kintoneで手書きサインを実現!プラグインの導入方法や活用事例
kintoneは、案件管理や顧客管理を効率化できる便利なツールです。しかし、契約書や確認書にお客様の直筆サインをもらう際には、紙の印刷・署名・スキャンといった作業が必要になり、ペーパーレス化が進みにくい課題があります。
そこで活躍するのが手書きサインプラグインです。kintone上でそのまま手書きサインやメモを入力・保存できるため、紙のやり取りを減らし、証跡管理もスムーズに行なえます。
この記事では、手書きサインプラグインの導入方法や活用事例に加え、書類・帳票作成サービス「PrintCreator(プリントクリエイター)」との連携による業務効率化のポイントについても詳しく解説します。
目次
kintoneに手書きサイン機能はある?
kintoneで案件管理や顧客管理はスムーズに行なえます。しかし、「お客様に確認してもらった証跡もkintoneに残したい」と思ったことはありませんか?
企業間のやり取りであれば契約書をメールで交わすこともできますが、一般のお客様相手だとそうはいきません。契約書を作成して印刷し、署名をいただき、さらにスキャンして添付ファイルに保存する……という流れのため手間が多く、紙の管理コストもかかってしまいます。
そんな課題を解決してくれるのが「手書きサインプラグイン」です。
kintone上で署名や手書きのメモを入力し、画像として保存できるため、紙のやり取りが減りペーパーレス化を実現できます。
kintoneの手書きサインプラグインとは?
kintoneの基本機能に手書きサインはありませんが、プラグインの導入によって利用可能です。ここでは、手書きサインプラグインのおもな機能や導入のメリット、提供元について解説します。
手書きサインプラグインのおもな機能
手書きサインプラグインを使えば、kintoneのレコード上に直接サインやメモを入力でき、その内容は自動的に画像として添付ファイルフィールドに保存されます。
PC上だけでなくタブレットやスマートフォンからも利用できるため、現場でスムーズに直筆のサインを取得できます。
複数のフィールドにサインやメモを残せるうえ、設定によっては保存後の手書きデータの編集を制限できるため、改ざんリスクを抑えることも可能です。
たとえば、作業報告書や契約書をタブレットで作成し、その場でお客様に直筆サインをいただいてレコードに追加するといった使い方が実現します。
kintoneの手書きサインプラグインを導入するメリット
手書きサインプラグインを導入すれば、契約書や確認書を紙に印刷して署名をもらい、スキャンして保存するといった手間を省けるため、ペーパーレス化が一気に進みます。現場で顧客から即時にサインを取得できるため、業務効率も向上するでしょう。
また、署名はkintone内にデータとして保存されるので、証跡の確認や管理が容易になり安心です。
説明から署名、控えの受け渡しまでを一度に完結できるため顧客体験が向上し、企業・顧客の双方にとって大きなメリットがある仕組みと言えるでしょう。
手書きサインプラグインの名称と提供元
本記事で紹介している手書きサインプラグインの正式名称は「手書き2プラグイン」です。kintoneのカスタマイズやプラグイン開発で多数の実績を持つ、株式会社ジョイゾーが提供しています。
公式サイトからは30日間の無料お試しを利用でき、導入時のサポート体制も充実しているため、初めての方でも安心して導入できます。
詳細については、株式会社ジョイゾーの公式ページをご確認ください。
参考:株式会社ジョイゾー「kintone手書き2プラグイン」
kintoneの手書きサインプラグインを活用できるシーン
手書きサインプラグインは、日常のさまざまな業務で活用が可能です。具体的には次のようなシーンが考えられます。
- 来訪者や利用者の受付
タブレット上で署名してもらい、そのままkintoneに保存が可能です。紙の受付票が不要になり、履歴も自動でデータ化されます。
- 現場での作業報告
作業終了後その場で報告書を入力し、顧客から直筆サインを取得することが可能です。帰社後に書類・帳票を作成する手間がなく、現場で即時に証跡を残せます。
- 立会実施確認書への署名
医療や工事など立会いが必要な場面で活用できます。帳票サービスと組み合わせれば、そのままPDFとして保存・出力が可能です。
- 忘れ物管理の受け渡し
忘れ物返却時の受け取りサインをkintone上でもらうことができ、紙の伝票を保管する必要がありません。受け渡し業務を効率化しつつ、ペーパーレス化を進められます。
このように、手書きサインプラグインは受付から現場業務、確認書や物品管理まで幅広く応用でき、効率化と証跡管理を同時に実現できる点が大きな魅力です。
kintoneに手書きサインプラグインを導入する方法
ここでは、kintoneの作業報告書に手書きサインを導入する方法を紹介します。
作業報告アプリの準備

まずは、作業報告アプリを作成します。
お客様情報や作業名、単価、数量、合計といった基本項目を設定し、署名を保存するための添付ファイルフィールドを追加しておきます。
手書きサインプラグインの設定
作業報告アプリの設定を保存したら、次にプラグインの設定に進みます。
トライアルを申し込むとプラグインのファイルが送られて来るので、そのファイルをkintoneにアップロードして追加します。
そのあと、アプリの設定変更画面から「プラグイン」を開き、先ほど追加した手書きプラグインにチェックを入れましょう。アプリに反映されたら、設定画面のネジアイコンをクリックして詳細を調整します。
プラグインを利用するには、まず付与されたライセンスキーを入力する必要があります。
添付ファイルフィールドが複数ある場合は、署名データを保存する対象のフィールドを選択し、署名専用として使う場合はチェックを入れます。
今回の例では添付ファイルフィールドが1つしかなかったため、自動的に指定されていました。
ここでのポイントは、手書きプラグインを表示するためのスペースフィールドを用意していなくても、ない場合は自動で追加される仕様になっていることです。これは、手書き2プラグインの案内ページの「設定方法」にも記載されており、安心して利用できます。
同様に、添付ファイルフィールドがない場合も自動で追加されるため、既存の契約管理アプリにもすぐ導入できます。
表示の確認
設定を終えたら、実際にアプリの入力画面を確認してみます。
最初は「表示が出てこない」と思うかもしれません。
そこで、試しにデータを入力してみましょう。今回は携帯の設定代行の例をイメージしています。
作業内容を入力し、保存します。保存後、画面を見てみましょう。
レコードの詳細画面の下部に、手書きスペースが表示されます。
このプラグインはレコード詳細画面でのみ手書きスペースが表示され、編集画面では表示されない仕様です。
編集画面で署名欄が表示されると、お客様に署名をいただくタイミングでレコードの内容を変更できてしまい運用面で不適切かもしれません。詳細画面に限定されているのは、業務上のトラブルを避ける意味でも理にかなっています。
実際の運用では、お客様の前で案件内容を入力・保存し、その詳細画面で署名をいただいて、そのまま帳票を出力する流れがスムーズでしょう。
ただ、プラグイン設定時に添付ファイルフィールドをプラグイン専用にすると署名以外の添付ファイルは登録できなくなり、また、編集画面から署名を削除することもできません。
この場合「専用」のチェックを外せば、添付ファイルにほかの画像も登録可能になり、編集画面で削除することもできます。運用方法に応じて設定を選ぶようにしましょう。
手書きサインプラグインを導入する際の注意点
手書きサインプラグインは、PC、タブレット、スマートフォンに対応しており、幅広い環境で利用できます。
導入にあたっては、動作保証されているブラウザを確認したうえで、実際の利用環境で事前にテストを行なってください。問題なく動作するか先に確認しておくことが重要です。
また、ペンの太さやカラーは初期値を設定できます。現場の業務内容に応じて細かく調整しておくと操作がスムーズでしょう。
使いやすさを高めるためには、導入前に現場の担当者や顧客の要望をヒアリングし、その意見を設定に反映させることが効果的です。
「PrintCreator」との連携でさらに便利に
書類・帳票作成サービス「PrintCreator(プリントクリエイター)」と組み合わせることで、手書きサインプラグインの価値はさらに高まります。PrintCreatorは、kintoneのデータから書類・帳票を作成できるツールです。
2つのツールを併用すれば、顧客の目の前で作業報告書や契約書を作成し、その場で直筆サインをいただき、すぐに印刷してお渡しできます。入力内容はすべてkintoneに保存されるため、データ管理も容易です。
このセクションでは、PrintCreatorと手書きサインプラグインの連携方法や活用メリットについて詳しく紹介します。
手書きサインプラグインと連携して書類・帳票を出力する方法
まずはPrintCreator側で出力する書類・帳票の設定を行ないます。詳しい設定手順についてはここでは割愛しますが、公式サイトに解説がありますので、ぜひそちらもご覧ください。
今回用意したのは以下のような帳票です。
この帳票をPrintCreatorでレイアウトします。
署名欄は、添付ファイルの画像を読み込んで配置しました。
なお、署名欄は左右の寄せ指定ができないため、PDF上では左寄せになりやすい点に注意が必要です。
レイアウトを保存し、必要なJavaScriptを読み込んだら準備完了です。
ここからは、実際の操作イメージをiPadで確認してみましょう。Google Chromeなどのブラウザから、PCと同じ画面で操作できます。
作業内容を入力し、お客様に内容を確認していただいたうえで、その場で署名をしていただきます。
iPadには指でもスタイラスペンでも書き込め、署名後はそのまま確認・保存できます。この操作はお客様自身に行なってもらうとよいでしょう。
保存すると、署名が画像としてkintoneに登録されます。
それでは、出力ボタンを押して作業報告書を出力してみましょう。
このように作成した作業報告書は、その場で印刷してお渡しすることも、PDFとしてメールに添付して送ることもできます。
PrintCreatorを活用するメリット
PrintCreatorを導入すれば、帳票作成や契約業務が以下のようにスムーズかつ効率的に進みます。
・カンタン作成&出力
PDFをアップロードし、マウス操作でレイアウトを調整できるため、専門知識がなくても帳票を作成できます。完成した帳票はkintone上からワンクリックでPDFとして出力可能です。
・電子契約に対応
電子署名法に準拠した電子契約機能を搭載しており、契約書の作成から締結まで、そのまま完結できます。紙のやり取りが不要となり、業務のスピーディーな進行が可能です。
・便利な機能が豊富
書類・帳票ごとの権限管理や自動出力などの便利機能を備えています。署名ページはすべてSSL化され、セキュリティを確保しつつ業務を効率化できます。
PrintCreatorは、書類・帳票作成から電子契約まで、一連の流れを安心して運用できるのが特徴です。
kintoneで手書きサインを導入して業務を効率化しよう
kintoneに手書きサインプラグインを導入すれば、契約書や作業報告書にその場で直筆サインをもらえ、画像として保存できます。
印刷やスキャン作業を省けるため、ペーパーレス化が進み、証跡管理の効率化にも貢献するでしょう。PC・タブレット・スマートフォンに対応しており、現場業務から受付、契約管理まで幅広い活用が可能です。
さらにPrintCreatorと連携することで、書類・帳票の作成から署名、出力までをワンストップで完結でき、顧客対応のスピードと品質が向上します。
業務フローをスマートに整えたい方は、ぜひ手書きサインプラグインとPrintCreatorの導入をご検討ください。












