【家具小売DX】「しなきゃいけない」をやめて年間240時間削減!入社間もない社員のノーコード構築で実現したアクタスの下取り業務改善
目次
トヨクモkintoneフェス2026「トヨクモALIVE」登壇の様子をレポート!
業務改善と聞くと、まずは「速くする方法」を考えがちです。しかし、どれだけ速くしても消えない時間があります。それは、相手からの連絡を待っている時間です。
依頼件数が月25件から126件へと急増するなかで、株式会社アクタスの青松崇史さんが選んだのは、増員でも高速化でもなく、「しなきゃいけない」ことそのものをやめるという道でした。
この記事は、2026年7月に開催した「トヨクモ kintone フェス 2026」のセッション【トヨクモALIVE】での登壇レポートです。
今回は「仕組みの引き算と新人のノーコード構築で実現した年間240時間の業務削減」でご登壇いただきました!
登壇者情報|青松崇史さん(株式会社アクタス)
家電メーカーを経てアクタスへ。店舗、家具修理担当を経て、現在は下取り担当。kintone hive Tokyo 2024にも登壇。
kintone hive Tokyo 2024登壇記事はこちら
登壇の様子は動画でもご覧いただけます!
家具の下取り「トレードインサービス」の主要フローをトヨクモ製品で
当社アクタスは、家具の企画・製造・販売を手がける会社で、全国に34店舗を展開しています。木を扱う会社であることから環境への取り組みを重視しており、リサイクル・修理・下取りを軸に、売った後まで責任を持つことを大事にしています。
そして私が担当しているのは、トレードインサービスというものです。簡単に言えば、下取りサービスですね。
たとえば、それまでお使いだった青いソファーを当社が下取りする代わりに、新しくオレンジのソファーをお買い求めください、というご案内をするサービスです。引き取った家具は、次のお客様のもとへお渡しします。
いわゆる普通の下取りなのですが、この「普通のこと」が今までできていませんでした。そこで5〜6年前に立ち上げたのが、このサービスです。
こちらが、申し込みから最後の再販までの業務フローです。
ご覧のとおり、裏側では実にさまざまな作業が必要になります。そして、そのほぼすべての工程でFormBridge、kViewer、PrintCreator、kMailerといったトヨクモ製品にお世話になっています。
FormBridgeで申し込みを受け付けてから、あれこれと処理を重ねて最後は下取りした商品を再販するこの一本の流れが当社のトレードインサービスの業務フローです。
依頼件数が月25件から126件へ。「嬉しい悲鳴」の裏側
サービスの立ち上げから5〜6年、ご依頼は月に25.5件程度で推移していました。1日に1件くらいのペースです。
ところが最近、いろいろあって一気に5倍ほどの月126件に急増しました。
依頼件数増加の要因は、下取りの対象範囲を広げたことです。それまでは当社が過去に販売した商品のみを下取りしていましたが、他社製品も下取りできるようにしたことで、件数がグッと上がりました。
今後ご依頼が増えるだろうという見込みはあったのですが、これほど一気に増えることは想定外で、現場はかなり大変な状態になってしまいました。
課題は、お客様からの連絡を「ひたすら待つ」時間
では何が大変なのか。現状のフローをご覧ください。
査定書はPrintCreatorで作成し、kMailerで送信。あわせてkViewerでMyページを提示しています。お客様からTELまたはメールでご連絡をいただいたら、社内情報を確認し、FormBridgeで情報を登録して該当店舗に共有、登録情報から必要資料を作成する──これで、ずいぶん簡略化できている状態です。
それでも、査定書をお送りしたあとは、お客様からのご連絡をお待ちしなければいけません。依頼が5倍に増えているのに、待つことしかできない。これをどうにかしたいと考えていました。
「お客様からのご連絡を待つ → 当社で内容を確認する → 店舗に共有する」というこの一連だけでも何とかできれば、待つ時間を引き算できるのではないかと考えました。
さらに、もう一つ気づいたことがあります。
当社は、お客様からのご連絡を待たなければいけない。お客様はお客様で、返答するためにTELやメールをしなければいけない。双方に「しなきゃいけない」があるのです。この「しなきゃいけない」を、なんとか無くしたいと考えました。
「しなきゃいけない」をやめる。リアクションフォームで待ち時間をゼロに
そこで考えたのが、こちらの構成です。
既存の流れはそのまま活かします。そのうえで、査定書提示メールにkViewerのMyページとFormBridgeを連携させ、ご意向を返答できる「リアクションフォーム」を用意する。
具体的には、kintoneの情報をMyページで連動させ、フォームが送信されたら担当者と該当店舗にメールで通知が飛ぶようにします。
お客様は内容を確認したら、フォームから返答していただくだけ。お電話をかける必要も、メールを書く必要もありません。返答と同時に情報が登録され、そのまま次の工程に進みます。
これができれば、待ち時間の工程を端折れるのではないか。そう考えました。
当社は待たずに進められ、お客様も回答が簡単という状態です。
構築を担当したのは、トヨクモ製品歴5ヶ月の社員
理想の形は描けました。ただ、次の問題は「誰が作るか」です。
そこで私はまずフロー図を書き起こし、それを持って新入社員のもとへ向かいました。「こんな感じでお願い!」と渡したのです。
ただ彼は、トヨクモ歴5ヶ月。それまでずっと”使う側”のユーザーでした。書類を作るユーザー、メールを送るユーザーであって、作る側に立つのは初めてです。
それでも「よろしく〜」と任せて、私は見守ることに徹しました。
彼がどうしたかというと、ユーザーコミュニティ「トヨクモPark」に蓄積された情報や、インターネット上に数多く公開されているトヨクモ製品の解説記事を参考にしながら、GeminiやNotebookLMといったAIツールを使い、なんとか自力で作り上げてくれました。
年間240時間の削減と、来店日・NG理由の可視化
彼が作ってくれた仕組みで生まれた時間は、1ヶ月あたり20時間。年間で約240時間の削減です。
内訳はこちらです。
- 当社側:あと処理が約10分/件(お客様からご連絡をいただいてから、内容を確認して対応する時間)
- お客様側:連絡の手間が約10分/件(お電話をかける、メールを作成するといった手間)
個人のお客様にとっては、お電話やメールにかかる時間と気持ちの部分が大きいと思いますので、その10分もきちんと数えています。
お客様とアクタス、双方合わせて1件あたり20分。毎月60件として、月20時間の削減を実現しました。
そして、この仕組みには想定外のメリットもありました。
来店日が分かる
ご意向を返答いただく際に、お客様が「いつ店舗に行くか」を入力してくださるようになりました。
これはすごいことでして、この日に店舗に立てば、買いに来られる方が来ると分かっている状態を作れたのです。小売業に携わる方であれば、この価値はご理解いただけると思います。
NG理由が分かる
もう一つは、査定書をお送りしたものの今回は見送るという判断をされたお客様から、その理由も入力していただけるようにしたことです。
これまで「ご連絡が来なかった」で終わっていたものが、理由の分かるデータとして蓄積されるようになりました。
「やめる手順」を横展開し、研修報告書の作成も自動化
今回の取り組みを、「やめる手順」として整理しました。
ポイントは、最初から完璧を目指さず6割で動かしてみることだと思っています。
この手順は、すでに横展開されています。しかも、仕組みを作った新入社員自身が、次の「やめること」を見つけてきました。
当社では、下取りした商品の検品作業をする際に、店舗スタッフが現場研修として参加する仕組みになっています。そして研修を終えた参加者は、報告書を店舗に提出しなければいけませんでした。
それを1件ずつ書くのは大変なので、これもやめようと考えました。仕組みは先ほどと同じ流れです。アンケートに入力するだけでPDFの資料が作成され、kMailerで自動送信されるようにしました。これも大分軽減できたと思います。
「しなきゃいけない」をやめてみる。そうすれば、イキイキALIVEです。
質疑応答:新入社員にはどこまでサポートしましたか?
――トヨクモ製品を触って5ヶ月のメンバーに構築を任せたあと、どのようなサポートをされていたのでしょうか。
サポートは、たまに「どう?」と聞くくらいですね(笑)。
「ちょっと難しいです」と言われたら、「そっか、頑張って」と。
もちろん内容を理解したうえで、必要ならフォローもします。
ただ、まずは自分で触ってみるというのをやってもらったほうが覚えられると思っているので、心を鬼にして見守っていました。
ご登壇ありがとうございました!
業務改善というと「どうやって速くするか」を考えがちですが、今回のお話は「そもそもこの工程は必要なのか」という視点から解決策を検討されていました。さらに自社の手間だけでなく、お客様の手間まで考慮されたフローが構築されました。片方の効率化がもう片方の負担になっていないからこそ、続く仕組みになっているのだと感じました。
「誰かからの返事を待っている時間」は、どんな業種にもあるものです。そこに手をつけられないか、という視点は、業種を問わず応用できるのではないでしょうか。
また、構築を担当されたのがトヨクモ歴5ヶ月の社員だったという点も見逃せません。「6割で動かしてみる」「まずは自分で触ってもらう」という進め方は、部下や後輩に何かを任せる立場にある方にとってもヒントになりそうです!
今回お話しの中でご紹介いただいたFormBridge、kViewer、PrintCreator、kMailerは30日間のお試しを何度でもご利用いただけます。
「一人で悩まない」が、DX成功の第一歩
業務改善を進める中で、壁にぶつかったり、孤独を感じたりすることはありませんか?
ユーザーコミュニティ「トヨクモPark」には、試行錯誤しながら楽しく改善を続ける「仲間」がたくさん集まっています。 ちょっとした相談から、マニアックな活用の自慢まで。
トヨクモ製品をもっと身近に、もっと楽しく使いこなすための場所で、あなたをお待ちしています。

















