マニュアル×電話対応でトヨクモ浸透!ユーザーを置いていかない工夫

「私とトヨクモとの出会い」のシリーズは、トヨクモ製品を活用している企業の「製品を知ったきっかけ」や「導入の決め手」、「社内に普及させるための取り組み」を紹介する企画です。

今回は、公益社団法人神奈川県社会福祉士会(以下、神奈川県社会福祉士会)事務局の一色 茂雄さんにお話を伺いました。

一色さんは、会計やシステム管理といった総務のような業務の他、新任の社会福祉士や行政職員を対象とした研修を受託するなど、幅広い業務を行っています。

同社では、2021年5月頃からkintone(キントーン)の活用が徐々に本格化。その後、外部の方と効率的な報告書のやり取りをするために、トヨクモ製品を導入し、現在でも積極的に活用されています。

以前は紙を使ったやり取りが中心だった神奈川県社会福祉士会に、トヨクモ製品はどのような変化をもたらしたのでしょうか?

約700人との紙のやり取りの効率化を目指して

【神奈川県社会福祉士会が使っているトヨクモ製品】

  • PrintCreator:kintoneの情報を活用して任意の形式で出力できる帳票サービス
  • FormBridge:kintoneアカウントがない人も登録できるWebフォームサービス
  • kMailer:kintone内の情報を含めたメールを自動で作成・送信できるサービス
  • kViewer:kintoneの情報をアカウントがない人にも情報共有できるサービス
  • DataCollect:kintone内のアプリを跨いだ情報収集・計算ができるサービス
  • kBackup:kintoneのデータを外部に保存するサービス

神奈川県社会福祉士会は、神奈川県内に在住・在勤している社会福祉士が任意加入する団体で、福祉サービスを必要としている県民の皆さんの生活の向上を支えています。

その中心となる業務の一つが、認知症などで法律を伴う判断を1人で下すことが困難な方の代理として意思決定をサポートする成年後見人の養成や支援です。

神奈川県社会福祉士会では、この成年後見人とのやり取りに課題を抱えていたと一色さんは語ります。

成年後見人の皆さんには、年に2回、紙の現状報告書を郵送で送ってもらっていました。

成年後見人は全員で700人近くいるので、処理も整理も非常に大変です。紙ベースのやり取りを、どうにかシステム化できないものかと考えていました。

神奈川県社会福祉士会では、元々kintoneを活用していたため、成年後見人の方たちに直接データを入れてもらえたら便利だと話が進みました。そこで、kintoneアカウントがなくても情報共有ができるプラグインを求めて、代理店の方経由で知ったサイボウズの個人相談会に参加したんです。

そこで、トヨクモさんの製品を勧められたのが最初の出会いですね。

個人相談会で、「外部の方がフォームにデータを入力したら、自動でkintone内にデータが登録される。」と勧められ、まずはFormBridge、kViewer、kMailer、PrintCreatorの無料お試しの検討がスタートしました。

システム導入の必要性を組織全体で認識したコロナ禍

神奈川県社会福祉士会がトヨクモ製品を導入・運用開始するまでの期間は、2ヶ月程度でスピード感があったと教えてくれた一色さん。

製品導入のタイミングと、オンライン上でのやり取りを前向きに捉える組織内の考えが一致したきっかけは、コロナ禍の経験でした。

「報告書のデータ化を推進すべきでは?」と考え始めた時期はちょうど、コロナによって対面でのやり取りができなくなった頃です。コロナ前は対面で実施していた研修も、ビデオ会議ツールでの実施に移行。ですが、開始直後こそトラブルが多少あったものの、なんとかオンラインでも研修を実施できました。

この経験から、今後は紙ベースでの書類作成や対面コミュニケーションだけに頼るのではなく、デジタルツールをうまく活用していかなければいけないという意識が組織に芽生えました。

そのため、ツール導入の際の稟議では「ツールの導入は絶対に必要」という前提が揃っている上で、どの製品がベストなのかをスムーズに議論できましたね。

30日間の無料お試しでトヨクモ導入を決意

神奈川県社会福祉士会は、30日間の無料お試し期間を経て、ツールの本格導入・運用を開始しました。

実は昔、別の製品を使ってデータベースを作成した経験があるのですが、その当時と比べてかなり簡単な操作でツールを使いこなせるのが印象的でした。

トヨクモさんの製品を導入した決め手は、「やりたいことが簡単に全てできた」点です。

kintone上でのデータベース構築やkintoneアカウントがない方への情報共有など、自分たちに必要な機能が全部備わってる!かつ、初めて触るのにサクッとできた!作りたいものが全部作れた!というような喜びが多かったので、他社さんのサービスを比較検討せずにトヨクモさんに決めました。

あとは、神奈川県庁がコロナ対策のシステム運用のために、トヨクモさんの製品を導入・活用していた事例も大きな安心材料でした。

Toyokumo kintoneApp

kintone(キントーン)の標準機能では足りない「あと1つ」を実現するための連携アプリです。APIが準備されているki…

トヨクモ製品の機能が業務効率化を手厚くサポート

神奈川県社会福祉士会では、成年後見人制度の報告書などを管理するためにFormBridgeをはじめとしたトヨクモ製品の利用を開始しています。一色さんに、当時の様子を振り返ってもらいました。

当時は、紙ベースの報告書を7名のスタッフ(非常勤含む)で管理していましたが、業務範囲が広く限界を感じ、kintoneとトヨクモさんの製品でデータ化に挑戦しました。

【トヨクモ製品を活用した業務改善後のフロー】

  • 成年後見人の方がFormBridgeで報告書のデータを入力
  • kViewerでマイページのURLを発行
  • kMailerで報告書の受付完了メールを送信
  • 成年後見人の方は、発行されたURLから報告書の内容を確認・修正依頼
  • 必要に応じて、PrintCreatorで報告書をPDF出力し、紙での印刷に対応
事務局内に用意していた報告書の保管場所が不要となり、報告書のチェック管理者は、パソコン一つで作業を完了できるようになりました。年2回、約1,340通の郵送の手間がなくなり、封筒代や郵送料のコストを削減できたのは非常にありがたかったですね。

kintone連携サービス活用事例 公益社団法人神奈川県社会福祉士会様 : 煩雑だったパスワード管理を廃止、kinton…

一色さんが業務効率化に役立つと感じたトヨクモ製品について伺うと、PrintCreatorとkBackupの便利さを教えてくれました。

書類のデータ化を進めても、外部向けの様々な帳票の作成・出力を紙で実施しなければならない場面では、PrintCreatorが役立ちます。事前にkintone上で優先的に表示したい項目を作って設定を整えておけば、紙出力が必要な際は印刷ボタンを押すだけでいいんです。

デザインはパソコン画面で見たままの状態が印刷されるので、わかりやすくて便利ですよ。

あとは、kBackupもおすすめです。kintone上で情報を削除した場合、履歴が残らないんですよね。実は何度か誤って、必要な情報を消しそうになったことがあって、バックアップに必要性を感じました。管理しているデータ量も少なくはないですし、消してしまった場合多くの方にご迷惑がかかるので、心強い味方ができたと感じています。

トヨクモで電子化を推進!全ての人が快適にツールを使うために

紙ベースだった成年後見人の報告書をデータ化する際に課題だったのは、約700人いる成年後見人の方にシステム移行や操作方法についてアナウンスすることです。

神奈川県社会福祉士会では、誰でもわかりやすい操作マニュアルを作ることで、システム移行を実施しました。

成年後見人の方にシステムを使った報告書の提出をお願いするにあたって、システムの使い方マニュアルを制作して配布しました。

マニュアルでは、実際に操作したときの画面の流れを画像化して、画像と共に「このときはこの操作をする」という説明を添えました。全員が同じ操作をできるよう意識して作成しましたね。

成年後見人の方にはマニュアルの流れに沿って操作をしてもらい、わからない点は電話やメールで質問を受けました。

電話やメールだとどうしても、相手側がどんな画面を見てるのかわかりません。

そんなとき、「マニュアルの、どのページで止まってますか?」というような聞き取りができるので、成年後見人の方がどこでつまずいているのかを比較的ラクに把握できました。

マニュアル作成には一定の時間を要しました。ですが、マニュアルがあったからこそ、システム操作に慣れない方も、業務改善後のフローをスムーズに習得してくれたと感じています。その他にも、どんなトラブルが発生しているかキャッチアップしやすくなり、問題解決までにかかる時間も短縮できたと思いますね。

一色さんは、システム上のやり取りになったことで、成年後見人の方が普段どのようなことに疑問を持っているかなどを可視化できるようになったのもメリットの一つと語ります。

報告書が紙ベースだった頃は、確認の担当者が成年後見人の方と直接やり取りをして、不備などを訂正する流れでした。

確認の担当者と成年後見人の方の間で生じるやり取りは双方で完結してしまうため、事務局側は、皆さんが何に迷っているか把握できなかったんですよね。

でも今は、成年後見人の方がシステムから報告書のフォーマットなどについて、kintoneのコメント機能でご意見をたくさん書き込んでくれています。kintoneとトヨクモさんの製品のおかげで、成年後見人の方の履歴を全部確認できて、成年後見人の方の負担をより削減するための仕組みが整いました。他にも、神奈川県社会福祉士会でkintoneを用いた業務をする際、コメント機能を有効活用するきっかけにもなりましたね。

事務局の中は、紙ベースのものをコピーしたり郵送したりする作業がなくなって、成年後見人の方に「報告を始めてください」とお伝えするだけで済むので、業務の手間は一気に短縮しましたよ。

システムを使った最初の報告のときだけは、元々手書きだったものを全てデータ化するため作業量が多く、慣れない操作や設定にご苦労をかけたなと思います。

事実、「1回目の入力は大変だった」とお言葉をいただくことも。同時に、「2回目からは初めの報告書のフォーマットをコピーして入力すればいいから、すごくラクだね」ともお声がけしていただきました。

外部の方がより便利にツール活用できる環境を整えたい

一色さんに、今後どのようにトヨクモ製品を活用していきたいか伺うと、以下の3つの展望を教えてくださいました。

【今後の展望】

  1. FormBridgeの入力項目などを精査して書類のやり取りをスムーズにしたい
  2. 報告書のデザイン性をより磨きわかりやすさを高めたい
  3. Datacollectを研修の集計(募集)に活用したい

まずは、「FormBridgeの入力項目などを精査して書類のやり取りをスムーズにしたい」という要望について、一色さんはこう考えます。

税理士さんのようなプロの方に見ていただく前に、報告書の不備チェックができるよう改善を今年度から始めたので、少しずつ効果が出てくることを期待しています。

成年後見人の方たちは徐々に報告書の入力に慣れてきたので、事務局が担当していた業務を成年後見人の方たちに依頼する機会が増えてきたんです。

例えば、定期的な研修などを実施した際は、依頼に対するお支払いへの申請などをお願いしています。

問題は、消費税の関係でインボイスや税金の関係の決まりが新しくなり、成年後見人の方ごとに知識のばらつきがあって、抜けがちなところとかが多少出てきてしまうんです。

対策として、トヨクモさんのフォームでこの項目は必ず入れないと先に進めないという設定をするようにしています。入力が正しくなかったり、未入力だったりした場合はエラーで弾いてくれるため、会員の方ご自身が間違えていることに気付いて対応できる仕組みです。

従来であれば、会員の方や会計の先生の間に事務局が立って、足りない項目を事務局が補うという余分な工数を抑えられるようにできたら嬉しいですね。

続いて、「報告書のデザイン性をより磨きわかりやすさを高めたい」という要望について伺いました。

同じ内容が書かれても、見せ方で簡単に感じられることがあるので、見せ方は今後の改善ポイントですね。

今は、文字をそのままベタベタと貼っているイメージなんです。それでも皆さん不備なく使えていますが、もう少し工夫できたら皆さんの入力作業をさらにラクにできるのでは?と考えるんです。

今はまだ成年後見人の方に配布しているマニュアルに添付しているフォームをベースにしていますが、皆さん操作にも慣れてきているので、このタイミングでブラッシュアップしたいと考えています。

実は、トヨクモさんのユーザーコミュニティに参加しているのですが、いろんな方の発言内容や活用事例を見せていただきながらこんな考え方もあるのかと、参考になっています。

フォームの、ここの作り方はこうなってるよ、とか、あそこはこうするとさらに見やすくなるよとかの情報を自分の中で、組み合わせて自分たちのところでも使えるかもなと思い巡らしています。

私自身はコミュニティで積極的に発言する方ではないのですが、slackは自分以外の発言内容を全て追うことができ、自分の中に存在しなかった発想を得られる貴重な場所です。私たちのフォームも、コミュニティ参加者の方が発信してくださった事例をもとに、より見やすく改善できたらと考えています。

「DataCollectを研修の集計(募集)に活用したい 」という要望については次のように言います。

DataCollectは導入したばかりですが、これから人数集計などで活用していきたいと考えています。

具体的には、研修の募集とか定員管理が必要なときにうまく使って、集計(募集)を効率的にできるはずです。また、研修を担当する講師の方から、「申込者と参加ステータスを名簿でいただきたい」という要望を受けることがあるので、そういった際にも活用できるのではないかと思っています。

「わからない」の理解がツール活用の質を高める

利用者が何に困っているのかを把握しやすいマニュアルを作成することで、疑問の解決がスムーズにでき、利用者の理解も深められるのではと強調していた一色さん。

ノート機能や履歴を活用して、データ入力時どこに躓いているか確認・改善を繰り返すなど、「相手の目線に立つ姿勢がトヨクモ製品をより便利に使いこなす鍵を握る」と教えてくださいました。

最後に、これからトヨクモ製品の活用を考えている方に向けたメッセージを伺いました。

トヨクモ製品を使ったkintoneとの連携は、kintoneのアプリを作っていれば直感的な操作でできます。フォームなどを作る作業も迷わずできました!

アプリやシステムを使う側は操作に慣れるまで一定の時間がかかるかもしれませんが、マニュアル作成などサポートの体制を工夫すれば問題なく使ってもらえるはずですよ。

トヨクモUCなど、いろいろ情報提供やアイデアをいただける機会が多いので、事例を参考にして、より快適にトヨクモ製品を使いこなしてください。

kintone×トヨクモ連携ツールで業務改善に成功した活用事例は、トヨクモkintoneフェスで一挙公開します。

トヨクモkintoneフェスへの参加で得られる情報

  • トヨクモユーザーが語るサービス活用のコツ
  • もっと便利なkintone活用法
  • トヨクモ製品の新機能紹介
  • 業種/職種別の活用例集
  • 初心者マニュアル/設定テンプレート
  • 他社比較
  • 初心者向けのセッション
  • トヨクモユーザーとの交流の機会

トヨクモkintoneフェスでは、トヨクモ製品の具体的な活用事例をバックオフィス、現場マネージャーなどといった業種・職種別に幅広く紹介。加えて、kintoneやトヨクモ製品のユーザーとの交流を通して、業務で直面している悩みやその解決策を共有することもできます。トヨクモ製品の活用法やコミュニティへの参加に興味のある方はぜひご参加ください。

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