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kintoneで関連レコードを自動集計!おすすめプラグインも紹介

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kintoneで別アプリからデータを集計できれば、単体のkintoneアプリ上で予実管理や在庫管理ができるようになります。

自動で数値が集計されて計算までしてくれるのであれば便利なのですが、残念ながらkintoneの基本機能だけでは別アプリのデータ集計はできません。

そこで当記事では、プラグインやkintone連携サービスを活用して、kintoneで別アプリのデータを集計する方法について詳しく解説していきます。

kintoneの基本機能によるデータ集計

kintoneでは、データ集計に関わる基本機能として、「関連レコード一覧」と「グラフ表示・クロス集計」の機能が搭載されています。

関連レコード一覧では、「条件に一致したレコード」の情報を表示できるため、顧客管理のアプリ上に同一顧客名の案件情報を表示するといった使い方ができます。

顧客管理のアプリを開けば関連情報が1画面に集約されて表示されるので、別アプリを行き来する必要がなく大変便利です。

また、同じくkintoneの基本機能として、アプリ内の情報を集計してグラフ表示したり、複数の項目をかけ合わせてクロス集計したりすることができます。

アプリで管理しているデータを用いて傾向分析などに活用できるため、基本機能でも十分マーケティングに貢献してくれます。

基本機能によるデータ集計の課題

充実したデータ集計機能を持つkintoneですが、基本機能だけでは物足りないと感じる場面が多々あります。

ここからは、kintoneの基本機能を用いたデータ集計の課題について解説します。

関連レコード一覧は表示のみで計算不可

kintoneには、指定した条件に一致した関連レコードの情報を表示できる「関連レコード一覧」という機能が搭載されています。

情報をまとめて確認できる便利な機能ではありますが、この関連レコード一覧は、あくまで関連するデータを表示するだけの機能です。

関連レコードとして表示された別アプリのデータを参照することはできない、つまり、別アプリ・レコードの数値を使った計算はできません。

案件管理や顧客管理、売上管理など、目的ごとにアプリを使い分けていればいるほど、基本機能で集計・算出できる情報は少なくなってしまいます。

1つのアプリ内にあらゆる情報を詰め込んで集計する解決方法もありますが、kintoneの利便性を損なうため正直おすすめできません。

アプリ単体のデータしか集計できない

kintoneでは、アプリ内の情報を集計して円グラフや棒グラフ、クロス集計表などを作成することができます。

傾向分析などに役立ちますが、基本機能ではアプリ単体のデータしか集計することができません。

例えば、A支社とB支社の売上を別アプリで管理している場合、グラフ作成時に参照されるデータは支社単体のデータだけとなり、合計額のグラフは作成できません。

基本機能での集計には手間がかかる

kintoneには、他のアプリに登録されているデータを取得できる「ルックアップ」という機能があります。

例えば、顧客情報や商品情報などを管理するマスタアプリを作成して、そこから情報を取得するといった使い方ができます。

ただ、このルックアップを用いたデータ集計には明確なデメリットがあり、ルックアップで取得したデータは自動で更新されないのです。

ルックアップ取得時のデータが参照される仕様のため、マスタアプリで商品情報を変更したら、各アプリで手動で再設定する必要が出てきます。

また、予実管理や在庫管理をするのであれば、それに適したマスタアプリを作成して、入力して、設定してとなかなか大変です。

更新の手間がかかりますし、顧客名や商品情報などの入力ミスにつながるリスクも出てくるため、自動更新ができないのは大きな課題と言えます。

kintoneで関連レコード(別アプリ)のデータを自動集計する方法

kintoneの基本機能だけでは、関連レコードとして表示された別アプリのデータを自動で集計できません。しかし、最新のデータを参照しながら、関連レコードを自動計算する方法も存在します。

ここでは、kintoneで関連レコードのデータを自動集計する以下3つの方法を紹介します。

  1. プラグインの導入
  2. JavaScriptの使用
  3. kintone連携サービスの導入

方法1:プラグインの導入

関連レコードを自動で集計するのに、もっとも手軽に始められる方法が「プラグイン」の導入です。

プラグインとは、特定の機能を追加するための拡張プログラムのことです。最大のメリットは、プログラミングの知識がなくても、簡単に機能を拡張できる点にあります。

プラグインには、無料で利用できるものから、より高機能な有料のものまで、幅広い選択肢があります。そのため、自社で実現したい集計の内容や、かけられる予算に応じて、最適なプラグインを選べるでしょう。まずは、無料で試せるプラグインから導入してみるのがおすすめです。

本記事では、おすすめのプラグインとして以下3つを紹介します。

  • アプリ間レコード集計プラグイン
  • 集計サポート+
  • 関連レコード集計プラグイン

アプリ間レコード集計プラグイン

数ある無料プラグインの中でも、TISのkintone無料プラグイン『アプリ間レコード集計プラグイン』は特に好評です。

▲出典:TIS アプリ間レコード集計プラグイン

無料プラグインながらも、マスタアプリのレコード登録や編集、削除に伴う集計結果をリアルタイムに反映できるのが魅力です。

完全無料なので追加でコストをかけずに、アプリ間のレコード集計を実現できるのが最大のメリットと言えるでしょう。

一方、無料ということもあり、カスタマーサポートはないため、自力で設定方法や挙動を理解して使う必要があり、人によっては難しいと感じるかもしれません。

集計サポート+

JBCCが提供するプラグインセット「ATTAZoo+」に含まれる「集計サポート+」もおすすめです。こちらは「年額43,200円〜(税別)」の有料プラグインになります。

▲出典:ATTAZoo+ 『集計サポート+』設定&活用方法

集計データを特定のフィールドだけでなく、より自由なレイアウトが可能な「スペース」にも表示できるのが特徴です。さらに、数字の表示形式を細かく調整できるため、画面が見やすくなるようにアレンジできます。

有料サービスなので、困ったときにサポートを受けられたり、kintoneのアップデートにも継続的に対応してくれたりといった点もメリットです。

しかし、「集計サポート+」は単体で購入できません。もし、入力内容のチェックや条件付き書式の設定など、ATTAZoo+に含まれる他のプラグインも活用したい場合は、お得な選択肢となります。一方で、関連レコードの集計機能だけが必要な場合は、他の単機能プラグインと比較・検討したほうがよいでしょう。

関連レコード集計プラグイン

日立ケーイーシステムズが提供する「関連レコード集計プラグイン」もおすすめです。

このプラグインを利用すると、レコード数や合計値、最小値、最大値を集計できます。

▲出典:関連レコード集計プラグイン

以下のタイミングで集計されるため、データが更新された際の再集計も簡単です。

  • レコード一覧画面の一括集計が押下されたとき
  • 関連レコード一覧の「表示するレコード条件」が変更されたとき
  • レコード追加画面、レコード編集画面が表示されたとき

また、1ドメインあたり25万円(税別)の買い切り型ライセンスであるのもメリットといえるでしょう。買い切りタイプなら、初期費用はかかりますが、一度購入すれば月々の費用は発生しません。

方法2:JavaScriptの使用

より細かな表示制御や独自の処理フローを実装したい場合には、「JavaScript」を活用してカスタマイズする方法があります。

これは、外部からkintoneの機能を利用するための仕組みであるAPIを使い、プログラミングによって独自の集計機能を作る方法です。

この方法は「自由度の高さ」が大きなメリットです。知識とテクニックがあれば、どのような複雑な集計ロジックでも、プログラミングで実現できます。

たとえば、関連レコードの数が非常に多く、プラグインでは処理しきれないような大量データであっても、APIを活用すれば集計処理が可能です。

一方で、JavaScriptやkintone APIに関する専門的なプログラミング知識が必須となります。加えて、開発には時間とコストがかかります。

また、開発したプログラムは自社でメンテナンスし続ける必要があります。kintoneがバージョンアップした際に、開発したプログラムが動かなくなる可能性もあり、その都度対応しなければなりません。

そのため、JavaScriptカスタマイズは、既製のプラグインでは対応できない、かつ開発・保守体制をしっかりと確保できる場合にのみ検討すべき方法でしょう。

方法3:kintone連携サービスの導入

機能・サポート面が充実したkintone連携サービスを使用して、kintoneで別アプリのデータを自動集計するのもおすすめです。

特に、まだkintoneの使い方に慣れていない方や大規模な設定が必要になる場合には、サポート体制や設定ガイドが充実している有料サービスが適しています。

kintoneのデータ集計用の連携サービスには、主に以下の製品が挙げられます。

  • トヨクモ『DataCollect』
  • メシウス『krewData』

料金体系もサブスクリプションモデルのサービスから買い切り型までさまざまなので、自社の用途に合わせた製品を選びましょう。

関連レコード(別アプリ)のデータ集計にはDataCollectがおすすめ

関連レコードや別アプリのデータ集計プラグイン・連携サービスは複数ありますが、特におすすめなのがトヨクモの『DataCollect(データコレクト)』です。

DataCollectは、kintoneアプリをまたいでデータの収集・計算・加工ができるkintone連携サービスです。

複数アプリ間のデータを用いて計算が行えるため、在庫管理や勤怠管理、経費精算などを簡単に実現できます。

複数レコードをまとめて集計できたり、定期スケジュールを組んで毎週決まった時間に自動更新したりと細かく設定することも可能です。

SUMIFなどの計算式を記載するだけで設定できるため、ExcelやGoogleスプレッドシートなどの使用経験があれば直感的かつ簡単に使用できます。

DataCollectについてより詳しく知りたい方は、下記の記事をご参照ください。

データコレクトとは?できること・使い方

DataCollctで別アプリのデータ集計を実現!

実際に、DataCollectで別アプリのデータを集計してみたいと思います!

今回は以下のシーンを想定して、DataCollectを活用した在庫管理を行います。

  • 会社:PCの通販ショップ
  • 使用アプリ:「受注管理アプリ」と「在庫管理アプリ」
  • 目標:注文が入ると在庫数が算出されるようにする

それでは早速やっていきましょう!

Step1.アプリを作成する

まずは、kintoneで「受注管理アプリ」と「在庫管理アプリ」を作成します。

今回は、なるべく分かりやすくなるようアプリの構成や商品数は極力シンプルにしました。

アプリの構成内容はそれぞれ以下の通りです。

  • 注管理アプリ:日付、商品名、商品ID、注文数
  • 在庫管理アプリ:商品名、商品ID、期初の個数、注文数、在庫数

在庫数は、期初の個数から注文数を引いた数になるよう計算式を設定しています。

つまり、「受注管理アプリ」の注文数が「在庫管理アプリ」の注文数に入力されるようになれば、在庫数も自動で算出されるようになるということです。

なお、後ほど関数を入力する際に分かりやすくするため、フィールドコードはフィールド名と一致させています。

Step2.DataCollectを設定する

アプリの準備ができたらDataCollectの設定に移ります。

今回は関数の設定だけお見せいたしますので、その他の詳しい設定方法については別途DataCollectの操作ガイドをご確認ください。

さて、今回の目的は「受注管理アプリ」の注文数が「在庫管理アプリ」に反映されることなので、「在庫管理アプリ」の注文数に関数を設定する必要があります。

本来は商品ごとの集計が必要になるため、条件に一致する数値の合計を返してくれるSUMIF関数を使用します。

注文数に「= SUMIF(受注管理アプリ!商品ID,商品ID,受注管理アプリ!注文数)」と入力しました。

なお、手動で入力するのもいいですが、右下から対象のフィールド名をクリックすれば自動で式を入力してくれます。

これでDataCollectでの設定は以上です。

Step3.集計して在庫数を算出する

DataCollectの設定ができたので、実際に在庫数が算出されているか「在庫管理アプリ」を確認してみましょう。

完璧です!しっかり注文数が入力されて、在庫数が減っています!

別アプリのデータ集計は、手動に加えて、レコードが追加・編集・更新・削除された時、または指定した時間に自動で更新されるように設定できます。

なお、リアルタイムの集計には別途設定が必要になりますが、こちらも数分程度で簡単に設定できます。

30日間の無料お試し実施中

今回は、kintoneで別アプリのデータを集計する方法について詳しく解説しました。

基本機能ではできなかった複数アプリ間のデータ集計により、予実管理や在庫管理、経費精算などを実現できるためkintoneの使える幅が大きく広がります。

もっとkintoneを便利に使うためにも、自社で想定している運用方法を踏まえて、無料プラグインもしくは有料のデータ集計プラグインを利用してみましょう。

なお、今回ご紹介したkintone連携サービスのDataCollectは、30日間の無料お試しを実施しております。

何回でもお試しいただけますので、少しでも気になる方はぜひこの機会にお試しください。

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トヨクモ編集部


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