kintoneには、問診票の情報を登録する問診票アプリが搭載されています。
kintoneの問診票アプリは、患者本人に Web上で入力してもらうWeb問診を実現するうえで有益なアプリです。しかし、すでにkintoneを導入済みの医療機関の中にも、kintoneの問診票アプリが持つ機能やメリットについて知らない方は少なくありません。
そこで、本記事は、問診票をオンラインで作成するメリットについて解説した後、kintoneで問診票を作成するメリットについて解説します。
kintone上での問診票の登録・管理を便利にするトヨクモのサービスも2つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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問診票をオンラインで作成するメリット
オンライン上での問診票作成で、病院側と患者側の双方が得られるメリットは次の5つです。
- 手書き→データ入力の手間が減る
- 診察が効率化される
- 紙の問診票以上に詳しい患者の情報が入手できる
- ペーパーレス・コスト削減につながる
- 患者の病院での待ち時間が減る
ここからは、それぞれのメリットについて説明します。
手書き→データ入力の手間が減る
問診票をオンライン化すると、患者が手書きした問診票のデータを電子カルテに転記・登録する手間が減ります。
紙の問診票では、患者が書いた文字が読めないなどの問題が発生しますが、Web問診では、そのような問題が起こりません。
結果として、病院側は、電子カルテへの転記のミスのほか、問診の質のばらつきを抑えられます。同時に、電子カルテへの転記・登録というノンコア業務の削減により、病院・クリニック運営を円滑にできるでしょう。
診察が効率化される
問診票をオンライン化すると、医師や看護師による患者の病状に関するヒアリング時間が削減され、診察の効率化が進みます。
Web問診によって、ヒアリングする時間が減少するのは、Web問診が概要から詳細へ内容を掘り下げるドリルダウン型になっていることから、症状別に深掘りした質問ができるためです。
事前に質問内容を深掘りしておけば、医師は診察をスムーズに進められると同時に、診察時間に多くの時間を充てられるようになります。
紙の問診票以上に詳しい患者の情報を入手できる
問診票をオンライン化すると、紙の問診票以上に詳しい患者の情報の入手が可能になります。
Web問診は、スペースや枚数に限りがある紙の問診票と異なり、質問の数に制限がないためです。これにより、病院・クリニック側は、質問項目を増やしたり、質問内容を枝分かれさせてより詳しい病状を聞いたりすることができます。
具体的には、最初は「総合問診票」で始め、そこから「花粉症」や「頭痛」、「めまい」といった専門の問診票に分岐させ、より深く詳しい内容の聞き取りが可能です。
ペーパーレス・コスト削減に繋がる
問診票をオンライン化すると、ペーパーレス・コスト削減が実現します。
問診票は、紙のカルテに貼り付ける管理が一般的だった都合上、電子化が難しい文書です。
このため、電子カルテを導入している病院でさえ、問診票に記入された情報を電子カルテに転記するなどしたうえで、問診票を紙文書として別途ファイリングするといった運用が一般的となっています。
しかし、問診票をオンライン化すると、問診票のペーパーレス化により転記やファイリングの作業がなくなります。
同時に、電子カルテへのデータ連携がリアルタイムになることから、院内・クリニック内での問診情報の早期共有化が可能になるでしょう。
患者の病院での待ち時間が減る
問診票をオンライン化すると、患者本人による来院前でのWeb問診が可能になることから、患者の病院での待ち時間が減少します。
病院での待ち時間が減少するのは、来院前にWeb問診ができるためだけではありません。
Web問診は問診時間や診療時間が紙での問診と比べて少なく、院内業務プロセスの効率化に寄与することから、結果として待ち時間の短縮化を促します。
このようなWeb問診による病院での待ち時間短縮は、子連れでバタバタしている方や、忙しいビジネスマンにとって、大きなメリットといえます。
kintoneで問診票を作成するメリット
kintoneを導入済みの病院であれば、Web問診票をkintoneで作成するのがおすすめです。
kintoneで問診票を作成すると、次の2つのメリットが得られます。
- データが全てkintoneに蓄積される
- カスタマイズ性が高い
ここからは、2つのメリットについて説明します。
データが全てkintoneに蓄積される
問診票アプリは、名前や性別、生年月日といった基礎情報だけでなく、病歴や予防接種の有無といった医療情報まで、データのすべてがkintoneに蓄積されます。
kintone上に問診票データを蓄積しておけば、過去の情報も、患者の基本情報や患者IDで検索し、すぐに参照可能です。過去の蓄積情報をもとに特定の人のデータを検索したり、集計して全体の傾向を見たりすることもできるでしょう。
カスタマイズ性が高い
問診票アプリは、JavaScriptでのカスタマイズや後述するフォームブリッジの活用などにより、フォームの入力項目や情報の表示・非表示を自由に設定できるなど、カスタマイズ性に優れています。
具合的には、「治療中の病気がある」を選んだ場合にのみ詳細記入欄を表示するなど、回答の条件によって別フィールドの表示/非表示の切り替えるカスタマイズが可能です。
このようなカスタマイズ性の高さは、症状別に深掘りした質問をし、情報を聞き出すうえで役に立つでしょう。
トヨクモのサービスを使うことで問診票の登録・管理がより便利に
トヨクモのkintone連携サービスを使うことで、問診票の登録・管理がより便利になります。問診票アプリにトヨクモのサービスを使うことで可能になるのは、主に次の3点です。
- フォームブリッジでカスタマイズ性の高い問診票を作成
- kViewerでkintoneユーザー以外も問診票の閲覧が可能に
- Toyokumo kintoneApp認証で患者とメールアドレスを紐付け
ここからは、上記3点について説明します。
フォームブリッジでカスタマイズ性の高い問診票を作成
Web上に公開するフォームを作成できるkintone連携サービス「フォームブリッジ」を使うと、カスタマイズ性の高い問診票の作成ができます。
たとえば、フォームブリッジのフォーム作成機能により、医療機関独自の質問や選択肢を増やせるほか、条件分岐により、質問の出現条件をカスタマイズできるでしょう。
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kViewerでkintoneユーザー以外も問診票の閲覧が可能に
kViewerにより、kintoneユーザー以外も問診票の閲覧が可能になります。
kintoneユーザー以外も問診票の閲覧を可能にする必要性が生じるユースケースは、主治医が看護師に問診票の内容を共有する場合です。
kintoneユーザー以外も問診票の閲覧を可能にする必要性が生じるユースケースは、主治医が患者に対して問診票の内容を再度共有する場合です。
紙の問診票に手書きで入力した場合、その問診票は病院が管理するため基本的に患者自身がそれを後で見返すことはできません。
フォームブリッジを用いてWeb上で入力した問診票をkViewerで閲覧可能にすることで、患者はいつでも問診票入力時の自身の体調を振り返ることができます。
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Toyokumo kintoneApp認証で患者とメールアドレスを紐付け
kViewerでkintoneユーザー以外も問診票の閲覧を可能にしたうえで、Toyokumo kintoneApp認証を使うことで、患者は自分のメールアドレスを使ってkintoneにログインできます。
これにより、患者は、自分が過去に入力した問診票を確認できるようになります。
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kintoneとトヨクモ製品を連携し病院・患者の双方の手間を削減
オンライン上で問診票を作成すると、問診票のデータを電子カルテに転記・登録する手間が減ったり、紙の問診票以上に詳しい患者の情報を入手したりすることが可能になります。
そのようなメリットが得られるのは、kintoneの問診票アプリを使用する場合も同様です。さらに、問診票アプリは、クラウドの特性を生かし、問診内容の高い検索性や、問診内容の高いカスタマイズ性を各医療機関に対して提供してくれるでしょう。
また、トヨクモのkintone連携サービスであるkViewerとToyokumo kintoneApp認証を利用することで、kintoneユーザー以外にも問診票の内容を公開したり、個別の患者に問診票の内容を開示したりすることが可能です。
トヨクモのkintone連携サービスは、30日間の無料お試しが何度でも可能です。ぜひお気軽にお申し込みください。