『kintone(キントーン)』は、プログラミングの知識を使わずに業務改善のアプリを作ることができるクラウドサービスです。
導入を検討中の方で、kintoneと類似したサービスである『Pleasanter(プリザンター)』との違いを知りたいとお考えの方もいらっしゃるでしょう。
本記事ではkintoneとPleasanterを機能や料金などの視点から徹底的に比較します。
kintoneとは
サイボウズ株式会社が提供するkintoneは、業務改善に役立つアプリをノーコードで作成できるクラウドサービスです。その特徴は以下のとおりです。
ITに関する知識がなくてもアプリ開発が可能
アプリの作成にあたってプログラミングの知識は必要ありません。
基本的にはマウスを使ったドラッグ&ドロップの操作で、直感的に作成することができます。プログラミングの知識が必要ないため、開発会社に依頼しなくても自社内で必要な機能を実装することが可能です。
拡張性が高く、必要に応じたカスタマイズが可能
拡張性の高さも特徴の一つです。
100種類以上用意されているサンプルアプリを導入すれば、簡単に欲しい機能を持ったアプリを追加することができます。また、導入後に自由にカスタマイズすることもできるため、自社の求める形に変えることができます。
機能を拡張するプラグインも多数販売されており、自社に必要な機能を簡単に追加することが可能です。
情報共有が容易で、チーム内のやり取りがしやすい
以下のようにコミュニケーション機能が充実していることも、kintoneの大きな特徴です。
- コメント機能:レコードに対してコメントを行うことができる
- スペース機能:コミュニケーションを行う場所を作ることができ、コメントやファイルを共有することができる
- スレッド機能:特定の話題に関する掲示板を作成でき、議論ができる
- メンション機能:宛先を指定してコメントや投稿をできる
Pleasanter(プリザンター)とは
株式会社インプリムが提供を行うPleasanterは、kintoneと同じく、自社に適した業務アプリを開発できるサービスです。その特徴は以下のとおりです。
ノンプログラミングでアプリが作成可能
プリザンターは無料で使えるオープンソースのローコード開発ツールです。プログラミングの知識がなくても、テンプレートを利用して自社の業務に合わせたアプリが作成できます。
また、必要に応じて項目を追加・削除し、運用可能です。
オンプレミスの環境で使える
クラウド版とダウンロード版があり、ダウンロード版はオンプレミスの環境で利用可能です。機密性の高いデータを社内で管理したい場合や、企業のポリシーでクラウドサービスを利用できないケースに適しています。
業務データを共有
よく利用するチャットツールへ通知を送信する機能もあるため、情報共有漏れなどのコミュニケーションロスの発生を防げます。
kintoneとプリザンターに共通する要素
業務用アプリ開発ツールとして人気の高いkintoneとプリザンターには、共通する要素が数多く見られます。ここからは、主な共通点を3つご紹介します。
アプリを制作できる
どちらもノンプログラミングでアプリを制作できる開発プラットフォームです。コーディングの知識を持っていなくても直感的に操作でき、制作がスピーディーに進められます。
業務データを共有
システムを介してチーム内の業務データを共有できる点も、共通している要素です。あちこちに散在しがちなファイルを一元化することで、データの収集・確認に要する時間を削減できます。
顧客対応をはじめとした属人化しやすい情報を見える化し、チーム内で共有することで、対応の漏れや引き継ぎの際の不備が発生することを防げます。
ほかのシステムと連携
どちらも、API機能を利用してほかのシステムと連携可能です。
たとえば、kintoneは請求書発行システムなどの会計ツールや『Slack』などのチャットツールと、連携を行うことができます。外部連携することで、さまざまなツールに点在するデータをkintoneで一元管理でき、1つの作業に複数のツールを開く必要がなくなります。
Pleasanterも同様にAPIが公開されているため、外部のツールと連携を行うことが可能です。
kintoneとPleasanterの差別化ポイント
ご紹介してきたように、共通する要素の多いkintoneとPleasanterには、異なる部分も多々あります。
ここでは、それぞれの差別化ポイントについて解説します。
導入目的の違い
kintoneとPleasanterは導入目的が異なります。
Pleasanterは、オンプレミス環境で利用できるサービスを探している企業に選ばれる傾向があります。
また、フリープランが用意されているツールを探している場合にもおすすめです。
Pleasanterには、無料で使えるフリープランが用意されています。ただし、利用ユーザー数やサイトの登録数などに制限が設けられている点には注意が必要です。
kintoneは、クラウドサービスかつモバイル版のアプリが用意されているため、外出先でも情報の編集や確認を行いたい場合に最適です。
また、サンプルアプリやプラグインが豊富にあるため、幅広く機能拡張を行いたい企業にもおすすめできます。
得意分野の違い
それぞれの得意分野にも違いがあります。
kintoneは、情報共有やコミュニケーションの機能が充実しています。チーム内での連携をスムーズに行いたい場合に適していると言えるでしょう。
Pleasanterの得意分野は、自社の業務に合った仕様にカスタマイズがしやすい点です。開発担当者が社内にいれば、機能のスケールアップや開発をスピード感を持って行うことができます。
機能面での違い
機能面にも大きな違いが見られます。
kintoneは、インターネット上で使えるクラウドサービスのため、いつでもどこでもインターネットに接続できれば利用可能です。
前述の通り、Pleasanterにはクラウド版だけでなくオンプレミス環境で使えるダウンロード版が存在します。セットアップする際や導入後の管理に手間はかかりますが、セットアップ後はスタンドアロン環境でも動作します。
価格面での違い
利用人数ごとの月額料金がいくらかかるかを比較してみましょう。
kintoneはユーザー1人につき、ライトコースは月額780円(税抜)、スタンダードコースは月額1,500円(税抜)です。
サイボウス社が提供する業務改善クラウドサービス「kintone(キントーン)」には、ライトコースとスタンダードコースの2つのコースがあります。 スタンダードコースは、ライトコースに比べて料金が高いものの、機能面が充実しています。そのた[…]
Pleasanterは、フリープランなら3ユーザーまで無料、ライトプランは10ユーザーまで月額1,100円、スタンダードプランは1ユーザー月額5,500円で10ユーザー以上からの契約です。
ユーザー数の制限はあるものの、無料で期限の縛りなく使えるのは、Pleasanterの大きな特徴であると言えるでしょう。
導入や利用のしやすさでの違い
導入や利用のしやすさで比較をすると、kintoneの方が優れていると言えます。
理由は、導入相談の窓口や各種セミナーが用意されていて、導入に対するサポート体制が整っているからです。
運用を行う際も、kintoneのオフィシャルパートナーに対して、アプリの設計や定着支援などさまざまなサポートを求めることができます。
kintoneのオフィシャルパートナーとは、kintoneの提供元であるサイボウズ社から、正式に認定されたkintoneの導入・運営の支援を行う外部企業のことです。
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kintoneとプリザンターの違いを知り、経営管理を効率化しよう
業務改善のアプリ開発ツールの利用を検討する際、kintoneとPleasanterを比較する方は多いでしょう。この2つはプログラミングの知識がなくてもアプリが作成できるほか、業務に関するデータを一元管理できる点など、共通する要素が多くあります。
一方、利用プラン・得意分野・サポート体制などにおいて異なる点が見られます。両方の違いを理解した上で最適なものを選択し、業務効率化・生産性の向上を目指しましょう。
kintoneを導入する際は、トヨクモが提供する6種類の連携サービスを使うとkintoneをより効率的に活用できます。こちらのサービスもぜひご検討ください。