kintoneで脱Excelをするには?へ移行するメリットは?事例やおすすめのプラグイン/連携サービスも紹介
Excelで管理していたデータをkintone(キントーン)へ移行すれば、一つのデータを複数人で編集・共有・管理が可能になります。
「Excelを使っているものの、kintoneに移行したい」「ファイルが属人化していたり、複数のファイルに情報が散在している」とお悩みの方もいるのではないでしょうか、
この記事では、脱Excelの概要や重要性、脱Excelに役立つkintoneを利用するメリット、脱Excel×kintoneの成功事例について紹介します。
目次
脱Excelとは?なぜ増えているのか
脱Excelとは、言葉の通り「Excel」から他のツールに切り替える動きのことです。Excelの使用を完全にストップするのではなく、あくまで「Excel上での大量のデータ処理からの脱却」を意味します。
他ツールを活用することで、Excelによって時間がかかっている作業や煩雑化している業務を効率化し、情報共有の円滑化や生産性向上につなげることが可能です。
脱Excelが普及した理由としては、企業にマッチしたクラウドサービスなどの別製品が出てきたことや、DX推進や働き方改革などが影響しています。
Excelに比べて、クラウド製品は場所を選ばずに利用できたり、業務を一元化できたりするメリットがあります。
このように、企業において脱Excelを進めることで、作業の属人化を防いだり、業務のボトルネックを解決できるでしょう。
Excelとkintoneの違いとは
ExcelはMicrosoftが開発した表計算ソフトです。グラフ作成、データ集計などの機能を持っています。
kintoneはサイボウズ社が提供するクラウド型のビジネスアプリで、複数人でのデータ管理やワークフロー、コミュニケーションなどにも特化しています。
Excelは個人の分析やタスクに向いており、大きなデータ変更がない情報共有に役立つでしょう。
一方でkintoneは、チームや組織全体で共有・活用することに向いているため、複数人でデータを集計したり、やり取りが発生したりする場合におすすめです。
脱Excel!kintoneを利用するメリット
kintoneは、プログラミング知識なしで自社の業務効率化・自動化を実現する業務アプリを開発できるクラウドサービスです。
これまでExcelで管理していたデータをkintoneへ移行することで、1つのデータを複数人で管理したり、あらゆるアプリや機能と組み合わせて活用することができます。
kintoneを活用して脱Excelするメリットは、以下が挙げられます。
- 複数人でデータを編集・共有・管理できる
- フォーマットを統一できる
- スムーズにコミュニケーションできる
- 編集履歴を確認・復元できる
- モバイルデバイスに対応できる
ここでは、それぞれのメリットについて順に解説します。
複数人でデータを編集・共有・管理できる
Excelからkintoneへ移行することで、複数人でデータを編集・共有・管理できる点は大きなメリットです。
kintoneは、ログインするだけで共通のアプリを参照できるので、1つのアプリ内のデータを同時に編集することができます。更新された情報はリアルタイムに反映されるので、データを共有しなおす必要もありません。
kintoneなら、Excelでよくある「どれが最新版のファイルか分からなくなった」「Excelのファイルが属人化してしまっている」という課題も解消できます。
フォーマットを統一できる
Excelからkintoneへ移行することで、ファイルやデータ管理のフォーマットを統一できるメリットもあります。
Excelでデータを管理している中で、フォーマットにバラつきが生じ、部署や支店ごとの管理や共有が難しいという課題を抱えている方もいるでしょう。
また、Excelでは編集権限をかけていない限り、ふとした拍子に計算式を誤って削除してしまったり、変更してしまったりする可能性も考えられます。
kintoneは、入力画面とは異なる管理画面から計算式を編集する必要があるので、あらかじめ設定していた計算式を削除してしまうリスクを未然に防げます。
スムーズにコミュニケーションできる
kintoneでは、一つひとつのデータに対して、指示やアドバイスなどを書き込める「コメント機能」があります。
コメントを利用することで、データに関する詳細情報やデータを扱う際の注意点などをkintoneの管理画面上で行えます。
他のチャットツールやメールで指示を出していた場合は、コミュニケーションの時間を短縮したり、情報共有の確実性が向上する点がメリットです。
編集履歴を確認・復元できる
kintoneではデータの変更履歴が残るようになっているため、変更履歴を残すためのマクロなどを組み込まなくても履歴を記録できます。
また、データの変更履歴のバージョンごとにデータを復元することも可能です。そのため、データを誤って削除したり変更してしまったりしても、ワンクリックで復元できるというメリットがあります。
モバイルデバイスに対応できる
kintoneはスマホやタブレットなどのモバイル端末に対応しています。そのため、時間と場所を選ばずに作業できるという点もメリットのひとつです。
Excelにもモバイルアプリは用意されているものの、あまり操作性が高いとは言えません。kintoneは業務アプリを開発できるクラウドサービスなので、モバイルデバイスでも操作しやすいことが特徴です。
Excelからkintoneへ移行するデメリット
Excelからkintoneへ移行するメリットも多くありますが、以下のデメリットもあります。
- 複雑な関数が使用できない
- アプリを跨いだ計算ができない
複雑な関数が使用できない
kintoneは業務効率化に優れたツールですが、Excelと比較すると関数機能に制限があります。kintoneの基本機能で使用できる関数は11種類に限られており、Excelで日常的に使用されている多くの関数が利用できません。
例えば、文字列を操作する「LEFT」「RIGHT」「MID」関数といった、Excelでは基本的な関数もkintoneでは対応していません。これらの関数は、商品コードの一部を抽出したり、データの整形に欠かせない機能ですが、kintoneでは別の方法を検討する必要があります。
また、kintoneでは金額計算や日付の表示形式の統一、条件に応じた表示など基本的な計算は可能ですが、複雑な統計関数や財務関数、高度なデータ分析に必要な関数は使用できません。そのため、Excelで構築していた複雑な計算式や分析機能をそのままkintoneに移行することは困難です。
このような制限があるため、高度な計算処理が必要な業務では、kintoneとExcelを併用したり、外部の連携ツールを活用したりする必要があるでしょう。
アプリを跨いだ計算ができない
kintoneのもう一つの制限として、アプリを跨いだ計算ができないという点があります。Excelでは、複数のシートやブックから数値を参照して集計することが簡単にできますが、kintoneでは単一アプリ内での集計に留まります。
例えば、部門別や店舗別の売上データが別々のアプリで管理されている場合、それらを横断的に集計して全社の売上を算出することは、kintoneの基本機能だけでは困難です。各アプリ内では売上の合計や平均値などを計算できますが、複数のアプリからデータを取得して統合的な分析を行うことはできません。
このような複数レコードや複数アプリをまとめて集計する必要がある業務では、外部の集計ツールを活用したり、データをエクスポートしてExcelで処理したりする必要があります。kintoneは単一アプリ内の集計には強みを発揮しますが、アプリ間での数値集計は不得意であることを理解した上で、適切な運用方法を検討することが重要です。
kintone連携サービスのDataCollectを活用すれば、基本機能だけではできない複雑な関数の使用やアプリを跨いだ計算ができます。DataCollectであれば、kintone1環境あたりの定額制で利用できるため、アプリを跨いだ計算が多い場合、コストを大幅に削減することができます。
脱Excelを実現するためのプラグイン・連携サービス
脱Excelを実現するためのプラグイン・連携サービスは以下3つです。
- Excel読み込みプラグイン
- Excel連携アドイン
- Smart at tools for kintone Excel入力
Excel読み込みプラグイン
Excel読み込みプラグインは、ExcelやCSVファイルをkintoneアプリに簡単にインポートできるツールです。一覧画面から直接ファイルをドラッグ&ドロップするだけで、データの読み込みが完了します。
最大の特徴は、ファイル読み込み時の紐づけ設定を複数保存できる点です。定期的に同じ形式のファイルを読み込む業務では、毎回フィールドの紐づけ設定を行う必要がなくなり、作業時間を大幅に短縮できます。また、フィールド項目がデータの1行目になくても、設定時に項目となる行をクリックで選択できるため、データを修正することなくそのまま取り込むことが可能です。
Excel連携アドイン
出典:Excel連携アドイン|NCSサポート&サービス株式会社
Excel連携アドインは、Excelとkintoneデータベースを接続し、データの検索・登録・更新を簡単に実行できる連携ツールです。Excelの使い慣れた操作性を維持したまま、kintoneのクラウド環境でデータを共有できるため、複数の人や場所で作成されたデータを効率的に活用できます。
また、kintoneでは対応が困難な業務特化した複雑な計算式や条件設定をExcelと連携して利用できます。Excelで作成した独自の入力画面や帳票フォームをそのまま使用してkintoneとデータ連携できるため、既存の業務フローを大きく変更することなく脱Excelを実現できます。
Smart at tools for kintone Excel入力
出典:Smart at tools for kintone Excel入力|M-SOLUTIONS株式会社
Smart at tools for kintone Excel入力は、業務で使用している複雑なExcelファイルをそのままkintoneに取り込める画期的な連携サービスです。計算式が入った複雑なExcelファイルでも、計算結果をデータとして取り込めます。
kintone基本では、Excelデータを表形式に加工する必要がありましたが、Smart at tools for kintone Excel入力なら、使い慣れたExcelファイルをそのままの形でインポートできます。これにより、データ移行時の加工作業が不要となり、業務効率が大幅に向上します。
kintoneで脱Excelを実現した事例3選
ここからは、kintoneで脱Excelを実現した事例を紹介します。
1. 株式会社オプティアス
株式会社オプティアスでは、日報管理を改善するためにkintoneを導入しました。
以前までは日報をExcelでまとめるのが大きな手間に感じていましたが、kintoneを使うことで、日報をまとめる手間の削減につながりました。
また、日報をリアルタイムに共有できるようになったため、共有のために送り合っていた大量のメールを削減することも実現したようです。
Excelからkintoneへの移行直前に、従来の入力フォームを調整し、kintoneにアップロードしやすい形にした上で運用を開始しました。
kintone運用開始時には、Excelから既存のデータを一括アップロードしたため、情報を継続して利用し続けられたとのことです。
2. 會澤高圧コンクリート株式会社
會澤高圧コンクリート株式会社では、業務を進めるにあたってデータベースツールなどがなく、さまざまな帳票を出力するためにExcelが乱立することがありました。
複数人で操作するのでデータの破損が起こりやすく、バックアップから戻して最新情報を削除する、あるいは手間をかけて修復するという二択を迫られていたとのこと。
そこで、kintoneとトヨクモが提供するkintone連携サービス「PrintCreator」「kBackup」を導入し、脱Excelを実現しました。
Excelで出力していた帳票をPrintCreatorで手軽に出力できるようにしたり、誤って利用中のアプリを削除したときは「kBackup」で復活させました。
さらに、kintoneと組み合わせて「kMailer」を導入することで、お客様に送付するメールのチェック工数や負担軽減につながっています。
| PrintCreator | kintoneアプリのデータをPDFで出力できる |
| kBackup | kintoneアプリに登録されたデータを安全にバックアップする |
| kMailer | kintoneアプリのデータを引用してメール送信できる |
3. 株式会社テンダーラビングケアサービス
株式会社テンダーラビングケアサービスでは、従来のExcelでの案件管理やデータベースに限界を感じ、業務管理ツールを探していました。
一方で、誰かがファイルを使っている際は更新できなかったり、最新情報や変更履歴などが分からなくなるという問題が生じることもあります。
そこでkintoneを導入し、アンケートや申し込みをWeb上で行い、kintoneで一元化できるようにすることで、データ共有や部署ごとの情報管理が容易になりました。
kintoneを活用して自社の顧客を管理することによって、連絡不備が発生しないようにしたり、顧客へのアフターフォローなどにおいても活用しているようです。
Excelをkintoneに取り込む際の注意点
Excelをkintoneに取り込む際は、以下の点に注意しましょう。
- 権限設定を確認する
- バックアップを取る
それぞれの注意点について順に解説します。
権限設定を確認する
Excelをkintoneに移行するには、データを共有したいメンバーに「ファイル読み込み」「アプリ管理」の権限を付与します。
権限が初期設定のままでは、アプリ作成者にしかファイル読み込みの権限が付与されていないので、kintoneへのデータ移行ができません。
バックアップを取る
kintoneはデータの取り込みや削除を一括で行ったり、データ一つひとつを更新前の状態に復元したりすることが可能です。
しかし、Excelを取り込む前の状態に戻すには手間がかかるので、万が一の事態を鑑みて事前に登録済みレコードをファイルに書き出しておくといいでしょう。
kintoneとトヨクモの連携サービスで脱Excelを推進しよう
kintoneを使って脱Excelをしたいとお考えの方は、kintoneおよびトヨクモのkintone連携サービスの利用がおすすめです。
トヨクモのkintone連携サービスはサービスは14,000契約を突破し、サイボウズのオフィシャルパートナー評価制度においても全製品で受賞と、実績と使いやすさに定評があります。
トヨクモ連携サービスを導入することで、紙の書類を介さず、直接データの書き込みや管理が行えるため、職員の負担軽減や業務効率改善が図れるでしょう。
| FormBridge | kintoneへデータが自動で保存されていくwebフォームを作成できる |
| PrintCreator | kintoneアプリのデータをPDFで出力できる |
| kViewer | kintoneライセンスがない人に、kintoneアプリのデータを共有できる |
| kMailer | kintoneアプリのデータを引用してメール送信できる |
| DataCollect | 複数のkintoneアプリに登録されたデータを集計できる |
| kBackup | kintoneアプリに登録されたデータを安全にバックアップする |
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