別ドメインのkintoneに情報を引き継ぐ方法!ドメインを分けない情報共有方法も紹介

kintoneに登録している情報を外部に公開・共有したいという際に、セキュリティ面を考慮して社内用と社外共有用にドメインを分けてkintoneを利用したいというケースがあるかもしれません。そこで今回は、社内で使用しているアプリの内容を新しいドメインのkintoneに移行する方法を紹介します。また、ドメインを分けずに外部に情報を共有する方法も紹介していきます。

別ドメインのkintoneとの連携とは?

kintoneに登録されている内容を社外に公開・共有したい、また社外の人と共同でアプリを使用したいという場合、方法は複数ありますが、セキュリティ面が一番確保しやすいのは社内用と社外用でkintoneのドメインを分ける方法でしょう。この方法であれば、社内用・社外用を完全に切り分けることができるので、「公開範囲を誤ってしまい、社内秘の情報が外部に漏洩してしまった」という事態を防げます。

kintoneで作ったアプリを別ドメインのkintoneでそのまま使用できる

切り離すとはいえ、社内用で使っていたアプリの内容をそのまま社外用にも引き継ぎたいということも多いでしょう。2024年2月現在においては、アプリの内容をまるまる一括で別ドメインにコピーする方法はありませんが、テンプレート化したアプリの設定と、登録したレコードのCSVをダウンロードし、それぞれ新しいドメインのkintoneに取り組むことで、ほとんど同じようなことが実施できます。

アプリを自社向けにカスタマイズして使用していることがほとんどだと思いますので、一から同じものを作るのには時間がかかってしまいます。下記の手順でサクッと移行してしまいましょう。

アプリ移行の手順1:移行元アプリのダウンロード

アプリをテンプレートとしてダウンロードするには、アプリの設定を開き、右下の該当ボタンを押します。ポップアップが出てくるので、必要であればテンプレート名などの変更を行い、ダウンロードのボタンを押して完了です。システム管理画面からもテンプレートのダウンロードが可能です。

登録されたレコードのダウンロードに移ります。アプリの点字メニューから「ファイルに書き出す」の箇所を押します。表示の順番などの変更が必要であれば次のページで変更し、書き出しのボタンを押して完了です。

アプリ移行の手順2:移行先アプリのアップロード

続いて、新しいドメインでの作業に移ります。まずアプリの作成画面で、「テンプレートを読み込んで作成」を押して、アプリ設定ファイルのアップロードを完了させます。アプリができたら、右上の点字メニューから今度は「ファイルから読み込む」を選択し、CSVファイルをアップロードして完了です。

kintone内の情報を外部ユーザーに公開する方法

外部向けにkintoneのドメインを複数作る以外の情報共有方法を紹介していきます。ドメインの複数化は、セキュリティ面ではかなり安心の方法ですが、2つのドメイン両方を使う従業員にはkintoneのアカウントを二重で契約する方法があるほか、複数の取引先と別々にやり取りをしたい場合に、組織管理が複雑になる可能性があります。

また、先ほどの移行方法では、その時点での最新レコードを移行したにすぎないため、常に最新情報を両方のドメインに記録しておきたい場合は、都度データの移行作業をする必要が出てきます。これでは用途に合わないという場合は、下記の共有方法も検討してみてください。

「ゲストスペース」機能

外部の人をゲストユーザーとして招待し、社内の人と共にスペース機能を使うことができる「ゲストスペース」という機能があります。招待されたゲストは該当のスペースの情報にしかアクセスできない仕様になっています。ゲストがkintoneアカウントをすでに持っていれば、「アカウント共通化」で、追加コストがかからず招待することもできます。

ただし、ゲストスペースは、取引先ごとに作成するを必要があります。取引先数がそれほど多くない場合に使いやすい機能と言えるでしょう。また、別のスペースに存在しているアプリとルックアップなどで情報を共有することができないのがやや懸念点となります。

「組織間アクセス」機能

取引先が多く、その数だけゲストスペースを設けるのが難しいという場合には、取引先のアカウントを自社と同様に作成した上で、「組織間アクセス権」を設定し、閲覧できる情報を制限するという方法があります。これは、複数の取引先を同列の組織図に配置し、同列の組織同士は互いにユーザー情報が閲覧できないというものです。ユーザー情報は閲覧できないものの、社内の人も全ての社外の人も同じ場所にいることになるので、全てのアプリ間でルックアップ機能などを問題なく使うことができます。

懸念点としてあげられるのは、社内のメンバーは全ての情報にアクセスできるように、登録している全ての組織に所属しているように登録しなければいけない作業が少し煩雑な点と、取引先の分のアカウント発行料金が避けられない点です。

外部の連携サービスを利用する

外部の連携サービスを使用するというのも一つの手です。kintoneの標準機能にはない様々な機能が存在するので、より利便性よく使用することができるでしょう。こちらも利用料金は発生しますが、共有先の人数や効率などを加味すれば安価に済むことも考えられます。

トヨクモが提供している下記のサービスを使用すれば、共有相手がkintoneアカウントを持っている・持っていないに関わらず、情報の公開と登録の両方が可能になります。

製品名 機能 活用例
FormBridge(フォームブリッジ) Web上にフォームを作成し、入力した内容をkintoneの該当箇所に自動で登録できる。 発注フォームを作成し、顧客に共有。フォームに入力された注文は自動でkintoneに登録されて、対応に移る。
kViewer(ケイビューワー) kintoneに登録された情報を一覧・グラフなど見やすい形でWeb上に公開できる。 kintoneに貯蓄された年間の営業実績をグラフ化し、報告書にまとめ、全社に公開。
PrintCreator(プリントクリエイター) kintoneに登録されたデータを任意のフォーマット上に配置し、PDFに出力できる。 kintoneに登録された受注内容を、既存の請求書フォーマットに合わせて配置し、PDFで出力。
kMailer(ケイメーラー) kintoneに登録されたメールアドレスにkintone上から一斉にメールを送信できる。 顧客名簿に登録された既存の顧客に向けて、納品スケジュールの変更についてのメールを一斉送信。

kintoneの複数ドメインは賢く連携!利用内容によっては他機能や外部サービスも検討を

社外への情報共有のためにkintoneのドメインを複数運用する場合は、アプリの設定テンプレートとレコードデータのCSVを引き継いで、スムーズに情報の移行が行えるようにしましょう。また、コスト面や公開したい社外の人の人数や組織数を考慮して、他の外部情報共有機能も比較検討してみてください。

取引先が比較的少ない場合はゲストスペース機能、社内と同一のkintone内で運用したい場合は組織間のアクセス権の機能、特定の機能に特化した共有を行いたい場合は連携サービスの活用がおすすめです。スムーズな情報のやり取りを行うことで、社内の業務効率の向上だけでなく、取引先との強固な信頼関係の構築にも繋がります。

 


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