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【10月ユーザー会】神戸市役所様による登壇レポート記事

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ユーザー会での事例登壇の様子をレポート!

この記事はユーザー会での神戸市役所 宇都宮さんの事例登壇の様子をお届けするレポート記事です。

今回は「kintoneとFormBridgeの組み合わせはいいという話」でご登壇いただきました!

神戸市のkintone&トヨクモ製品の利用状況

神戸市は、兵庫県にある政令指定都市です。9つの行政区から成り、人口は150万人弱。山と海が非常に近い風光明媚なところです。

神戸市ではスマートシティと称してDXを推進しておりまして、2018年に導入したkintoneについても段々と利用が拡大し、2024年度からは新しいkintone環境で全庁展開を開始しました。2024年4月時点で、約13,000人の全職員をユーザーとして登録している状況です。

トヨクモのkintone連携サービスは、FormBridgekViewerPrintCreatorkMailerkBackupの5製品を契約しています。中でもFormBridge、kViewer、PrintCreatorの3製品がよく使われています。

そんな神戸市では、「内製化」ではなく「市民開発」でkintoneの活用を進めています。

私のようなIT部門の人間がアプリを作るのは内製化にあたりますが、市民開発は現場の職員が自分で現場にあったアプリを作ることを指します。

今回は、市民開発で進めている神戸市での事例を主にFormBridgeに焦点を当ててご紹介させていただきます。

事例1.新型コロナ関連の活用事例

まずは、新型コロナ関連の事例をまとめてご紹介できればと思います。

コロナが流行りだしてから1年半ほど経過した2021年、私がコロナ関連で使用されているkintoneのアプリをざっくり調べたところすべてにFormBridgeが使われていました。

そこで活用パターンを調べてみると、主に以下の3パターンに分けることができました。

市民→担当者→FormBridge(受電した内容を登録)
市民・事業者→FormBridge(アンケート・募集・報告など)
職員→FormBridge(庁内での照会・アンケート・報告など)

当時は、数百ユーザーの規模感でkintoneのアカウントがない職員も多かったのですが、FormBridgeであればアカウントがなくとも自由にデータを入れられます。

照会やアンケートなど、いろいろなパターンでFormBridgeを通してkintoneにデータを蓄積して、状況報告や分析、対策に活用する事例が多く見られたのです。

コロナ専用健康相談窓口にFormBridgeを活用

こちらは、コロナ専用健康相談窓口のフローにFormBridgeを組み込んだ事例です。

オペレーターが市民から電話を受け付け、FormBridgeで作成したWebフォームに相談内容や対応メモなどを記録します。

ピーク時は1日700件以上を記録し、2024年3月末の運用終了時点までで約37万件のデータが溜まりました。

また、溜まったデータを活用して、分析・共有・振り返りなどに役立てることができました。

例えば、相談内容を分析してよく聞かれる話とそれに対する回答を考えたり、電話が来やすい時間帯をグラフ化して人員を調整したりなど、データを有効活用できた事例となります。

なお、補足になりますが、私は庁内でいつも「kintoneはデータベースだ」と言っています。

数億件のデータを扱える本格的なデータベースとは少し違うかもしれませんが、kintoneも100万件程度までのレコードなら扱うことができます。

そのため、私はkintoneはデータベースであることを意識しながら、貯めたデータをどのように活用していくかが大事だと考えています。

ボランティア隊の空き状況をリアルタイムで表示

こちらは、神戸市のホームページにkViewerのビューをiFrameで埋め込んだものです。

kViewerとFormBridgeを連携させて、ワクチン接種予約のお助けをするボランティア隊の受付状況をリアルタイムで更新、表示できるようにしています。

現場の職員がFormBridgeで混み具合を更新するだけで反映されますし、コメントを書いたり、自動で最終更新日時を残したりすることもできます。

kViewerをポータルサイトとして活用

kViewerを新型コロナワクチン関連のポータルサイトとして活用しました。

1つのビューにプラスアルファでいろいろなリンクを加えたことで、まるでポータルサイトのように扱えていて、kViewerだけでもこんな面白い使い方ができるのだなと思いました。

事例2.珠洲市の震災支援

2024年1月1日に起きた能登半島地震に際して、神戸市は能登半島の先端に位置する珠洲市の震災支援を行っておりまして、私もkintoneで関わらせていただきました。

今回の事例は、kintoneで「道路状況収集・共有アプリ」を作成した事例になります。

経緯としましては、珠洲市で数年前から導入されていたkintoneを、さらなる震災対応に活用したいとご相談いただき、神戸市としてもアイデア出しを一緒にしながら支援させていただく流れとなりました。

あまり複雑ではなく、かつ効果も出そうな仕組みを2月9日と14日の打合せを経て、6日ほどの期間で運用開始に至りました。

道路状況収集・共有アプリの概要

それでは、「道路状況収集・共有アプリ」について解説していきます。

前提として、このアプリは震災後の現地調査の効率化を目的としたものです。

従来は職員が現場で道路の写真を撮影し、PCに取り込みExcelで​​写真付き台帳を作成、地図を貼り付けて場所をプロットし、工事依頼のメールを送付と非常に煩雑な業務でした。

「道路状況収集・共有アプリ」の導入後は、この複雑な業務が以下の3ステップで完結するようになりました。

FormBridgeの報告用フォームを開く
地図画像、現場の写真をフォームに添付し報告
kViewerのMyページURLを共有して工事依頼まで完了

これまで必須だったPCでの作業がなくなり、スマートフォン1つで完結するのもポイントです。

FormBridgeとkViewerで報告・共有を効率化

今回の道路状況収集・共有アプリでは、報告にFormBridge、情報共有にkViewerを使用しています。

地図の表示と緯度・経度の取得にはJavaScriptを使用しているのですが、スマートフォンでFormBridgeを開くと現場の地図が自動で開きます。

地図のスクリーンショットを撮るだけで場所を報告できますし、現場の状況写真もスマホで撮ったものをそのままアップするだけで完了します。

kintoneにデータが溜まっていくので職員間の情報共有も自動化できますし、MyページURLを共有することで事業者への工事依頼もできるという仕組みです。

手間のかかっていた報告・共有の部分を、トヨクモ製品を使うことで非常にシンプルなやり方で実現することができました。

事例3.集合研修のオンライン化

最後に、建設局の若手職員が実施したDXの事例をご紹介します。

「排水管理責任者資格認定講習」という集合研修を年2回実施していたのですが、これまでは実施に伴い以下のような業務が発生していました。

  • 資料作成
  • 会場確保
  • 案内文送付
  • 申込受付
  • 受講料徴収
  • 講義実施
  • 修了証発行

上記、講習にかかる職員の業務時間を計算すると年間約100時間もかかっていました。

また、セミナー形式での実施ということもあり、講習会の参加費として3,000円を徴収していました。

トヨクモ製品で集合研修をオンライン化&全自動化

今回、この講座自体をWeb上で受けられる公開講座にした上で、申し込みから修了証発行までのフローを全自動化しました。

FormBridgeで申し込みをするとkViewerのMyページが作成されます。Myページからフォームに飛んで修了テストを受けることができ、すぐに合否を確認できます。

不合格であれば再度テストを受け直し、合格であれば修了証が発行されるという仕組みです。なお、修了証の発行についてはWebhookおよびCUSTOMINEを使用しています。

オンライン化&全自動化したことで、3,000円の参加費が無料になり、集合研修にかかる業務時間は100時間から2時間へと98%も削減されました。

今後の展望

最後に、今後どのようにkintoneを活用していきたいかお話しいたします。

先ほどkintoneはデータベースだと言いましたが、データには、データから得られる情報があり、それを知識にして、知恵として役立てるという活用の段階があります。

まずは、データを集める必要がありますが、その点においてFormBridgeは非常に便利な製品です。

FormBridgeを活用して多くのデータを集め、データ利活用につなげていくことを意識できる神戸市役所にしていきたいと考えています。

また、集めたデータをどう活かすのかも重要です。

まずは、kintoneの基本機能である一覧やグラフを活用して、慣れてきたらPower Queryやピボットテーブルなどを使い、分析して可視化をしやすくする。

最終的には、TableauやPower BIなどのBIツールを使い、オープンデータ化して、みんながデータを利活用できるようにする。こういった思考ができるようになっていきたいと思います。

最後に、神戸市ではいろいろな場所でアプリが作られています。そうすると、kintoneはどうしても部分最適になりがちです。

そこで、うまく同じ軸でデータをつなげて、全体で価値を見出し、全体最適につないでいけるような組織になりたいと考えています。

以上です、本日はありがとうございました。

ご登壇ありがとうございました!

宇都宮さん、今回はご登壇いただきありがとうございました!

人数の多い組織でも、kintoneやトヨクモ製品の市民開発が進んでいる神戸市役所さんの事例は、官公庁だけでなく社員数の多い企業のみなさまにとって非常に参考になるのではないでしょうか。

特に「kintoneはデータベース。それをどう活かすか」というお話がとても大事になると思いました。

kintoneを使って満足、ではなく、集めたデータを使って今の業務を改善/発展させることが目的ですので、kintoneを使う目的を見失わないようにしたいものですね。

今回の事例でご活用いただいたトヨクモのFormBridge、kViewerは何度でも使える30日間の無料お試しを実施しております。

気になる方は、ぜひ以下のフォームよりお申し込みください。
https://www.kintoneapp.com/trial

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