kintoneで受注・発注管理を効率化!ペーパーレス化を進める連携サービス活用法【テンプレ付き】
受注・発注管理は、取引先や商品情報など多くのデータを扱うため、正確さとスピードの両立が欠かせません。しかし、紙やExcelで管理していると、入力ミスや転記漏れ、担当者不在時の情報共有不足など、さまざまなトラブルが発生しがちです。
本記事では、kintone(キントーン)と外部連携サービスを活用して、受注管理を効率化し、ペーパーレス化を実現する方法を解説します。具体的な設定手順やテンプレートも紹介するので、初めてkintoneを導入する方でも安心して始められます。
目次
kintoneでできる受注・発注管理とは
kintone(キントーン)は、自由にアプリを作成し、受注や発注に関わる情報を一元管理できるクラウドサービスです。これまでExcelや紙で分散して管理していた業務を、kintoneにまとめることでミス防止と効率化を同時に実現できます。従来のExcel管理と比較しながら、その強みを解説します。
脱Excelでリアルタイムに共有できる管理体制へ
Excelは社内PCや共有サーバーに依存するため、最新情報へのアクセスにタイムラグが発生しがちです。一方、kintoneはクラウド型なのでインターネット環境さえあればどこからでも閲覧・編集が可能です。
出張先や在宅勤務中でも、常にリアルタイムで最新情報を確認できます。kintoneライセンスを持つ社員であれば誰でも同じデータを確認できるため、透明性が高く属人化しない運用を実現できます。
情報を集約して工数を削減
kintoneでは受注・発注情報を1か所に集約できるため、「必要な情報が見つからない」「転記ミスが発生する」といった問題を防げます。
過去データも検索ですぐに呼び出せるほか、複製機能を使えば同じような受注・発注を簡単に登録でき、入力作業を短縮できます。
複数のアプリに分散している情報も「ルックアップ機能」を使えば自動で連携可能です。手作業でExcelやブラウザを行き来する必要がなくなり、転記作業ゼロで効率化が進みます。
社内外のコミュニケーションも一元化
受注・発注業務では、社内外で多くのやり取りが発生します。kintoneではレコードごとにコメントを残せるため、案件単位でやり取りを可視化できます。メンション機能を使えば、必要な担当者に直接通知が届くので、情報の見落としも減少します。
「スペース機能」を使えば、関連メンバーで進捗管理を共有できます。社外の取引先とも「ゲストスペース」や外部連携サービス「kViewer」を活用することで、一つのプラットフォームで完結したやり取りが可能です。
kintoneで受注・発注管理を行う方法
kintoneでどのように受注・発注管理を行っていくのか、具体的に事例を見ていきましょう。受注・発注アプリに使えそうなテンプレートもありますが、今回は1から作成していきます。
また、受注・発注と合わせて「見積」「請求」についてもkintoneで管理するという場合も多いと思いますが、これらの入力項目は似たものが多いので、先に作成したアプリを複製して手直ししていくというのがおすすめです。
マスタアプリを作成する
顧客情報・仕入先情報や、製品情報については複数のアプリで参照する可能性があるため、マスタアプリを作っておくのが便利です。kintone内には下記のようなテンプレートアプリがあるので、そのまま使っても、カスタマイズして使ってもいいでしょう。
受注・発注管理アプリに必要な項目を選んで設定
受注・発注管理アプリでは、更新情報がわかるように、「作成日時」「更新日時」「作成者」「更新者」などの項目を入れておくのがおすすめです。デフォルトで自動入力になっているので、入力漏れやミスも起きずに済みます。
進捗が一目で分かるように、ラジオボタンやドロップダウンの形式でステータスを選べるようにしておくと良いでしょう。プラグインを使用して、ステータスごとに色付けがされるようにすると、一覧にしたときにより見やすくなります。
計算する必要がある箇所は特にミスが出やすいので、自動計算の設定をしておくようにします。簡単な四則計算であれば、設定画面からExcelの関数のような形で設定ができます。
受注・発注管理アプリにマスタの情報を紐付ける
先程紹介したマスタに入力した顧客情報を「ルックアップ」機能を使って参照するように設定します。転記の必要がなくなり、大きく作業効率を上げられるポイントです。
上の例であれば、顧客番号を入力すると、関連レコード一覧に顧客の会社名や担当者情報が即座に表示されます。受注内容に不明な点があれば、すぐに連絡するというアクションに移ることができます。顧客番号は「取得」のボタンから検索もかけられるので、覚えていなくても問題ありません。
製品情報も同様にマスタから連携させます。製品番号を入力するだけで製品名や単価が表示され、小計は自動計算によって算出されます。製品番号と数量を入力するだけで、正確なデータを簡単に登録できます。kintoneには自動反映の便利な機能がたくさんあるので、できるだけ手数をかけずに登録ができるアプリの初期設定が重要です。
kintone×トヨクモ製品で受注・発注管理をさらにカンタンに
上記のような受注・発注管理アプリは、メールやFAXなどで取引先から連絡があったものを従業員がkintoneにレコード登録する場合を想定していますが、外部連携サービスを利用すれば、レコードの登録から帳票の出力まで一元的に管理ができます。
トヨクモが提供する「FormBridge(フォームブリッジ)」「kViewer(ケイビューワー)」「PrintCreator(プリントクリエイター)」「DataCollect(データコレクト)」を組み合わせた事例を見ていきましょう。
- FormBridge:Webフォームを作成し、入力内容を自動でkintoneに登録
- kViewer:kintoneに登録された情報を、ライセンス不要で外部公開
- PrintCreator:kintoneのデータをPDF帳票として出力
- DataCollect:複数アプリ間のデータ集計を自動化
(事例1) FormBridge × kViewer で発注先と共同で納期管理
発注業務では、取引先と納期や出荷予定日を正確に共有する必要があります。
FormBridgeで作成したWebフォームを活用すれば、発注先に受領内容や出荷予定日などを直接入力してもらえます。入力された情報は自動でkintoneに登録されるため、自社担当者はレコード画面から即座に内容を確認できます。
FormBridge、kViewerはkintoneライセンスが不要なので、発注先のkintone導入有無は関係ありません。kintoneに登録されたデータはkViewerを通じて公開でき、受領状況や過去の発注履歴を取引先に共有できます。請求や支払業務の対応もスムーズになり、双方の情報認識にズレが生じるリスクを防げます。
(事例2) kViewer × PrintCreatorで請求書発行まで一元管理
自社が受注する側の場合には、FormBridgeやその他の手段で承った受注内容をkViewerで発注元に開示し、確認をとったり、出荷予定日を伝達したりができます。内容に問題がなければ、PrintCreatorで請求書をすぐに発行できます。
kViewerでは表示する項目を細かく制御できるため、社内向けの進捗管理項目などは非公開にしたまま、安全に外部共有が可能です。内容に問題がなければ、PrintCreatorでkintone上のデータから即座に請求書をPDF形式で発行します。
既存の請求書フォーマットをそのまま使えるほか、取引先からフォーマットを指定された場合でも、柔軟にレイアウトを設定できます。請求業務をスピード化しつつ、誤入力や転記ミスを防ぎ、社内外のやり取りを一元管理できます。
(事例3) DataCollectで在庫引当を設定
在庫引当を行う場合、有効在庫情報が常に最新である必要があります。 DataCollect(データコレクト)を使えば複数アプリ間のデータを自動計算し、リアルタイムで在庫引当を更新できます。担当者が手動で数量を確認・更新する作業が不要になり、入力漏れや数量ミスを防げます。その結果、在庫管理と受注処理の流れがスムーズになり、出荷までのリードタイムを短縮できます。
では、この記事で紹介したような連携サービスを活用すると、実際の業務はどのように変わるのでしょうか。
受注・発注管理には、お客様との細かな仕様の打ち合わせや、見積書・発注書といった様々な帳票作成が伴います。
造船業の檜垣造船様は、まさにその「顧客との情報共有」と「帳票作成」という課題を、kintoneとトヨクモ製品で解決しました。導入前は顧客への情報共有に最大2週間かかっていましたが、導入後は即日共有が可能となり、業務スピードが劇的に改善されました。
事例記事:最大2週間かかっていた業務が1日に短縮! 情報共有を円滑化し、顧客との関係強化を実現した造船会社のトヨクモkintone連携サービス活用事例
株式会社エクセディ物流様は、FormBridge、kViewer、kMailerを活用し、発注管理システムを構築しました。紙ベースの業務や属人化といった課題を解決し、業務の大幅な効率化を実現しています。
もともと、同社は紙文化から脱却し、業務の属人化を防ぐためにkintoneを導入しました。さらに効率化を進めるため、kintoneアカウントを持たない仕入先ともスムーズに連携できるよう、連携サービスを追加導入しました。
その結果、年間で12,000件にも及んでいた紙書類が0になり、仕入先とのやり取りがすべてデジタルに移行されました。
>事例記事:発注管理のデジタル化で年間12,000枚の紙を削減! 物流業界がトヨクモkintone連携サービスで実践する業務効率化への道
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【テンプレートの内容】
・【kintone】商品マスタ
・【kintone】注文管理
・【FormBridge】注文管理フォーム
・【kViewer】外部公開API
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FormBridgeとkViewerの連携で、kintoneで管理している商品マスタを引用して、フォームから回答ができます。
kintoneで受注・発注管理をミスなくスムーズに!
取引先や製品が増えると、受注・発注業務は複雑化し、情報共有や確認作業に時間がかかります。kintoneを導入すれば、クラウド上で情報を一元管理でき、業務フローを整理できます。トヨクモ製品を連携すれば、帳票作成や取引先との情報共有もスムーズに統合可能です。
移行時は一時的に負荷がかかりますが、日常的なミスや工数を減らすことで短期間で効果を実感できます。kintoneは運用中でも項目やフローを柔軟に変更できるため、将来の事業拡大にも対応できます。受注・発注管理を効率化し、安定した運用を目指しましょう。


