kintoneとSalesforceならどちらを選ぶべき?機能や料金を含め徹底比較

SFA(営業支援)・CRM(顧客管理)ツールの導入には業務効率化や顧客満足向上などのメリットがあるため、経営戦略において重要とされています。

有名なツールとしては、kintoneやSalesforceが挙げられますが、どちらを導入すればよいのでしょうか。

この記事では、両者の機能や料金などの違いについて紹介します。

kintoneとは

kintoneとはサイボウズが運営するクラウドサービスです。
業務アプリをプログラミングの知識がなくても簡単に開発できることが特徴です。

具体的には次のような特長があります。

  • スケジュール管理や顧客管理などの業務アプリをノンプログラミングで作成できる
  • さまざまなプラグインが用意されており、拡張性が高い
  • さまざまな外部サービスと連携が可能
  • コメントによるコミュニケーション機能がある
  • スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末からでも編集・閲覧が可能

契約形態にはライトコースとスタンダードコースの2つがあります。
外部サービスとの連携や拡張機能の使用はスタンダードコースでのみ可能です。

また、アプリが作成できる数にも違いがあり、ライトコースは作成できるアプリ数が200個までなのに対して、スタンダードコースは1000個までに設定されています。

Salesforceとは

Salesforceはセールスフォース・ジャパンが運営するクラウドサービスです。
主に「顧客管理」や「営業活動の最適化」の目的で使われます。

顧客ごとに訪問履歴や売上などの情報を集約し、さまざまな角度から分析が可能です。
顧客情報の管理・分析をおこなうことで、営業戦略の改善や取引の拡大につながります。
また部署間で連携が可能なため、顧客へのアプローチの最適化が期待できます。
Salesforceは、領域ごとにさまざまな製品が展開されており、代表的な製品は次の3つです。

  • Sales Cloud
    顧客管理(CRM)と営業支援(SFA)を支援するツールです。
    顧客や案件の情報を一元管理し、情報共有や受注率の向上が期待できます。
  • Service Cloud
    Service Cloudは、カスタマーサービス支援ツールです。
    顧客情報を一元化することで顧客に対して適切な対応ができるようになり、顧客満足度の向上につながります。
  • Marketing Cloud
    顧客ごとに合わせたマーケティングをおこなうことを目指すプラットフォームです。
    顧客の行動を把握し、適切なタイミングでメールやSNSなどの媒体でマーケティングをおこなえます。

代表的な製品であるSales Cloudには、Starter・Professional・Enterprise・Unlimited・Unlimited+の5種のエディションがあります。

  • Starterは小規模なチーム向けのエディション
  • Professionalは営業向けのエディション
  • Enterpriseはより高い柔軟性を持つエディション
  • Unlimitedは自動化やAI、開発者支援が搭載されたエディション
  • Unlimitedはパフォーマンス管理や人員育成が可能な最上位のエディション

営業活動のサポートや商談の成立率向上に期待が持てるプラットフォームです。

kintoneとSalesforceに共通する要素

両プラットフォームは、ともにクラウド型のサービスですが、それ以外にも共通する要素がいくつか存在します。
以下では、それらの共通項について詳しくご紹介します。

SFA・CRMシステムの導入で検討される

両プラットフォームは、ともにSFA(営業支援)・CRM(顧客管理)を目的として導入を検討されることが多いプラットフォームです。

kintoneには、『営業支援(SFA)パック』をはじめとしたサンプルアプリが用意されています。
また、CRMに関してはパッケージ化された拡張機能が存在します。

一方のSalesforceは、SFAとCRMに強みがあるプラットフォームです。

どちらのプラットフォームもSFA・CRMに対して高い効果が期待できます。

スマホ・タブレットで使用可能

どちらもクラウドサービスのため、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末での使用が可能です。
移動中や外出中でもリアルタイムに情報の更新が可能で、他のメンバーと情報共有ができます。

自社に合わせたカスタマイズが可能

両プラットフォームはどちらも自社に合わせたカスタマイズが可能です。

kintoneはカスタマイズにプログラミングをはじめとする専門知識が必要ありません。ドラッグアンドドロップで業務アプリの作成やカスタマイズを簡単に行えます。

Salesforceには、カスタマイズをおこなうための『Lightning Experience』というツールが用意されており、直感的な操作だけで高度なカスタマイズが可能です。

これに加えて、どちらのプラットフォームもJavaScriptを使用すれば根本的な部分のカスタマイズが可能ですが、こちらはプログラミング知識が求められます。

kintoneとSalesforceの違い

前述のとおり、共通する要素の多い両ツールですが、kintoneとSalesforceには相違している点があります。
ここでは5つの視点から、両者の違いを比較します。

製品ポジションの違い

kintoneとSalesforceは、製品ポジションが異なります。

kintoneの製品ポジションは、業務改善プラットフォームです。本来の用途は、業務プロセス管理とデータベース機能、コミュニケーションツールなどの業務改善をおこなうアプリを作成することです。これにプラグインや拡張機能を用いることで、CRMやSFAとしての役割を持たせられます。

一方、Salesforceの製品ポジションは、SFA・CRMツールです。顧客管理・顧客育成に特化しており、顧客ニーズの把握から受注まで営業活動の最適化を主な目的としています。

得意分野の違い

kintoneとSalesforceは、得意分野が異なります。

kintoneは、業務アプリの作成や業務管理、Salesforceは顧客管理や営業支援が得意領域です。

kintoneは、プログラミングの知識がなくても業務アプリの作成を簡単にできることが強みです。また、柔軟性が高く、自由にカスタマイズできるため、さまざまな領域で業務改善を行えるという特徴を持ちます。

一方、Salesforceは営業活動の最適化が強みです。顧客へのアプローチから商談成立に至るまでに必要な機能が備わっています。

機能面での違い

kintoneは業務改善をおこなうための複合的な機能を持ち、Salesforceは顧客管理や営業支援に特化した機能を持ちます。

kintoneの主な機能は、以下のとおりです。

  • アプリ作成機能
  • 情報共有機能
  • カスタマイズ機能
  • 業務管理機能
  • コミュニケーション機能
  • データ集計機能
  • 外部サービス連携機能

kintoneは作成したアプリを通じ、情報やプロジェクトを管理することが基本的な機能です。

Salesforceの主な機能について以下でまとめています。

  • SFA(営業支援システム)
  • CRM(顧客関係性マネジメント)
  • MA(マーケティングオートメーション)
  • 問い合わせ管理

Salesforceは顧客ごとのデータ管理が主な機能です。
登録された顧客情報からレポートやダッシュボードを表示し、営業進捗の確認・課題の確認、売上予測をおこなえます。

「フェーズ」と呼ばれる進捗段階ごとに管理・分析ができ、ドリルダウンで元データにたどり着けます。
また、製品を追加することで必要な機能の追加が可能です。

それぞれで主な機能が異なるため、自社の要望に合った最適なシステムを選択しましょう。

価格面での違い

価格面で比較するとkintoneのほうが安く導入可能です。
kintoneとSalesforceはそれぞれコースに応じて料金が違います。
なお、Salesforceは代表的な製品であるSales Cloudを用いて比較しています。
それぞれの料金を確認してみましょう。

kintone Salesforce
(Sales Cloud)
初期費用 0円 0円
月額料金 ライトコース・780円
スタンダードコース・1500円
Starter・3300円
Professional・1万560円
Enterprise・2万1780円
Unlimited・4万3560円Unlimited+・6万6000円

※料金はすべて1ユーザーあたりです。

kintoneのスタンダードコースは1500円と、Salesforceのもっとも安いプランであるStarterの半分の価格です。
費用を抑えたい企業にはkintoneをおすすめします。

導入や利用のしやすさでの違い

どちらもクラウドサービスのため導入は比較的簡単です。
サーバーの構築は不要で、インターネット環境さえあればPC・スマートフォンからアクセスが可能です。

しかし、Salesforceは多くの機能があるため、利用前にシステムの調整を要します。
開発や導入をコンサルタントに依頼するケースが多く、その分の費用も発生します。
そのため、導入のしやすさという面ではkintoneがおすすめです。

kintoneとSalesforceは連携できる?

それぞれの得意機能が異なるkintoneとSalesforceですが、これらのツールは連携して使うことが可能です。
両方とも連携用のAPIを公開しており、プログラミング知識があれば連携ができます。
また、サードパーティの統合サービスを利用し、kintone上のデータをSalesforceと連携することも可能です。

kintoneとSalesforceの強みを知り、自社に合ったプラットフォームを選択しましょう

kintoneとSalesforceはともにCRM・SFAツールとして利用できます。
SalesforceはCRM・SFAに特化したプラットフォームで、kintoneはCRM・SFAとしても利用できる業務改善プラットフォームです。
利用規模・利用目的や予算に合わせた導入を検討しましょう。

kintoneはトヨクモが提供している6種類の連携サービスを使えば、CRM・SFA以外の機能も拡張ができます。
この機会にぜひ一度ご覧ください。

 


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