kintoneを外部公開して業務を効率化|kViewer・FormBridgeで実現する活用法と事例
kintone内の情報は原則、kintoneユーザーしか閲覧できません。
そのため、外部への情報公開にはExcelや他システムへ移し替える手間がかかり、担当者の負担になりがちです。
しかし、kintone連携サービス「kViewer」と「FormBridge」を活用すれば、必要な情報だけを安全に外部公開でき、作業効率を大幅に改善できます。
本記事では、kintone内の情報を外部公開するメリットや、kViewerとFormBridgeの導入事例を紹介します。
「外部共有の仕組みを整えたい」「情報公開をもっと効率化したい」と考えている方は、ぜひ参考にしてください。
>関連記事:わかりやすいkintone(キントーン)とは?特徴・機能、メリットを解説
目次
kintone内に保存されているデータは原則一般公開できない
kintoneに登録されたデータは、原則として一般公開できません。閲覧できるのは、kintoneライセンスを持つユーザーのみです。
顧客に商品情報を公開したり、ステークホルダーに経営指標を共有したりしたい場合でも、閲覧のためにライセンスを追加する必要があります。
しかし、連携サービスを使用することで、ライセンスを持たない社外の方にもkintone内の情報を公開できるようになります。
kintone内にある情報を外部公開するメリット
kintone内の情報を必要に応じて外部公開することで、業務効率化や顧客対応の品質向上につながります。ここでは、代表的な3つの活用例を紹介します。
商品の在庫状況をお客様に開示
在庫をリアルタイムで確認できれば、顧客は購入のタイミングを判断しやすくなります。
しかし、在庫管理システムとWebページが連携していない場合、更新作業が担当者の負担となります。
kintoneに登録された在庫情報を外部公開すれば、顧客は常に最新の在庫数を自分で確認可能です。企業側はWeb更新や問い合わせ対応の手間を削減でき、購入検討者の購買意欲も高めやすくなります。
kintoneとトヨクモの連携サービス「kViewer」「DataCollect」を活用した、在庫管理の事例は以下の記事でご紹介しているので、ぜひご覧ください。
>事例記事:建設業の多数業務をkintoneでDX化!残業時間/紙/廃棄物の削減・新卒定着率向上の成果を生んだ活用事例|株式会社後藤組様
>事例記事:会社の文化を変える力を持つkintone+トヨクモで成し遂げた業務改善の軌跡|株式会社ミエデン様
FAQページを作成して問い合わせ負担を軽減
顧客からの問い合わせには、内容が似た質問も多く、個別対応では時間と労力がかかります。
kintone内で管理しているFAQデータを外部公開すれば、よくある質問への回答を自動で共有できます。
利用者は疑問を自己解決でき、企業は対応コストを削減でき、顧客満足度と業務効率の双方が向上します。
>関連記事:kintoneでのFAQ作成方法、FAQページとして公開する方法
kintone内で管理している予定を外部に公開できる
kintoneではチーム内でスケジュール共有が可能ですが、社外関係者には見えません。スケジュール情報を限定公開することで、打ち合わせやタスク調整をスムーズに進められます。
例えば、社外のパートナーに自分の予定を共有し、相手の都合に合わせて候補日を提案してもらうことで、調整にかかる時間を大幅に短縮できます。
トヨクモの「kViewer」を使えばkintone内情報の外部公開が可能に
kintoneのデータを外部公開するには、トヨクモの連携サービス「kViewer」が便利です。
kViewerでは、「ビュー」と呼ばれる公開ページを作成し、kintone内の情報を安全に社外へ共有できます。
kintoneアプリのレコードを様々な形式で表示する「リストビュー」やカード型で見やすく並べる「カードビュー」、スケジュールを可視化できる「カレンダービュー」など、9種類のビューをノーコードで作成可能です。
さらに、複数グラフを組み合わせた「高度なグラフビュー」や、複数の情報を1画面にまとめた「ダッシュボードビュー」、閲覧者ごとに専用URLを発行できる「Myページビュー」も用意されています。ビューには検索フォームや絞り込み条件、多言語切り替えの設定が可能です。また、閲覧期間やアクセス制限の設定にも対応しており、セキュリティ面も安心です。
>関連記事:kViewer(ケイビューワー)とは?できること・使い方
kintoneとkViewerを連携させることで、採用情報の外部公開プロセスを効率化できます。kintone上で求人情報や企業情報を更新すると、その変更が即座にkViewerで作成した公開ページへ反映されます。
Webサイトの更新を都度外部の業者に依頼する手間やコスト、タイムラグが一切なくなるのがメリットです。
FormBridgeとの連携で、公開だけでなくレコードの編集も可能に
さらに、kViewerはFormBridgeと連携することで、kintone内の情報の閲覧だけでなく、編集も可能になります。
FormBridgeとは、kintoneへ回答内容が自動登録されるWebフォームの作成ツールです。FormBridgeで作成したフォームを通じて、kintone非ユーザーでもkintoneに直接情報を登録できます。
>関連記事:FormBridge(フォームブリッジ)とは?できること・使い方
kViewerで作成したビューに編集ボタンを設置し、編集ボタンから移動したフォームに回答することで、kintoneのレコードを上書きできます。
編集機能を利用できるビューは、リストビュー、カードビュー、セグメントビュー、カレンダービュー、Myページビューです。
リストビューにToyokumo kintoneApp認証をかければ、メールアドレスと紐づいたレコードに絞り込んで表示できます。また、Myページビューを利用すれば、閲覧者ごとに個別のURLを指定し、レコードの編集を許可することが可能です。
他にも、kViewerとFormBridgeの連携機能の種類として、フォーム上にkintone内のマスタを参照する「kViewerルックアップ」があります。入力項目が多い場合に、kViewerルックアップでkintone内の情報を呼び出せれば、入力の手間を省けます。
>関連記事:FormBridge×kViewerルックアップでkintoneマスタを参照・引用する方法
■公共分野でも活躍するkViewerとFormBridgeの連携事例
kViewerとFormBridgeの連携は、ビジネスの現場だけでなく、行政や公共サービスのデジタル化にも活用されています。
奈良県橿原市役所様では、累計35万人分の「ワクチン接種受付」や「保育所予約」などの業務をkViewerとFormBridgeでデジタル化しました。
紙の名簿と電話連絡が中心だった業務を、kintoneデータの外部公開とオンライン受付に転換することで、市民の利便性を高めながら、職員の業務負担と数万枚にのぼる紙書類を削減しました。公共領域でも成果を上げた、実践的なDX事例です。
>事例記事:累計35万人のワクチン接種受付業務と保育所一時預かり事業の予約をkintoneでデジタル化した橿原市役所
kViewerとFormBridgeの導入事例
kViewerとFormBridgeは、業種・業界を問わず幅広く活用されています。ここでは、実際に業務効率化やペーパーレス化を実現した企業事例を紹介します。
kViewer
サイボウズ株式会社様
大型イベントの開催時には、協賛企業への資料配布や更新情報の共有に多くの手間がかかっていました。
kViewerを導入したことで、パスワード付きのビューで資料を安全に公開し、第三者の閲覧を防ぎながらリアルタイムで共有できるようになりました。
資料の更新日や対象企業の情報も一覧で確認できるようになり、管理業務の効率が大幅に向上しています。
>>導入事例:kintone+kintone連携サービスは、イベント運営に必要不可欠なソリューション たった1人で約5,000人動員のイベントを取り仕切るイベントディレクターのkintone活用術
株式会社東京ドーム様
イベント「ふるさと祭り東京」では、拾得物の情報と写真をkintoneに登録し、kViewerで閲覧できる仕組みを構築しました。この仕組みにより、拾得物管理を完全にペーパーレス化し、業務量を約20分の1に削減しています。
>>導入事例:東京ドーム社がkintoneの導入でペーパーレス化を実現、業務量を20分の1に削減した!
FormBridge
東京電力グループTEPCOホームテック株式会社様
各協力会社に向けて、kintoneアプリから取得したパラメータ情報をもとにセットされる専用フォームを作成し、エネカリ利用料のシミュレーション機能と提案書PDFの自動発行機能を提供しています。
また、kintoneアカウントをもつ協力会社には、kintone上に自動生成される「お支払い確認書」をPDFダウンロードしてもらい、当月の作業実績やお支払い金額を自ら確認してもらうことで双方の作業負担を減らしています。
>>導入事例:kintoneと連携サービスで見積書を自動計算、協力会社自身で発行可能に!
株式会社星野リゾート様
GoToトラベルキャンペーンの対象除外を受け、キャンセル料金返還のオンライン受付システムを構築しました。FormBridge・kViewer・kMailerを連携させ、宿泊情報をフォーム入力するとkintoneに自動登録される仕組みを導入しています。
この取り組みにより、約7,000件の受付処理を短期間で完了し、業務効率を大幅に改善しました。
>>導入事例:kintone連携サービスの利用で、GoToトラベルキャンペーンの申請から返金手続きまでの自動化に成功した星野リゾート
株式会社ジーベックテクノロジー様
世界中から寄せられる月100件以上の問い合わせを、FormBridgeとkintoneで自動的に受け付けています。
問い合わせ内容に応じて設問を分岐させたり、自動通知を設定したりすることで、対応業務を一元管理しています。
フォームデータは顧客台帳リストに自動で紐付けられ、顧客の行動を可視化できるようになりました。また、アンケートやセミナー申し込みも自動で登録される仕組みにしたことで、手作業を減らし、業務スピードを大幅に向上させています。
>>導入事例:世界中からくる月100件の問い合わせを、FormBridgeとkintoneで手間なくシステム構築できたワケ
kintone情報を外部公開してスムーズな業務フローに
今回はkintone内の情報を外部に公開するメリット、kViewerとFormBridgeの企業での導入事例を解説しました。
kintoneのデータを外部に公開すれば、商品の在庫情報やFAQをサイト上で共有し、問い合わせ対応の手間を減らしたり、スケジュール共有を通じて日程調整をスムーズに行えます。
kintone内の情報やデータを外部公開するためには、kViewerをはじめとするツールが必要です。kViewerはFormBridgeと連携することで、さらに活用の幅が広がります。
まずは30日間の無料お試しで、kViewerとFormBridgeの使い勝手を実際に体験してみてください。

