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【自治体DX×AI】年間80,000件の粗大ごみ受付を一部Web化!さらに旭川市役所がトヨクモ製品×生成AIで挑む「行政事務の自動化」

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ユーザー会での事例登壇の様子をレポート!

この記事は2026年4月に開催した北海道でのユーザー会での旭川市役所 行政DX課 水沢悠さんとM-SOLUTIONS株式会社 代表取締役社長 植草学さんの事例登壇の様子をお届けするレポート記事です。

今回は「旭川市のkintone×トヨクモ製品活用と、生成AIを組み合わせた業務改善」をテーマに、M-SOLUTIONS株式会社の一色恭輔さんのモデレートによる対談セッション形式でご登壇いただきました!

水沢さんの過去の登壇は以下から確認いただけます。

【ノーコードで実現】3つのトヨクモ製品で複雑な市役所の業務を効率化

植草さんの過去の登壇は以下から確認いただけます。

【植草氏×多田氏×トヨクモ代表のスペシャル対談】kintoneの未来〜生成AIと大規模活用〜

旭川市とM-SOLUTIONS株式会社の紹介

旭川市役所の行政DX課の水沢と申します。

旭川市は北海道のほぼ中央に位置する人口約32万人の都市です。

私自身は市役所に入ってから福祉や税金の仕事をしてきた人間で、デジタルの知識は全くありませんでした。

令和の行政改革を機にDXにも携わるようになり、kintoneやトヨクモ製品を活用した業務改善に4年以上取り組んでいます。(水沢さん)

M-SOLUTIONS株式会社(以下M-SOLUTIONS)の植草です。

弊社はソフトバンクグループのkintone SIパートナーで、従業員は約70名です。

そのうち10名が旭川拠点に在籍しており、北海道での支援体制も整えています。

kintone SIの事業は10年以上やっておりまして、年間約100件、累計で1400件を超える構築実績があります。これまでに28の自治体を支援しているほか、kintone連携サービスやAIサービスの開発・提供も行っています。(植草さん)

組織風土改革を目指すkintone活用の歩み

旭川市がkintoneで目指しているのは「組織風土改革」です。ツールを入れるということではなく、組織の雰囲気そのものを変えていくことをゴールにしています。

2022年から、kintone導入の準備を始めました。自治体には国のセキュリティガイドラインへの対応が求められるため、想像以上に厳しい制約がある中で、どう使っていくかの整理やルール策定からのスタートです。

2023年からは民間事業者による伴走支援を始めています。一緒に課題を整理していただいたり、進め方のアドバイスをいただいたりしながら、少しずつkintone活用体制を整えてきました。

2024年からはkMailerも導入したほか、全庁で使うアプリの構築を始めました。例えば旭川市が所有する施設は約700もあるので、その情報を一元管理するアプリなど、全庁横断の基盤づくりから着手しています。

2025年からは「企業版ふるさと納税人材派遣」というスキームを活用して、M-SOLUTIONSの専門人材を市の職員として迎え入れています。伴走支援では実装まで辿り着けなかったけれど、やれば効果が出るはずのネタを進めるために、内部から一緒にDXを推進する体制にしました。そして2026年にはkintoneライセンスを一般行政職員の全員分まで拡大するとともに、生成AIの活用にも踏み出しています。(水沢さん)

なぜkintoneでDXに取り組むのか

旭川市の人口はピークだった1986年から約40年かけて5万人減りました。しかし、ここから先の15年でさらに5万人減るという推計が出ています。

人口減少のスピードが3倍近くになるというのは、例えるなら8月から12月にかけてゆっくり気温が下がるところを、3倍の速さで冷え込むようなものです。気温の変化に体が追いつかないのと同じで、組織にもインフラにも歪みが出てきます。だからこそ、いろいろと変えていかなければ本当にまずいぞというのが出発点でした。

では何を変えるのか。全職員に「どんな作業を何時間しているか」を調査したところ、「専門性が不要で定型的な繰り返し作業」が全体の42.3%を占めていました。

しかもこれは職員自身が「この作業は職員でなくてもできる」「定期的な繰り返しである」と回答した結果です。

業務フローを可視化してみると、紙のやり取りがあちこちで手間を生んでいることが分かりました。kintoneでデータを1箇所にまとめることで作業そのものをなくせた部分もありましたが、メールで書類を受け付けたり、相手方に何かを送ったりする外部とのやり取りはkintoneだけでは限界がありました。そこをカバーするために、トヨクモ製品を組み合わせて使うことにしたのです。(水沢さん)

トヨクモ製品の活用事例

事例1. FormBridgeで粗大ごみ受付をWeb化

旭川市では粗大ごみの回収を申し込み制で実施していて、申し込みをいただいたらお家まで取りに行く仕組みになっています。そのため、内容をしっかり把握して受け付けなければなりません。

これまでは電話で受け付けていたところ、FormBridgeでWebフォーム化したことで、お申し込み内容のデータがそのままkintoneに入ってくるようになりました。電話の時間だけでなく、伺った内容の転記作業がなくなるため大幅な時間短縮につながっています。年間の合計は80,000件の申し込みが届くので、その一部がオンライン化されるだけでもインパクトは非常に大きいです。市民の皆様にとっても、営業時間外に申し込みができるようになったという利点がありました。(水沢さん)

事例2. FormBridgeで運転日報を電子化

市の公用車を運転した際には、乗車前の点検やバッテリー残量、行き先、走行距離など細かい記録が必要です。以前は手書きで紙に書いていました。そしてその紙をチェックする人と月に1回取りまとめる人がいるという状況でした。

FormBridgeを活用することで、データがスムーズにkintoneへ入るようになり、チェックや取りまとめの業務負荷が大幅に軽減されました。(水沢さん)

事例3. kViewerでヒグマ出没情報を公開

旭川市ではヒグマの出没が多く、出没情報はホームページの閲覧数でも上位に来るコンテンツです。

kViewerのリストビューを使い、iframe埋め込みコードでホームページにビューを埋め込みました。kintone上でフラグを切り替えるだけで公開情報が自動更新されます。

ホームページを編集する際はシステム上の決裁が必要なのですが、ヒグマの出没情報は「事実を公表する」という性質のもので、本来的な意思決定を伴うものではありません。ホームページを更新するための転記ミスなどの確認などの作業を減らしたことで情報の開示までのタイムラグを削減できました。(水沢さん)

事例4. kViewerで時間外勤務のグラフを自動更新

時間外勤務の状態を確認するため、以前は時間外勤務の情報をまとめたグラフをExcelで作っていました。

ただ、部が27、課が129もあるので(令和7年度現在)、Excelだと型崩れのチェックだけでも負担となっていたのです。

そこで、kViewerの高度なグラフビューを活用し、kintoneにデータを入れ、何ヶ月分表示するかという数値を指定するだけで自動でグラフが更新されるようになりました。(水沢さん)

事例5. kMailerで移住希望者への情報を送り分け

旭川市への移住を希望してくださる方は、市にとって大切な存在です。

ただ、ちょっと考え始めた段階の方と、具体的に仕事や家を探している方に同じ情報を一律に送るのでは、親切な対応とは言えないと考えています。

そこでkMailerを活用し、検討段階に応じた情報の送り分けを行っています。(水沢さん)

トヨクモ製品の活用事例について、詳しくは水沢さんの前回登壇記事もあわせてご覧ください。

 ■【ノーコードで実現】3つのトヨクモ製品で複雑な市役所の業務を効率化 https://toyokumo-blog.kintoneapp.com/fes2024-city-asahikawa-hokkaido-c/

kintone×生成AIで行政事務相談を効率化

Smart at AIについて

M-SOLUTIONSでは「Smart at AI for kintone Powered by GPT」(以下、Smart at AI)というkintone上で生成AIを活用できる連携サービスを提供しています。

通常、生成AIを業務に使う場合はChatGPTなどの画面にプロンプトを入力して、生成結果をkintoneにコピー&ペーストする流れになります。ただ、社内情報を扱う以上「本当にここに入力してよいのだろうか」という不安を抱えながら作業することになりますし、ツール間の行き来も手間です。

Smart at AIは、管理者があらかじめプロンプトをテンプレートとして設定しておくことで、利用者はkintoneのフィールドを選択・入力するだけで生成結果を得られる仕組みです。プロンプトの知識がなくても使えるノープロンプトの設計で、生成結果はkintoneのフィールドに直接書き込まれるため、kintoneの画面だけで完結します。入力データがAIの学習に使われない仕組みになっているので、セキュリティ面も安心してお使いいただけます。(植草さん)

Smart at AIの詳細や導入事例については、M-SOLUTIONSの製品ページをご覧ください。

 ■Smart at AI for kintone Powered by GPT 

・製品ページ

https://smartat.jp/kintone-solution/ai/

・活用事例ページ

https://smartat.jp/works/ai/

M-SOLUTIONS社内でのSmart at AI活用事例

M-SOLUTIONS社内でも日常的にSmart at AIを使っています。

例えば日報の集計では、社員約70名が毎日入力する日報のレコードをAIでまとめています。

営業部門27人分の日報からグッドニュースとバッドニュースだけをまとめて抽出したり、注目したいトピックだけをピックアップしたりできるようにしています。

また、半年分の週報を振り返る際も、直近1〜2ヶ月の記憶しか残っていないことが多いのですが、AIに要約してもらうと6ヶ月前にやったことまで全部出てくるので、きちんと振り返りができるようになりました。

もう1つ便利なのが、アンケート集計のレポート自動生成です。

FormBridgeで回答を集めた後、そのデータをSmart at AIに渡してボタンを押すと、数分後にはグラフ付きのレポートが出来上がります。「ポップに書いてください」と指示すればポップなテイストに、「シックに書いてください」と指示すればフォーマルなテイストに仕上がるので、用途に合わせて使い分けられます。

このほかにも多様な機能がありますので、業界・業種問わず様々な用途でお客様にご利用いただいています。(植草さん)

FormBridge×Smart at AI×kMailerで実現した行政事務相談フロー

旭川市の行政DX課は、職員の業務に関する手続きについてアドバイスする立場にあります。

これまでは電話やチャットで相談を受けていましたが、記録が残らなかったり、情報が足りなかったりする場合があります。すると、何度かコミュニケーションを往復してヒアリングをするといった事象が発生してしまいます。

この課題を、FormBridge→Smart at AI→kMailerの3つを連携させて解決しました。(水沢さん)

【ステップ1:FormBridgeで相談内容を受付】

まず、行政事務の相談をFormBridgeで作成したWebフォームから入力してもらいます。

相談内容に加え、誰に回答すべきか、添付ファイル、カテゴリーを入力する設計です。

添付ファイルも付けられるようにしていますが、なるべくテキストで入力してもらうよう案内しています。

カテゴリーを指定してもらえれば、過去の事例をカテゴリーで絞り込んでからAIが参照できるので、回答の精度が上がりますし、処理の負荷も軽くなります。

【ステップ2:Smart at AIが回答案を自動生成】

フォームからkintoneにレコードが追加されると、kintoneのWebhook機能をトリガーとしてSmart at AIが起動します。過去、職員が一生懸命作って貯めてきた回答事例をナレッジとして参照し、複数のAIモデルで回答案を生成します。

回答案だけでなく、「なぜその回答になるのか」という解説も生成されます。解説中の参照元にはkintone上の該当レコードへのリンクが付いていて、クリックすればすぐに元の回答レコードを確認できる仕組みです。

プロンプトには口調の統一ルールなども細かく設定しています。回答の品質を一定にするため、あえて1つのプロンプトを使う運用にしています。

【ステップ3:職員が確認してkMailerで回答】

複数のAIモデルの回答と解説を見比べて、良いところをつなぎ合わせたり、必要に応じて修正したりした上で、kMailerの手動送信で質問者にメールを返信します。

添付ファイルがある場合はダウンロードURLも付けて送ることができます。

まだ始めたばかりなので、今回はAIの回答が合わないから改めて人間が作り直して送るということもあります。ただ、それも新たにAIのナレッジとして蓄積されていく仕組みです。

この仕組みによる効果

質問者側からすると、「どう聞いたらいいか分からない」「知らない人には聞きにくい」「どのツールで相談すべきだろうか」といった心理的ハードルがフォームに統一されることで解消されます。

回答者側としては、以前は過去の回答事例がExcelファイルに蓄積されていたのですが、量も膨大でファイルが複数に分かれてたため、検索をかけて探しながら参考にするという作業が必要でした。

しかし、今ではAIがナレッジを参照して回答案やその根拠、クリックすれば参照できるリンクを作ってくれるので、その検索作業がなくなり、スピードが大幅に上がっています。

ナレッジの蓄積についても大きな変化がありました。

以前は「このくらいのことはすでにどこかに書いてあるし、貯めなくていいか」という職員ごとのさじ加減があって、蓄積にムラが出ていました。質問の量がとにかく多いので、全部記録していたら面倒、という理由からこのような状態になっていたのです。

しかし今は全ての相談と回答が一律にkintoneに蓄積され、カテゴリーで整理されるので、データ蓄積の作業も無くすことができました。

組織にDXを根付かせるための考え方

最後に、水沢さんと植草さんからそれぞれ、組織にkintoneやAIを根付かせるためのヒントを語っていただきました。

kintoneとAIの活用を組織に根付かせるには?

ニーズだけではなく、「ペイン(現場の苦しみ)」と「ウォンツ(何がしたいのか)」を整理して、今のリソースで実現できるかを見極めながら一緒に進めていくことが重要だと思います。

なんとなく言ってやってもらっても、無理やり感が出ると続きません。

庁内で集まって事例を紹介したり、繰り返し教育したりということをやっていますが、1回で終わりというのは無理です。

少しずつ部門の人を巻き込んで、大きくしていくのが根付かせるコツだと感じています。(水沢さん)

AIによる自動化はどこまで進めたいか?

旭川市の業務で言えば、答えは「全部」です。

42.3%の定型作業をなくしたいというのが目的なので、AIがやった方が住民のためになるのであれば、全て自動化したいと考えています。

ただ、今は「これは人がやった方がいい」という部分もあるので、その見極めをしながら進めているところです。(水沢さん)

例えば、エレベーターにはかつてオペレーターがいましたが、今は誰もがボタンを押して当たり前のように乗っています。

途中で止まるかもしれないなんて1ミリも思わないですよね。

今後、世界にとってAIもそういう存在になっていくのではないかと思っています。

飛行機のメカニズムを知らなくても誰もが乗れるのと同じで、時間が解決していく部分もあるという見方です。(植草さん)

組織風土が変わる瞬間はいつか?

「再現できる業務改善の経験をした時」です。

例えばkintoneのように柔軟にいろいろな形に変えられるツールで、自分の業務を再現性のあるやり方で改善できたという体験が1つ生まれると、その人の中で変化が起きます。

組織風土は一人一人の積み重ねなので、その体験を積める機会をどんどん作っていくことが大事だと思っています。(水沢さん)

5年後、kintoneとAIが当たり前になった先で一番大事になる力は?

「人間らしさ」だと思います。面倒な作業はAIに任せて、最後の判断は人間がする。例えば提案を受けた時に、ロジカルな理由だけで発注するわけではなく、「この人に頼みたい」と思えるかどうかという部分は残り続けると考えています。(植草さん)

私は「何のためにやるかを考えること」だと思います。どれだけ便利なものが出てきても、目的やミッションを明確に持って利用することが重要です。(水沢さん)

ご登壇ありがとうございました!

明日から真似できそう!と思えたご活用Tipsは見つかりましたか?

旭川市の事例は、kintone+トヨクモ製品の活用が4年間で着実に進化し、生成AIとの組み合わせで新たなフェーズに入ったことを示す好例でしたね。とくにFormBridge→Smart at AI→kMailerの一気通貫フローは、行政に限らず「問い合わせ受付→ナレッジ参照→回答」という業務パターンを持つ組織であれば応用できる仕組みではないでしょうか。

また、水沢さんの「再現できる業務改善の体験が組織風土を変える」という言葉は、DX推進を担当されている皆様にとって大きなヒントになったのではないかと思います。

今回お話しの中でご紹介いただいたFormBridgekViewerkMailerは30日間のお試しを何度でもご利用いただけます。

FormBridge、kViewer、kMailerがどんな製品かについては、以下の動画をご覧ください。

 

 

 

トヨクモ製品でどんな業務改善ができるかについては以下ページよりご確認いただけます。

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執筆者まるチャン


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