kintone(キントーン)とZohoはどちらも汎用性の高い業務改善用のビジネスツールです。
これらのツールはどのような違いがあるのでしょうか。
本記事では、kintoneとZohoの違いについて、共通要素や差別化ポイントという面から紹介します。
kintoneとは
kintoneとは、サイボウズが提供しているクラウド型の業務改善サービスです。kintoneの主な特徴は以下の3点です。
- ITに関する知識がなくてもアプリ開発が可能
- 拡張性が高く、必要に応じたカスタマイズが可能
- 情報共有が容易で、チーム内のやり取りがしやすい
ITに関する知識がなくてもアプリ開発が可能
kintoneはノンプログラミングのシンプルなUIで業務改善アプリの開発が可能です。
通常ならIT専門の部署でなければ行えない開発が、ドラックアンドドロップを中心とした、分かりやすい操作で行えます。
アプリ開発や操作が属人化しづらいため、必要なものの開発をすぐに行えます。
拡張性が高く、必要に応じたカスタマイズが可能
kintoneはクラウド型のプラットフォームでは珍しく、アプリのカスタマイズが可能で、拡張性が高いという点が大きな特徴です。
機能を拡張するためにシステム会社へ依頼する必要がなく、こちらも簡単な操作によって自社で対応が可能です。
情報共有が容易で、チーム内のやり取りがしやすい
kintoneにはコミュニケーションに役立つ機能がいくつかあります。例えばコメント機能を使えば、対応状況や連絡事項を残せるため、情報共有に役立つでしょう。
また、スペースという機能があり、チーム内でコミュニケーションをとる場所も作ることができます。コメントだけでなく資料の共有も可能であり、社員同士の意思疎通を図るツールとして利用できます。
Zohoとは
Zohoは、Zoho社が提供する業務改善クラウドサービスの総称です。
CRMに特化した「Zoho CRM」、カスタムアプリケーションを作れる「Zoho Creator」など、さまざまな業務分野に特化したパッケージを45以上提供しています。
Zohoにも大きな特徴が3つあります。
- 柔軟でカスタマイズ性が高い
- 機能が充実しており幅広く業務をカバーできる
- 利用しやすい
柔軟でカスタマイズ性が高い
Zohoの特徴の一つは、カスタマイズ性の高さです。前述の通り、さまざまな領域に特化したパッケージが提供されているため、用途や目的に合わせて必要なものを選択できます。
また、45以上のサービスを全て利用できる「Zoho one」という最上位プランが用意されており、それを活用すれば目的に合わせて自由にアプリを作成することができます。
機能が充実しており幅広く業務をカバーできる
Zohoには、顧客管理や営業・マーケティング、財務・会計などさまざまなパッケージが用意されているためさまざまな業務をカバーすることが可能です。すべて契約することもできますし、特定の分野のパッケージだけを購入することもできます。
利用しやすい
Zohoにはいくつかのプランがありますが、ほかのサービスと比べても低価格といえます。たとえば、「Zoho CRM」の最も安いプランなら1ユーザーあたりの月額が1680円です。
kintoneとZohoに共通する要素
ここまで、kintoneとZohoの特徴について説明しました。ここからは、この2つの共通する要素を具体的に紹介します。
簡単に業務アプリを開発できる使いやすさ
どちらもITやプログラミングの知識を持っていなくても、簡単な操作で業務管理のアプリを作成できるという共通の特徴を持ちます。既存のファイルやデータを取り込んだり、アプリテンプレートを活用することで、簡単にアプリの開発ができます。
また、ローコード開発による自社専用の機能を追加することも可能です。こちらはプログラミング技術を用いるものの、一から開発するよりは簡単です。利用者に求められるスキルの水準が低い点も共通しています。
スマホ・タブレットに対応している
どちらもスマートフォン・タブレットでの操作に対応しています。
Android・iPhone対応の専用アプリが用意されており、外出先からの操作が可能です。外出先でもデータの確認や編集を行えるため、情報共有の遅れや漏れを減らせます。
もちろんWebブラウザでの使用も可能です。
kintoneをモバイル環境でも使いこなせるようになると、移動中などパソコンが開けない時のやり取りが便利になります。しかし、kintoneを導入したばかりであったり、パソコンでの使用がメインになっていたりして、モバイルでの使い方がわからない[…]
外部ツールとのAPI連携が可能
どちらもさまざまな外部サービスとのAPI連携が可能です。
コミュニケーションツール・会計ソフト・Googleの各種サービスなどさまざまなサービスと連携することができるため、自社で既に利用しているサービスがあれば、kintoneやZohoとAPI連携が可能かを確認するとよいでしょう。
kintoneは業務アプリを簡単に作成できるクラウド型アプリ開発サービスです。単体でも優れた機能を発揮しますが、API連携によってアプリ間や他サービスとの一元管理が可能となり、さらなる業務効率化を図れます。 そこで本記事では、kint[…]
kintoneとZohoの違い
kintoneとZohoには大きく違う部分がいくつかあります。
ここからは、導入方法・得意分野・機能・価格・利用しやすさの観点から違いについて解説します。
導入方法の違い
kintoneは、自社の目的に合わせて自由にアプリを作れます。サンプルアプリが100種類以上用意されているため、目的に合ったアプリを簡単に作れることが強みです。
一方、Zohoは用意されているパッケージから自社の目的に合ったものを選択し導入するケースが一般的です。
そのため、kintoneは自社に必要な機能やアプリを追加する形をとりますが、Zohoは目的に合うパッケージを選び選択するという形をとります。その点に両社の違いがあります。
得意分野の違い
kintoneは、開発が簡単でありながら、自由にカスタマイズできることが特徴です。ドラックアンドドロップだけで、誰でも簡単にアプリ作成やカスタマイズを行えます。そのため、さまざまな顧客の要望に応えることが得意だと言えます。
一方で、Zohoは、アプリを作らなくてもはじめからパッケージとして用意されているという点がkintoneとは異なります。そのため、Zohoは自分でアプリを作るのが苦手な方の要望に応えることが得意だと言えます。
機能面での違い
一つの領域に絞って比べるのであれば、kintoneよりもZohoが優れていると言えます。
CRM領域を例にあげると、Zohoの「Zoho CRM」というツールには、顧客管理ツールやマーケティングオートメーション(MA)機能が一通り揃っています。kintoneでは初期対応していない機能が、何もしなくても利用できることは大きなメリットです。
しかし、kintoneはさまざまな連携サービスやプラグインを利用して機能を拡充できるという魅力があります。アプリストアにはSFAをはじめとしたサンプルアプリが多数そろえられているため、こちらを利用してもよいでしょう。
価格面での違い
kintoneはライトコースなら1ユーザーあたり月額780円、スタンダードコースは1ユーザーあたり月額1,500円で利用可能です。ただし、こちらのコースはAPI連携とプラグインの利用ができません。スタンダードコースであれば、作成できるアプリ数も大幅に増え、ライトコースでは使えなかった機能が利用可能です。
「Zoho CRM」というCRMに特価したパッケージは、4つのプランが用意されています。1ユーザーあたり月額1,680円・2,760円・4,800円・6,240円があります。なお、全パッケージが包括されている「Zoho one」の価格は、1ユーザーあたり月額10,800円です。
サイボウス社が提供する業務改善クラウドサービス「kintone(キントーン)」には、ライトコースとスタンダードコースの2つのコースがあります。 スタンダードコースは、ライトコースに比べて料金が高いものの、機能面が充実しています。そのた[…]
導入や利用のしやすさでの違い
両者とも、あまり専門知識を必要としない業務改善システムです。kintoneは日本企業のサイボウズが運営しているため、日本語でのサポート窓口があるという点はメリットです。
一方で、Zohoはインド創業・アメリカに本社がある企業のため、一部日本語に未対応の部分があります。
サポート面や導入のしやすさで比較すると、kintoneのほうが導入の敷居は低いと言えるでしょう。
kintoneとZohoは連携できる?
kintoneとZohoは連携が可能なツールです。それぞれ得意分野や用途に異なる点があるため、うまく連携させればお互いの苦手な分野を補いながら利用できるでしょう。
双方ともにAPIを公開しているため、プログラミングの知識を必要としますが、API連携を行うことも可能です。
kintoneはデータを一括管理するという面で優れた機能を持っているため、たとえばZoho CRMと組み合わせることで、営業活動の効率改善に役立ちます。
kintoneとZohoの違いを知り、経営管理を効率化しよう
kintoneは、IT知識のない人でも業務管理のアプリを開発できるサービスです。Zohoは、顧客管理やCRM、SFAなどさまざまな領域の業務改善パッケージを販売しています。
どちらが自社に合っているかについては、自社が改善を行いたい領域や規模によって異なります。自社の課題や要望を整理し、自社に合ったサービスを選びましょう。
トヨクモでは、kintoneで利用できる6種類の連携サービスを提供しています。kintoneをより効率よく使えるため、あわせてご検討ください。