【kintone導入】目指すはお客様が自走できるようになる価値提供

私の業務改善シリーズでは、トヨクモやkintone界隈の方1人1人が「どのように業務をしているのか」「どのような業務改善を実施したのか」をご紹介していきます。
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合同会社 アクアビットは、東京にあります2015年設立の会社で、kintoneを中心にクラウドを活用したシステム提案・構築・導入を行っています。

最近3つの製品がリリースされました!

今回、kintoneのβテストの際からkintoneに関わり、現在kintoneエバンジェリストとしても活動されている長井さんに、kintoneとの出会い、kintoneやトヨクモ製品を用いた業務改善事例についてお話しいただきました!

自己紹介・kintoneに出会ったきっかけ

合同会社 アクアビット
長井 祥和さん

ーこれまでのご経歴や、どのような業務をされてきたか教えてください。

17年前に個人事業主として独立し、現在は代表社員として合同会社 アクアビットを経営しています。IT関連の仕事にずっと携わっており、kintoneには2011年にβテスターとして参加しています。

その時からkintoneを知り、これは将来絶対に伸びると確信しました。主力業務として取り組むつもりでいましたが、当時常駐先での勤務があり、なかなかkintoneに関わることができませんでした。

それでも、2014年にはkintoneエバンジェリストに任命され、その後2015年に法人を設立しました。2017年には現場の常駐を離れ、エージェントに頼らずに仕事を頂けるようにしています。

2019年からはサイボウズのオフィシャルパートナーとしても活動しており、現在では業務の90%がkintoneを活用した案件となっています。

kintoneを活用した業務システムの構築に加え、業務改善の部分から行っており、研修講師や、伴走開発もしています。また、kintoneエバンジェリストとしても、セミナーやkintone Caféの登壇や、主催、企画を行っています。(長井さん)

ーkintoneのβテスターとして2011年からkintoneに関わられていると思いますが、βテスターになったきっかけは何かありましたか?

まず、βテスターそのものはX(当時のTwitter)で目にしました。

元々、サイボウズに関心を持ったきっかけは、大塚商会が実施しているフェアで、サイボウズの代表である青野さんが「No-Emailワークスタイル」というキャンペーンを行っているのを見かけたことです。

そこで、サイボウズLiveについて宣伝されていたため、できるのかなとXで投稿したら、青野さんからメンションが来て、そのフットワークの軽さに驚きさらに興味を持ちました。

それ以来、サイボウズの公式アカウントをフォローしており、βテスター募集の投稿を見かけたので、手を挙げました。(長井さん)

kintoneと連携サービスを活用した業務改善事例

長井さんがkintoneやトヨクモ製品を用いて、実際に行われた業務改善について伺いました!

単価アップ!kintoneプラグイン採用で見えた新たな可能性

現在進行形の課題となるのですが、kintoneは基盤構築やテストが不要で、画面レイアウトも簡単に作れるところに価値を感じており、その後のカスタマイズは自分で行う考え方でした。

kintoneには、βテスターとして参加し、APIの仕様書がワードファイルだった時から関わっています。当時はプラグインがなく、全てを自力で行う必要があったため、その運用がずっと続いていました。

お客様の環境に最初からプラグインが入っていたり、または短納期で業務の仕様が頻繁に変わったりする案件では、gusuku Customineなどのプラグインを導入するなどの方法で対応していましたが、それ以外の案件ではコードを書いて対応するのが標準でした。

ただし、多くのkintone案件を受けるようになったため、これではもう対応が追いつかなくなったのです。会社としての生産性が明らかに低下していることに気づき、昨年からはそれを顕著に感じました。そこでプラグインの活用を検討し始めます。

それが本格的に変わったのは2023年の6月ごろで、メンバーの意見を聞く中で、一人が担当している案件数が著しく多いことに気付きました。そのため、開発の際にJavaScriptの利用を最小限に抑え、利用頻度を以前の5%以下まで削減することを目指しています。(長井さん)

問題
・必要な機能がある場合、コードを書いて対応していたが、受注の増加に伴い対応が追いつかなくなってきた

対応
・連携サービスやプラグインを用いて、カスタマイズの頻度を極力抑えた

効果
・単価を上げ、伴走開発を前提とした提案で受注を増やすことができた

ー従業員は何人ほどいらっしゃるのですか?

1月現在で6名のメンバーが在籍しており、常駐メンバーを加えると総勢8人です。案件数は現在進行中のもので60件を超えています。(長井さん)

ー現在利用しているプラグインや連携サービスは何がありますか?

外部とのやりとりにはトヨクモ製品を、アプリ間の連携にはkrewDataを活用しています。また、トヨクモ製品はお客様向けの提案に使用しています。(長井さん)

ートヨクモ製品の導入事例を教えていただけますか?

現在、千数百名の従業員がいらっしゃるお客様で、福利厚生である人間ドックの申し込みの仕組みに利用しています。福利厚生であるため、社員だけでなく社員の家族も申し込みできる必要があります。

仕組みとしては、まずkMailerで人間ドックの案内メールを送り、メール内のリンクからkViewerのカレンダービューに遷移し、該当の日付からFormBridgeに移動して申し込みをしてもらいます。

また、申し込んだ瞬間に空き枠の情報を更新する必要があるので、DataCollectを用いて、更新しています。申し込み時には、kViewerルックアップで空き枠の数をを表示しており、リアルタイムに現在の申し込み状況がわかる仕組みが実装できています。(長井さん)

ー福利厚生への申し込みのための仕組みを構築したのですね。最初はお客様からどのようなご相談が来たのでしょうか?

金融関係のお客様から、kintoneで外部との連携ができるかどうか、そして今回のように社員さんのご家族も含めた形で福利厚生への申し込みシステムが作れないかご相談いただきました。

通常であればWordPressで構築していましたが、Webサーバーの構築にはいくつかの制約があり、自由に構築することが難しかったので、FormBridgeを利用することを決めました。(長井さん)

ー工夫された点はありますか?

元々スクラッチ(一からオリジナル)で開発されたシステムがあり、そのリプレイス案件でした。

元のシステムでできていた機能をできるだけ落とさないように努めました。kintoneのレコード構成を工夫し、チェックをいれたら該当項目を非表示にしたり、回答ボタンを押せないようにしたりと、JavaScriptでカスタマイズができるため組み込みました。

クラウドサービスはスクラッチに比べて一部融通がきかない面もあると考えますが、かなりの部分で要望に応えられたと思います。(長井さん)

ー他社のkintone連携サービスもある中で、トヨクモ製品を選んでいただいた理由はありますか?

一連の操作に必要な機能が全て揃っていることが大きかったです。他のサービスでは、フォームやページが提供されているものの、メールの送信や計算などの機能が不足しています。トヨクモには複数の製品があり、これらが連携できる点も魅力です。

また、トヨクモ製品にはこちらで仕様をカスタマイズする余地が残されている点もありがたかったですね。(長井さん)

ートヨクモ製品を使うようになって効果はありましたか?

昔は全ての機能を自社で開発しないと利益が減るというのが私の経営的な考え方でした。
それに加え、お客様からご依頼いただいたシステムを作って納品したら終わりという発想でしたが、今はお客様が自走できるようになる仕組みの提供が価値であると考え、商談でもそう伝えています。

サービスの単価は上げましたが、トヨクモのサービスや他社のサービスを組み合わせる前提でサービス提供をしています。
それが結果的に売上のアップに繋がり、受注率も低下していません。

自社の利益ばかりではなく、弊社とお客様がお互いに補い合って案件を進めるべきと感じ、その意識が芽生えた頃から売上も上がり始めました。
経営者としての考え方を変えてくれたこともkintoneやトヨクモ製品に感謝しているところです。
来年はさらなる成長を期待しています。(長井さん)

今後の展望

弊社は外部のSaasやPaasとの連携も行っています。

kintone上で完結できることは多々あります。そこにトヨクモ製品や他社のサービスを組み合わせれば、kintoneでできることはもっと増えます。しかし、それらのサービスを持ってしてもできないことをできるのが、SaaSやPaaSとの連携だと思っています。

現状、kintoneと外部のSaas・PaaSを連携させるには何らかの開発が必要です。その点を補完する、新たなサービスを弊社として展開していきたいと考えています。

「今後もkintoneエバンジェリストとして活動し、kintoneエコシステムをもっと世の中に広めていきたいです。」と締めてくれました。

長井 祥和(ながい よしかず)

2006年 個人事業主として創業
2011年 kintoneβテスターとして参加
2014年 kintoneエバンジェリスト就任
2015年 会社を法人化
2019年 サイボウズオフィシャルパートナー認定


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