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【徹底比較】kintoneとAppSuiteのメリットとデメリットを紹介

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業務効率化や情報共有の課題を解決するツールとして、『kintone(キントーン)』と『AppSuite(アップスイート)』は多くの企業や自治体に導入されている、人気の業務改善プラットフォームです。

どちらもノーコードでアプリ作成できる点が共通している一方、導入目的や組織の規模、業務内容によって向き不向きが異なります。

本記事では、kintoneとAppSuiteを徹底比較し、それぞれのメリットやデメリット、向いている組織の特徴を解説します。また、導入事例も紹介しているので、どちらのツールが自社に合うか検討してみましょう。

kintoneとAppSuiteの違いを徹底比較

kintoneとAppSuiteの違いについて見ていきましょう。

製品名 kintone AppSuite
提供形態 クラウド オンプレミス/クラウド
価格
  • ライトコース:1,000円(税別)
  • スタンダードコース:1,800円(税別)
  • ワイドコース:3,000円(税別)

※年額プランあり

※kintone単体で導入可能

  • クラウド版:400円(税別)
  • パッケージ版

(例)100ユーザー 500,000円〜(税別)

※AppSuiteはdesknet’s NEOの一機能で単体導入は不可

作成できるアプリ数
  • ライトコース200個まで
  • スタンダードコース1,000個まで
  • ワイドコース3,000個まで
  • 制限なし
プラグインによる拡張

各社から、有償/無償の多くのプラグインが提供されている

4つのみで、kintoneと比較すると少ない(2025年4月時点) 

Excelファイルからのインポート 不可
ヘルプデスク

電話サポート

チャット対応

あり あり
無料お試し あり(30日間) あり(30日間)

kintoneは、業務プロセスが複雑で部門ごとに、柔軟なアプリ作成や連携が必要な組織に向いています。とくに社内のITスキルが高いチームや、自社でカスタマイズしたいニーズがある場合に最適です。

対してAppSuiteは、紙やExcelでの業務をそのままデジタル化したい組織向けです。シンプルで分かりやすいUIが強みで、現場主導で運用したいケースに適しています。

それぞれの詳しい概要については、次以降の見出しで解説していますので、あわせてご覧ください。

kintoneの概要

kintoneとは、プログラミング不要で業務アプリを簡単に作成、共有できるクラウドサービスです。主な特徴は、以下のとおりです。

  • ノーコードのアプリ開発に強い
  • 外部サービスの連携が豊富にある
  • カスタマイズ性が高い

今回ご紹介するAppSuiteとの明確な違いは、AppSuiteは「紙やExcelなど既存の業務フローを”そのままデジタルに移す”」のに対して、kintoneは「業務アプリを”ゼロから設計して作る”」点です。

kintoneのメリットやデメリット、おすすめできる企業・自治体の特徴を詳しく解説していますので、導入を検討されている方はぜひ参考にしてください。

なお、以下の記事では、kintoneのレビューや口コミなどを紹介しています。こちらもあわせてご覧ください。

kintoneのレビュー・口コミ|メリット・デメリットや向き不向きも紹介

kintoneを導入するメリット

kintoneを導入する最大のメリットは「ノーコードで誰でも簡単に業務アプリを作成できる」点です。

kintoneを導入することで、社内の担当者だけでアプリの構築や修正が可能となるため、アプリ開発や改善など外注にかかるコストや時間を大幅に削減できます。

また、クリックやドラッグだけで操作が完結するため、PC作業が苦手な方でも簡単に操作できます。

複数のアプリを連携させることで各業務プロセスの進捗や課題が可視化され、効率的な運用が実現可能な点もメリットです。リアルタイムでの情報共有が可能なため、組織全体の業務スピードも向上します。

さらに、スマートフォンやタブレットにも対応しているため、外出先からでも情報の確認や報告などができる点も大きな魅力です。

kintoneで想定されるデメリット

kintoneは自由度が高く、豊富な機能を備えたツールですが、初期設定やアプリの構築など、実際に使いこなせるようになるまでには一定の習熟が必要です。

また、複雑な業務ロジックを実装する際にはJavaScriptやAPIの知識が求められるため、専門的なスキルを持たない方にとっては導入や運用のハードルが高くなる点もデメリットとして挙げられます

そのため導入時は研修やマニュアルを整備したり、テンプレートやプラグインを活用したりして、全社的に使いやすいよう工夫してスムーズに定着させることが重要です。

さらに、運用後も定期的な見直しが必要となるため、kintoneに精通した専任の担当者を設け、疑問や課題を解決できるようにしておきましょう。

kintoneの導入がおすすめできる企業・自治体の特徴

kintoneの導入は「新しい業務やプロジェクトが頻繁に立ち上がる」企業や自治体におすすめです。

kintoneはアプリをスピーディに作成、変更できるため、試行錯誤しながら改善策を実行できます。

たとえば「日報の入力項目を変えたい」「使いやすい申請フォームを作りたい」といった現場の声にも、ノーコードでアプリを作れるkintoneなら必要なアプリをすぐに作成可能です。

また、豊富な連携オプションがあるため、SlackやGoogle Workspaceなどの外部サービスと連携させながら業務の効率化を図りたい組織にも適しています。

変化の激しい時代に対応するため、業務体制の柔軟性や業務内容の可視化を重視する企業や自治体では、kintoneの導入が大きな助けとなるでしょう。

以下の記事で、kintoneの導入に向いている企業や、活用事例などをまとめていますので、あわせてご覧ください。

kintoneは「使えない」って本当?特徴や向いている企業、活用事例を解説

AppSuiteの概要

AppSuiteとは、ワークフローや業務アプリをノーコードで作成できるグループウェア連携型の業務改善ツールです。『desknet’s NEO』と連携し、社内業務の効率化を支援します。

主な特徴は、以下のとおりです。

  • 紙やExcelなど定型業務のシステム化に強い
  • 複雑なプログラミング知識は必要ない
  • Notesとの互換性が高い(※)

※Notesとは、かつて多くの企業で使われていたコンピュータ上の情報共有システム(2024年にサポートは終了)

kintoneとの明確な違いは、kintoneは柔軟なアプリ作成で業務の効率化を図るのに対して、AppSuiteは、紙やExcelなど現状の定型業務を、シンプルにデジタル化したい場合に適しています。

本章では、AppSuiteのメリットやデメリット、おすすめできる企業・自治体の特徴を詳しくしているので、ぜひ参考にしてください。

AppSuiteを導入するメリット

AppSuiteは、紙やExcelなどの定型業務をシステム化することに適しているため、既存業務の流れをほぼそのまま電子化しやすい点がメリットです。

たとえば、既存のExcel帳票をそのまま取り込み、Webアプリ化できるため、現在のアナログ業務をスムーズにシステム化できます。また、desknet’s NEOとスムーズに連携できるため、社内ポータルと統合した効率的な運用もできます。

desknet’s NEOとは、組織のスケジュール管理やワークフロー、掲示板などを一元化できる、日本発の定番グループウェアです。

クリック操作のみで申請フォームや帳票が作成でき、複雑な設定を必要としないシンプルな操作性のため、ITに不慣れな人でも使いやすい設計となっており、導入のハードルが低いのも特徴です。

AppSuiteを導入することで、業務プロセスの可視化や標準化を実現し、属人化の解消に大きく貢献してくれるでしょう。

AppSuiteで想定されるデメリット

AppSuiteは柔軟性の高いツールですが「複雑なアプリを作成する際には、こまかい調整が必要」になるため設計に時間がかかる場合があります。

そのため事前に現場のヒアリングを入念に行い、どのようなアプリに仕上げるか要件を明確に定義しておくことが大切です。

またAppSuiteは、desknet’s NEOとの連携を前提としているため、単体利用する場合は一部の機能が制限されてしまい、利便性が低くなる点もデメリットです。

外部システムとの連携も可能ですが、複雑な業務や多くの外部サービスとの連携には制限がかかる可能性があります。そのため、事前に業務内容や外部サービスとの連携を想定した上で、まずは試験導入してみるといいでしょう。

AppSuiteの導入がおすすめできる企業・自治体の特徴

AppSuiteは、紙やExcelに頼った業務管理から脱却し「文書やデータのWeb化を進めたい企業や自治体に最適」なツールです。

すでにdesknet’s NEOを利用している場合は、AppSuiteを導入することで、スムーズに業務効率化を実現できます。

またkintone同様、柔軟なアプリ作成が可能なため、業務改善を現場主導で進めたい組織にも向いています。

複雑ではない業務フローを効率的にシステム化したい場合や、コストを抑えながら自分たちに合うアプリを運用したい企業にとって、AppSuiteは効果的なツールです。

kintone導入の成功事例3選

本章では、以下3つのkintone導入の成功事例を紹介します。

  • 派遣看護師6,000人のシフト管理を1ヶ月で構築|一般社団法人横浜市医師会
  • 1週間の作業工数を10時間→30分の削減に成功|常盤工業
  • 700社超えの企業とのやり取りをはじめ社内外の情報共有の効率化を実現|ジヤトコ

なお、kintoneをより効果的に活用したい場合「Toyokumo kintoneApp」の併用がおすすめです。

Toyokumo kintoneAppは、以下6製品の総称です。

  • FormBridge:kintoneと連携したWebフォームを簡単に作成できる
  • kViewer:kintoneのデータを外部に公開できる
  • kMailer:顧客データ内のアドレス宛にメールを一斉送信できる
  • PrintCreator:kintoneのデータをワンクリックで書類出力できる
  • DataCollect:複数アプリをまたいだデータを集計できる
  • kBackup:さまざまなバックアップ機能でデータの保護を支援できる

それぞれの機能の特徴は、以下のYouTube動画を参考にしてください。

Toyokumo kintoneAppは、外部データをkintoneに入力したり、kintoneのデータを外部で共有したりして、社外との情報共有をスムーズにしてくれます。

高いセキュリティシステムもあわせ持っているため、安全な情報共有が可能な点も大きなメリットです。30日間の無料お試しが可能なので、ぜひご活用ください。

派遣看護師6,000人のシフト管理を1ヶ月で構築|一般社団法人横浜市医師会

新型コロナワクチンの大規模接種にあたり、一般社団法人横浜市医師会では約6,000人の派遣看護師のシフト管理が大きな課題となっていました。

従来の手作業やExcelでは対応が難しく、迅速かつ柔軟な対応が求められるなか、kintoneを導入しました。

わずか1ヶ月でシフト管理システムを構築し、スピーディな運用開始を実現。kintoneは現場のニーズに合わせたカスタマイズが可能で、運用後の調整もスムーズに行えたのも成功要因のひとつです。

結果として、シフト調整や看護師との連絡が大幅に効率化され、円滑なワクチン接種業務を支える仕組みを構築しました。

事例の詳細については、以下の記事で紹介しています。

コロナワクチン接種管理システムを、たった1ヶ月で構築から運用まで実現した活用法とは

1週間の作業工数を10時間→30分の削減に成功|常盤工業

常盤工業では、工事情報や顧客情報の管理に使っていた既存のデータベースソフトが、特定の担当者に依存していたため、属人化や作業効率の低下が課題となっていました。

kintoneを導入した結果、データの同時編集が可能となり、作業の待ち時間が解消。さらに、ノーコードでのアプリ作成により、現場主導で業務改善が進められるようになりました。

kintoneを継続的に活用することで、1週間あたりの作業工数が、10時間から30分へ大幅な削減に成功。情報の一元管理と共有もスムーズに進み、業務の効率化と属人化の解消に大きく貢献しました。

事例の詳細については、以下の記事で紹介しています。

業務の属人化を解消したことで作業工数が10時間→30分に!建設業界の常盤工業が実現したDX化

700社超えの企業とのやり取りをはじめ社内外の情報共有の効率化を実現|ジヤトコ

ジヤトコでは、700社を超える取引先との情報共有を紙やメールで行っていたため、管理が煩雑になり社内外のコミュニケーション効率に課題を抱えていました。

kintoneを導入したことで、情報共有の一元化を実現し、取引先とのやり取りがスムーズになりました。

また、アクセス権限をこまかく設定することで、必要な相手との適切な情報共有に成功。業務スピードが向上し、社内外の伝達ミスも減少したことで、業務品質の向上にもつながり、情報管理とコミュニケーションの両面で大きな成果を上げました。

事例の詳細については、以下の記事で紹介しています。

FormBridgeの導入により、700社からの回答リードタイム・集計工数を大幅削減!kintone×Toyokumo kitnone連携サービスで社内外の情報共有を効率化

AppSuite導入の成功事例3選

続いて、AppSuite導入事例を3つ紹介します。

  • 勤務時間や収支の可視化で従業員の意識改革を実現|システムアプローチ
  • 月130時間の業務時間、年間9600枚の紙の削減に成功|アサミ情報システム
  • 職員自らアプリを作成し現場主体の業務効率化を構築|群馬県館林市役所

それぞれの導入に至った経緯や導入後の成果などを参考に、AppSuiteを導入するか検討してください。

勤務時間や収支の可視化で従業員の意識改革を実現|システムアプローチ

システムアプローチでは、従業員の勤務時間や収支情報の把握が難しく、業務改善に向けた「見える化」が求められていました。

そこでAppSuiteを導入した結果、勤務時間や収支の状況が簡単に可視化され、従業員自身が自らの業務に関する数値を把握できるようになりました。

日々の業務に対するコスト意識が高まり、プロジェクト単位でのコスト感覚が社内に定着しています。

また、経営層と現場との情報共有もスムーズになり、迅速で的確な業務改善やコスト削減の実現にもつながった成功事例です。

月130時間の業務時間、年間9600枚の紙の削減に成功|アサミ情報システム

アサミ情報システムでは、紙ベースの業務プロセスが多く、作業時間の増加や紙の消費増大が課題でした。

AppSuiteを導入したことで、業務のデジタル化とペーパーレス化が進み、月間130時間の業務時間と年間9,600枚の紙の削減に成功。AppSuiteは操作も直感的で、ITに詳しくない社員でも使いこなせるため、社内定着もスムーズでした。

さらに、売上や収支などの情報もリアルタイムで確認できるようになり、業務効率の向上に加えて、紙の使用量が減ったことで環境にもやさしい取り組みにつながっています。

職員自らアプリを作成し現場主体の業務効率化を構築|群馬県館林市役所

群馬県館林市役所では、老朽化したシステムに代わる新たな業務管理手法を模索するなかで、職員自身が柔軟に活用できるツールを探していました。

地元のベンダーから「AppSuite」を提案され、同市では以前から「desknet’s NEO」を導入していたこともあり、スムーズにAppSuiteを活用できました。

導入の結果、ノーコードで職員が自ら業務アプリを作成できるようになり、現場のニーズに即した効率的なシステム構築が実現。さらに、情報セキュリティ研修受講者の管理に関する業務効率が飛躍的に向上しました。

今後は、desknet’s NEOやAppSuiteを活かして、庁内全体のDX推進を図っていこうとしています。

kintoneとAppSuiteの違いを比較し自社に合うツールを選ぼう!

kintoneは柔軟なカスタマイズ性と高い拡張性が魅力で、複雑な業務フローにも対応しやすいのが特徴です。

一方、AppSuiteは現場主導の業務改善、紙やExcel業務のWeb化に強く、導入と運用のしやすさが魅力です。

それぞれの特徴や導入事例を比較することで、組織の業務スタイルに合った最適なツールが見えてきます。

本記事を参考に、目的や課題を把握し、組織にフィットする業務改善ツールを導入しましょう。

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