kintoneはIT導入補助金の対象!受け取るポイントや手順を解説

kintoneは、ノーコード・ローコード開発プラットフォームとして、幅広い業務を効率化できるクラウドサービスです。しかし、導入には費用がかかるため、導入を躊躇している企業も多いでしょう。

そこで今回は、kintoneの導入費用を補助してもらえる「IT導入補助金」について解説します。IT導入補助金は最大450万円の補助金を受け取れるため、導入コストを大幅に削減できるのが魅力です。kintoneの導入を検討している企業は、ぜひ参考にしてください。

サイボウズが提供するkintoneの機能

kintoneは、サイボウズ株式会社が提供するクラウド型のノーコード・ローコード開発プラットフォームです。コードを書かずにデータベースや画面、ワークフローなどを簡単に構築でき、ITスキルがなくても誰でも簡単に業務アプリを作成・運用可能です。

kintoneには、以下のようなアプリを簡単に作成できる機能が搭載されています。

  • 日報作成と共有経費の申請と承認
  • 案件管理
  • 見積書管理
  • 問い合わせ管理
  • 契約管理
  • 採用管理
  • 商品管理
  • 工数管理

ドラッグ&ドロップ操作で簡単に業務アプリを作成し、さまざまな業務の効率化を図れるのが特徴です。営業にかかわるアプリ開発やデータ管理が行えるため、導入することで多くのメリットが得られるでしょう。GoogleカレンダーやSalesforce、Microsoft Teamsなど外部サービスとの連携も可能です。

IT導入補助金の概要

次にIT導入補助金の概要や申請の条件、IT導入補助金で導入できるツールなどについて紹介します。

最大450万円の補助金が受け取れる制度

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等がITツールを導入することを支援する国の制度です。補助対象となるITツールを導入すると、経費の一部を補助してもらえます。2024年度のIT導入補助金では、最大450万円の補助金を受けることが可能です。

IT導入補助金の対象となるものは以下の通りで、通常枠をはじめとした数種類の枠が設けられています。

  • ソフトウェア購入費
  • クラウド利用料(最大2年分)
  • 導入関連費

ソフトウェア購入費のほか、クラウド利用料や導入関連費用が対象です。導入関連費には、機能拡張や連携ツールなどの各種オプション費用、導入コンサルティングにかかる費用、導入設定・マニュアル作成・導入研修にかかる費用が含まれます。

IT導入補助金で導入できるツール

IT導入補助金では、どんなソフトウェアやクラウドサービスでも補助対象になるわけではありません。以下のような条件を満たしている場合に限り、補助金の申請が可能です。

  • ベンダー側がIT導入支援事業者の登録をしている
  • ITツールがIT導入補助金の対象として登録されている

利用したいITツールを提供しているITベンダーが、IT導入支援事業者として登録していなければ、申請は不可能です。また、ツール自体もIT導入補助金の対象として登録されている必要があります。これらの条件を満たさない場合、非承認になるので注意しましょう。

補助は最大で450万円ですが、通常枠で申請する場合はパソコンやタブレット、スマホなどのハードウェアは補助の対象外です。ITツールを使うのに必要な場合であっても、補助金の対象にはならないため、計算ミスがないように注意してください。

kintoneが対象となるIT導入補助金の枠

kintoneは、IT導入補助金の対象となるITツールです。IT導入補助金には、さまざまな枠がありますが、kintoneは通常枠を利用して申請します。通常枠にはA類型とB類型があり、それぞれ補助額や申請条件などが異なります。

A類型は、1プロセス以上を保有するソフトウェアで申請できる枠で、補助額は5万円以上150万円未満です。B類型は、4プロセス以上を保有する ソフトウェアで申請できる枠で、補助額は150万円以上450万円以下となります。対象となるプロセスの一覧は、以下の通りです。

  1. 顧客対応・販売支援
  2. 決済・債権債務・資金回収管理
  3. 供給・在庫・物流
  4. 会計・財務・経営
  5. 総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情報システム
  6. その他業務固有のプロセス
  7. 汎用・自動化・分析ツール

以上の7種類のプロセスのうち、1種類以上の業務プロセスを保有するソフトウェアに限り、申請をすることができます。ただし、7番目の汎用プロセスは単体での使用は不可となるため、注意が必要です。

kintone導入でIT導入補助金を受け取るポイント

kintoneはIT導入補助金の対象となりますが、非承認となる場合もあります。kintone導入でIT導入補助金を受け取るためには、以下のポイントを押さえることが重要です。

申請枠をしっかりと確認する

kintoneは通常枠A類型、通常枠B類型のいずれかに該当すれば、IT導入補助金の対象となります。それぞれ条件が異なるため、自社で導入する際にどちらの枠に当てはまるのか事前に確認しておきましょう。

通常枠A類型、通常枠B類型はプロセスの種類数によって使い分けられるので、どのような目的でkintoneを導入するのか考えつつ、利用枠を検討することが大切です。

導入目的を明確にする

IT導入補助金は、自社の課題やニーズに基づいてITツールを導入し、業務効率化や生産性向上を実現することを目的とした補助金です。そのため、kintoneを導入する目的を明確にし、その目的が業務効率化や生産性向上に貢献することを説明する必要があります。

とくに、以下のような目的でkintoneを導入する場合は、補助金の対象として認められやすいでしょう。

  • 営業活動の効率化
  • 顧客管理の強化
  • 案件管理の効率化
  • コミュニケーションの活性化
  • ペーパーレス化
  • ワークフローの改善

一方、個人用途や社内ポータルサイトの構築、社内SNSの構築が目的の場合は導入によって業務効率化や生産性向上が見込めず、非承認となるケースが多い傾向です。

導入効果を算出する

kintoneを導入することによって、どのような業務効率化や生産性向上が期待できるのかを具体的に算出しておきましょう。売上向上や金銭的・時間的コスト削減など、定量的な指標を用いて説明できるように準備しておくと、より効果的です。

申請に不備がないように注意する

IT導入補助金の申請には、以下の書類が必要です。

  • 申請書
  • 事業計画書
  • 導入計画書
  • 見積書
  • 支払い証明書

申請書類は、IT導入補助金の公式サイトからダウンロードできます。申請はオンラインでも可能なので、申請方法に合わせた様式で書類を用意しておきましょう。

書類に不備があると非承認になったり、申請をやり直さなければならなかったりして、余計な手間がかかります。スムーズに補助金を受け取るためにも、書類の準備は徹底するようにしましょう。

スケジュールを把握し、締切日を厳守

IT導入補助金の申請時期は、毎年4月から12月までとなります。詳しい申請期間や、その他のスケジュールは以下の通りです。

1次締切分 締切日:2024年3月15日 (金) 17:00

交付決定日:2024年4月24日 (水) (予定)

事業実施期間:交付決定~2024年10月31日 (木) 17:00

事業実績報告期限:2024年10月31日 (木) 17:00

2次締切分 締切日:2024年4月15日 (月) 17:00

交付決定日:2024年5月27日 (月) (予定)

事業実施期間:交付決定~2024年11月29日 (金) 17:00

事業実績報告期限:2024年11月29日 (金) 17:00

3次締切分 締切日:2024年5月20日 (月) 17:00

交付決定日:2024年6月26日 (水) (予定)

事業実施期間:交付決定~2024年11月29日 (金) 17:00

事業実績報告期限:2024年11月29日 (金) 17:00

参考:IT補助金2024|事業スケジュール

以上が、通常枠のスケジュールとなります。1次から3次までのスケジュールが用意されているので、事前にしっかり確認し、それぞれの締切日に遅れないように申請手続きを進めましょう。

IT導入補助金を受け取るまでの手順

ここでは、「IT補助金2024」のサイトを参考に、補助金の申請から受け取りまでの手順を解説します。大まかな流れは、以下の通りです。

  1. 補助事業への理解
  2. 「gBizIDプライム」アカウントの取得
  3. 「SECURITY ACTION」の実施
  4. 「みらデジ経営チェック」の実施
  5. IT導入支援事業者・ツールの選定
  6. 交付申請
  7. 交付決定
  8. ITツールの発注・契約・支払い
  9. 事業実績報告
  10. 補助金交付
  11. 事業実施効果報告

まずは、補助事業への理解を深めましょう。その上で、事前準備として「gBizIDプライム」アカウントの取得や「SECURITY ACTION」の実施、「みらデジ経営チェック」の実施などを行います。IT導入支援事業者・ツールの選定をした後に、交付申請をしてください。

交付が決定した後、ITツールの発注・契約・支払いをします。そして、ITツールの発注・契約・納品・支払いを行ったことが分かる書類を提出し、事業実績報告をしましょう。実際に補助金が交付されたら、事業実施効果報告をして完了です。

IT導入補助金の申請後にツールの発注をする必要があるため、焦って先に使い始めないように注意してください。

IT導入支援事業者の利用もおすすめ

IT導入補助金の申請には、さまざまな準備が必要となります。自社ではリソースが足りなかったり、申請手続きに自信がなかったりする場合は、IT導入支援事業者を利用するのもおすすめです。IT導入支援事業者とは、中小企業・小規模事業者のITツール導入を支援する事業者を指します。

IT導入支援事業者に依頼すれば、申請書類の作成や提出、補助金の受給に関するアドバイスなど、申請手続き全般をサポートしてくれます。IT導入支援事業者を利用する際には、kintoneの申請実績が豊富な事業者を選ぶといいでしょう。

IT導入補助金を活用してkintoneを導入しよう

kintoneは、業務効率化に役立つクラウドサービスです。IT導入補助金を活用すれば、導入費用を大幅に削減できます。ただし、補助金の申請にはさまざまな条件があり、すべてのケースにおいて補助金が出るわけではありません。

kintoneの導入を検討している方は、ぜひ本記事で解説したポイントを抑えつつ、IT導入補助金の申請を進めてみてはいかがでしょうか。

 


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