kintoneで電子帳簿保存法にどこまで対応できる?運用とツールの判断ポイントを整理
電子帳簿保存法への対応を進める中で、「kintoneを使っているが、この運用で本当に要件を満たせているのか」「追加で専用ツールを入れるべきなのか、それとも運用で補えるのか」と判断に迷っている企業は多いです。
電子帳簿保存法では、電子取引データの保存や検索性の確保、真実性の担保など、“何をどう管理できていれば適切といえるか” が問われます。しかし、その要件をそのままkintoneに当てはめようとすると、「どこまでがkintoneの役割で、どこからが別の仕組みなのか」が見えにくくなりがちです。
本記事では、電子帳簿保存法の要件を整理したうえで、kintoneで担える範囲と、追加のツールや運用で補うべきポイントを切り分けて解説します。
目次
電子帳簿保存法対応で、kintoneユーザーが判断に迷うポイント
電子帳簿保存法への対応を検討する際、kintoneを利用している企業ほど判断に迷いやすい傾向があります。
その理由は、kintoneが会計専用システムではなく、業務データを柔軟に管理できるプラットフォームであるためです。帳簿や請求データをkintoneで管理していても、それが電子帳簿保存法の要件を満たしているかどうかは、画面や機能を見ただけでは判断できません。
現場では、kintone上で帳簿や請求データを管理しているが、この運用だけで問題ないのか分からない、PDFで受け取った請求書や領収書を添付しているが保存要件を満たしているのか判断できない、といった迷いが生じがちです。帳簿の作成、出力、保存、検索をどこまでkintoneに任せてよいのか、その線引きが見えにくいことが原因です。
この迷いは、「kintoneに対応機能があるかどうか」を基準に考えてしまうことで生まれます。しかし、電子帳簿保存法対応の成否は、ツール単体の機能では決まりません。どの種類のデータを、どの方法で保存・管理するのかという設計によって判断が分かれます。
重要なのは、「kintoneで対応できるか」という問いを立てる前に、自社が扱っている帳簿や書類が、電子帳簿保存法のどの区分に該当するのかを整理することです。そのうえで、kintoneが担える範囲と、別途運用やツールを検討すべき範囲を切り分ける必要があります。
ここを整理せずに進めると、過剰なシステム導入や、逆に要件不足のまま運用してしまう判断につながりやすくなります。
判断に影響する電子帳簿保存法の改正ポイント
電子帳簿保存法の対応可否を判断するうえで重要なのは、制度全体を理解することではなく、kintoneでどこまで対応できるかの判断に直接影響する改正点を押さえることです。
まず大きいのが、検索要件とタイムスタンプ要件の緩和です。以前は、保存する電子データに対して厳密な検索項目の設定や、短期間でのタイムスタンプ付与が求められていましたが、改正後は要件が整理され、運用面の自由度が高まりました。「高機能な保存システムでなければ対応できない」という前提は崩れています。
一方で、電子取引に関するデータ保存が義務化された点は、判断を誤りやすいポイントです。メールやWebで受領した請求書や領収書などは、紙に出力して保存する運用が認められなくなり、電子データのまま一定要件を満たして保存する必要があります。この点は、kintoneで管理しているかどうかに関係なく、対応が求められます。
また、事前承認制度や適正事務処理要件が廃止されたことで、電子帳簿保存法への対応は「制度対応」ではなく「運用設計」が中心になりました。どのツールを使うか以上に、どのデータを、どの形で、誰が管理するのかを整理できているかが問われます。
電子帳簿保存法の3区分と、kintoneで担える範囲の考え方
電子帳簿保存法への対応をkintoneで検討する際に重要なのは、「kintoneが使えるかどうか」ではなく、自社が扱っている帳簿や書類が、電子帳簿保存法のどの区分に該当するかを正しく整理することです。
電子帳簿等保存|kintoneで完結できるケースが多い領域
電子帳簿等保存は、会計ソフトや業務システムで電子的に作成した帳簿や書類を、データのまま保存する区分です。仕訳帳や総勘定元帳、決算関連書類などが該当します。
これらの帳簿を、もともとkintone上で作成・管理している場合、電子帳簿等保存の観点ではkintoneで完結できるケースが多くなります。データの登録日時や履歴が残り、検索や参照ができる構造を持っているため、要件整理が比較的シンプルです。
ただし、帳簿としての正確性や訂正履歴の管理などは、アプリ設計や運用ルールに依存します。「kintoneに入っているから対応できている」と判断するのではなく、帳簿としての扱いが整理されているかを確認する必要があります。
電子取引データ保存|kintoneだけでは判断が分かれる領域
電子取引データ保存は、メールやWebサービスを通じて受領・送付した取引データを、電子データのまま保存する区分です。PDFの請求書や領収書、見積書などが代表例です。
この領域では、kintoneを使っている場合でも判断が分かれます。PDFをkintoneに添付して管理していても、その保存方法や検索性、訂正・削除の扱いによっては、要件を満たさない可能性があります。
重要なのは、「kintoneに保存しているか」ではなく、「電子取引データとして求められる要件を満たした形で保存・管理できているか」です。運用次第ではkintoneで対応可能なケースもありますが、保存専用の仕組みや追加の運用設計を検討すべきケースもあります。
スキャナ保存|運用設計で成否が分かれる領域
スキャナ保存は、紙で受領した書類をスキャンして電子保存する区分です。契約書や請求書、領収書などが該当します。
この区分では、ツール以上に運用設計が重要になります。スキャンのタイミング、保存方法、原本の扱い、検索性の確保など、要件を満たすためのルールが明確でなければ、kintoneを使っていても対応できているとは言えません。
kintoneはスキャンデータの管理先として利用できますが、スキャナ保存の要件を満たすかどうかは、kintone単体では判断できません。業務フロー全体を見たうえで、kintoneにどこまで役割を持たせるかを設計する必要があります。
帳簿作成・出力はkintoneだけで足りるのか?
電子帳簿保存法への対応を考える際、帳簿や請求書の「作成・出力」をどこまでkintoneで担うべきかは、判断が分かれやすいポイントです。
kintoneは業務データの管理を主目的としたツールであり、帳簿や帳票の作成・出力を前提に設計されているわけではありません。そのため、kintoneだけで対応するのか、補助的なツールを組み合わせるのかは、業務上の役割分担として整理する必要があります。
重要なのは、帳簿や請求書をどのような形式で作成・出力するかと、電子帳簿保存法の要件を満たす形で保存・管理できているかは、必ずしも同じツールで完結させる必要がないという点です。
PrintCreatorが担う役割と、担えない範囲
PrintCreatorは、kintone上のデータをもとに、見積書や請求書などの帳票をPDFとして出力する役割を担います。
帳票のレイアウトを一定に保ち、kintone内のデータから帳簿・帳票を生成できるため、帳簿作成や出力の役割をkintone側に集約したい場合に適しています。
一方で、PrintCreatorは電子帳簿保存法における「保存要件」を満たすためのツールではありません。
出力したPDFをどのように保存し、検索性や真実性をどう確保するかは、別途、運用設計や保存環境の検討が必要になります。帳票を作成・出力できることと、電子帳簿保存法に準拠して保存できていることは、切り分けて考える必要があります。
そのため、PrintCreatorは「電子帳簿保存法対応ツール」として導入するものではなく、帳簿作成・出力の役割を整理するための補助として位置づけるのが適切です。帳票の作成・出力をkintone側で担い、保存・管理をどの仕組みで行うかを別途整理する、という役割分担が前提になります。
プリントクリエイターについてもっと詳しく知りたい方は、以下記事をご覧ください。
>関連記事:PrintCreator(プリントクリエイター)とは?できること・使い方
PrintCreatorの特徴①:好きなフォーマットに資料を作成できる
プリントクリエイターでは、予め背景PDFを用意し、出力時に表示させたい位置にkintone内の情報を配置します。また、文字サイズ・フォントタイプ・色・アンダーラインなどの装飾を加えることができ、帳票によってデザインを変更できるのも特徴です。
PrintCreatorの特徴②:出力ボタンを押すだけでカンタンにPDF化
プリントクリエイターでは複数のデータを一括してPDFファイルへ帳票出力することが可能です。最大月10,000枚まで一括で出力できるため、月次の書類発行がスムーズに行えます。(オプション購入で10,000枚単位で帳票枚数を追加できます。)
PrintCreatorの特徴③:プルダウンで切り替えるだけで様々な書類を制作可能に
プリントクリエイターでは、kintone上から帳票出力をする際に、管理画面で作成した複数の帳票をプルダウンで選択できます。見積書・発注書・請求書などの帳票レイアウトを保存しておき、必要に応じて出力できるため、Excelからテンプレートを準備して記帳を行い出力する手間が省け、時間の節約にもなります。
PrintCreatorの特徴④:さまざまなサイズに対応できる
プリントクリエイターは、A3~A6サイズ・B3~B6サイズ・はがきサイズなど、サイズの異なる印刷物に対応しています。そのため、帳票だけでなく社内資料などにも使用することができます。さらに、自動でサイズ調整ができたり1ミリ単位で任意の様々なサイズの調整ができたりと、手間をかけずに作業できるのが魅力です。
最後に、実際に『PrintCreator』などの連携サービスを活用し、法改正への対応と劇的な業務改善を同時に実現した企業の事例をご紹介します。 精米業のフジタ精米人様は、帳票作成の二度手間によって繁忙期には朝まで作業が及ぶこともありました。
そこで同社は『PrintCreator』を導入して業務量を1/3に削減。さらに、電子帳簿保存法を背景に『kMailer』で請求書の電子化も進めています。その具体的な取り組みを、ぜひご覧ください。
事例記事:kintone x PrintCreatorで二度手間を省き1/3の業務改善!多様なバックオフィス改革でトヨクモ製品を活用いただいた6つの事例をご紹介
kintoneで電子帳簿保存法対応を進める際の判断まとめ
kintoneで電子帳簿保存法に対応できるかどうかは、「対応している/していない」という単純な話ではありません。重要なのは、自社が扱っている帳簿や書類が電子帳簿保存法のどの区分に該当し、その区分ごとに、kintoneにどこまでの役割を持たせる設計にするかという判断です。
電子帳簿等保存のように、kintone上で作成・管理している帳簿が中心であれば、kintoneで完結できるケースも多くあります。一方で、電子取引データ保存やスキャナ保存が関わる場合は、保存方法や検索性、運用ルールまで含めて整理しなければ、kintoneだけで十分かどうかは判断できません。
また、帳簿や帳票の作成・出力と、電子帳簿保存法における保存要件は切り分けて考える必要があります。PrintCreatorのような帳票出力ツールは、作成・出力の役割を整理するための手段であり、それ自体が法対応を完結させるものではありません。どの工程をシステムで担い、どこを運用として引き取るのかを整理することが前提になります。
電子帳簿保存法対応を進める際に重要なのは、「ツールで何とかする」か「運用で吸収する」かを曖昧にしないことです。区分ごとの要件と自社の業務実態を照らし合わせ、kintoneに任せる範囲と、運用として設計すべき範囲を切り分けて考える。その判断ができていれば、過不足のない、現実的な対応に落とし込むことができます。
ここまで見てきた通り、電子帳簿保存法への対応は、「ツールを導入するかどうか」で決まる話ではありません。帳簿作成・出力と、保存・管理をどこで切り分けるかの整理ができていなければ、どの選択肢を取っても判断は固まりません。
帳簿や帳票の作成・出力をkintone側で整理したい場合、PrintCreatorは、その切り分けを検討する際の一つの手段になります。ただし、合うかどうかは機能表では判断できず、自社の業務フローに当てはめて確認する必要があります。
PrintCreatorは無料で試せるため、「どこまでをkintone側で担えるのか」を確認するためにお使いください。





