kintone(キントーン)には、学校や大学などの教育機関で利用できるライセンスやサンプルアプリ、便利な拡張機能・管理機能が備わっています。
「kintoneを学校などの教育機関で活用した事例を知りたい」「教育機関で使えるkintoneのライセンスはある?」とお考えの方もいるのではないでしょうか。
今回の記事では、kintoneを教育機関で活用している事例や、学校・教育機関向けのライセンス、具体的な活用シーンなどを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
kintoneの教育機関で使えるライセンスとは
kintoneには、教育機関で使える3つのライセンスが用意されています。利用者や用途によって利用できるライセンスは異なり、運用には事前審査が必要です。
スクール&ペアレンツライセンス | 要問合せ | 学校と保護者における情報共有のデジタル化を推進できるライセンス |
アカデミック/ガバメントライセンス | 通常価格の60% | 学校法人での校務利用や官公庁などの公共団体での業務利用のためのkintoneおよびGaroon(※¹)のライセンス |
チーム応援ライセンス | 1団体あたり 年額9,900円(税別) |
PTAなどの任意団体、NPO、部活動など生徒主体の場合に活用できるライセンス |
※¹サイボウズ株式会社が提供するグループウェア製品
教育機関におけるkintoneの活用シーン
ここからは、kintoneの教育機関で使えるライセンスの活用シーンについて解説します。
- スクール&ペアレンツライセンスの場合
- アカデミック/ガバメントライセンスの場合
- チーム応援ライセンスの場合
それぞれ順に見ていきましょう。
スクール&ペアレンツライセンスの場合
スクール&ペアレンツライセンスは、学校と保護者の情報共有に役立ちます。
たとえば、紙による学校からの連絡をクラウド上で情報共有できるように改善できるため、印刷や連絡の負担を省くことが可能です。
また、アプリから欠席連絡を受けられるようにしたり、アプリ上で三者面談の日程を調整したりと、連絡手段の改善にもつながります。
アンケートなどのデータはその場で集計できるので、自ら手集計を行う手間がなくなり、大幅に作業時間を短縮できるのもメリットです。
アカデミック/ガバメントライセンスの場合
アカデミック/ガバメントライセンスは、テンプレートとカスタマイズによって学校に合わせた校務システムを構築することができます。
たとえば、生徒ごとの最新情報を一元管理できる名簿を作成し、科目ごとの評価を行う通知表と連携させるようなイメージです。手持ちのExcelファイルからkintoneに変換もできるので、これまでExcelで管理していた情報をスムーズに移し替えられます。
また、調査書や指導要録などの帳票を作成したい場合は、ボタンひとつで帳票出力ができるため、紙でのデータ管理や情報共有も問題なく行えます。
チーム応援ライセンスの場合
チーム応援ライセンスは、保護者主体のPTAやNPO法人、ゼミ、部活動、委員会など特定のチームで活用できるライセンスです。
たとえば、PTAからのお知らせや学校からの配布プリントを限定サイトで公開することができます。他にも、委員会の活動記録として、議事録の作成や予算管理などにも役立ちます。
さまざまな学校行事やPTAのイベントを一覧で共有できる「イベントカレンダー」機能なども備わっています。
1団体あたり年額9,900円でkintoneを利用できるので、チームや団体で導入したい場合はチーム応援ライセンスがお得です。
「活動目的が明確、かつ非営利である」「代表者がおり、情報管理の責任者が明確である」など、独自の審査基準が設けられているため、事前に確認しておきましょう。
教育機関・学校のkintone活用事例
ここからは、教育機関や学校でkintoneを活用した事例を紹介します。
学校法人 創志学園 環太平洋大学
学校法人 創志学園 環太平洋大学様では、kintoneおよびトヨクモの「Toyokumo kintoneApp」を組み合わせて、情報管理の手間や心理的ストレスの大幅削減を実現しました。
教職員の振替休日・有給休暇の管理などもkintoneで一元管理できるようになり、それぞれの状況が一目で分かるようになったそうです。
学生の就職活動支援にもkintoneを導入し、これまで紙ベースで記録していた学生の情報を一元管理することで、情報の検索や引継ぎも便利になったとのこと。
また、kintoneアカウントを持たない教職員が情報を確認する際には、トヨクモ製品の「kViewer」、情報を登録するには「FormBridge」を活用しました。FormBridgeで登録・編集した内容は、「kMailer」を使って本人に通知される仕組みに。
FormBridge | kintoneへデータが自動で保存されていくwebフォームを作成できる |
kViewer | kintoneライセンスがない人に、kintoneアプリのデータを共有できる |
kMailer | kintoneアプリのデータを引用してメール送信できる |
さらに、「Toyokumo kintoneApp認証」機能を導入することで、kintoneや各製品に登録した情報が自動同期されるようになり、登録の手間や入力漏れを軽減しました。
kintone連携サービス活用事例 学校法人 創志学園 環太平洋大学様 : Toyokumo kintoneApp認証で…
埼玉大学教育学部附属小学校
引用:埼玉大学教育学部附属小学校 様の導入事例|kintone
埼玉大学教育学部附属小学校では、小学校と保護者の情報共有にkintoneを採用し、印刷や配布、集計、連絡対応にかかる手間を年間587時間削減しました。
kintone導入前は、学校からのお知らせは紙のプリントで行っており、印刷や配布に手間がかかることや、どのお知らせを見たか分からなくなるという課題を抱えていました。
導入後は、学校と保護者のやり取りに使える「学校からのお知らせアプリ」と「学校評価アンケートアプリ」を実装。教職員が通知したお知らせは、PCだけでなくスマホからも手間なく閲覧できるようになっています。
他にも、教職員同士の情報共有に使えるアプリを作成し、学年や担当校務ごとのやり取りのスペースを用意したり、会議の議事録を共有したりなど、さまざまな情報が確認できるように。
今後は保護者から児童の欠席・遅刻・早退などを連絡できるアプリや、家庭調査票アプリ、保護調査票アプリなどの運用を予定しているそうです。
導入実績30,000社。kintone(キントーン)を使って、仕事が変わったチームの事例をご紹介します。業務効率アップ、…
三島市教育委員会
引用:三島市教育委員会がkintoneを採用、全公立小中学校21校で校務に活用|こどもとIT
三島市教育委員会ではkintoneを導入し、教育委員会職員および、三島市の全公立小中学校21校の全教員にアカウントを配布し校務に活用しました。
これまで、家庭環境調査票や保健調査票、各種問診票、タブレット使用同意書などは、保護者が用紙を提出の上、学校はファイルなどで物理的に保管していました。
kintoneを導入することで、こうした紙の書類をPC・タブレットやスマートフォンでの記入・提出が可能になり、kintone上で受付・管理できるように。
年間約1万枚以上のペーパーレス効果や書類の印刷に要する時間の削減につながった上に、保護者から提出された紙の情報を転記する作業も削減できました。
紙からデータになったことで、「必要な情報を集めやすくなった」「書類の破損や紛失の恐れがなくなった」などの声が上がっているそうです。
サイボウズ株式会社は、静岡県三島市教育委員会が、同社のノーコード・ローコードツール「kintone」を採用したことを発表…
教育機関で使えるkintoneのサンプルアプリの例
kintoneには、教育機関で活用できるサンプルアプリがいくつか用意されています。そのまま使うこともでき、デザインや設定をカスタマイズして利用することも可能です。
ここでは、教育・学習支援業に強いサンプルアプリの例を紹介します。
大学・専門学校パック
大学・専門学校パックは、大学や専門学校で、生徒名簿や面談履歴、学生からの就職活動相談の管理ができるアプリパックです。
このアプリを利用することで、教員間での情報共有や引継ぎがスムーズになり、生徒へのきめ細やかな支援が可能になります。
コメント機能で教員同士がコミュニケーションを取ったり、グラフ化によって簡単にデータを確認・分析したりすることができます。
欠席連絡
保護者が学校に生徒の欠席を連絡できるアプリです。スマホやパソコンから好きなタイミングで情報を登録できるので、パソコンを持たない保護者でも気軽に連絡しやすいというメリットがあります。
学年やクラス別、日・月別など任意の条件で欠席情報を絞り込み・集計できるため、欠席状況をリアルタイムに把握しやすいことが特徴です。
教員間の作業依頼
教員間で資料チェックや印刷などの作業を依頼できるアプリです。依頼内容の詳細や相談などのやり取りは、コメント機能を使うことでスムーズに行えます。
タスクの進捗状況や未完了のタスクを絞り込んで一目で確認できるようにしたり、締め切り前にリマインド通知を届けて作業の抜け漏れを防止したりできます。
就職内定先報告
生徒が就職活動の内定先を報告できるアプリです。
内定先や雇用形態、職種などの情報を一元管理でき、グラフ機能を利用して内定した職種の傾向を可視化することができます。
保健日誌パック
保健日誌や来室記録の作成や、毎日の天気・水質・欠席情報などを記録できるアプリです。
保健室のパソコンからだけでなく、教室や体育館などさまざまな場所から入力・閲覧が可能で、教頭先生や校長先生への確認依頼もできます。
紙保管が必要な場合は、帳票出力サービスと連携することで出力が可能です。
kintoneのアプリストアには、100種類を超えるサンプルアプリがあります。そのまま使えたり、自社の業務や好みに合わせて設定やデザインを変更したりと、自由な仕様が特徴です。多くの企業が業務効率化に役立てています。 一方、その数の多さ[…]
kintoneを活用するならトヨクモの連携サービスがおすすめ
kintoneを教育機関で活用したいとお考えの方は、kintoneおよびトヨクモのkintone連携サービス「Toyokumo kintoneApp」の利用がおすすめです。
トヨクモのkintone連携サービスは1万契約を突破し、サイボウズのオフィシャルパートナー評価制度においても全製品で受賞と、実績と使いやすさに定評があります。
トヨクモ連携サービスを導入することで、紙の書類を介さず、直接データの書き込みや管理が行えるため、職員の負担軽減や業務効率改善が図れるでしょう。
FormBridge | kintoneへデータが自動で保存されていくwebフォームを作成できる |
PrintCreator | kintoneアプリのデータをPDFで出力できる |
kViewer | kintoneライセンスがない人に、kintoneアプリのデータを共有できる |
kMailer | kintoneアプリのデータを引用してメール送信できる |
DataCollect | 複数のkintoneアプリに登録されたデータを集計できる |
kBackup | kintoneアプリに登録されたデータを安全にバックアップする |
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