kintoneで日付・時刻・日時を自動計算する方法とおすすめのプラグイン3選
    kintoneには日付・時刻・日時を自動で計算する機能が備わっています。
タスク管理やスケジュール管理に役立つものの、この基本機能は同じアプリやレコード上でしか使えません。
しかし、kintone連携サービス「DataCollect」を導入することで、アプリやレコードを跨いだデータ同士の計算も可能となります。
そこで本記事では、kintoneにおける日付・時刻・日時の計算機能の活用について踏まえた上で、DataCollectの特徴や導入事例を解説します。
kintoneを利用中で日付計算を行いたいとお考えの方、また日付計算機能の活用方法について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
関連記事:わかりやすいkintone(キントーン)とは?特徴・機能、メリットを解説
目次
kintoneで日付・時刻・日時の計算を行うシーン
kintoneでは日付・時刻・日時のフィールドをフォームに配置し、計算式から参照して時間や日数を計算できます。
そもそも、日付・時刻・日時の計算機能は、どのような場面で必要となるのでしょうか。
タスクの期限の入力
日時計算機能を使うことで、申請アプリの申請日を入力したり、ToDoリストの期限を入力したりできます。例えば、「レコード作成から〜◯◯日後に資料提出」などといった設定で、ワークフローに応じたタスク管理が可能です。
労働時間の計算
時刻計算機能を使用すれば、一定の時間の長さを自動で割り出せます。
例えば、タイムカードアプリで出勤と退勤時刻を入力するだけで、「◯◯時から◯◯時まで勤務した場合の労働時間」といった時間の差分を計算できます。計算フィールドを使って休憩時間の長さを入力することで、「退勤時刻-出勤時刻-休憩」の計算式で勤務時間を表示することも可能です。
年齢の計算
日付の計算機能は年齢の割り出しにも有効です。
従業員や求人応募者の生年月日を入力するだけで、自動で現在の年齢を計算できます。
>関連記事:kintoneの年齢計算機能の使い方は?自動更新の設定方法も解説
kintoneの日付・時刻・日時の計算方法
kintoneの日付・時刻・日時のフィールドの値は、UNIX時刻として扱われます。
UNIX時刻とはUNIXタイムスタンプとも呼ばれ、協定世界時(UTC)の時刻に基づいた、1970年1月1日午前0時0分0秒からの経過秒数のことです。
また、kintoneの日付・時刻・日時の計算は秒単位で行います。つまり、1分間を「60」として、1時間は「3600」または「60*60」、1日は「86400」または「60*60*24」と入力します。
日付・日時
kintoneにおいてN日後の日付を表す計算式は、「日付 + (60*60*24*N)」となります。
例えば、サービスの試用期間(30日間)の終了日を計算したい場合、「申込日 + (60*60*24*30)」と入力することで、自動で日付が割り出されます。
また、フィールドの開始日から終了日までの日数を計算したい場合は、「(終了日-開始日) / (60*60*24)」といった計算式になります。
関連記事:【kintone】ある日付から”何日後”を編集可能な状態でフィールドに自動で入れる方法
時刻
kintoneでは時間の差分の計算や、日時と時間の足し算、および引き算も可能です。
例えば、1日の勤務時間を計算する場合の計算式は、「(退勤時刻-出勤時刻)/60/60」となります。また、月の勤務時間合計を求めたい場合は、「SUM(勤務時間)」と入力します。
kintoneで日付の計算結果の表示形式
日付の値がUNIX時刻で表示されるため、計算フィールドの場合、検索結果の表示形式を日時または日付に設定してください。また、文字列の場合は以下のDATE_FORMAT関数を活用しましょう。
| 書式例 | 関数 | 表示結果 | 
| YYYY(年) | DATE_FORMAT(日付, “YYYY”, “Etc/GMT”) | 2020 | 
| MM(月) | DATE_FORMAT(日付, “MM”, “Etc/GMT”) | 01 | 
| M(月) | DATE_FORMAT(日付, “M”, “Etc/GMT”) | 1 | 
| dd(日) | DATE_FORMAT(日付, “dd”, “Etc/GMT”) | 04 | 
| d(日) | DATE_FORMAT(日付, “d”, “Etc/GMT”) | 4 | 
| YYYY/MM/dd(年/月/日) | DATE_FORMAT(日付, “YYYY/MM/dd”, “Etc/GMT”) | 2020/01/04 | 
| YYYY年MM月dd日(年月日) | DATE_FORMAT(日付, “YYYY年MM月dd日”, “Etc/GMT”) | 2020年01月04日 | 
| MM/dd | DATE_FORMAT(日付, “MM/dd”, “Etc/GMT”) | 01/04 | 
| M/d | DATE_FORMAT(日付, “M/d”, “Etc/GMT”) | 1/4 | 
日付・時刻・日時の計算を簡単に行うためのプラグイン・連携サービス
便利なkintoneでの日付・時刻・日時の計算ですが、冒頭でも少し触れたように同じアプリやレコード上でしか使えません。そこで、プラグイン・連携サービスが必要になります。
日付・時刻・日時が計算できる連携サービス「DataCollect」の他、それ以外の日付計算プラグインや日付変換プラグインを見ていきましょう。
DataCollect(データコレクト):複数のアプリを跨いだ計算ができる
DataCollectは、異なるkintoneアプリ間の数字を集計できる連携サービスです。そして、日付・時刻・日時の計算も複数のアプリをまたいで計算や集計ができます。IFやSUMなどといった、Excelと同様の関数を使うことも可能です。
また、DataCollectを使って日付や時刻を指定した定期実行をスケジュール設定することもできます。これにより、売上の週報作成、締日の請求データ作成などが可能です。
DataCollectでの集計は、kintoneの「レコード追加・編集・削除」や「ステータス変更」時に、自動的に行われます。そのため、DataCollectの導入によってリアルタイムのデータが見られます。
日付計算プラグイン:1年前や1ヶ月後といった日付計算ができる
日付計算プラグインは、TiSが提供する無料のプラグイン。「◯日前」「◯日後」といった基本的な日付計算をする際に役立ちます。
ダウンロードするだけですぐに利用できるため、簡単な日付計算のみを実施したい場合におすすめです。
日付変換プラグイン:和暦や月末日付の算出ができる
参照元:日付変換プラグイン|有限会社エーアイティ研究所
日付変換プラグインは、有限会社エーアイティ研究所が提供するプラグインです。日付の計算ができるだけでなく、和暦や年度などの書式変更や月末日付の算出が可能。
無料版と有料版が用意されており、有料版では日付変更可能なフィールド数が増えたり、他のアプリから休業日を取得したりできます。
さらに、有償版にはサブスクリプション型と買い切り型が用意されているので、5年以上使う予定がある場合は買い切り型を選択しましょう。
『DataCollect』で異なるフィールド間の日付計算も可能に
kintoneでは、秒単位での計算式をフィールドに入力することで、様々な日付・時刻・日時の計算が可能です。ただし、kintoneの標準計算機能では、同じアプリやレコード内にあるデータ同士でしか計算ができません。
そこで、トヨクモのkintone連携サービス「DataCollect」を用いることで、異なるアプリやレコードで管理されている日付データ同士の計算もできるようになります。
DataCollectとは、kintone内の複数アプリ間での情報の収集・計算・加工を行えるツールです。IFやSUM、COUNTなどExcelと同様の関数、数式を用いた設定で、各種指標のまとめや予実の管理、残業時間の計算などに活用できます。
また、DataCollectでは、日付や時間を指定した定期実行のスケジュール設定が可能です。売上の週報や月末の請求データ作成の際に役立ちます。
さらに、kintoneアプリで「レコード追加・編集・削除」「ステータス変更」を行ったタイミングで自動集計されるため、リアルタイムで最新の状況を把握可能です。
kintone上の様々なアプリに散在している情報を、DataCollect一つで一元管理できます。
DataCollectを活用した日時・日付計算の事例
DataCollectを活用した日時・日付計算の事例を2つご紹介します。
- 京都リハビリテーション病院
 - TEPCOホームテック株式会社
 
京都リハビリテーション病院
京都リハビリテーション病院では、複数のkintoneアプリに分散した情報を集約し、レポート作成の手間を省くためにDataCollectが導入されました。具体的には、入院者数、入所予定待機者数、今後2週間の入退院予定といった情報を、各事業所のデータを毎日集計し、自動で取り込んで集計アプリに送信する仕組みを構築しました。
これにより、従来毎日1時間かかっていた手作業での集計作業はゼロになりました。DataCollectは、集計元アプリのアクセス権限がないユーザーでも閲覧可能なアプリを作成できるため、情報共有の範囲が広がったことも大きなメリットです。今後は、訪問件数から売上概算を算出したり、在庫管理への活用も検討されています。
TEPCOホームテック株式会社
住宅の省エネ総合サービスを提供するEPCOホームテック株式会社では、Excelでの台帳管理からkintoneへの移行を進め、協力会社との情報共有基盤を構築しました。
kintone導入後、基本機能だけでは不足する部分を補うためにkintone連携サービスを積極的に活用しています。特にDataCollectは、日々の勤怠管理アプリへの登録情報を「月次勤務実績アプリ」や「従業者管理アプリ」へ自動集計するために導入されました。これにより、従来手動で行っていた集計作業の手間が省け、最新情報がリアルタイムに反映されるようになったことで、従業員の誤解を防ぎ、安心感の醸成につながりました。
また、マンション工事など複数の工事契約に基づく進捗管理においても、DataCollectが活用されています。「工事管理アプリ」に入力される工事実施結果を「工事契約アプリ」にリアルタイムに集計することで、契約ごとの進捗状況を一覧で把握できるようになりました。これにより、管理側のワークフローが大幅に改善され、工数削減と情報の可視化を実現しています。
kintone×DataCollectであっという間に日付計算
今回はkintoneの日付・時刻・日時計算機能の特徴や活用方法、kintone連携サービス「DataCollect」の導入事例を紹介しました。
「レコード作成日から◯◯日後の日付を表示したい」「特定のフィールドから◯◯日後の日付を計算したい」といった場面に遭遇した際は、日付・時刻・日時フィールドに計算式を入力し、自動計算機能を活用してみてください。
また、複数のアプリ間を跨いだ計算は、DataCollectで実現できます。30日間の無料お試しは何度でも可能です。お気軽にご利用ください。




