kintoneを建設業で活用するメリットとは?活用事例を紹介

kintone(キントーン)なら、建設業のように、工事の工程や作業人数が変化しやすい環境でも、従業員間での情報共有を的確に行いやすくなります。
さらに、原価管理や作業スケジュールが複雑になりやすい状況でも、kintoneを導入することで計算や管理に対する業務時間短縮にもつながるでしょう。
当記事では、kintoneを建設業で活用するメリットや建設業での活用事例について紹介します。
建設業を営む企業様の中で、kintoneを導入して作業現場での情報共有や代金の計算などを簡略化させたいとお考えの方は、ぜひご一読ください。
目次
kintoneで解決できる建設業の問題
建設業は多くの部署や人が現場に携わり、それぞれの担当業務をこなします。そのため、下記の問題が発生しやすいとされています。
- 現場情報が共有できていない
- 顧客情報や原価管理が正確に行えていない
- 現場ごとのスケジュールが共有できていない
各課題について、一つずつ解説します。
現場情報が共有できていない
建設業では、作業中のヒヤリハットや終了後の日報、進捗状況報告などの現場情報が、適切に共有されにくいという課題があります。
現場情報が適切に共有されにくい原因として、紙媒体・メール・電話などの利用により、最新情報が従業員全員へ伝わるまでに時間がかかる点が考えられます。
現場状況が適切に共有されない場合、作業を担当する従業員がケガや事故に巻き込まれたり、次の担当者が誤った作業をしたりする可能性が高いでしょう。
不十分な情報共有のさまざまな問題の根本原因のひとつですから、しっかりと対策しなければなりません。
顧客情報や原価管理が正確に行えていない
顧客情報や原価管理が正確に行われにくい点も、建設業の一般的な課題のひとつです。
原因は、顧客数や担当現場数の増加に伴い、情報が錯綜して混乱することなどが考えられます。
顧客情報や原価管理が正確に行えない場合、依頼があった顧客ごとの作業スケジュールが被ったり、資金繰りの予定が立てられなかったりする問題が発生します。
また、建設業での原価計算は、外注費や共通費などが絡み複雑になりやすいため、手作業では計算ミスを起こしやすい点も原因のひとつといえるでしょう。
現場ごとのスケジュールが共有できていない
現場ごとの作業スケジュールが、ほかの現場や部署へ正確に共有されにくい点も、建設業の一般的な課題のひとつです。
現場ごとのスケジュールが共有されにくい原因としては、日々の作業に追われ情報共有するためのレポート作成に着手できないことや、突発的なスケジュール変更が多く、短時間で情報を共有できない点などが挙げられます。
作業スケジュールが正確に共有されない場合、下記の問題が発生するケースが考えられます。
- 協力会社へ作業を依頼したにもかかわらず、全前工程が終了しておらず作業に着手できない
- 複数の現場が同じ協力会社へ依頼したため、作業スケジュールが被ってしまった
上記の問題に対応するには、他の現場を含め、スケジュール管理を徹底するのが大切です。
建設業でkintoneを活用するメリット
建設業に、kintoneを導入して活用するメリットは下記の3点です。
- クラウドを通して関係者へ情報共有が容易になる
- 最新情報へ一括で更新できる
- スマホや他社端末でも情報共有ができる
ここからは、3つのメリットについて説明します。
クラウドを通して関係者へ情報共有が容易になる
kintoneはクラウド上で使用するシステムです。インターネットに接続されており、かつインターネットが利用できる端末があれば、どこでも情報共有ができます。
紙媒体・メール・電話などで他企業や他部署へ情報共有する場合、情報伝達に遅れが生じ、最新情報を全体へ共有することが困難です。
しかしkintoneならば、インターネットに接続できる環境と端末があれば、どこでも瞬時に最新情報へアクセスできます。また、次の担当者への引き継ぎも容易になるため、属人化の防止にもつながります。
建設業でkintoneを活用する場合、たとえば「工事台帳機能」アプリを使用すれば、日報や作業報告、スケジュールの更新などが容易になります。
最新情報へ一括で更新できる
kintoneはクラウド上で使用するため、ワンクリックで情報が更新できるうえ、インターネットに接続された環境ならば、だれでもどこからでもアクセスできます。
建設業の現場では、最新情報を伝える際、複数の用紙を作成して掲示板などで提示、またはExcelシートをメールで送信して共有することもあったでしょう。
しかし複数の用紙やExcelシートの場合、最新情報を共有する度に作成して用意しなければならず、現場の作業員が直接見に来なければなりません。
一方kintoneならば、アプリ上で最新情報を入力して更新するだけで済みます。さらに、インターネットに接続できる端末があれば、どの場所からでも最新情報が確認できます。
kintoneの「FormBridge(フォームブリッジ)」があれば、ドラッグ&ドロップのみでWebフォームが作成できるため、kintoneのライセンスがないユーザーでも日報をkintoneへ登録できます。
スマホや他社端末でも情報共有ができる
kintoneはクラウド上で使用するアプリのため、インターネットに接続できるパソコンやスマートフォンから内容の閲覧や共有ができます。
建設業の現場では、仮の事務所に端末を設置して最新情報の共有を行う場合、従業員が事務所まで向かわなければなりません。端末の台数が少ない場合、情報共有に時間を要するでしょう。
しかしkintoneならば、インターネットに接続できる端末を使用してどこからでも最新情報へアクセスできます。そのため、状況共有漏れが防ぎやすく、情報伝達に必要な時間を短縮できるでしょう。
さらに、kintoneの「kViewer(ケイビューワー)」を使用すれば、kintoneのライセンスを持たない人でもkintoneで作成された最新情報へアクセスできます。
短期間だけの従業員や協力会社などのために、kintoneのアカウントを新しく作成する手間がありません。
建設業で活用したいkintone連携サービス6選
建設業に、kintoneと同時にあわせて導入したい、トヨクモのkintone連携サービスを6種類紹介します。すべて、初期費用・解約費用は無料です。
- FormBridge(フォームブリッジ)
- kViewer(ケイビューワー)
- kMailer(ケイメーラー)
- PrintCreator(プリントクリエイター)
- DataCollect(データコレクト)
- kBackup(ケイバックアップ)
FormBridge(フォームブリッジ)
「FormBridge(フォームブリッジ)」は、アンケートや日報、社内申請システムなどをドラッグ&ドロップのみで作成できるアプリです。
製品名 | FormBridge(フォームブリッジ) |
用途 | 下記のフォーマットなどを作成する。
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料金(税抜き) | (スタンダード)
1万2,000円/月 14万4,000円/年 (プレミアム) 1万8,000円/月 21万6,000円/年 |
無料お試し期間 | あり(30日間) |
主な機能 |
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「FormBridge(フォームブリッジ)」なら、プログラミングの知識がなくても、見やすいWebフォームが作成できます。そのため、デジタル機器の操作が苦手な人でも、直感的に操作しながらWebフォームを作成してkintoneへデータを登録できます。
kViewer(ケイビューワー)
「kViewer(ケイビューワー)」は、kintoneのライセンスを持っていない人でも、kintoneで作成したアプリやフィールド内の情報を共有できます。
製品名 | kViewer(ケイビューワー) |
用途 |
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料金(税抜き) | (スタンダード)
1万2,000円/月 14万4,000円/年 (プレミアム) 1万8,000円/月 21万6,000円/年 |
無料お試し期間 | あり(30日間) |
主な機能 |
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「kViewer(ケイビューワー)」があれば、情報共有させたい従業員の人数分のアカウントを用意する必要がありません。
そのため、従業員の増減にかかわらず、情報共有を容易に行いやすくなるでしょう。
kMailer(ケイメーラー)
「kMailer(ケイメーラー)」は、kintone上の情報を引用してメール送信したり、kintoneから直接メール送信したりできる連携サービスです。
製品名 | kMailer(ケイメーラー) |
用途 |
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料金(税抜き) | (スタンダード)
1万8,000円/月 21万6,000円/年 (プレミアム) 3万円/月 36万円/年 |
無料お試し期間 | あり(30日間) |
主な機能 |
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「kMailer(ケイメーラー)」は、条件指定でメール送信が自動でできるため、リマインダーメールや進捗報告メールなどの送信忘れを防ぎます。
また、kintoen上での操作をきっかけとした自動送信も可能なため、たとえばkintone上で請求書を作成したら、メールに添付して自動で送信する仕組みも作れます。
PrintCreator(プリントクリエイター)
「PrintCreator(プリントクリエイター)」は、マウス操作のみで、請求書・納品書・見積書などの書類が簡単に作成できるアプリです。
製品名 | PrintCreator(プリントクリエイター) |
用途 | 下記などの書類を作成する。
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料金(税抜き) | (スタンダード)
1万2,000円/月 14万4,000円/年 (プレミアム) 1万8,000円/月 21万6,000円/年 |
無料お試し期間 | あり(30日間) |
主な機能 |
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「PrintCreator(プリントクリエイター)」なら、業務や会計に関する帳簿書類がkintone上でまとめて管理できます。
kintone上の情報を引用して書類へ反映できるため、帳簿書類の作成から管理まで容易になります。
DataCollect(データコレクト)
「DataCollect(データコレクト)」なら、kintoneアプリ内に登録しているデータの自動集計が可能です。
製品名 | DataCollect(データコレクト) |
用途 |
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料金(税抜き) | (スタンダード)
1万8,000円/月 21万6,000円/年 (プレミアム) 3万円/月 36万円/年 |
無料お試し期間 | あり(30日間) |
主な機能 |
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「DataCollect(データコレクト)」なら、従業員の稼働率や収支などを自動で集計できるため、手動で計算する手間が削減できます。
また、計算ミスや入力ミスといったヒューマンエラーの削減にもつながるでしょう。
kBackup(ケイバックアップ)
「kBackup(ケイバックアップ)」は、kintone上に登録しているデータのバックアップを、対象ページのURLを指定するだけで取得できるアプリです。また、データの復元もワンクリックで行えます。
製品名 | kBackup(ケイバックアップ) |
用途 | kintone上に登録している下記データのバックアップと復元。
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料金(税抜き) | (スタンダード)
1万6,000円/月 19万2,000円/年 (プレミアム) 2万円/月 24万円/年 |
無料お試し期間 | あり(30日間) |
主な機能 |
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誤削除などでデータが紛失した場合、はじめからすべて作成することは困難なうえ、業務の停滞にもつながります。
「kBackup(ケイバックアップ)」で定期的にバックアップを取得し、万が一データが紛失しても、復元が容易な環境を整えておきましょう。
kintoneとトヨクモ製品の建設業活用事例5選
建設業にkintoneとトヨクモのkintone専用アプリを導入して成功した事例の中で、下記の5つを紹介します。
- 現場のヒヤリハット報告(FormBridge×kViewer)
- 工事日報の作成・管理(FormBridge×kViewer)
- 建物設備巡回報告(FormBridge×kViewer)
- 休暇申請(FormBridge×kViewer)
- 工事スケジュール管理(kViewer)
現場のヒヤリハット報告(FormBridge×kViewer)
トヨクモの「FormBridge(フォームブリッジ)」と「kViewer(ケイビューワー)」を導入すれば、現場でのヒヤリハット情報が共有しやすくなります。
トヨクモ製品との連携でkintoneライセンスを持たないユーザーとのやり取りが可能に
- ライセンスコストによりkintoneの導入が難しい
- 現場作業員が多く、社内メンバー全員にkintoneライセンスを付与するのがもったいない
上記のようなお悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
トヨクモのkintone連携サービスは、kintone1環境につき1契約で利用ができ、kintoneライセンスを持たないユーザーとのやり取りができます。
月額6,000円(税抜)〜から利用ができるため、低コストでの運用が可能です。
建設業の業務で特に活用できるのが、FormBridgeとkViewerです。
FormBridge(フォームブリッジ)は、kintoneライセンスを持たないユーザーが情報を登録できるWebフォームです。
建設業者が、ヒヤリハットの報告業務にFormBridgeを導入すれば、フォームからヒヤリハットの登録が可能になります。
kViewer(ケイビューワー)は、kintone内の情報を外部に公開できるサービスです。
kintonedで管理しているヒヤリハットを、kintoneライセンスを持たない作業員や関係者へ共有できます。
FormBridge、kViewerについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:kintone連携「フォームブリッジ」とは?できること・使い方
関連記事:kViewer(ケイビューワー)とは?できること・使い方
kintone×トヨクモ製品を利用した活用例5選
ここでは、FormBridge、kViewerを用いた活用例を5つご紹介します。
- ヒヤリハット報告
- 作業日報
- 建物設備巡回報告
- 休暇申請
- 工事スケジュール管理
それぞれ以下で解説します。
ヒヤリハット報告(FormBridge×kViewer)
kintoneでは、社内独自のヒヤリハットを簡単にデータベースにできます。
しかし、ヒヤリハットの登録や閲覧は、kintoneライセンスを持っていることが前提となります。
現場作業員が多い建設業では、kintoneライセンスは全員に付与せず、本部のみkintoneを利用しているという企業も多いのではないでしょうか。
そこでFormBridge、kViewerを利用することで、kintoneライセンスを持たない現場作業員や関係者によるヒアリハットの追加、閲覧が可能になります。
kViewerを利用することで、ヒヤリハットを一覧で確認できます。kintoneライセンスを持たない現場作業員は、ビューのURLから以下のような画面にアクセスできます。
さらに、FormBridgeとkViewerを連携すれば、kintoneのレコード編集が可能になります。ヒヤリハットの情報を更新したい場合に活用できます。
工事日報の作成・管理(FormBridge×kViewer)
トヨクモの「FormBridge(フォームブリッジ)」で、作業の終了時に作成する工事日報の作成ができます。
従業員が持っているスマートフォンで、各自で工事日報が簡単に作成できます。結果、作業日報の作成における業務時間の短縮につながるでしょう。
kintoneのアカウントを持っていない従業員も、トヨクモの「kViewer(ケイビューワー)」があれば、閲覧したり操作したりできます。
建物設備巡回報告(FormBridge×kViewer)
建物設備点検者が行う設備点検の報告業務のため、トヨクモの「FormBridge(フォームブリッジ)」を導入すれば、点検作業時間の短縮につながるでしょう。
トヨクモの「FormBridge(フォームブリッジ)」であらかじめ入力フォームを作成することで、全員の報告形式が統一できます。さらに、報告と同時にほかの従業員へも共有できます。
作業日報(FormBridge×kViewer)
現場から作業日報を登録したい場面で、FormBridge、kViewerが活躍します。
FormBridgeとkViewerの連携で、作業日報の編集も可能になります。
FormBridge、kViewerを用いた日報管理の活用例として、リコージャパン株式会社様の事例をご紹介します。
新入社員が提出した日報をkintoneライセンスのない上司が閲覧、コメントできるシステムを作成しました。
詳細は、以下の記事でご紹介しているのでよろしければご覧ください。
>>導入事例:リコージャパン新潟支社が成功したkintoneを使ったDX戦略とは
建物設備巡回報告(FormBridge×kViewer)
kintoneサンプルアプリ「建物設備巡回報告書」の利用で、建物設備点検者が設備点検の報告業務を効率化できます。
FormBridge、kViewerでkintoneライセンスを持たない現場作業員が、設備点検の報告内容をkintoneに登録できます。
さらに、kViewerの活用で、過去の報告内容を閲覧・編集が可能です。
FormBridgeとkViewerの連携で、報告内容を後から編集できます。
休暇申請(FormBridge)
kintoneライセンスを持たないアルバイトや派遣社員、現場作業員がFormBridgeで作成した休暇申請フォームより有給申請ができます。
有給休暇は、年間で取得日数に指定があるため、あと何日残っているのか確認したい場面が出てくるかと思います。
kintoneライセンスのない方が、休暇の申請状況を確認したい時は、FormBridgeとあわせてkViewerを利用します。
FormBridgeとkViewerを連携することで、kintoneのレコード編集が可能になるので、有給のキャンセルも可能です。
以下の記事で、FormBridgeとkViewerを連携した有給申請の仕組みを詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
関連記事:自分の勤怠記録や有給の残日数をいつでも見れる!kintoneで万能ページを作成
工事スケジュール管理(kViewer)
工事を依頼されたお客様に対して、kintoneで管理している工事スケジュールをkViewerで共有できます。
予定が入っている日付を選択すると、レコード内の情報が表示されます。お客様に工事の進捗や工事後の様子を写真付きで共有できます。
kintoneとトヨクモ製品で建設業務を一層正確・効率的に
建設業者は、建設業に特化したアプリの活用により、現場での情報をリアルタイムに把握したり、顧客情報や工事スケジュールといった情報を一元管理したりできます。
kintone連携サービスのFormBridge、kViewerを活用すれば、kintoneライセンスを持たないユーザーとのやり取りが可能になり、業務の活用幅が広がります。
トヨクモのkintone連携サービスは、30日間の無料お試しを回数制限なしでご利用可能です。
自社の業務に合わせて、kintoneとセットで活用してみてください。

トヨクモ編集部
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