ノンプログラミングでアプリ開発ができるkintone(キントーン)。kintoneに備わっている機能のひとつ、スペース機能とはどのような機能なのでしょうか。
今回は、スペース機能の概要や活用方法をご紹介します。
kintoneのスペース機能とは
通常、アプリ開発にはプログラミングスキルを要します。しかし、kintoneはノンプログラミングかつシンプルな操作性で、誰でも簡単にアプリ開発ができます。
kintoneには複数の機能があり、そのひとつがスペース機能です。まずは、スペース機能の概要とポータル機能との違いについて解説します。
スペース機能で可能なこと
kintoneのスペース機能では、参加メンバーだけでメッセージやファイルを共有できます。「営業部スペース」や「経理部スペース」など、チームや部署、プロジェクト単位でグループを作成できます。スペースの参加者同士で情報共有やコミュニケーションが可能です。
ポータル機能との違い
kintoneのポータル機能は、kintoneの情報が集約されているトップページにあたるものです。データ検索が可能で、参加できるスペースや利用可能なアプリが一覧で表示されます。
スペース機能とポータル機能の違いは、主に以下の通りです。
編集権限 | 作成・カスタマイズ | |
ポータル機能 | 管理者のみ | 追加作成不可(カスタマイズは管理者のみ) |
スペース機能 | 参加者であれば可能 | 許可されたユーザーであれば誰でも可能 |
なお、複数のポータルを作成したい場合はスペースを作成し、スペース内のポータルを利用することで可能です。
kintoneのスペース機能の活用
kintoneのスペース機能は、以下の活用方法があります。
- チームで情報を共有する
- よく使うアプリ、スレッドをまとめる
- 話題ごとにスレッドを分ける
- スペース内アプリを使う
- スペース内アプリでデータを管理する
それぞれの活用方法について詳しく解説します。
チームで情報を共有する
スペースは、参加したメンバー間のみで情報共有ができます。テキスト情報だけでなく、画像・Excel・Word・PDFといったファイルも共有できるため、スペース内でナレッジやノウハウをうまく共有できるでしょう。
よく使うアプリ、スレッドをまとめる
よく使うアプリやスレッドを簡単にまとめることができます。よく見るアプリの一覧を張り付けたり、スペース内にアプリを作ることができるからです。
スペース内にアプリを作ることで、必要な情報にすぐにアクセスできます。情報を探す手間やアクセスする手間を省け、作業の効率化やスムーズな情報共有が可能です。
話題ごとにスレッドを分けられる
スペース内には、スレッドという掲示板機能があります。
この機能を使えば、メンバー同士で会話した記録を残すことが可能です。わざわざ記録を残す必要がないため、情報の共有漏れを防ぐことができます。
また、話題ごとにスレッドを分けることで、話が流れたり、情報が錯綜したりといったことを避けられます。必要な情報へのアクセスも簡単になるため、情報を探す労力が減り、作業の効率化に繋がるでしょう。
スペース内アプリを使う
kintoneのスペース内アプリは、以下の方法で作成することができます。
- スペース内に新規でアプリを作成する
- アプリをスペースに所属させる
- 既存アプリを他のスペースに移動させる
スペース内のアプリは、スペースの参加者しか見ることができず、コミュニケーションの手段として活用できます。
また、スペースに所属していないアプリを「関連リンク」としてスペース内に表示しておくことも可能です。
スペース内アプリでデータ管理する
スペース内アプリでデータを簡単に管理できます。スペース内のアプリは、アプリごとにアクセス制限を設けることができるため、管理者が情報統制を行いやすくなるでしょう。
kintoneのゲストスペース機能とは
kintoneには、以下の機能を持つゲストスペース機能があります。
- kintoneのユーザーアカウントを持たない社内の人と共有
- 社外の人と共有
それぞれの機能について詳しく解説します。
社内でkintoneのアカウントを持たない人との共有
kintoneのゲストスペース機能を使えば、kintoneユーザーアカウントを持っていない人とも情報の共有を行えるようになります。ユーザーアカウントを新たに作成をしなくてもよいため、手軽に情報共有を行えます。
社外のクライアントとの共有
また、社外の取引先とアプリやスレッドを共有することも可能です。社外のパートナーやクライアントとのコミュニケーションや情報共有の手段として活用することもできます。
例えば、プロジェクトにおける進捗管理や売上数値、マーケティングデータなどの情報共有を行うことができます。社内のスペースとは分けて作成ができるため、社外の人に情報が漏洩することはありません。
kintoneのスペースを作成する
ここまで、kintoneのスペース機能についてご紹介してきました。しかし、kintoneのスペース機能をどのように作成すればよいか分からない方もいるでしょう。ここからは、kintoneのスペース作成手順を分かりやすくご紹介します。
ポータル画面から作成
- ポータル画面の「スペース」欄にあるプラスボタン[+]アイコンをクリック
- [スペースを作成]からテンプレートを使って作成する場合は、使用するテンプレートを選んでクリック
- [はじめから作る]を選択した場合、[基本設定]タブで各項目を設定
基本設定を入力
基本設定を入力してスペースを完成させます。スペース作成時に設定する基本情報は以下の通りです。
- スペースの名前の設定
- 参加メンバーの設定
- スペース内でのポータル・スレッド・メンバーについての設定
- アプリを作成できるユーザーの設定
必要な内容を設定し、スペースを作成しましょう。
kintoneのスペースをカスタマイズする
kintoneのスペースは、カスタマイズすることでより使いやすく、目的に合ったものにできます。ここからは、kintoneのスペースでできるカスタマイズを2つご紹介します。スペース機能を活用する目的に応じて、カスタマイズをしてみましょう。
アプリやスレッドの配置
前述の通り、スペース内にはアプリやスレッドを配置できます。スペースの管理者であれば、編集画面から管理ダイアログで表示・非表示の変更が可能です。
また、スペースの「お知らせ」欄にアプリのレコード一覧やグラフを設置することもできます。アプリやスレッドを配置しておくことで、アプリを開かなくても目標値や進捗をすぐに確認できるため便利です。
APIやJavaScriptでカスタマイズ
APIやJavaScriptを使用することで高度なカスタマイズを行うことができます。kintoneはノンコードでアプリを開発できますが、プログラミング言語を活用することで複雑なシステムにも対応可能です。自社開発が可能な環境であれば、各ライブラリを入手し、より活用しやすいシステムを構築できます。
なお、プログラミング言語を用いてカスタマイズする際は、kintoneシステム管理を開き[JavaScript/CSSでカスタマイズ]をクリックします。
kintoneのスペースについてよくある質問
kintoneのスペースを利用したい、または利用しているもののさまざまな疑問が生じることもあるでしょう。最後に、kintoneのスペースについてよくある質問に回答します。
アプリの並べ替えと移動
kintoneのスペースでアプリを移動するには、アプリとスペースの管理権限を変更する必要があります。スペースの管理者以外がアプリの並べ替えと移動をしたい場合は、権限を解放してもらい移動を行ってください。
なお、アプリの並べ替えを行う際は、アプリ設定画面の設定タブから「アプリの所属するスペースを変更」を選択します。変更先のスペース名を検索して選択すると、スペースの所属変更が可能です。
スペース名の変更
スペース名の変更を行う場合は、スペースの管理権限を持つユーザーのみが変更可能です。そのため、管理権限を持つユーザーにスペース名の変更を依頼しましょう。
なお、管理ダイアログからスペース名の変更やスペースの公開情報を設定できます。管理ダイアログは、スペースの画面右上のオプションボタン内にあります。
不要なスペースの削除
スペースが不要になった場合、kintoneのシステム管理者はメニューからスペースの削除ができます。
今後も利用するアプリやデータがある場合には、所属変更やバックアップを実施した上でスペースを削除することがおすすめです。
kintoneのスペースを活用して業務を効率化しよう
kintoneのスペース機能には、情報共有が円滑にでき、情報を探す手間が省けて業務効率が上がるというメリットがあります。さまざまな機能があるため、有効に活用して業務の効率化を図りましょう。