勤務予定を一つの表にまとめたものをシフト表と呼びます。
シフト表を作る際、各人の希望や実力を加味することに、頭を悩ませる業務マネージャーは少なくないでしょう。
今回は、Excelを基本としたシフト表の作成方法や、kintone(キントーン)を利用し効率よく勤怠管理を行う方法を紹介します。
シフト表の種類
職場のシフト表は、業態に応じて推奨されるスタイルが異なります。
ここではシフト表の種類について解説します。
タイムシフト表
タイムシフト表とは、出勤している人員が時間単位で記載されたシフト表のことです。時間ごとに勤務している人員を記載する形式のため、所属するスタッフの人数が多く、チームでの連携が必要な職場にあると便利です。
以下のように勤務する時間が流動的な職種に取り入れられることが多い傾向にあります。
例 キャビンアテンダント、介護・医療関係、旅館の仲居、タレント、イベント開催など
週間シフト表
週間シフト表とは、1週間のシフトを曜日単位で記載した表のことです。曜日ごとに配置されている人員数がわかりやすく記載されているため、時期や日程ごとに工程が異なる作業や、休暇取得日が個別で異なる以下のような組織におすすめです。
例 工場勤務スタッフ、店舗スタッフなど
月間シフト表
月間シフト表とは、1か月単位でシフトが記載された表のことです。1か月単位で見ることができるため、各人の勤務バランスを管理できることが特徴です。
以下のように、休みの異なる人員で業務を回すような組織に採用されることが多い傾向にあります。
例 コールセンター、警備員など
Excel関数を使ってシフト作成する方法
シフト表を作成するために必要な要素は以下の5つです。
- 日付
- 曜日
- 各人の希望する出勤日数
- 当日必要な稼働人数
- 出勤人数
それぞれ手入力したり手動で計算すると手間がかかるほか、ミスが発生する可能性もあるため、関数を使用してフォーマットを作るのがおすすめです。
シフト表の作成に役立つ関数
以下のような関数を使うと、シフト表がより便利に作成できます。
それぞれ解説します。
DATE関数
DATEは、日付を表示させる関数です。セルの値を「日付」として認識させられます。
具体的な手順は以下の通りです。
20〇〇年〇月という言葉を、A1セルに年の数字、B1セルに月の数字という風にセルを分けて別々に記載します。DATE関数を使用し、=DATE(年の入ったセル番号,月の入ったセル番号,1)と記載しましょう。
その後、その横のセルに=(DATE関数の入ったセル番号+1)と数式を入力し、オートフィルで横に引っ張ることで日時の入力が自動で完了します。
月をまたいだときには、2024年〇月シフト表という記載の月部分を変更するだけで全体の書き換えが可能です。
また、以下のように数字を直接記入することもできます。
=DATE(‘年の数字・セル’, ‘月の数字・セル’,1)
WEEKDAY関数
WEEKDAYは、曜日を表示させる関数です。
日曜日から土曜日までの値を1〜7などの値で返します。
手順は以下の通りです。
日付の書かれたセルの下に=WEEKDAY(上のセルのセル番号)と記載し、右クリックで書式設定からユーザー定義を選択し、種類に「aaa」または「ddd」と入力しましょう。
種類の説明 D2列の2は月曜日を指す。
COUNTA関数
COUNTAは、数値が入力されているセルの個数を数える関数です。1日に何人出勤予定があるかを集計したい際に便利です。
COUNTIF関数
COUNTIFは、一定条件を満たすセルの数を集計する関数です。数値・文字列どちらでもデータが入っていればカウントされます。
画像では、1と記載されたセルの数をカウントする関数を記載しています。
記述方法は、=COUNTIF(範囲,検索条件)です。
SUM関数
SUM関数は、指定した範囲の値の足し算を行えます。COUNT関数はセルの個数を数えるのに対して、SUM関数は合計値を算出するという点で異なります。
=SUM(合計範囲)で記載しましょう。
シフト作成にテンプレートを使う
Excelは、無料でダウンロード可能なシフト表のテンプレートが数多く公開されています。
テンプレートを使えば、一からシフト表を作成するよりも効率良くシフトを作成することが可能です。
ただし、ダウンロードしたテンプレートが自社の勤務体系に合っていない場合や、個別に入力事項を必要とする場合はカスタマイズが必要です。
Excelのマクロを活用する
マクロとは入力された数値や文字列に対して、プログラミングで自動処理するための機能です。
マクロは、VBA言語を用います。VBAとはExcelのみに適用できるプログラミング言語のことです。
(使用例) 社員の稼働時間情報 全員の給与算出 など
シフト表をExcelで作るポイント
必要な関数さえ入れれば自動で計算を行ってくれることが、Excelのメリットです。一方で、長期間にわたって使い続けるフォーマットであれば、入力内容や体裁にも工夫したいものです。ここからは、シフト表をExcelで作るポイントについて解説します。
自社に合ったシフト管理表を選ぶ
自社の業務形態や勤務形態に合わせて、月間・週間・タイムシフトの区分けの中から適したものを選択しましょう。
人員の多さや、勤務時間の流動性によってどれが適しているかは異なります。また、把握したい内容によってもどれを選択するかが変わります。現場の意見を取り入れながら選択しましょう。
色分けや枠の大きさを考慮する
「休みは赤」「従業員の希望は青」など特定箇所の色を分けることで、視覚的に状態の判別ができるようになります。また、枠や文字の大きさ、フォントによっても伝わり方が変わります。伝えたい情報のコンセプトも踏まえて、色やフォントを決めるとよいでしょう。
また、色や書式を自動で変えたい場合は、条件付き書式を利用しましょう。
条件付き書式とは、セルの値や条件に応じて、色やフォントを変えることができる機能です。
印刷後の見やすさを意識する
色のメリハリがある表は見やすい傾向があり、逆に色の主張が激しいものや、使用している色が多すぎると見辛い傾向があります。
そのため、使用する色は3〜5色程度に抑えるとよいでしょう。印刷にかかるインク代を節約するのであれば、薄めのパステルカラーを利用することがおすすめです。
関数を理解する
Excelにはさまざまな関数があります。
最近はブログや動画などたくさんのコンテンツで、関数の使い方が紹介されています。
調べ方のコツとしては、以下のようなキーワードで検索すると、目的に合った機能を見つけることが可能です。
・〇〇(機能) エクセル
作業が属人化しないようにする
作業が属人化してしまうと、その社員に大きな負担がかかります。少数精鋭の会社や規模が小さい会社ほど、作業が属人化しやすい傾向にあります。組織に貢献度の高い作業が属人化してしまうと、欠員の際に影響が大きくなる可能性があります。
そのため、マニュアルを整備し、関数やマクロを誰でも編集できるようにしておきましょう。
kintoneと連携サービス「FormBridge」「kViewer」でシフト管理を効率化!
kintoneは、プログラミングの技術がなくても誰でも簡単に業務管理アプリを作成できるクラウドサービスです。kintoneでシフト管理のアプリを作成することで、以下のメリットがあります。
- モバイル端末からでも情報の確認・編集が可能になる
- 修正があった際に即座に反映される
- データを自動で計算し、グラフ化などの処理も可能
また、kintoneには様々なプラグインが公開されており、シフト管理に有効なものが多数あります。今回紹介するのは、FormBridge(フォームブリッジ)とkViewer(ケイビューワー)、DataCollect(データコレクト)です。
FormBridgeは、アンケートや検索・料金計算・登録フォームなどのWebフォームを作ることが可能なプラグインです。FormBridgeでフォームを作成すれば、kintoneのアカウントを持たない人でもkintoneにデータを送ることができます。kintoneのアカウント取得には、スタンダードコースで月額1,500円(税別)が必要なため、コスト削減に繋がります。
kViewerは、kintoneを利用して作成した情報やデータベースを外部と共有できるプラグインです。kintoneのアカウント権限を持たない人に対して、シフト表を公開・入力・調整をすることができます。
DataCollectは、複数のアプリに散財している情報をExcelの関数と同じ感覚で集計・計算を行えるプラグインです。計算のスケジュール設定を行えるため、週単位などでシフト表を頻繁に作成する必要がある際に便利です。
これらのプラグインを使うことで、シフト表の作成だけでなく、タイムカードアプリや休暇申請アプリで管理している情報を集約して勤怠管理ができます。
突然ですがみなさん、シフト管理ってどうしていますか? ○○日に用事入っちゃった・・・ 誰か代わりに出てくれる人いるかなあ。 今日出勤した時に確認してみよう。今日はAさんとBさんが出勤か。それならAさんにはあの仕事を、Bさんにはあ[…]
自社に合ったシフトを見極めて負担を軽減しよう!
ここまで説明してきたようにシフト表には、「日ごと」「週ごと」「月ごと」などいくつかの種類があります。自社の体系に合うシフトが何かを見極め、シフト表のテンプレートを作成することで業務効率の向上につながります。
Excelで作成する場合は、関数を利用すると自動で計算を行ってくれるため便利です。また、kintoneでシフト管理アプリを作成すれば、モバイル端末からでも情報の編集や確認が可能になります。
シフト管理を効率化させることで、業務負担の軽減につながります。本記事の内容を、シフト表作成に取り組む際の参考にしてください。