kintone(キントーン)の活用やペーパーレス化を実行する上で、社内で管理する紙の書類をテキストデータに変換したり、書類の整理・管理に苦労するのではないでしょうか。
kintoneでOCRサービスやプラグインを導入すれば、カメラで撮影した写真から文字を簡単にデータ化し、kintone上に保存・管理できるようになります。
本記事では、kintoneと連携できるOCRサービスやプラグインを5つ紹介します。OCRによって改善できる業務の例も解説するので、ぜひ参考にしてください。
OCRの仕組みとは?
OCRとは、「Optical Character Reader」の略称で、画像データのテキストを認識し、文字データに変換する光学文字認識機能のことを指します。
OCRソフトが文字を認識してデータとして出力するまでには、3つのステップがあります。
- 読み取りたい文字領域を探し出し、文字ごとに切り出しを行う
- 切り出した文字を1文字ずつ識別し、判定する
- パソコンなどで使える電子データへ変換して出力する
基本的には印刷された活字が対象ですが、手書きの文字を認識するOCRも存在します。
近年ではOCRとAIを組み合わせることで、精度の高いスキャンが可能なAI-OCRも普及しています。人が決めたルールの範囲外に対応するため、これまで文字認識できなかったものも認識可能になります。
kintoneと連携できるOCRサービスには、AI-OCRが搭載されているものも多いです。
kintoneと連携できるOCRサービス・プラグイン5選
ここからは、kintoneと連携できるOCRサービスやプラグインを5つ紹介します。
1. mojula for kintone
▲画像出典:mojula for kintone
mojula for kintoneは、kintoneとAI-OCRを連携して帳票入力を自動化するkintoneのプラグインです。手書きやFAXの帳票をAI-OCRで読み取り、補正入力やデータ化を簡単に実現することができます。
帳票の内容をkintoneアプリに入力する業務を手作業で行っている場合は、2クリックとAIの補正、個別の追記などの操作だけで入力業務が完了します。
選択項目や明細表形式項目も、同じレイアウトで直感的に入力できるので、システム入力に慣れていない担当者もストレスなく操作することが可能です。
■mojula for kintoneの料金体系
初期費用 | mojula 設定費用:30,000円 AI-OCR 仕分定義、帳票定義:30,000円/1帳票あたり |
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月額費用 | mojula 基本料:30,000円 kintone 連携オプション:10,000円 |
2. ATTAZoo AI OCR パック
▲画像出典: ATTAZoo AI OCR パック
ATTAZoo AI OCR パックは、AI-OCRを活用してPDF帳票をデータに変換し、kintoneに自動取り込み・自動振り分けが行えるプラグインです。
帳票データを複合機やスキャナーでPDF化し、データ化したいPDFをkintone上で選択してボタン1つで実行すると、データ化が完了します。
アプリで割り振られた帳票が自動登録・結果確認ができるので、紙が必要なく、手書き帳票も高精度でデータ化できるのが強みです。
たとえば、これまでFAX注文書を自社の書式に転記し、手入力で受注処理を行っていた場合も、FAXの注文書を自社の書式に自動反映し、ボタン1つで受注処理が行えます。
■ATTAZoo AI OCR パックの料金体系
想定枚数/月 | 標準価格/月 |
300枚 | 31,900円 |
3. CLOVA OCR連携プラグイン
▲画像出典:CLOVA OCR連携プラグイン
CLOVA OCR連携プラグインは、LINE CLOVAのAI技術を活用した文字認識サービス「CLOVA OCR」とkintoneを連携するプラグインです。
kintoneアプリ上でレシートや請求書の画像ファイルをアップロードするだけで、レシート内の店名、住所、明細金額、合計金額などの必要事項を読み取り、kintoneアプリのフィールドに自動登録されます。
領収書や請求書のデータ化、内部承認フローなどの業務プロセスをkintoneで一気通貫して行えるようになります。
あらゆる書類や画像を読み取り、素早くデジタル化できるため、作業時間の短縮や業務効率化につながるでしょう。
■CLOVA OCR連携プラグインの料金体系
初期費用 | 0円 |
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月額費用 | 31,900円 CLOVA OCRプラグイン └月額10,000円、年額110,000円CLOVA OCR └特化型(レシート):月額33,000円~ └特化型(請求書+レシート・領収書):月額55,000円~ ※1枚ごとに課金 |
4. モジトリ
▲画像出典:モジトリ
モジトリは、AI-OCRを利用して、カメラで撮影した写真から決まった形式で並ぶ文字を取り出し、個々のデータとして保存できるkintoneプラグインです。
たとえば、棚卸しや現品票、設備管理などにおいて、目視で確認し、台帳/Excelへ手作業で転記していた場合は、作業に手間がかかるうえに、誤入力や見落としなどのミスが起こりやすいでしょう。
モジトリを導入し、スマホやタブレットで撮影すれば、自動でフォームに登録できるため、転記による入力ミスの削減や正確性アップにつながります。
モジトリは、名刺・領収書・備品管理や、製造業における現品票・在庫管理、福祉事業における健康記録・食事管理などさまざまなシーンで利用可能です。
初期費用 | 11,000円 |
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月額費用 | 月額プラン:8,800円/月 年額プラン:88,000円/年 |
5. SmartRead連携プラグイン
▲画像出典:「SmartRead」連携プラグイン
「SmartRead」連携プラグインは、kintoneに書類画像(JPEG、PNG、PDF)をドラッグ&ドロップするだけで、データ化してkintoneに取り込めるプラグインです。
各種申請書類の管理や病院での問診票、点検チェックシートの管理、イベント・セミナーでのアンケートの集計・共有などがkintone上で簡単に行えるようになります。
これまで自動認識が難しかった手書き文字の認識と活字の両方に対応している高い文字認識精度に加え、仕分け機能においても高い精度を実現します。
■SmartRead連携プラグインの料金体系
要問合せ
kintone×OCRで改善できる業務例
kintoneとOCRプラグインを組み合わせると、以下のようなシーンで業務を改善できます。
- 紙の書類の取り込み処理
- FAXの書類をデータ登録
- アンケートの集計・共有
- 問診票のデータ化
- チェックシートの管理
なお、プラグインによって実現できることは異なるので、自社に合ったものを選ぶようにしましょう。
1. 紙の書類の取り込み処理
手書きの申請書類や契約書はもちろん、レシートや請求書、受発注管理に必要な帳票など、さまざまな取引先や顧客から紙で届く書類をシステムデータとして取り込む処理を自動化することができます。
様式・サイズなど帳票ごとに異なる読み取り位置の設定や、kintoneへの取り込みなどの作業を効率化できます。
2. FAXの書類をデータ登録
FAXに対応したkintoneプラグインであれば、FAXで受信した帳票の読み取り・入力業務を自動化することができます。
また、FAXに限らず、メールで受信したイメージデータをOCRでデータ化してkintoneに登録できるプラグインも存在します。
3. アンケートの集計・共有
イベントやセミナーでアンケートを実施する際に、紙の場合は集計に時間や手間がかかってしまいます。
OCRプラグインを活用することでkintone上でスムーズにアンケートの集計・共有ができるようになります。
たとえば、BtoB企業におけるセミナーのアンケート結果をkintone上で集計・共有できれば、営業担当者による迅速なフォローアップが可能になるでしょう。
4. 問診票のデータ化
OCRプラグインは、病院の問診票をデータ化することにも役立ちます。
過去の分を含めて問診票をデータ化することで、関係者によるデータ参照・共有が簡単に実現できるようになるでしょう。
膨大な数の問診票や患者の情報を管理しやすくなるというメリットがあります。
5. チェックシートの管理
OCRで建築現場での項目が多い点検チェックシートをデータ化することで、手間をかけずに管理できるようになります。
チェックシートの持ち運びの手間が必要なくなるため、現場の作業員の負担軽減につながるでしょう。DX推進においても、OCRは非常に有効です。
業務効率改善ならトヨクモのkintone連携サービスがおすすめ
業務のデジタル化やDXによる業務効率改善をお考えの方は、kintoneおよびトヨクモのkintone連携サービス「Toyokumo kintoneApp」の利用がおすすめです。
トヨクモのkintone連携サービスは1万契約を突破し、サイボウズのオフィシャルパートナー評価制度においても全製品で受賞と、実績と使いやすさに定評があります。
トヨクモ連携サービスを導入することで、紙の書類を介さず、直接データの書き込みや管理が行えるため、職員の負担軽減や業務効率改善が図れるでしょう。
FormBridge | kintoneライセンスがなくてもアプリにデータを登録できる |
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PrintCreator | kintoneアプリのデータをPDFで出力できる |
kViewer | kintoneライセンスがない人に、kintoneアプリのデータを共有できる |
kMailer | kintoneアプリのデータを引用してメール送信できる |
DataCollect | 複数のkintoneアプリに登録されたデータを集計できる |
kBackup | kintoneアプリに登録されたデータを安全にバックアップする |
たとえば、手書きの申込書類データの取り込みやアンケートの集計は、FormBridgeを導入することで自動でデータ反映・集計を行えます。また、kViewerを導入すれば、書類データやアンケート回答の共有がスムーズになるでしょう。
このように、トヨクモ製品のkintone連携サービスを活用することで、業務の自動化・効率化を図ることができます。
過去には、FormBridge、kViewerを活用してOCR結果の修正を行ったり、スムーズなデータ管理を行った事例もあります。
悩みややりたいことに合わせて最適な機能を追加できるので、kintoneと一緒に使いたい便利なサービスをお探しの場合は、無料30日間お試しからぜひ実際の使用感を体感した上でご検討ください。
まとめ
kintoneのOCRプラグインを導入することで、手書きや紙の書類をデータ化し、kintone上でスムーズに保存・管理できるようになります。
kintoneでOCRを使いたいとお考えの方は、ぜひ本記事で紹介したOCRプラグイン・サービスの導入を検討してはいかがでしょうか。
また、社内で管理する紙の書類の管理・整理に手間がかかっているという場合は、トヨクモのkintone連携サービス「Toyokumo kintoneApp」の利用もぜひご検討ください。