kintone エバンジェリスト5人にkintoneを上手に使いこなすコツを聞いてみた!

2023年11月、Cybozu Daysの翌日、kintone エバンジェリスト5名による座談会を開催しました。kintone エバンジェリストになられた経緯やkintoneとトヨクモ製品の活用事例、kintoneを上手に使いこなすためのコツなどを伺いました。

左から石井健太郎氏、山本珠恵氏、前田浩幸氏、喜田晃大氏、中尾典隆氏

皆さんのkintoneとの出会いについて教えてください

石井氏:私は2013年、SFAを探してあちこちのセミナーに参加していました。当時検討していたSFAが1訪問1レコードの登録で、うちの営業は1日に10数件訪問するので入力の手間がかかりすぎます。何かないかと探していたところ、kintoneのことを知りました。1レコードの中でテーブルにどんどん書けるので、これだ、と思いましたね。後は、デザインが当時のWindowsサーバーのようなカチッとした感じではなく、ふわっと柔らかいデザインだったので、これもいいなと感じました。

山本氏:前職の会社で海外製のSFAを使っていたのですが、機能を活用しきれていないのに、費用が高いという声が上がり、別サービスに乗り換えるプロジェクトが立ち上がりました。2017年のことです。SFAやCRMのツールを探している中で、駅で「結果出せおじさんと、早く帰れおじさん…ふぅ」「ノー残業、楽勝!予算達成しなくていいならね」といったkintoneの広告を目にしました。共感を覚えたので、kintoneを試用したところ、安いうえに設定が簡単でヘルプも充実しているので、これしかないですよと言って、導入することになりました。

前田氏:大学4年の時、卒業研究でC#やVisual Basicでプログラミングし、社会課題を解決するアプリを作り、効果を測定するといった論文を書いていました。そこで同じゼミの同級生が、指導教官からkintoneを使って何かやってみないかと勧められていたんです。そこでkintoneを知りました。彼女はコーディングしないで、何なら僕らより見た目が綺麗なアプリを作っていて凄いなと思いました。実際にkintoneを使い始めたのは、現在の歯科医院に就職してからです。

喜田氏:僕は2020年にkintoneを導入しました。それまでは、ずっとExcelやAccessで在庫や売り上げのデータを作っていました。コロナ禍だったので、在宅勤務をしなければならず、会社の数字を全社で共有できるツールを探したところ、kintoneを見つけました。サイボウズ Officeも考えたのですが、ファイルを共有するより、データそのものを共有する方が簡単でいいなと思って試用してみました。すぐにアプリができたのですが、「集計できないじゃん」って思いました。

全員:あーーーーーー!(わかるわかる)

喜田氏:在庫表が作れないな、と困っていたところ、アプリ間で集計できるツールを見つけて一緒に導入しました。

中尾氏:5年前、前職で使ってたグループウェアがオンプレで動いてて、外から使えないという課題がありました。ワークフローの承認もできないし、データの参照もできません。何かあった時に、緊急の連絡も見れないのでどうにかしないとと考えていた時に、そのグループウェアの保守機関が切れるタイミングが来たので、移行を検討し始めました。
色々調べる中、サイボウズ Garoonを見つけて導入準備を進めつつ、サイボウズのセミナーを見に行きました。ガルーンのセッションの間にすきま時間ができたので、kintoneのセッションをのぞいたところ、電子カルテで病院の問診票を作るのと同じ様にアプリが作れるので面白いと思い、一緒に導入することになりました。

kintone エバンジェリストになられた経緯を教えてください。

石井氏:noteでkintoneに関する情報を書いていたら、サイボウズの担当者の方からTwitterのDMが来て、エバンジェリストを検討してくださいと言われました。これ以上アウトプットを増やすのは無理だったのですが、それでもOKということなのでエバンジェリストになることにしました。一度なっておけば、退任した後も「元エバンジェリスト」とは名乗れるなと思って笑

中尾氏:意外と打算的だった笑

石井氏:昔のエバンジェリストは本当にエンジニアしかいませんでした。だから、ユーザー層のエバンジェリストを増やしたい、ということだったと思います。

前田氏:そのユーザー層エバンジェリストの第1号が僕たちです。2019年ごろのkintone エバンジェリストは本当にレジェンドみたいな人しかいなかったんですが、Twitterでお誘いを受けました。
2016年9月からkintoneを使い始めたのですが、使い込むほどに悩みも生まれて、相談するところがなく凄く困りました。そんな時、kintone Caféに出会って、すぐに運営に入り、2017年のkintone hiveにも参加しました。kintoneCaféJAPANや学会で発表もして、そんな実績でお声掛けいただきました。

山本氏:喜田さんと中尾さんとはkintone Café大阪の運営でご一緒しているのですが、エバンジェリストとしてたくさん情報を発信しているのを見て、いいな、楽しそうだな、と思い、私もなりたいと考えていました。私も色々な人のブログを読んでkintoneの活用を学ばせてもらったので、私も還元したいと思いました。そこで、お二人に相談したところ、言ってみればいいじゃん、とアドバイスされましたのがきっかけです。アドバイスを受けて問い合わせフォームから、エバンジェリストになりたいんですけど、と連絡して、サイボウズさんと面談の上認定されました。

中尾氏:エバンジェリストのホームページに問い合わせ先があるのですが、以前は自薦他薦は問いません、って書いてありました。それまでは基本サイボウズさんからの声掛けだったのですが、自薦もできるんだと思って、手を上げました。実は僕が問い合わせフォームからの自薦エバンジェリストの第1号なんです。当時、前田さんをはじめ医療系のエバンジェリストがたくさんいて、勇気をもらっていたので、僕もあんな風になりたいと思っていたんです。noteやTwitterでたくさんアウトプットしていたので、エバンジェリストになれたって感じです。

喜田氏:将来的にエバンジェリストになってほしいけど、まだ資格や活動内容が基準を満たしてない人が活動などの情報共有するFacebookグループです。私はキンコミというコミュニティの掲示板でユーザーの質問に対して色々答えたりしていたのを、サイボウズさんが見てくれて、声をかけてもらい、そのグループに入りました。その後、資格を取り、エバンジェリストになったという経緯です。

kintoneユーザーさんに、kintoneをうまく使いこなすコツのアドバイスをください

石井氏:時々そのアドバイスは止めたほうがいい、と言われることがあるのですが、私はkintoneの資格を取るといいと思います。全部取得すれば何でもできます。資格取ることを目的にしちゃダメと言われることもありますが、モチベーションの元は何でもいいじゃないですか。

前田氏:1番は、現場の人と仲良くしようねって、ということですね。システム化という軸でkintoneを現場に持ち込むと、今の仕事のやり方にこだわりたい人と対立構造が生まれてしまいます。バトルが起きると仕事が進まなくなるし、不幸になります。その状況を避けるには、いかに雑談できる間柄になれるかが凄く大事だと思ってます。仕事軸ではなく、別の相談という感じで会話していると、意外と乗ってきてくれるのです。コミュニケーションをマメに取っておくと、仕事がやりやすくなります。

山本氏:とりあえずkintoneヘルプを読むことです。Googleで検索しなくていいんです。ヘルプを検索すれば、ほとんどの疑問や課題は解決します。

喜田氏:まず、kintoneの機能を知ることです。資格を取るのもその一つです。また、業務の目的や業務改善の目的を理解し、それに対してkintoneをどうはめていくかということを考えることが大事です。その業務をするなら、別にkintoneじゃなくてもいいよね、という判断ができることも重要だと思います。

前田氏:喜田さんはどんなアプローチをしているんですか? 現場にヒアリングしているのか、自分でとりあえず試してみるのか、どんな感じでやられているのですか?

喜田氏:ずっと1人でやってるので、とりあえず自分でやってみます。例えば、今年はインボイス制度や電帳法などの対応があったので、kintoneでやるのか、それとも専用の販売管理ソフトなどでやるのか、を考えていました。

中尾氏:僕は仲間を作ることが大事だと思います。kintoneはキンコミやkintone Caféなどのコミュニティが活発なので、外の仲間ができると新しい刺激をもらえます。よそはそういうことしてるんだ、という気づきをもらえるんです。

効果の大きかったkintone&トヨクモ製品による業務改善例を教えてください。

石井氏:今年(2023年)はインテックス大阪で1万5000人が来場する展示会イベントを開催しました。何百社もの出展社さんの情報を最初はExcelで管理していましたが、管理しきれずkintone化しました。それでも入力しきれず、FormBridge(フォームブリッジ)で入力してもらうようにしました。しかし、入力済みの情報修正は結局電話対応で負荷が大きかったので、kViewer(ケイビューワー)で連携させてMyページで確認してもらうようにしました。出展の請求書もPrintCreator(プリントクリエイター)で作成し、kViewerからダウンロードしてもらうようにしました。開催直前のご連絡などの一斉メールを出したいという要望も出たので、kMailer(ケイメーラー)も使っています。
これらのことをずっと1人でやってたんですけど、今ではチームになって、私は何もしなくて済むようになりました。苦労したのが、最初は私のコピーを作ろうとして、大失敗したことです。私の勉強法を全部伝えたけど無理でした。だからできる人にできることをやらせればいいんです。資格を取る人、取らない人、色々いますが、別にいいよと。アプリを作る能力と、でき上がったアプリを回転させるのは別の能力なんです。

山本氏:システム開発会社で働いているのですが、SaaSを提供しているので、基本、ずっと開発しています。半期ごとに予算を申請して、承認をもらいます。その予実管理を以前はGoogleスプレッドシートで行っていました。必要な機能を追加していったので、お化けシートになってしまい、使うのにも手間がかかり、ミスも発生していました。
そこで、kintoneにしたのですが、アプリ間集計ができないのがネックでした。そこで、DataCollect(データコレクト)を導入し、すべての集計結果を入れられるようにしました。これまで、半期終わったタイミングでしか把握できなかった予算消化状況がリアルタイムで出せるようになったので、すごく仕事が進めやすくなりました。

前田氏:私は歯科医院に勤めているのですが、外来診療だけでなく訪問診療も行っています。訪問診療は通うことが難しくなった方のところにお伺いして、治療やケアをさせていただきます。訪問時には、治療やお話した内容を記録し、その後介護保険のケアマネージャーさんに報告するのですが、広島県はFAXで送るんです。
以前は、OneNoteに記録し、Wordのテンプレートにコピーして印刷し、Excelの差し込み印刷で送り状を作ってFAX送信していました。残業に加え、転記の2度手間でミスも発生していたのです。そこで、データをkintoneに入力し、PrintCreatorで印刷できるようにしました。そのおかげで、訪問診療から帰ってからの作業は全部カットできました。医療現場で外部の人と情報を共有する時には、紙を使うことが多いので、そういう場面でPrintCreatorが凄く活躍しています。

喜田氏:製品を出荷する時の送り状を印刷するのにPrintCreatorを活用しています。製品を梱包し、1個当たり大体10kgくらいの荷物が多いのですが、1個1個に荷札を貼る必要があるのです。この伝票をずっと手書きで書いていました。月に3、4回発送するのですが、300個口の荷物があれば、300枚書くのです。1枚30秒で書いても、150分かかるので、結構きついのです。
そこで、kintoneに入力しているデータをExcelに出力して、印刷するようにしたのですが、やっぱり手間がかかります。そこで、PrintCreatorを使って、kintoneから直接出力できるようにして、作業者のストレスをなくすことにしました。

中尾氏:僕は医療機関で働いていますが、コロナ禍の初期、クラスターを出すとバッシングがひどかったのです。あれに巻き込まれるわけにはいかないということで、体調チェックを厳重にすることになりました。最初は、各部署の責任者が出勤した人にヒアリングしてたのですが、休みの人ってチェックができないんです。各部署がExcelに書いて送ってくるので、集約するのに手間がかかるうえ、チェックしていない人を把握できない、という課題がありました。
kintoneを使うにしても、全員分のアカウントはありません。700人以上のデータをどうやって集めるのか悩んでいたところ、トヨクモさんのFormBridgeを見つけました。試用したところ、名前と部署を毎回手入力しなくてはならず、入れる側は手間がかかります。確認する側としても表記揺れが鬱陶しい。

全員:あーわかりますわかります!

中尾氏:そこで、kViewerを使って、自分の社員番号でログインすれば自分の履歴一覧を確認できるようにしました。未入力があれば、FormBridgeで編集し、体温などを入力します。管理者としては、体温の未入力が残っている人をチェックできるので、声掛けすることができます。病院は休みが不規則なので、自分のスマホから入力できるようになったのがよかったですね。

最後に、kintone エバンジェリストとして、今後の予定や展望、意気込みなどを教えてください。

石井氏:うちの若い人にエバンジェリストになってほしいです。何人か候補がいるので、アウトプットしてほしいですね。

前田氏:自分の原点はkintone担当者として、寂しかったというか、孤独で辛かったというところがあります。それでコミュニティ活動に入り、場作りをしてきました。今後は、コロナ禍で止まってしまったkintone Caféをしっかり動かしていきたいです。

喜田氏:僕も同じで、今、大阪のkintone Caféをやっていて、もっと人を集められるといいなと思っています。今年は1回しか開催できていないので、来年から回数を増やして人が集まる場を作っていきたいです。僕はエバンジェリスト歴が長いわけではないのですが、僕自身も頑張っていきますし、新たな人がエバンジェリストになってきてくれたら嬉しいなと思ってます。

中尾氏:僕も結構kintoneのコミュニティに助けてもらいました。kintone界隈では恩返しではなく、恩送りという風潮があります。返すべき相手には、もう十分できているので、他の人にあげてほしいと言われるのです。その恩送りを続けていきたいです。僕はkintone Café大阪だけでなく、kintone Café奈良も運営しています。今年やっとオフライン開催できたので、それを継続していきたいです。kintone Caféにこだわらず、地域の人たちにkintoneの楽しさを伝えたり、困り事を解決できるような場を作っていけたらなと思います。

山本氏:kintone エバンジェリストに認定後、色々なところに呼んでいただいたのですが、他のユーザーさんにエバンジェリストって偉い人みたいに思われてしまっている節があります。そうではなく、ただkintoneが好きな人たちの集まりです。ユーザーさんとエバンジェリストの間に垣根ができたような感じがしたので、それを払拭していきたいと思います。

対談を終えて

全員kintoneラバーでありヘビーユーザーなので、対談は大盛り上がり。今回は参加されていないエバンジェリストの話も出て、皆さん仲がいいんだなと感じました。kintoneとトヨクモ製品の活用のところはさらっと紹介しましたが、よくよく聞くと凄いノウハウが詰まっていてとても参考になります。それぞれ、他の記事で詳しく紹介しているので、ぜひご一読ください。これからも、エバンジェリスト達がkintone界隈を楽しく盛り上げてくれることは間違いありません。