kintoneとチャットボットを連携するメリット【おすすめサービスを紹介】

kintone(キントーン)は、ノーコードで業務管理のアプリを作成できるクラウドサービスです。また、チャットボットは自動的に会話を行うプログラムです。

それぞれ単体でも業務効率の改善に役立ちますが、連携させることでより大きなパフォーマンスを発揮できます。

今回は、kintoneとチャットボットを連携するメリットや、kintoneと連携可能なおすすめのチャットボットについて紹介します。

kintoneとチャットボットの連携を検討中の方はぜひ参考にしてみてください。

kintoneとチャットボットを組み合わせるメリット

kintoneとチャットボットの連携にはさまざまなメリットがあります。ここでは具体的なメリットを4つ紹介します。

問い合わせ対応の効率化につながる

kintoneとチャットボットを連携させることで、社内・社外両方の問い合わせ対応の効率化が期待できます。

社内のヘルプデスクでの活用例として、チャットボットが従業員からの質問に自動で回答を行うことが挙げられます。従業員がアプリの操作方法を知りたい場合、質問をテキストや音声でチャットボットに行うことで事前に用意された回答をしてくれます。すぐに回答をしてくれることで、従業員の手間やストレスを緩和してくれるでしょう。

また、ヘルプデスクの担当者にとってもチャットボットが自動で回答をしてくれることで、コア業務への集中や業務負担の改善、労働時間の短縮につながるなどのメリットがあるでしょう。

社外向けの事例として、顧客からの資料請求や問い合わせへの対応をチャットボットが自動で行うことが挙げられます。具体的には、チャットボットがkintoneに登録されたデータを検索し、自動で資料請求やお問い合わせに回答する仕組みです。

チャットボットが自動で対応をしてくれるため、24時間365日対応できる点は大きなメリットと言えるでしょう。また、問い合わせ内容がkintoneのデータベースに自動で保存されるため、顧客情報の管理や分析を簡単に行えます。

チャットでkintoneを操作できるようになる

kintoneとチャットボットを連携すれば、kintoneを開かずに必要な操作が可能です。チャットボットがkintoneから情報を検索し、チャット上に結果を表示できます。顧客情報の入力や登録、更新などの作業もチャットボット上で可能です。

例えば、外回り中の営業担当がスマートフォンからkintoneへチャットボット越しにデータ入力を行うことができます。

スマートフォンからの入力は難しくありません。チャットボットに操作のアシストをしてもらえるため、チャット上で日付や単語を入力するだけで簡単に操作ができます。

チャットボットは「会社名を入力してください」「メールアドレスを入力してください」のように、指示を出します。指示の通りに入力をするだけで、kintoneにデータの入力が可能です。

そのため、kintoneの操作が難しいと感じる方でも、操作がしやすくなり、業務の効率化につながります。

手作業の製造現場で入力を行う場合などに役立つ

チャットボットを活用すれば、タイピングで入力をしなくても、kintoneにデータを登録できる環境を作れます。kintoneをスマートスピーカーと連携すれば、データの音声入力が可能です。

製造工場のような手がふさがる作業の多い職場でも、作業をしながら音声だけでkintoneを操作できます。作業の手を止める必要がなくなるため、業務の効率化につながります。

蓄積された社内・顧客データを誰でも簡単に見つけられる

チャットボットに必要なデータを探してもらうという使い方もあります。kintoneはさまざまな情報を集約できるため便利ですが、データが増えると使いたい情報を探すことに苦労します。

そこで、チャットボットを使うことによって、チャットボットがkintoneのデータベースを検索し、探していた情報を表示してくれるということが実現可能です。

操作方法は簡単です。チャット上で会話をするように質問を投げかければよいため、従来の単語やキーワードを入れる検索方法より簡単に使用できます。
そのためPC操作が苦手な方でも簡単に必要なデータを検索できます。

kintoneとチャットボットの連携方法

kintoneとチャットボットを連携する方法は大きく2種類存在します。

  • JavaScript挿入機能を使用する方法
  • APIを利用する方法

どちらにもメリットとデメリットがあるため、詳しく紹介します。

JavaScriptの挿入機能を使用する方法

1つ目の連携方法はJavaScript挿入機能を利用したものです。
JavaScriptとは、Webサイトやシステムの開発に使用されているプログラミング言語です。
JavaScriptの編集にはプログラミングの知識が必要ですが、kintoneの「JavaScript / CSSでカスタマイズ」機能を使用すれば簡単に設定が可能です。

詳しい方法を解説します。

  1.  右上の歯車マークにある【kintoneシステム管理】をクリック
  2. カスタマイズ欄にある【JavaScript / CSSでカスタマイズ】をクリック
  3. カスタマイズの適用範囲を選択
  4. 【URL指定で追加】or【アップロードして追加】を選び、取り込むファイルを選択
  5. 「保存」をクリック

参照:kintoneヘルプ
参照:プラグイン・連携サービス・カスタマイズ機能を使う方法|kintoneの歩き方

kintoneの画面に従って操作するだけで設定できるため、プログラミングの知識がなくても設置可能です。

この方法であれば、kintoneのプラットフォーム上に、直接チャットボットを表示できます。ただし、この方法はチャットボットの表示場所を指定しているのみで、連携による機能を活用することはできません。

APIを利用する方法

2つ目の方法はAPIを利用した方法です。APIとは「Application Programming Interface」の略称で、アプリとプログラムをつなぐ仕組みのことです。
kintoneはアプリ上でAPIトークンの生成が可能で、これを活用すれば、チャットボットとの連携を構築できます。

詳しい方法を解説します。

  1. アプリ右上の歯車マークの横にあるv字をクリック
  2. 【カスタマイズ/サービス連携】に存在する【APIトークン】をクリック
  3. 【生成する】をクリック
  4. 生成されたAPIトークンに、許可する操作に対してチェック
  5. 【保存】をクリック
  6. 【アプリを更新】をクリック

参照:kintoneヘルプ
参照:プラグイン・連携サービス・カスタマイズ機能を使う方法|kintoneの歩き方

プログラミングの知識がなくてもできますが、チャットボット側がAPI連携に対応している必要があることには注意が必要です。

kintoneとチャットボットを連携させるときの注意点

kintoneとチャットボットの連携には注意点も存在します。最初に注意しなければならないことは、導入を検討しているチャットボットがkintoneとの連携に対応しているか否かという点です。

また、導入のしやすさも大切です。専門知識が必要になるサービスより、簡単な方法で導入できるサービスの方がよいでしょう。

また、有人対応をしなくてはならないシーンを想定するのであれば、無人対応から有人対応への移行がスムーズに行えるかどうかも確認しておきましょう。

kintone連携におすすめのチャットボット

ここではおすすめのチャットボットサービスを4つご紹介します。チャットボットとkintoneの連携をご検討中の方は是非参考にしてください。

PKSHA Chatbot

PKSHA Chatbotは日本語の回答精度が強みのチャットボットです。辞書データを搭載しており、精度の高い会話が可能です。

また、簡単に分析・改善を行えるダッシュボード機能があります。Office365やRPAなどとも連携可能で、オフィス業務の自動化に貢献します。

システム連携をすればチャットボットで対応が難しい案件も、シームレスに有人対応に切り替え可能です。
kintoneと連携する際には、APIを利用する必要があります。また、規模感や連携先によって価格が変動するため、価格は公表されていません。導入を検討したい方は、問い合わせフォームから見積もり依頼をしましょう。

Chakitto

Chakittoの強みは、kintone内のデータをAIが検索する機能です。kintone内に存在する膨大なデータから目的のものをAIに見つけてもらえます。

検索範囲の指定が可能で、kintone内の全レコードから検索するのか、指定したアプリ内のレコードだけを検索するのかを指定できます。

また、Teamsとの連携を強化する機能もあり、kintoneで自分宛のコメントが付くと、Teamsのチャット上に通知してもらえます。

参考価格は月額100ユーザーで税抜5万円〜です。
ただし、「まるごとAI検索」の利用には、別途追加料金が必要です。

RICOH Chatbot Service

RICOH Chatbot Serviceは導入の手軽さと、サポート体制が強みです。kintoneとの連携オプションがあり、導入支援もあるため、導入難易度は低めです。

テスト稼働や公開後の改善確認など、導入後のサポートも充実しています。
チャットボットを通じたデータの入力や確認が可能で、作業効率の改善が期待できるでしょう。
登録可能なQ&Aの数に応じて、料金プランは以下の3種類が用意されています。

  • 「STARTER」プラン 月額18,000円(税抜) Q&Aの上限数は50
  • 「STANDARD」プラン 月額5万円(税抜)から Q&Aの上限数は200~500 ※オプションで追加可能
  • 「ENTERPRISE」プラン 月額は個別見積が必要 Q&Aの上限数は10,000

この基本料金に追加でkintoneとの連携オプション料金が、月額8,000円(税抜)かかります。

Alli

Alliは問い合わせ対応が強みのチャットボットです。ExcelファイルにFAQを作成してアップロードすれば、応答モデルが自動で作成されます。

AIは回答パターンを日々学習し続けるため、使い続けるうちに精度が向上します。データ分析やドキュメント検索機能も存在するため、日々の業務負担軽減が可能です。

サポートも充実しており、導入前・導入後も補佐してもらえます。
料金は初期費用25万円(税抜)に加え、月額ライセンス10万円(税抜)です。
※アクセスユニークユーザー500まで。

kintoneとチャットボットを連携し、業務効率の向上を目指しましょう

kintoneとチャットボットを連携させれば、操作の簡略化や業務効率の改善につながります。うまく活用することで、データの検索・入力作業の作業効率向上やカスタマーサポートの品質向上などさまざまなメリットが期待できます。

チャットボットを選ぶ際は、その製品の強みや注意点、連携方法などを把握したうえで適切なものを選びましょう。特に連携方法については、事前確認が必須です。

kintoneとチャットボットを連携し、業務プロセスの改善を検討してみてはいかがでしょうか。