kintoneユーザーで、収集したデータを集計して定期的にレポートしてほしいという場合に使うのは「定期レポート」機能です。
ところが、kintoneの定期レポートは保持できる記録に制限があります。そのため、たとえば毎日の売上などのような、記録したい情報の数が多いケースではやや不向きと言えるでしょう。
そんなときに活用したいサービスが、データコレクトやkViewerです。
本記事では、kintoneの定期レポート機能の概要と、kintone連携サービスのデータコレクト、kViewerについて紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
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kintoneの定期レポートとは
kintoneの定期レポートは、定期的にアプリデータを集計してその結果を記録する機能です。
設定した一定の間隔でアプリデータを集計、記録してくれます。集計結果は折れ線グラフで表示できるため、時系列の変化がわかります。
定期レポートの設定場所は、アプリ設定画面にあるグラフ設定画面の下部にあります。
「定期レポート」と書かれた下の「集計結果を定期的に記録する」にチェックを入れれば完了です。記録するタイミングを選んで設定しましょう。
設定できる集計間隔は以下の通りです。
- 1時間ごと
- 毎日
- 毎週
- 毎月
- 毎四半期
- 毎年
定期レポートの集計対象は、定期レポートの設定者が閲覧できるレコードやフィールドのみとなります。ただし、他のユーザーはアクセス権で閲覧が制限されているレコードが集計対象であっても、定期レポートは閲覧可能です。
kintone定期レポートは過去30回分までしか保持されない
kintone定期レポートの注意点は、30回分までしか保存されないことです。30件のデータを集計すると、以降古い情報は順番に消されてしまいます。
そのため、デイリーで管理したいデータの集計には向きません。
たとえば、商品の在庫状況や日々の売上推移などは、日々更新されるためデータの量が多くなります。
30件しかデータを記録できなければ、すぐに情報がいっぱいになってしまうでしょう。数カ月前のデータと比較できず、売上の推移が分からなくなります。
kintone連携サービス「データコレクト」なら無制限でkintoneのデータを自動集計できる
kintoneが苦手とする予実管理や在庫の引き当てなどは、トヨクモのkintone連携サービス「データコレクト」と連携することで解決しましょう。
データコレクトは、関数を利用した計算や複数アプリ間の集計をするサービスです。Excelなどの表計算ソフトと同じ感覚で使えるため、データの登録・収集から計算までがすべてkintone内で解決できます。
kintoneと連携し、毎日の集計作業を自動化して手間をなくしましょう。
データコレクトの基本的な使い方や活用例は、以下の記事で詳しく解説しています。
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データコレクトの特徴は、次の4つです。
- スタンダードコース以上なら実行回数は無制限
- 複数のアプリを横断してのデータ集計が可能
- スケジュールを設定し自動集計が行われる
- Webhookの設定により特定の操作をトリガーにデータ集計
順番に説明します。
スタンダードコース以上なら実行回数は無制限
データコレクトは、kintoneのドメイン1つにつき1つの契約です。kintoneスタンダードの利用で連携可能となります。
データコレクトのコースは以下の3つから選びましょう。
- ライト(月額9,000円)
- スタンダード(月額18,000円)
- プレミアム(月額30,000円)
※上記金額は全て税抜き表記
ライトコースはフィールド式の実行回数制限が1カ月間に30回までになります。
スタンドコースとプレミアムコースは無制限で利用できるため、フィールド式の実行回数が多い場合にはスタンダード以上の契約をご検討ください。
30日間の無料お試しでは、プレミアムコースの機能をご利用いただけます。
複数のアプリを横断してのデータ集計が可能
データコレクトでは、kintoneと連携している複数のアプリ、複数のフィールドにまたがってデータ集計ができます。さまざまなアプリに散らばっている情報を、一カ所にまとめての管理が可能となるのです。
また、Excelの関数や数式と同様の手順での設定ができるため、新しく使い方を覚える必要がなく、手間がかかりません。
スケジュールを設定し自動集計が行われる
データコレクトでは、定期実行のスケジュール設定もできます。
たとえば、曜日や日付を決めての集計です。毎週水曜日に集計する、毎月20日に集計するといったことを柔軟に決められます。
毎日の営業データをまとめるときや月末に請求書データ作成をするときなどに、スケジュール設定を活用することで、当日の入力・集計漏れといった人為的ミスを防げます。
kintoneと連携しているアプリごとに設定できるので、業務別の集計も苦労なく進められるでしょう。
Webhookの設定により特定の操作をトリガーにデータ集計
また、特定の日時ではなく、特定の操作をデータ集計のトリガー(きっかけ)にすることもできます。
Webhook設定をすると、たとえばkintoneのアプリでレコードの追加が行われた、編集が行われた、削除が行われたなどといった特定のアクションがきっかけになり、データの集計を開始します
Webhook設定を使うにはデータコレクトのプレミアムコースの契約が必須となります。ライトやスタンダードでは使用ができないためご注意ください。
データコレクトで集計した情報を『kViewer』で外部にも閲覧可能に
さまざまなアプリ間のデータを、データコレクトで無事に集計したとします。続いてその情報を外部の人が閲覧できるようにするために「kViewer」を利用しましょう。
kViewerとは、kintone内にある情報やデータを外部公開できる連携サービスです。
通常、kintoneに保存された情報は、kintoneのライセンスを持つ人たちにしか開示できません。しかしkViewerと連携すればライセンスを持っていない人、たとえば取引先の会社やサービスを購入したお客様などにも、見せたい情報のみを開示できるようになります。
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8つのビューから任意の形式を選択できる
開示させるビューは、その目的に合った形式を選択可能です。ビューの形は以下の8つから選びましょう。
【リストビュー】
テーブル形式でレコード一覧を表示。kintoneの一覧画面と同じレイアウト。
【カードビュー】
カード形式でレコード一覧を表示。画面が大きく表示されるため、商品案内ページや社内情報などにおすすめ。
【セグメントビュー】
セグメント形式でレコード一覧を表示。複数の情報と画像を1つのまとまりとして表示可能。
【カレンダービュー】
カレンダー形式でコード一覧を表示。社内の予定やイベント日程などを案内するときにおすすめ。種類ごとの色分けも可能。
【Myページビュー】
1レコードごとにそのレコードの詳細ページのみが生成されて表示。顧客に自分の情報だけを閲覧させたいときにおすすめ。
【ダッシュボードビュー】
1つの画面上に複数のビューを組み合わせて表示。グラフや表の組み合わせや、複数のアプリからそれぞれ作ったビューを一緒に表示するときに便利。
【グラフビュー】
作成したグラフを外部公開するためのページを作成。
【高度なグラフビュー】
kintoneに登録されたデータをグラフにして外部に公開するビュー。複数種類のグラフを組み合わせることも可能。
複数のグラフを組み合わせたダッシュボードを作成可能
kViewerで作った複数のビューを組み合わせて、そのページさえ見れば複数のビューが一覧できる「ダッシュボード」を作れます。
外部に情報を公開する際、いくつものページを見せずに済むようにすっきりとまとめたいときもあるでしょう。
その場合に、ダッシュボードを作成しておくと画面を遷移することなく欲しい情報をすぐに見つけられます。
トッティです。 いま、在宅勤務の方もどんどん増えてクラウドサービスであるkintoneやkintone連携サービスを、より活用する流れになっているようです。我々へのお問い合わせも多くなっているところです。きっかけとなった流行病自体は早[…]
kintoneの定期レポートでできないことはデータコレクトを使って解決
kintoneにはさまざまな機能がありますが、単体ではできないことも存在します。
たとえば定期レポートには記録できるデータが30件までという制限があるため、使用目的によっては向いていません。
データ登録の制限がなく、スケジュールを設定できて定期的に集計結果を取るためには、データコレクトがおすすめです。
また、データコレクトで集計したものを外部で公開したいときには、kViewerを使いましょう。社内でkintoneのライセンスを持っていない従業員にも情報を共有できます。
kintoneにはさまざまな連携サービスがあります。複数を組み合わせることで、多くの業務改善が可能になるはず。ぜひ便利に組み合わせて使ってみてください。