に!関数も一覧で紹介

SUMIF関数を設定したDataCollect

上記のように設定すると、どのような処理を実行できるか、見てみましょう。

ワンクリックで自動集計

今回は予算アプリのほうに実績を集計させて登録する設定をしたので、「予算管理アプリ」が「予実管理アプリ」になりました。こちらの挙動を確認してみましょう。

kintoneとDataCollectを連携した時のkintone画面

「DataCollectする」ボタンを押下することで、それまでの実績をまとめて集計できます。

一般ユーザーであっても、最新情報を知りたいと思ったらボタンを押下することでフィールド式を実行し、情報の最新化を行うことが可能です。達成率など、詳細な数値を確認したときなどにぜひ使ってください。

スケジュールで自動集計

DataCollectでは時刻や曜日、日付を指定して自動的に処理を実行させることが可能です。

「毎日深夜1時に処理を行いたい」「毎週月曜の早朝に情報を最新化したい」「月末最終日に情報のアップデートができれば充分」など、スケジュール実行はさまざまな間隔で処理が行えます。

リアルタイム自動集計

DataCollectでは、kintoneのWebhook機能を利用して、自動集計をトリガー設定できます。

たとえば今回の予実管理では、実績レコードが追加されたタイミングで、予実管理アプリの集計を自動で実行するといった運用が可能です。

DataCollectリアルタイム自動実行

そのため、「予実管理アプリが最新化されるまで翌朝まで待たなければならない」といったタイムラグが発生しません。Webhookを設定すれば、更新ボタンを押す作業すら不要となり、完全自動で最新データを反映できます。

kintoneを使った予実管理の事例

kintoneでの予実管理で業務効率化を実現した事例を見てみましょう。以下2つの会社の実例を紹介します。

  • 株式会社ミエデン
  • 株式会社ウィルビー

株式会社ミエデン

株式会社ミエデン活用事例

システム開発を手がける株式会社ミエデンでは、kintoneを活用した予実管理の仕組みを構築しています。同社では期初に設定した予算を管理する「予算アプリ」と、日々の実績を記録する「実績アプリ」を連携させ、両者の数値をリアルタイムで比較・分析できる体制を実現しています。

この際、kintoneの基本機能では難しい複数アプリ間での集計処理を可能にするため、DataCollectを導入しました。集計されたデータはkViewerを活用してポータル画面上に表示され、部門ごとの売上や予実進捗がグラフで可視化されています。

この取り組みなどにより6000時間の業務効率化を実現しました。今後は会社全体の経営指標となる係数管理や人的リソースの工数管理にも活用範囲を広げ、より正確で迅速な経営判断を可能にする環境づくりを進めていく予定です。

>事例記事:会社の文化を変える力を持つkintone+トヨクモで成し遂げた業務改善の軌跡

株式会社ウィルビー

株式会社ウィルビー活用事例

株式会社ウィルビーでは、kintoneを活用した予実管理によって業務効率化を実現しています。

以前は、開発管理業務の予算と実績をスプレッドシートで管理しており、二重三重の管理や転記作業の手間、過去データ検索の煩雑さが大きな課題となっていました。

そこで、散在していたデータをkintoneに一元化。複数アプリ間での集計を自動化できるDataCollectを導入し、予算と実績の管理・分析を効率化しました。当初は「スプレッドシートで十分」という声もありましたが、導入後は「kintone無しでは考えられない」と評価が一変したといいます。

加えて、kViewerを活用して集計データをグラフ化することで、社内での情報共有や経営層への報告資料作成がスムーズになりました。その結果、以前は社長自らが月4時間かけて作成していた収支報告資料も短時間で作成できるようになり、データに基づく正確な予実管理が実現。経営判断のスピードと精度も大幅に向上しています。

>事例記事:転記作業が発生するスプレッドシートから脱却!kintoneとトヨクモ製品で大きな業務改善を実現した

まとめ:拡張機能や連携サービスで効率的な予実管理を

kintoneの基本機能だけでは、複数アプリに分散したデータを一元管理することが難しく、リアルタイムでの集計や正確な分析には限界があります。効率的に予実管理を行うには、プラグインや連携サービスを活用し、データの収集・計算・分析を自動化することがポイントです。

今後、kintoneで予実管理を行いたいと考えている場合は、ぜひ本記事を参考に拡張機能や連携サービスの導入を検討してください。

DataCollect30日間無料お試し

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監修者トヨクモ編集部


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