本記事では、kintoneを使用して効率的かつ効果的な人事評価システムを実現する方法について解説します。
データ管理はもちろん、kintone内に蓄積されているデータ同士の連携や可視化に優れてるため、その豊富な機能と柔軟性を活用して、自社のニーズに合わせた独自の人事評価アプリの構築から、従業員のフィードバックと透明性の向上まで実現することができます。
kintoneで人事評価をするメリット
自社でkintoneを導入している場合でも、人事評価が可能なSaasツールが多く存在する現代の環境で、改めてkintoneで人事評価を行うメリットはあるのでしょうか。
kintoneで人事評価をするメリットは大きく5つあります。
5つそれぞれのメリットを詳しく確認してみましょう。
クラウド型サービスのためいつでもどこでも内容の確認ができる
1つ目のメリットは「クラウドのデータ管理」です。
人事情報というデータを管理するにあたり、クラウド型で管理できるkintoneは、全ての情報にいつでもどこでもアクセスでき、最新の情報を常に共有し続けることが可能です。
ローカルでデータを共有すると、どの情報が最新のものか分からなくなり、データを失うリスクがありますが、kintoneではそのような心配は不要です。
人事評価に適したアプリが既に存在する
2つ目のメリットは「即導入可能」という点です。
kintoneにはいくつかテンプレートアプリが用意されており、その中の一つに人事労務パックがあるので、ワンクリックで人事評価アプリが作成でき、即使用できます。
まずは使ってみるというアクションを起こせるため、導入後にイメージと違ったということが発生せず、その後のカスタマイズを考えることができるメリットがあります。
各社の評価制度に適した人事評価アプリをkintoneで自作できる
先程テンプレートアプリから即導入できるという紹介をしました。
それが3つ目のメリット「カスタマイズ性」に繋がってきます。
人事評価システムを導入した結果、しばらく運用してイメージと異なった場合、改めてツールの選定やデータの作り直しといったデメリットが発生します。
一方kintoneは、エンジニアでない人でもアプリをノーコードでカスタマイズできるので、運用しながら自社の評価制度に適した人事アプリを作成できます。
コメント機能で上司からのフィードバックや部下からのコメントを残せる
人事評価では一方的な評価を登録するだけでなく、その評価に対して双方がコミュニケーションを取らなければ、その後評価を上げていくために必要なことが確認できません。
kintoneにはコメント機能があるため、評価内容について双方でコミュニケーションを取ることが可能です。
レコード単位で閲覧権限を自由に設定できる
人事評価の内容は、個別の従業員やその所属に応じて、閲覧できないようにしたい情報があります。
Excelで管理する場合、人数分の人事評価シートを作成し、個別でメールにて送信するといった手間が発生します。
一方、kintoneにはアプリごと、レコードごとの権限設定が可能であるため、個人別でも所属別でも、閲覧権限を自由にコントロールが可能です。
従業員が他の従業員の人事評価内容を閲覧できてしまう、といった事態を防げます。
kintoneで人事評価を行う方法
ここまでkintoneで人事評価を行うメリットを5つお伝えしました。
それでは実際に、テンプレートアプリを使用して人事評価アプリを作成してみましょう。
アプリの新規作成を選択したのちに表示される、「人事労務パック」を選択し、アプリを作成します。
人事労務パックで作成されるアプリのうち、「人事評定管理」のアプリを選択します。
アプリ作成が完了すると、ダミーデータが入った状態でアプリを確認できるので、ダミーデータをもとに人事評価アプリの使用感を確認しましょう。
レコード詳細画面を開くと、評価が登録されています。
人事評価では、評価を行い等級を登録することが想定されるため、各評価情報を登録し、図のように最終的な評価等級を登録します。
次に、その評価に応じて昇給額を決定するため、評価の横に昇給金額を入力できるようになっています。
また、kintoneの計算機能を使用することで、関数を作成できるので、評価や年収、役職といった条件を組み合わせ、自動で昇給金額を算出させることも可能です。
他にもテンプレート内には人事評価に必要な情報がいくつも揃っているので、一度テンプレートからアプリを作成し、試してみましょう。
kintone×トヨクモ製品でkintoneライセンスを持たない従業員の人事評価も可能に
kintoneを活用した人事評価の運用は多くのメリットを提供します。
一方で、ライセンス保有の有無によってアクセスできる人が限定されるという制限があるため、一部の従業員は使用できない場合もあります。
ここで、kintoneとトヨクモ製品の組み合わせにより、この問題を解決する方法を確認しましょう。
ライセンスによる制約
kintoneは通常、ライセンスを持つユーザーのみが情報を閲覧・編集できる仕組みになっています。
そのため、ライセンスを持たない従業員は自分の人事評価を確認することができません。
これは、特に大規模な組織や多様な雇用形態を持つ企業においては、重要な課題となります。
kViewer×FormBridgeの活用
この問題を解決するために、kintoneとトヨクモ製品の組み合わせが有効です。
kViewer・FormBridgeを組み合わせることで、ライセンスを持たない従業員もkintone上の自分の評価情報を確認することが可能になります。
これにより、組織内の全ての従業員が自分の評価にアクセスし、必要に応じてフィードバックを受け取ることができるようになります。
透明性とコミュニケーションの促進
kViewer×FormBridgeを利用することで、評価プロセスの透明性が高まります。
ライセンスを持たない従業員も自分の評価にコメントを残すことができるため、評価プロセスに対する理解と納得感が深まります。
また、組織全体のコミュニケーションが促進され、従業員のエンゲージメントと満足度の向上に寄与します。
これは、人事評価の目標でもある、組織文化の構築とパフォーマンスに有効な影響を与える重要な要素です。
kintoneを人事評価に活用し透明性と効率を両立する
本記事では、kintoneを利用して効果的かつ効率的な人事評価システムを実現する方法について解説しました。
kintoneのクラウド型サービスは、どこからでもアクセス可能であり、情報の検索性が高く、常に最新の状態を保つことができます。
また、即時導入が可能なテンプレートアプリの利用や、カスタマイズ性の高さ、双方向のコミュニケーション促進、さらにはレコード単位での閲覧権限設定により、プライバシーの保護とセキュリティを確保しています。
加えて、kintoneとトヨクモ製品を組み合わせることで、ライセンスを持たない従業員も自分の評価を確認し、コメントすることが可能になります。
これにより、組織内のすべての従業員が評価プロセスに参加し、透明性を高められます。
このように、kintoneを使用することで、企業は自社に合った柔軟で透明性の高い人事評価システムを構築できます。
従業員一人ひとりの能力と貢献度を正確に評価し、その結果を公平かつ透明に管理することは、組織の成長と従業員の発展のために不可欠です。
kintoneは、自社でそれらの理想を実現できるツールとなるでしょう。