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DataCollect(データコレクト)とは?kintoneの複数アプリを自動集計できる連携サービスの使い方を解説

トヨクモ編集部のサムネイルアイコン トヨクモ編集部

DataCollect(データコレクト) は、kintone の複数アプリにまたがる情報を自動で収集・計算・加工できる連携サービスです。

Excelの操作に自信がなくても大丈夫。この記事では、実際に DataCollect を使いこなしているトヨクモメンバーが、専門用語をかみ砕いてわかりやすく紹介します。

「DataCollectって難しそうだけど、何ができるの?」「設定って面倒じゃない?」という疑問を持っている方も、この記事を読めば基本の仕組みから便利な使い方まで理解できます。DataCollect製品HP

DataCollect(データコレクト)とは

製品の位置づけ(kintone公式連携サービス)

DataCollect(データコレクト) は、トヨクモ株式会社が提供する kintone公式連携サービスです。kintone上で標準的に行える「同一レコード内の計算」や「単一アプリの集計」を拡張し、複数アプリ間のデータ収集・集計・加工を自動化できるのが特徴です。

kintoneのデータ活用を次のステージに引き上げる「業務効率化サービス」として、多くの企業で導入されています。

できること(収集・計算・加工・更新の自動化)

DataCollectを使うと、複数アプリをまたいだ集計やレコードの自動更新が可能になります。

たとえば、売上や在庫、勤怠、予約など、アプリが分かれていても、DataCollect がそれらを一括で収集し、条件に応じて計算・加工した結果を kintone に自動で反映します。

  • kintoneアプリ間のデータ集計を自動化
  • 時間指定実行で定期的に自動集計
  • 集計元のkintoneアプリへの「レコードの追加・編集・削除」「ステータスの更新」をきっかけに自動集計

この仕組みによって、手作業の Excel 集計や CSV 更新が不要になり、kintone のデータ活用を「リアルタイム」かつ「ノーコード」で実現できます。

DataCollect(データコレクト)でできること

DataCollect(データコレクト) を利用すると、kintone のアプリ間やレコード間の集計を自動化できます。

たとえば、予実管理を行いたい場合、「予算管理アプリ」と「実績管理アプリ」間の数値を自動で照合・計算し、売上実績と予算をリアルタイムで比較できます。

kintoneの「計算機能」でできること・できないこと

kintoneの計算機能でできることを振り返ってみましょう。

▷同じレコード内で小計→合計金額といった計算が可能♪

kintoneの計算機能

▷計算式で関数も使えて便利♪

シンプルな四則演算に加えて、条件付きの計算式(関数)も設定できます。たとえば、点数が80点以上なら「合格」と表示するような条件分岐も簡単です。

IF(点数 >= 80, “合格”, “不合格”)

このように、1つのレコード内で完結する集計や判定であれば、kintone 標準の計算機能だけでも十分対応できます。しかし実際の業務では、「複数アプリにまたがるデータをまとめたい」「別アプリの値を参照したい」といった場面が多く、この時点で kintone 標準機能の限界にぶつかります。

【直面する壁】

kintone の基本機能だけでは、次のような課題に直面します。

①同じレコード内でしか計算できない

たとえば予算と実績が別アプリにある場合、達成率を確認するには複数アプリを行き来して手作業で突き合わせる必要があります。

②レコードをまたいだ集計、アプリをまたいだ集計はできない

部門別、店舗別など、複数レコードや複数アプリをまとめて集計することは困難です。
つまり、kintoneは単一アプリ内の集計には強いものの、アプリ間での数値集計は不得意なのです。

kintoneのレコード「編集機能」でできること・できないこと

集計結果を kintone 内で管理できても、レコードの内容を編集する際には手間が発生します。多くのユーザーは次のような方法で対応しているのではないでしょうか。

▷レコードを開いて手動で編集
▷一括で変更したい場合は CSV をインポートして上書き

この方法では、リアルタイム性がなく、更新作業の手間もかかります。業務が多拠点・多アプリに広がるほど、更新漏れやタイムラグのリスクが高まります。

DataCollect(データコレクト)なら計算・レコード編集を自動化可能!

DataCollect製品HP
DataCollect(データコレクト) を使えば、kintone 上での数値計算やレコード更新の作業を自動化できます。「どの業務で使えるのか」「具体的に何ができるのか」がイメージしにくい方のために、主な機能をシンプルに整理しました。

①レコード内で他のアプリから数値を持ってきて集計

例として、契約管理アプリの合計金額を予算管理アプリから参照してみましょう。

契約管理アプリ(契約金額を記録するアプリ)

下記が契約管理アプリです。5月の契約金額が10万円とします。
契約金額を確認するアプリ

予算管理アプリ(予算として定めた金額を記録するアプリ)

例として、5月の予算を「8万円」と設定しているとします。

この状態でレコード上部にある 「DataCollectする」ボタンをクリックすると、契約管理アプリから該当月の契約金額を自動で集計し、その値をレコードに反映できます。

総契約金額がレコードに追加

②「まとめてDataCollectする」で一括集計を自動化

まとめてDataCollect

複数レコードの集計を一度に実行したい場合は、「まとめてDataCollectする」機能を使います。一覧画面から対象レコードを選び、ボタンをクリックするだけで、指定条件に基づいた一括集計・更新を自動で行えます。

定期的に行う予算更新や、各店舗・部署単位のデータ集計など、日次・週次の定型作業を自動化したいケースに最適です。

③「時間指定実行更新」で自動的に最新情報になっている

DataCollect「時間指定実行」

「時間指定更新」機能を使えば、あらかじめ設定したスケジュールに沿って、DataCollect が自動的に集計を実行します。たとえば「毎日9時に売上データを更新」「毎週月曜に予算実績を反映」といった定期処理を、人の操作なしで自動化できます。

この機能を活用することで、日次・週次のルーティン業務を省力化し、常に最新データを維持可能です。担当者の更新忘れや、入力遅れによる集計ミスを防げます。

④「リアルタイム自動実行」で即座にリアルタイムにデータが更新されている

DataCollect「リアルタイム自動実行」

「リアルタイム自動実行」機能を使えば、kintone 上でレコードの登録・更新が行われたタイミングで、DataCollectが即座に集計を実行します。

営業担当が実績アプリに新しい売上データを登録すると、その瞬間に予実管理アプリへ最新値が自動反映されます。このリアルタイム更新によって、常に最新の数値を基にしたダッシュボード運用が可能です。

DataCollect(データコレクト)の使い方

「実際の操作画面はどうなっているの?」という方のために、DataCollectの基本的な使い方を、具体例をもとに紹介します。

【やりたいこと】東京店・五反田店・新宿店の全店舗売り上げを集計したい

東京店・五反田店・新宿店の3店舗の売上をまとめて管理したいケースを考えましょう。

各店舗はそれぞれ独立したアプリで日々の売上を登録しています。

DataCollect を使えば、これらのアプリを自動で集計し、当日の全店舗売上を1画面で確認できるように設定できます。

五反田店売上実績アプリ

新宿店売上実績アプリ

東京店売上実績アプリ

①全店舗の売り上げ合計金額を保存するアプリを用意

まずはkintoneに全店舗の集計金額を保存するアプリを用意します。

全店舗管理
②計算式を設定

ここでは、集計の条件を計算式で設定します。「式が出てくると難しそう」と感じる方もいるかもしれませんが、心配はいりません。

DataCollect の計算式は、Excel の関数に近い考え方で書けるため、特別なプログラミング知識は不要です。

実際にExcelにあまり触れたことがない人でも、少しずつ慣れれば簡単に扱えるようになります。

【やること】日付が一致している場合に、3店舗の金額を①↑のアプリに集計する計算式を設定します。

■2-1 DataCollectを開く
こちらが全店舗の集計金額を保存するアプリ(①)のデータコレクトの画面です。

計算式入力

■2-2 入力元データを選ぶ

データコレクト管理画面の右側から入力元データを選択することができます。
入力元データとして選択したい数値は、東京店・新宿店・五反田店の3つの売上実績アプリの売上実績金額になります。

例えば、東京店のアプリを選択します。

関数入力

■2-3 計算式を入力

右側の東京店売上実績アプリの「今日の売上」のフィールドをコピーして、左側の計算式に入力します。

=SUMIF(東京店売上実績アプリ!日付,日付,東京店売上実績アプリ!今日の売上)

この計算式の意味は、「東京店の売上実績アプリの日付(右側)と、全店舗売上集計アプリの日付(左側)が一致した場合に、東京店の売上金額を合計(SUM)して反映する」というものです。

同じように、新宿店と五反田店についても同様の式を設定し、3店舗の売上をすべて合算します。

=SUMIF(東京店売上実績アプリ!日付,日付,東京店売上実績アプリ!今日の売上) +SUMIF(新宿店売上実績アプリ!日付,日付,新宿店売上実績アプリ!今日の売上) +SUMIF(五反田店売上実績アプリ!日付,日付,五反田店売上実績アプリ!今日の売上)

■2-4 計算式を保存する

計算式を入力→保存

保存ボタンをポチです。設定完了です。

③早速、アプリで集計!

kintoneの全店舗売上集計アプリ(①)に戻ります。

レコード画面左上にある 「DataCollectする」ボタンをクリックすると、設定した条件に基づいて DataCollect が自動的に集計を実行します。

DataCollect前

↓「DataCollectする」を押すと……

DataCollect後

集計できています。簡単ですね。

DataCollect(データコレクト)活用例一覧

DataCollect(データコレクト)が実際にどんな業務で活躍できるのかを、具体的なシーンごとにまとめた記事も公開しています。売上管理・在庫管理・勤怠集計など、そのまま使えるアプリテンプレート付きの活用例を多数紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

>> kintoneで予実管理を行う方法は?プラグイン&連携サービスも紹介
>> kintoneで在庫引当|有効在庫数を常に最新にする方法
>> kintoneで勤怠管理~データコレクトで月の残業時間を算出してみた~
>> kintoneで売上予測~データコレクトで月ごとの売上予測を立てたい!
>> カレンダーから日付を選択して予約/申込みシステムを作成!

会社名 DataCollectの具体的な活用事例 DataCollect導入による効果 事例記事
株式会社カクイックス 在庫管理:

入庫・出庫管理をkintoneで行っていたが、在庫数の自動更新ができなかった課題に対し、DataCollectを導入。

毎日18時に自動で在庫数を更新するように設定し、更新作業の手間が省け、正確な在庫状況の把握が可能となった。

手入力による計算ミスや作業負荷の課題を解消した。

https://www.kintoneapp.com/case/kakuix
株式会社柏圭 インボイス発行と在庫状況の連携(在庫管理の自動化):

海外展示会での販売実績と在庫数を正確かつリアルタイムに管理するため、インボイス発行アプリと在庫リストをDataCollectで連携。

インボイス発行後、「DataCollectする」ボタンをクリックすることで、販売数量を取得し、在庫数から自動で引き算を実行し、残数を更新する仕組みを構築。

これにより、商品の販売実績や在庫数などの情報がリアルタイムで正確に把握できるようになり、欠品による販売機会の損失を防ぎ、海外業務の効率化に向けた体制が整備された。

https://www.kintoneapp.com/case/kashikey
株式会社ウィルビー 予実管理の集計作業:

開発管理業務に含まれる予実管理業務の引き継ぎの際、スプレッドシートで二重三重の管理や転記作業が発生していた課題を解決するためにDataCollectを導入。

DataCollectを活用することで、予実(予算消化)集計をワンクリックで行うことが可能となり、スプレッドシート上での集計時間がゼロに。

次期の予算申請資料作成の時間削減に貢献した。

https://www.kintoneapp.com/case/willb

30日間の無料お試しを利用できます

DataCollect(データコレクト)の概要や使い方を理解いただけたでしょうか。

実際に操作してみると、Excelの延長感覚で使えるシンプルさと、kintone基本機能を超える自動化の便利さをすぐに実感できます。

トヨクモのkintone連携サービスでは、すべての機能を30日間無料でお試しいただけます。

まずは無料お試し環境で、DataCollectがどの業務にフィットするかを体験してみてください。

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監修者トヨクモ編集部


メンバー全員がkintone認定資格保有者。 累計14,000件以上のkintone連携サービス導入を支援した実績をもとに 、kintoneを活用した業務効率化や現場で役立つ最新情報を発信中。

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