kintoneとPigeonCloudの違いを解説!類似商品の特徴と価格もあわせて紹介

サイボウズが提供する業務改善プラットフォームの『kintone』は、幅広い業務の効率化が可能で、多くの企業で業務改善・効率化を実現しています。
しかし導入を検討していると、こうしたツールはkintone以外にも存在しており、「どのサービスが最適か分からない」と迷ってしまう方もいらっしゃるでしょう。
kintoneと機能面・価格帯が似たサービスの1つに『PigeonCloud』があります。両者はデータの一元管理・共有などができる点では似ていますが、一部相違点があるため、自社に適したサービスを選ぶには事前の確認が大切です。
本記事では、kintoneとPigeonCloudの特徴や価格、その他の類似商品についても紹介します。「業務改善のためにツールを導入したいけど、何がいいか分からない」と迷っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
kintoneとPigeonCloudのそれぞれの特徴を解説
kintoneとPigeonCloudは、どちらもプログラミングの知識なしで利用できるデータ管理システムです。社員の勤怠状況や顧客情報など、さまざまなデータを一元管理できるため、企業や組織の業務効率アップ・生産性向上が期待できます。
以下では、それぞれのサービスについて詳しく解説していきます。
kintoneとは?
kintoneとは、サイボウズが提供する業務改善プラットフォームです。
ドラッグ&ドロップの簡単な操作で自社独自のビジネスアプリを作成でき、簡単にチームメンバーとコミュニケーションを取れる機能が充実しています。
<kintoneの特徴>
- スピーディ&低コストでシステムを構築できる
- プラグイン・kintone連携サービス数は200以上で幅広い拡張ができる
- 簡単な操作でコミュニケーションできるため作業時短につながる
具体的には、特定メンバーのみアクセスできる環境でやりとりする機能や、さまざまな申請情報に紐付けたコメント機能など、情報を共有したいと思ったときに、すぐ連絡できる環境が整っています。
そのためリモートワークやフレックスを導入している企業など、その場にメンバーがいなくてもスムーズな情報連携が可能です。
また、kintoneの基本機能にない機能でも、kintone連携サービスを利用することで機能を拡大できる拡張性の高さも魅力の1つです。
たとえば、kintone内の操作をきっかけとしたメール自動送信機能が欲しい場合、基本機能だけでは実現が難しいものの、トヨクモの『kMailer(ケイメーラー)』を利用すれば簡単にメールの作成・送信ができます。
料金プランも複数から選べるため、まずは目の前の業務をシステム化しながら、少しずつ効率化したいと考えているプラットフォーム利用初心者の企業におすすめです。
PigeonCloudとは?
PigeonCloudは、ロフタルが提供する、社内のデータを簡単にWebデータベース化できるクラウドサービスです。
Excel内のデータやバラバラの請求書・伝票等の一括管理、CSVファイルの入出力、データの集計・見える化などのさまざまな機能が搭載されています。
<PigeonCloudの特徴>
- 文字情報や画像をはじめ、さまざまなデータフォーマットに対応
- AIを使用してデータ内検索やテーブル作成などあらゆる機能をサポート
- SlackやZoomなどを活用したサポート体制が充実
メンバー同士が口頭で情報連携したり書面・Excelで管理したりする必要がなく、ペーパーレスを実現できるため、リモートワークに移行しやすいのも魅力の1つです。
また、PigeonCloudには「同時ログインプラン」があるのも特徴です。利用人数ではなく同時に接続する「ユーザー数」に応じて費用計算するため、利用頻度が低い社員がいてもコストが少なくて済みます。
サービス利用者は少人数だけど、さまざまな機能が搭載された高機能サービスを利用したいと考えている企業におすすめです。
kintoneとPigeonCloudの共通点・違いを比較
以降では、kintoneとPigeonCloudそれぞれの「共通点と違い」について比較していきます。
とくに、違いについて把握すれば両者をしっかり比較できるため、どちらを利用するか迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
kintoneとPigeonCloudの共通点
kintoneとPigeonCloudは、ノーコードツールのため、基本的にプログラミングの知識なしで活用できる点が共通しています。そのため社内に開発分野に精通した社員がいなくても、自社に合ったシステムを構築できる点が魅力です。
ほかにも、以下の共通点があります。
<kintoneとPigeonCloudの共通点>
- データベース管理システム
- 直感的なマウス操作でシステム構築が簡単
- スマホに対応しており外出先でのアクセスも容易
- 複数人でデータ管理・閲覧などが可能
- Excelや書類での管理が不要でペーパーレスを実現
両者とも、社内のあらゆるデータを一元管理して生産性を向上させることを目指しているため、幅広い業務に活用できるのが特徴です。
kintoneとPigeonCloudの違い
共通点の多いkintoneとPigeonCloudですが、さまざまな点で違いもあります。以降では「機能・サポート面」と「料金」に分けて比較していきます。
機能・サポート面を比較
kintoneとPigeonCloudの機能・サポート面における違いは、以下のとおりです。
kintone | PigeonCloud | |
帳票出力機能 |
|
|
PDF/画像のブラウザ上表示機能の有無 |
|
|
拡張機能の豊富さ |
|
|
サポート体制 |
|
|
kintoneはさまざまなkintone連携サービスを駆使してあらゆる機能拡張が可能な一方で、PigeonCloudは基本機能が充実しており外部連携サービスの出番が少ない点が大きな違いです。
たとえば、kintoneで標準出力機能やPDF/画像のブラウザ表示などを実現させるためには、kintone連携サービスの利用が必要です。
具体的には、kitnone上で作成した見積もりや請求内容などを外部出力する際には、トヨクモの『PrintCreator(プリントクリエイター)』を利用することで簡単にPDFとして出力できます。
そのほか社内でシステムを扱える人材の有無で、導入後のサポート体制もどの程度必要か変わってくるため、双方の無料お試しを利用して実際に試して比較するのがおすすめです。
価格面を比較
kintoneとPigeonCloudの価格面について、比較していきます。
kintone | PigeonCloud | |
初期費用 | 無料 | 無料 |
月額料金 | 1,000〜3,000円/1ユーザー | 1,100~2,200円/1ユーザー |
同時ログインプラン有無 | なし | あり (※月額2,200円/1ユーザー) |
利用者数制限 | 10ユーザー
(※ワイドコースは1,000ユーザーから) |
5ユーザー |
※価格表示は税抜
kintoneは、プランによって1ユーザーあたり1,000〜3,000円までの3つのプランが用意されています。一方、PigeonCloudは1ユーザーあたり1,100円と2,200円の2つのプランに分かれています。
kintoneはアプリの利用数やkintone連携サービスの利用有無によって月額料金が変動するため、業務内容に応じてアプリの利用範囲を見極めたうえでプランを選択することが大切です。
対して、PigeonCloudはどのプランでも機能は同一です。同時ログインプランの利用有無のみで料金が変動する仕組みとなっているため、同時接続の利用者数を把握したうえで選択しましょう。
【kintone/PigeonCloud】それぞれ選ぶべき企業を解説
kintoneとPigeonCloudどちらを導入すべきか迷っている方に向けて、それぞれのサービスを選ぶべき企業の特徴を解説します。
- kintoneを選ぶべき企業
- PigeonCloudを選ぶべき企業
利用を迷っている企業は、ぜひ選び方の参考にしてみてください。
kintoneを選ぶべき企業
kintoneの利用がおすすめなのは、以下のような企業です。
- 社内のコミュニケーションをツールによって活性化させたい
- 動画やセミナーなどを活用して、社員それぞれに効率的に利用して欲しい
- できるだけ低コストでサポートも手厚く受けたい
- 知名度の高い製品を使うことで多くの導入事例を参考にしたい
kintoneは数多くの有名企業が導入しているため、公式サイトからも豊富に導入事例を参考にできるほか、セミナーやオンライン相談などのサポートが手厚いのも特徴です。
そのため、データ管理システムの利用が初めての企業や、これからDXを推進していこうと考えている企業におすすめです。
PigeonCloudを選ぶべき企業
PigeonCloudの利用がおすすめなのは、以下のような企業です。
- 帳票出力やルックアップ自動更新などの機能を追加費用なしで活用したい
- 10人以下の少人数での利用を希望している
- 利用頻度の低い社員が多いため、コスパのいいサービスを探している
- システムに詳しい人材がいないため、できるだけ簡単に利用したい
PigeonCloudは標準機能だけで豊富な機能が網羅されているうえに、月額で1ユーザーあたり1,100円から利用できるため、安価な価格で高機能なデータ管理システムを活用したい企業におすすめです。
また、利用頻度がそれほど高くない社員が多く、通常のプランを契約するには割高だと感じる場合には、同時接続するユーザー数で費用を計算する「同時ログインプラン」の利用がお得です。
kintoneとPigeonCloud以外の類似サービス4選
kintoneやPigeonCloud以外にも、以下のような類似サービスがあります。
機能・特徴 | |
Salesforce |
|
JUST.DB |
|
AppSuite |
|
サスケWorks |
|
上記4つのサービスについても解説するので、ほかに類似サービスがないかと探している企業は、ぜひ参考にしてみてください。
Salesforce
Salesforceは、セールスフォース・ジャパン社が提供しているクラウド型の顧客関係管理(CRM)ソフトウェアです。kintoneやPigeonCloud同様、ノーコードでアプリを開発できるため、誰でも短時間でビジネスアプリを作成できます。
また、リアルタイムのデータ分析やAI機能を搭載しているため、顧客管理から営業戦略、コンテンツ作成まで一貫性ある内容であらゆる業務の生産性の向上に役立てられます。具体的には、顧客の離脱予想の分析や既存顧客へのアプローチ提案が可能です。
代表的な機能・特徴 |
オンラインストアの構築・管理 など |
価格 |
※さまざまなプランがあるため詳細は公式HPを確認 |
生成AIを活用しながら、生業活動やカスタマーサービスの一連の工程の業務を効率化、かつ成果を最大に上げたい場合におすすめのサービスです。
JUST.DB
JUST.DBは、ジャストシステム会社から提供されているデータベースツールです。
完全ノーコードで、簡単なドラッグ&ドロップの操作のみでシステム構築できます。そのため基本機能はノーコードで、高機能アプリの開発にはプログラミングが必要になることがありません。
チャット形式や自然文で指定した様式で、複数のパネルやデータテーブルを構築できるため、誰でも簡単に理想のシステムが実現できます。
代表的な機能・特徴 | ・データのリアルタイム集計/見える化
・定型フォームへの帳票出力・レポート出力 ・承認フローの設定は承認者や分岐条件をマウスで配置・つなぐだけの単純操作 ・同時ログインライセンスで費用対効果アップ など |
価格 | 公式HPに記載なし(要問い合わせ) |
ノーコードツールの活用方法が分からない、JUST.DBの使い方が分からない方に向けてセミナー動画も視聴できるため、まずは動画を視聴するだけで全容を掴みやすくなるでしょう。
AppSuite
AppSuiteは、ネオジャパンが提供する、誰でも簡単に業務アプリを作成できるノーコードプラットフォームです。
帳票出力機能も備えており、業務日報・案件管理などあらゆるシーンに対応した豊富なテンプレートで手軽にアプリを作成できます。
そのほかにも、以下の機能が搭載されています。
代表的な機能・特徴 | ・経費/交通費申請を搭載したカレンダー共有機能
・紙の申請書のデジタル化 ・ワークフロー機能 ・フォルダー・メール一覧・ プレビューの3画面構成のメール機能 など |
価格 | ・ライト:月額600円/ユーザー
・スタンダード:月額800円/ユーザー ・プレミアム:月額1,000円/ユーザー |
カスタマーサクセス担当が、オンラインでアドバイスを行う1on1無料相談会や導入支援のための動画コンテンツ、アプリ作成支援・代行サービスなどの導入サポートも充実しているため、自社でのアプリ作成が困難な企業も安心して導入できます。
サスケWorks
サスケWorksは、インターパークが提供する、プログラミング知識なしで業務改善アプリを簡単に作成できるノーコードプラットフォームです。
豊富な機能を備えたアプリが作成でき、作成したアプリ同士はデータを参照して連携できます。
また、作成したアプリはオフィシャルアプリストアで販売できるのがサスケWorks最大の特徴です。データ管理システムを活用しながら、アプリを販売することでオリジナルサービスとしての展開も可能であるため、ビジネスの幅も広げられる可能性があります。
代表的な機能・特徴 | ・コメント機能・ワークフロー機能・カレンダー表示機能含む充実した表示機能
・CSVファイルのインポート・エクスポート ・AI-OCR機能を活用した自動テキストデータ化機能 ・PDF/Excelファイルの帳票出力機能 ・Webフォーム作成・一括メール送信機能 など |
価格 | ・StandardPlan:月額5,000円/11ID(一人当たり455円)
・PremiunPlan:月額15,000円/11ID(一人当たり1,364円) ※規定数を超えた利用は、利用者ごとに追加料金が必要 |
サスケWorksは、各施設・役職別に閲覧権限設定も可能なので、さまざまな支所・役職ごとに権限を設定しながら管理データを一元化したい企業にぴったりのサービスです。
kintoneやPigeonCloudなどさまざまな製品を知り最適なサービスを選ぼう
kintoneとPigeonCloudは、ともにWebデータベースであり、データの一元化・共有・閲覧、またコミュニケーション機能などさまざまな機能が実現できる点で共通しています。
一方で、価格帯はもちろん、帳票出力機能やサポート面で異なる部分も多くあります。
そのため、サービスを導入する際には自社の業務改善したい内容や予算、利用頻度などを把握したうえで慎重に吟味する必要があるでしょう。
とはいえ、調べるだけでは実際の使用イメージを想定するのは難しく、使いやすさ・既存ツールとの相性など、使ってみて分かることも多々あります。
そのため無料のお試し期間を利用して体験してみるのがおすすめです。まずは試しに使ってみて、自社にマッチするか判断してみましょう。

トヨクモ編集部
kintoneを便利に活用する情報を発信|サポートチーム全員がkintone資格保有者|【クラウドで、もっと便利に。もっと簡単に。】をモットーに活動