請求書処理を自動化するには?問題や自動化の方法を紹介

請求書処理は、バックオフィス業務でもとくに時間と手間がかかる業務です。
- 「請求書の管理が煩雑になりがち」
- 「請求書処理を効率化したい」
- 「請求書処理を自動化したい」
このようなお悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
本記事では、請求書処理の問題と自動化するポイントや方法、書類の電子化とその効果について解説します。
請求書処理でよくある問題
手作業での請求書処理は、確認に時間がかかる、人為的ミスが起きやすいなどの問題題があります。
自動化を検討する前に、現在の手作業による請求書処理の問題点を確認しておきましょう。問題を浮き彫りにすることで、自動化のメリットや効率化で得られる効果がはっきりします。
確認に時間がかかる
請求書の入力を手作業で行っている場合、担当者は営業担当からの報告や受注データから請求内容を確認して、請求書を発行するという一連の作業を行う必要があります。
請求情報が一元管理されていない場合、複数のファイルや書面から確認する必要があるため、大きな負担となるでしょう。
請求情報が変更になったり、不明点があったりした場合は、各担当者に確認して整合性を取る作業が加わり、さらに業務の負担を増大させます。
確認作業は請求書の量と比例して増えるため、担当者は常に照会と確認作業に追われてしまいます。
ミスが起きやすい
手入力による請求書作成業務には、入力ミスの発生がつきものです。こうしたミスがないかチェックする必要があるため、事務作業量はさらに増えてしまいます。
複数の担当者によるダブルチェックや、マニュアル整備によるミス防止の取り組みが重要です。しかし、こうした問題は手入力によるヒューマンエラーをゼロにできない点に起因しています。
複数のファイルや書類から請求情報を組み上げる仕組みに加え、チェック作業による業務負担の増加がさらにミスを増やす悪循環につながっているのです。
受取の手間
請求書は発行するだけでなく、受け取るものでもあります。
請求書の仕様や発送方法は取引先ごとに異なり、発行されるタイミングもばらばらです。請求書を締め日までに揃える必要があるため、各取引先にリマインドをする作業も負担になります。
担当者はこうした請求書を分類整理し、経理システムに反映させなければなりません。
承認フローや管理の問題
紙ベースの書類は電子データのように検索ができないため、情報を見つけにくいという性質があります。そのため、紙ベースの書類や電子書類が混在している状況では、請求書を探す手間や管理しやすいように整理する作業が発生するのです。
また、担当者が不在の日があれば、承認や確認作業はそこでストップしてしまう点も問題です。こうした承認フローや管理の問題は、請求書の管理をより煩雑なものとしています。
請求書処理を自動化・効率化する方法
手入力による請求書処理にはさまざまな問題があります。請求書処理の自動化や効率化は、こうした問題を解消し、業務効率を向上させる手法です。それをふまえ、請求書処理を自動化、効率化する方法を解説します。
業務フローの見直し
請求書処理の作業工程を見直し、非効率的な部分がないかをチェックしましょう。
たとえば、請求書の発行・印刷・封入が大きな負担である場合、メールでの請求に切り替えれば改善する可能性があります。
フロー全体で作業にかかっている時間や、関わっている人員を明確化することで、前述のような非効率な部分が可視化されるのです。
業務フロー全体の見直しは、より効果的なフローへの切り替えを模索する第一歩です。個別の作業だけでなく、フロー全体の効率を改善するという視点でも分析しましょう。
システムの導入
ワークフロー自動化システムや請求管理システムの導入は、請求書処理作業を大幅に効率化します。
ワークフロー自動化システムは、支払依頼から承認までの一連の流れを電子作業に切り替え、管理できるシステムです。電子化によって申請から承認までの作業を効率化するだけでなく、可視化されることで、現時点でのフロー到達段階を把握しやすくなります。
請求管理システムは、金額の計算や請求書の発行、送付作業などを自動化するツールです。導入することで、工数の削減や人的なミスの減少が期待できます。
既存の会計システムや基幹システムと連携できると、より一層の効率化が可能です。
ペーパーレス化
請求書発行業務に関わるすべての書類をペーパーレス化・電子化することで、印刷や封入などの作業工程を減らし、印刷コストや保管場所にかかる費用の削減が可能です。また、書類を電子化し、データベース化することで、必要な書類を検索ですぐに探し出せるという効果もあります。
業務の可視化やテレワークの推進にもつながり、メリットが多い施策といえます。
自動化によって得られるメリット
請求書処理工程の自動化は、業務負担の軽減だけでなく、テレワークの推進や情報漏洩の防止、費用削減など多くのメリットをもたらします。
ここからは、自動化による各種メリットについて解説します。
業務負担の軽減
自動化によって業務負担が軽減し、請求書処理に割いていた多くの時間や手間を他の業務に振り分けることができます。請求書処理だけにとどまらず、電子化による可視化や書類の検索性が向上することで、経理業務全体の効率化も期待できます。
システムの導入が行われた場合、人件費やDXの観点からもバックオフィス業務の効率化が実現するでしょう。
在宅での作業を可能にする
従来の請求書発行業務は、事務所内で紙媒体の書類を取り扱うことが前提で、請求書の印刷・押印・郵送のアナログな業務フローが主体でした。
請求書を電子化すると、こうした業務を出社せずともオンラインで完結できるようになり、テレワークの推進につながります。
情報漏洩の防止
請求書をアナログ印刷して発行する従来の業務形態には、書類の紛失や情報漏えいのリスクが伴っていました。顧客からの請求書を紛失すると、信頼関係を損ねたりトラブルに発展したりする可能性があります。
請求書発行システムの多くはセキュリティ対策を施されているため、紛失や漏えいのリスクが減少します。こうしたシステムの活用で、帳票を電子化して保存する場合の安全性が保たれているのです。
費用削減
請求書発行の自動化は、費用の削減にもつながります。
紙の請求書発行には、用紙・封筒・インク・切手代・郵送費だけでなく書類を保管するスペースや人件費、さまざまな費用が発生します。
請求書発行システムの導入で作業を自動化できれば、上記で上げたコストの大幅な削減につながるでしょう。
請求書処理自動化に関連する法律や制度
請求書の電子化には、内容や保管方法について一定の要件を満たす必要があり、関連する法律で指定されています。
請求書発行を自動化するにあたって、おさえておくべき法律や制度について解説します。
電子帳簿保存法
電子帳簿保存法は、経理業務の電子化を図るため、国税関係帳簿書類の電子データ保存について定めた法律です。
2022年1月に法改正された電子帳簿保存法では、「検索要件やタイムスタンプ要件の緩和」「事前承認制度の廃止」「電子取引における書面による保存の廃止」が定められました。
これに伴い、原則として2024年1月1日から紙での保存が廃止となり、電子データによる保存が義務化されました。
e-文書法
e-文書法は、法人税法や会社法・商法などで保管を義務づけられている書類や帳簿について、電子化しファイルで保存することを認めた法律です。電子帳簿保存法よりも広範囲の書類の電子化について規定した法律といえます。
e-文書法は、電子的に保存された書類が、見読性・完全性・検索性・機密性の4つの要件を満たしていなければならないと規定する法律です。見読性に関しては、すべての文書で求められ、完全性と検索性は一部の文書に対して規定されています。
また、機密性に関しては、セキュリティ対策を施し、関係者以外のアクセスを制限した情報漏洩防止策を行っている必要があります。
インボイス制度
インボイス制度とは、消費税の仕入税額控除において適格請求書が必要になる制度です。
インボイス制度の登録者は、売り手側から求められた際に、インボイスを交付する必要があります。また、買い手側は、売り手側から交付されたインボイスを電子的に保存しなければなりません。
請求書処理自動化ツールの選び方
請求書処理自動化ツールは、導入すれば必ず効果が得られるわけではありません。自社のバックオフィス業務に適合する最適なツールを選んでこそ、効果が期待できます。
ここでは、請求書業務を自動化させるツールの選択ポイントについて解説します。
問題を解決できるツールを見極める
フォーマットの統一や承認プロセスの簡略化など、自社の業務内容と問題に応じて対応すべきテーマは異なります。導入するツールが自社が求める問題を解決してくれるかどうかを見極めて、ツールを選択しましょう。
自社が解決したい問題を明確化し、ツールの導入でどのように解決されるかを充分にシミュレーションします。自社の業務フローと照らし合わせ、適合する機能が搭載されているかを確認することで自社に合ったツールが選択できます。
操作性・機能
導入するツールの操作性や機能も重要な選定ポイントです。直感的な操作が可能か、導入にあたってどの程度の教育期間が必要かなどの点を検証します。具体的には、自動化できる範囲やデータの連携が可能かなどを、事前に確認しておくとよいでしょう。
一部のソフトでは導入前に無料のトライアルが可能です。トライアル期間を使って検証しておくことも必要です。
費用対効果を意識する
導入にあたっては、費用対効果も検討しておくことをおすすめします。一般に、クラウド型システムは低価格で導入でき、オンプレミス型のシステムは初期費用が大きくかかりますが、自社の要望を叶えやすいという特徴があります。
利用するために必要な費用は、導入初期費用や月額利用料金です。業務の効率化や人的ミスによる機会損失の防止効果などを照らし合わせ、費用対効果を検証しましょう。
セキュリティ対策
請求書は、自社や取引先にとっての機密情報にあたります。情報の流出は自社だけでなく、取引先にも影響を与える可能性があります。
そのため、導入するシステムのセキュリティ強度は、重要な検討項目です。利用権限の設定やセキュリティ対策の強固さなどを検証し、導入するか否かを決めましょう。
サポートの充実度を確認する
アナログ方式の請求書作成に慣れた企業ほど、システム導入初期のトラブルが多いと予測されます。そのような企業では、サポートの充実度は選定項目として重視するポイントです。
導入初期に発生するトラブルを予想し、サポートの体制が充実しているか、リモートによる即時サポートが可能かなどの点を確認しましょう。
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kintoneを使って請求書管理アプリを作成すれば、顧客への請求書を電子発行し、自社内で管理可能です。
アプリの作成方法や連携方法については、下をご確認ください。
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また、kMailerはkintoneで管理してるメールアドレス宛に、kintone内の情報を参照してメールの自動送信するサービスです。
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請求書処理を自動化して業務効率を改善しよう
請求書の処理を手作業で行っていると、時間がかかったりミスが起きる原因になります。
これらを解決するためには、根本的な業務フローの見直しやシステムを導入して手作業から自動化をすることをおすすめします。
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トヨクモ編集部
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