【kintone×教育機関】24時までかかっていた残業を定時帰りに!連携サービスを使いこなして業務改善!

私の業務改善シリーズでは、トヨクモやkintone界隈の方1人1人が「どのように業務をしているのか」「どのような業務改善を実施したのか」をご紹介していきます。
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今回は、IT未経験から、教育機関での業務改善に成功された出町さんに、kintoneとの出会い、kintoneやトヨクモ製品を用いた業務改善事例についてお話しいただきました!

自己紹介

出町 望(でまち のぞみ)

ーこれまでのご経歴や、どのような業務をされてきたか教えてください。

前職では学校法人に勤めており、今年の4月からはIT業界に入り、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)という職種でお客様の職場に常駐して業務設計や業務改善のお手伝いをしています。kintone歴は今年で8年目になり、また、トヨクモ製品も導入してから今年で7年ほどになります。(出町さん)

kintoneと連携サービスを活用した業務改善事例

前職の学校法人では、FormBridgekViewerkMailerkBackupPrintCreatorの5製品をご利用いただいていました。

そんな出町さんがkintoneやトヨクモ製品を用いて、実際に行われた業務改善について伺いました!

FormBridgeで事前に情報を収集!教職員のアカウント発行をスムーズに

前職では教育向けシステムにおける、教職員アカウント作成の業務がありました。従来は、紙で登録に必要な情報を書いてもらい、集めて、各システムにて入力をしていく運用でした。システムは校務システムや図書館システム、メールシステムなど複数あったため、それぞれのシステムに入力する必要があり、教職員がシステムを利用できるようになるまでに数日かかることもありました。(出町さん)

問題
・教職員がシステムを利用できるまでに時間がかかっていた

対応
・FormBridgeから入職前に必要な情報を登録できるようにした

効果
・4月の着任後すぐにアカウント発行ができるようになった

従来は、教職員のアカウント作成は4月になってからアカウント作成に必要な情報を先生たちに書いてもらい、それを元にシステムに登録していました。しかし、入職するのは3月には決まっていたので、3月のうちにFormBridgeのURLが入ったQRコードを送り、フォームから登録してもらうようにしました。事前に必要な情報をもらってアカウントの準備が可能となったため、4月に着任したらすぐにアカウントが発行できるようになりました。(出町さん)

ーシステム導入前は、アカウント発行までに数日かかっていたとお話しいただきました。具体的にはどのような業務フローがあったのでしょうか?

着任されてから先生たちに紙を渡して書いてもらっていましたが、その間に入学式など様々な業務があり、着任早々先生たちも忙しい時期でした。私たちも入学式の準備などがあるので、すぐ作業ができず、長いと1週間ほど待たせてしまいました。400人の教職員に対して情報システム部は2人しかいないことも忙しい理由でしたね。(出町さん)

ーkintone導入後、出町さんがkintoneアプリの作成を担当されたということですが、何か理由がありますか?また、大変だったことはありますか?

初めてkintoneを導入した時は、私の興味本位によるところが大きかったです。当時図書館事務員としてメルマガを書いていました。そんな時、情報システム部の人にGaroonが全然使われないから、Cybozu Daysに行ってGaroonについて調べて、メルマガの記事として書いてほしいと頼まれたのです。

そこでkintoneに出会って、図書館業務に使えないかと思い、導入してみたのがきっかけです。最初はシステムの構築に苦労しました。一番難しかったのは、経理システムのAccessをkintoneに置き換えた時です。色んなマスタデータを持ってきて、どこからデータを引っ張ってくるかなど、考えることが多くて大変でした。(出町さん)

ーkintoneも出町さんが導入されたのですね。FormBridgeを入れる際に、他社のデータ連携サービスを比較されましたか?

FormBridge一択でした。kintoneと同様にドラッグ&ドロップででき、一切英語が使われていなかった点が決め手ですね。(出町さん)

ートヨクモ製品を導入して反響はありましたか?

外部ユーザーからデータを入れる際、今までは必ず紙での申し込みが必須でした。紙以外での申込みを受け付けられるようになったのは、FormBridgeを導入してからです。今ではほとんどの業務でFormBridgeを使っています。(出町氏)

Web出願システムからアカウントの作成!一連の流れで工数激減!

学生にも教職員と同様、アカウントの作成が必要です。元々は、学籍番号の欠番を出さないように、入学式が終わった瞬間に入学者が確定するルールになっていました。入学式前に情報はありますが、そのタイミングではまだ学籍番号を振っていない状態で、入学式が終わったら一気に何百人というアカウントを作って、各システムにcsvで流し込む運用です。

教務課から、確定した情報をもらった後に、情報システム部が作業に移ります。翌日には学生にアカウントを配布して授業に入ってもらうため、その日のうちに仕上げなければいけませんでした。

当時私は図書館スタッフで、情報システム室所属になった時に4月のアカウント作成の際は、24時まで残業になると言われました。嫌だと思いつつも、1年目は異動後すぐにアカウント作成の業務があったため、引き継ぎをしながら行いました。ただ、翌年は絶対に同じ業務をしたくないと思い、業務改善を本気で考えました。(出町さん)

問題
・情報確定の翌日にアカウントが必要となるため、遅くまでの残業が必須だった

対応
・Web出願をFormBridgeで行い、その情報で事前に学生管理アプリを作成した
・krewSheetで、各システムに連携できる形に修正した

効果
・残業無しで帰れるようになった

まず、Web出願のシステムをFormBridgeとkViewerで作成して、そこから情報が入ってくるようにしました。また、学籍番号の欠番を出さないというルールもやめました。事前に学籍番号もつけて、3月中に学生管理アプリに情報を登録しました。

kintoneと各システムの連携ツールは入れていませんでしたが、krewSheetでそのまま出力したら読み込める形式に設定しました。これまで紙で行っていたものをすべてFormBridgeにして、一連の流れでアカウントが作成できるようにしました。これにより、残業時間を0にすることに成功しました。(出町さん)

ーWeb出願システムにはトヨクモ製品は何を使っていますか?

FormBridgeとマイページ用のkViewerを使い、受験票や入学許可書はPrintCreatorを使って作成していました。受験当日もQRコードをかざして受付できるようにしました。トヨクモ製品以外だと、各システムに連携するためのデータの加工にkrewSheetと、入学者の状況の集計にkrewDataを使っています。またアプリにはgusuku Customineも設定しています。(出町さん)

FormBridgeで作成した出願登録フォーム
受験結果がわかるkViewerのMyページ

ー現場から反応はありましたか?

Web出願は大きい大学では当たり前になっていますが、地方の大学ではまだ紙での出願文化が残っています。教育機関に特化したシステムは市場での競争が起こらないため、価格が下がらないことに原因としてあると思います。また、学校によって特待制度が異なるため、それに合わせてシステムを作ってもらうと費用がかさみます。(出町さん)

ーkintoneとトヨクモ製品があれば学校独自のシステムが作れることを押し出していきたいですね。

特に特待制度は複雑です。大学の無償化が進んできて、親御さんの所得で給付型の奨学金の金額が変わってきます。それに加えてスポーツの強い学校だったので、特待制度も考える必要がありました。なかなか自分の学校にあったWeb出願システムや校務システムは見つかりません。見つからないのであれば、kintoneを使って自分たちで作ってしまうのが良い方法だと思います。(出町さん)

ーシステム導入前は残業が遅くまであったようですが、それは入学式の日だけでしたか?

アカウント発行の作業は、入学式の日1日で終わりです。そのあとはバタバタと、利用説明やアカウントの配布に進んでいましたが、それも今ではPrintCreatorのボタン1つで学生に配布する資料が作れるようになりました。(出町さん)

ーPrintCreatorを導入する際は他のサービスと比較されましたか?

その時点では既にFormBridgeを導入していて、それと連携できることが魅力的だったので、FormBridge一択でした。また、設定が簡単だったのも嬉しかったですね。(出町さん)

マルチタスクに対応!自分に合わせたタスク管理アプリ

転職後、同時に複数の業務が重なることが多く、今は6事業ほど担当していて自分の業務の管理が難しくなってきました。(出町さん)

問題
・マルチタスクで、業務の管理が難しくなっていた

対応
・kintoneでタスク管理アプリを作成した
・KANBANプラグインを利用した

効果
・業務への取り掛かりが早くなった

前はGaroonを使っていましたが、GaroonのToDo管理の仕様が前職と違い、見づらくなっていたため、違う方法を探していました。Slackのブックマーク機能などを試してみましたが、情報が流れたり、ブックマークし忘れたりしてしまい、一度業務に漏れが出てしまいました。そこで、kintoneのアプリでタスク管理を作成してみることにしたのです。

細かいことを後回しにしてしまう自分の性格を考えた上で、プラグインはKANBANを利用しました。KANBANは色が着くため分かりやすく、また左側に「未着手」がくるため、左側も見ると「仕事が溜まっているぞ」と言われているような気分になります。仕事の始まりは業務の「未着手」から手をつけるのではなく、「確認中」や「保留中」から確認することで、やらなければならないことが整理され、業務への取り掛かりが早くなったように感じています。(出町さん)

今後の展望

トヨクモ製品を使って何かを実現できた時に喜びを感じます。今は、買い物カートのようなものが作れるか試行錯誤しています。自分は業務改善を会社に提案する立場なのに、一度キャパオーバーでパンクしかけてしまったことが個人的な課題としてあるので、今後はより業務改善のノウハウを学んで自分にも会社にも還元していきたいです。(出町さん)

「教育機関は予算がなくて、業務をシステム化できないという学校さんが多いと思うので、ノーコードでもできることがたくさんあることを知ってほしい。システムをパッケージで買ってしまうと購入した機能しか使えません。しかし、kintoneやトヨクモ製品であればカスタマイズ次第で何でもできるので、お試しで導入してみて、色々と試してほしいです。」と締めてくれました。

 

出町 望(でまち のぞみ)
2012年学校法人光星学院に入職
大学附属図書館の事務スタッフや情報システム部門で勤務し、kintoneを用いて数々の業務の効率化に尽力
現在は、BPOの会社に転職し、クライアント先でkintone構築のサポートをしている
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