kintoneは、ノーコード・ローコードで誰でも簡単に業務アプリを作成・運用できるクラウドサービスです。しかし、さまざまな機能を使いこなすためには専門知識や技術が必要となるケースもあり、社内ではリソースが足りないこともあるでしょう。
そのような場合は、kintoneコンサルタントの活用がおすすめです。今回は、kintoneコンサルタントの役割や選び方や、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。コンサルタントの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
kintoneコンサルタントとは?
kintoneコンサルタントは、kintoneの導入・運用・活用を支援する専門家です。kintoneに関する幅広い知識と経験を持ち、各企業が抱える課題を解決しながら業務効率化を支援してくれます。
支援してもらえる内容は選ぶサービスによってさまざまですが、主な内容としてはkintoneの導入や運用の支援、そして活用方法の提案などが挙げられます。このような内容をサポートしてもらうことで、専門知識や技術のない企業でもkintoneを効率よく活用できるようになるでしょう。
kintoneコンサルタントの役割
kintoneコンサルタントの主な役割は、以下の通りです。
- 課題ヒアリング
- 要件定義
- アプリ設計・開発
- データ移行
- テスト
- 運用開始支援
- 運用支援
- 活用支援
導入や運用までを支援してくれるほか、運用開始後のサポートもしてくれるのが魅力的です。ここでは、それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
課題ヒアリング
課題ヒアリングでは、どのような業務課題を抱えているのかを明確にします。ヒアリングを通して課題を正確に知ることで、課題解決に必要な機能や設定が見えてきます。その中で、kintoneで解決可能な課題を洗い出し、解決へと導く流れです。
課題ヒアリングはコンサルタントの中でも重要なもので、この過程でしっかり課題が把握できなければ上手く課題が解決できない可能性があります。
要件定義
要件定義では、システム要件を定義します。実際にアプリの設計・開発をする前の段階で、ヒアリングで得た情報や解決するべき課題の内容をもとに、必要な機能・データ項目・画面構成などを具体的に定義する必要があります。
業務フローやニーズに沿ったシステム設計を行うにあたって、要件定義は非常に重要なポイントです。コンサルタントからの提案を聞きながら、内容をすり合わせていきましょう。
アプリ設計・開発
ヒアリングと要件定義が終わった後は、アプリの設計・開発に進みます。課題解決に向けたアプリを設計・開発し、業務の効率化を目指すことが目的です。要件定義に基づき、業務効率化だけでなく、使いやすさも考慮したアプリ設計を行う必要があります。
設計の段階でしっかり内容を練っておくことで、希望通りのアプリが開発できるでしょう。開発後は微調整をしながら、より使いやすいアプリを目指します。
データ移行
実際にアプリを開発した後は、既存のデータをkintoneに移行します。既存のシステムからデータを移行する際は、情報漏洩やデータの損失に注意しなければなりません。
コンサルタントを利用する場合は、データ移行に伴うデータ変換や整合性チェックなども行ってくれます。
テスト
データを移行した後は、実際にアプリを動かしながらテストを行います。システムの動作に問題がないか、使いやすいかどうかを確認しましょう。kintoneコンサルタントの中には、テスト運用を支援してくれるところもあります。
運用してから問題が見つかると、大きなトラブルにつながるケースもあるため、テスト運用の段階でしっかりと確認しておかなければなりません。
運用開始支援
運用開始支援では、システム運用開始後の初期設定やユーザー教育などを支援してくれます。スムーズにkintoneを使い始められるようにサポートしてくれるほか、運用開始時の不明点にも答えてくれるでしょう。
運用支援
運用支援では、以下のような内容のサポートを受けられます。
- システム設定
- ユーザー教育
- トラブルシューティング
- 定期的な運用改善
kintoneの設定画面を使い、ニーズに合わせたシステム設定やセキュリティ設定、アクセス権限などの設定支援をしてくれます。また、kintoneを最大限活用するために操作方法や使い方をユーザーに教育したり、運用中に発生したトラブルに対応したりしてくれるのもコンサルタントの特徴です。
システム運用状況を定期的に確認し、kintoneの最新機能を活用した運用改善を提案してくれる場合もあります。
活用支援
活用支援では、以下のような内容のサポートを受けられます。
- 業務改善提案
- アドオン開発
- データ分析
kintoneを活用した業務改善提案や業務フローの見直し、自動化などを提案してくれます。また、標準機能では実現できない機能をオリジナルのアドオン開発により、実現してくれるケースもあります。
そのほか、kintoneに蓄積されたデータを分析し、経営や業務改善に役立つ情報を提供してくれるはずです。データ分析に基づいた意思決定を支援してもらうことで、よりスムーズに業務の効率化が図れます。
kintoneコンサルタントを選ぶポイント
kintoneコンサルタントを選ぶ際には、以下のポイントを比較検討しましょう。
- 経験・実績
- 専門知識
- コミュニケーション能力
- 費用・プラン
- 対応エリア・時間
それぞれの内容を詳しく解説します。
経験・実績
kintoneコンサルタントを選ぶ際、重要視するべきポイントの1つに経験・実績があります。経験や実績のないコンサルタントは各企業のニーズをうまく把握できず、効率よく課題を解決できない可能性があるでしょう。そのため、できるだけ導入経験や実績の豊富なコンサルタントを選ぶのがおすすめです。
また、実績を確認する際は自社と同業種のコンサルタント経験があるかどうかを確認しましょう。業種によっては、専門的なノウハウが必要となるケースもあるため、同業種のコンサルタント経験が豊富なところを選ぶと失敗がありません。
専門知識
kintoneの機能・操作に精通しているコンサルタントは、各企業のニーズに合わせた最適なアプリ設計・開発を行うことができます。より専門的な知識のあるコンサルタントを選びたい場合は、kintoneの認定資格を持っているコンサルタントを選ぶのも1つの手です。
また、業務改善のノウハウを持っているコンサルタントは、kintoneを活用した業務効率化を提案できます。過去の業務改善事例などを参考にしながら、業務改善のノウハウを豊富に持つコンサルタントを選びましょう。
コミュニケーション能力
kintoneのコンサルタントを選ぶ際は、コミュニケーション能力にも注目しましょう。コミュニケーション能力のある担当者であれば、課題を明確に聞き出すことができるほか、提案を分かりやすく説明してくれます。
見積もりや打ち合わせの段階で、しっかりと話を聞いてくれるかどうか確認しておくのがおすすめです。また、コミュニケーション能力のあるコンサルタントは信頼関係を築きやすく、長期的な目線でkintoneの運用を支援してくれます。
特に、kintoneやシステムに関する知識がない場合は、説明が分かりやすいコンサルタントを選ぶといいでしょう。
費用・プラン
費用・プランに関しては、選ぶコンサルタントや支援内容によって大きく異なります。自社がコンサルタントに何を求めているのかを明確にし、ニーズに合ったプランを用意しているかどうかを確認してください。
また、kintoneコンサルタントによって業務の効率化を図れても、想像以上に費用がかかっては意味がありません。そのため、予算に合っているかどうかもあわせて確認しておく必要があります。
対応エリア・時間
コンサルタントによっては、対応エリアや時間が限られている場合があります。オンラインではなく、対面で相談したい場合は対応エリアに注目しましょう。また、夜間や土日であってもトラブルに対応してくれたり、相談に乗ってくれたりするコンサルタントであれば時間を気にせず利用可能です。
より業務を効率化するためには、自社の業務時間やオフィスのあるエリアに対応しているコンサルタントを選びましょう。
kintoneコンサルタントを活用するメリット
kintoneコンサルタントを活用するメリットは、以下の通りです。
- スムーズな導入・運用ができる
- 業務効率化を図れる
- コストを削減できる
- ノウハウを獲得できる
ここでは、kintoneコンサルタントを活用するメリットを詳しく解説します。
スムーズな導入・運用ができる
kintoneのコンサルタントを活用すると、専門家のサポートによってスムーズにkintoneを導入・運用できるようになるのがメリットです。kintoneは便利なツールですが、実際に導入・運用するとなると一定の技術や知識が必要になります。
社内に技術や知識がない場合は、コンサルタントに依頼することでスムーズに導入できるようになるでしょう。既存のシステムからkintoneへのデータ移行作業を支援し、データ移行に伴うリスクを最小限に抑えてくれるのもメリットです。
業務効率化を図れる
コンサルタントは、kintoneの機能を活用した業務改善を提案してくれます。無駄な作業を削減し、業務効率化を実現することで作業負担を減らせるでしょう。
また、繰り返し作業を自動化できるアプリを開発すれば、人為的なミスを防いで作業時間を短縮できます。kintoneに蓄積されたデータを分析し、経営や業務改善に役立つ情報を提供したり、データに基づいた意思決定を支援したりしてくれるのも魅力です。
コストを削減できる
kintoneコンサルタントを活用すると、自社でアプリを開発・運用するよりもコストを抑えられる可能性があります。もちろん、コンサルタントの利用には費用がかかりますが、その分だけ多くのメリットが得られるはずです。
特に、自社にノウハウがない場合は運用までに時間がかかり、想像以上のコストがかかるケースもあるでしょう。コンサルタントを活用すれば自社でkintoneの専門家を育成する必要がなく、人的リソースを有効活用できます。
ノウハウを獲得できる
コンサルタントから、kintoneに関するノウハウを学べるのも大きなメリットの1つです。後に、運用の内製化を目指している場合にも向いています。コンサルタントからノウハウを獲得し、社内での運用に役立てましょう。
コンサルタントの指導により、自社内でkintone運用者を育成できるのも嬉しいポイントです。kintoneのノウハウを持つ人材を育成できれば、内製化も進めやすくなります。
kintoneコンサルタントを活用する際の注意点
kintoneのコンサルタントを活用することで多くのメリットを得られますが、以下の点には注意が必要です。
- 費用がかかる
- 依存しやすくなる
メリット・デメリットの双方を理解し、利用を検討しましょう。
費用がかかる
コンサルタントの利用には一定の費用がかかるため、導入・運用コストが増える可能性があります。ただし、コンサルタントの活用によって得られるメリットを考えると、活用する価値は十分にあると言えるでしょう。
また、活用の仕方によっては導入・運用コストを下げられるケースもあります。自社で行うのと比較しながら、費用対効果を検証しましょう。
依存しやすくなる
コンサルタントに頼りすぎて、自社でkintoneを運用する力が育たない可能性があるのもデメリットの1つです。特に、内製化を目指しているような場合は、コンサルタントに頼りすぎるのは危険と言えます。
社内でも運用ができるように、コンサルタントからノウハウを得たり、社員を教育したりする必要があります。
kintoneコンサルタントの費用
kintoneコンサルタントの費用は、コンサルタントの経験・実績・案件の規模・契約期間などによって大きく異なります。導入支援については、数万円~数十万円程度であるケースが多いでしょう。
運用支援は月額料金を定めているところが多く、月に数万円~数十万円程度の費用がかかると考えられます。活用支援はプロジェクトごとに見積もりをするなど、支援してもらう内容によって料金体系が異なる場合もあるので、事前に確認しておくのがおすすめです。
kintoneコンサルタントなら「パートナー企業」がおすすめ
kintoneコンサルタントを検討している場合は、「パートナー企業」から選ぶのがおすすめです。パートナー企業とは、サイボウズ社から認定を受けた、kintoneの導入・運用・開発を支援する企業を指します。
企業によって得意としている分野や、対応している支援内容が異なるため、しっかりと確認した上で依頼を検討しましょう。
まとめ:kintoneコンサルタントを上手に活用しよう
kintoneコンサルタントは、kintoneの導入・運用・活用を支援する専門家です。kintoneコンサルタントを活用することで、導入・運用・業務効率化・コスト削減など多くのメリットを得られます。
kintoneコンサルタントを選ぶ際には、経験・実績・専門知識・コミュニケーション能力・費用・対応地域・対応時間などを確認しながら比較検討するのがおすすめです。kintoneを最大限に活用し、業務効率化を図りたい場合は、ぜひkintoneコンサルタントの活用を検討してみてください。