【図解あり】kintoneのメール通知設定方法と手順をわかりやすく解説

kintoneのメール通知機能を正しく設定すれば、アプリの更新やコメント追加などを即時に把握できます。本記事では、共通管理からアプリ設定までの全手順を画像付きでわかりやすく解説します。
目次
kintoneのメール通知機能とは
kintoneのメール通知機能とは、アプリユーザーに対して通知を届けることができる機能です。
レコードが編集されたときやコメントが追加されたとき、ワークフローのステータスが進んだときなどに通知してくれます。
また、レコード内の日時情報をもとにした通知を届けることもできるためリマインド機能としても活用できます。
kintoneのメール通知設定を行う前に、下記の3つのポイントを確認しておきましょう。
- 通知の種類
- 通知の対象者
- 通知の確認方法
通知の種類
kintoneの通知機能は3つの種類に分類されます。
●アプリの条件通知:レコード追加・編集、コメント追加、プロセス管理機能のステータス変更などアプリに対する操作が行われたときに通知される機能です。
●レコードの条件通知:レコード追加や編集により、レコード内容が指定した条件を満たしたときに通知を行う機能です。
●リマインダーの条件通知:作業の締め切り日など対象の日付が近づいたときや超過したときに通知を行う機能です。レコード追加や編集などが生じていない場合でも、日付をもとにして通知をおこないます。
通知の対象者
通知の対象者は、「組織」「グループ」「ユーザー」の3種類から設定できます。
フォームに「ユーザー選択フィールド」を設定している場合は、該当のフィールドで選択したユーザーにも同様に通知を届けられます。
またアプリの条件通知では、過去に該当するレコードへコメントを書き込んだユーザーへも通知を届けることが可能になります。
アプリの条件通知やレコードの条件通知は、操作した本人や閲覧権限を持たないユーザーに対しては送信されませんのでご注意ください。
通知の確認方法
自分宛てに届いた通知は、画面上部にある通知アイコンに通知数が表示され、kintoneのトップページまたは通知ページで確認できます。
条件を指定して通知を絞り込むことも可能です。他に、kintoneの管理者がメール通知機能を有効にしている場合、個人設定でメール通知を有効にしているユーザーに送信できます。
kintoneのメール通知の設定方法
kintoneのメール通知を有効にするには、次の4つの手順を順番に設定する必要があります。なお、この設定はcybozu.com共通管理者権限を持つユーザーのみが実行できます。
メール通知を有効化すると、アプリ、ピープル、スペース、メッセージの通知をメールで受け取れるようになります。
メール通知を受信するための設定手順
- cybozu.comの共通管理者がシステムメールの設定を行う
- 共通管理者または各ユーザーが、自身のメールアドレスを設定する
- システム管理者がメール通知機能を有効化する
- アプリの管理者が、必要に応じてアプリごとの通知設定を行う
- 各ユーザーが個人設定を行う
手順①cybozu.com共通管理での設定
ポータルサイト画面を開き右上のネジマークをクリックして、cybozu.com共通管理画面から設定を進めていきます。
事前に「ユーザー/組織」でメールアドレスが入力されているかを確認し、されていない場合は入力する必要があります。確認し終えたら「システムメール」を選択し、メールサーバー項目の「組み込み」にチェックします。
手順②kintoneシステム管理での設定
手順①と同様にポータルサイト画面の右上ネジマークをクリックしてkintoneシステム管理を選択し、「利用する機能の選択」から「通知のメール送信機能を利用する」にチェックをつけます。
手順③個人設定を行う
個人設定は各自で行う必要があるため、見落としに注意しましょう。
ポータルサイト画面の右上ネジマークから「kintoneシステム管理」を開き、さらに赤枠のネジマークから「個人設定」を開きます。そして「自分宛の通知のみメールで受信」または「すべての通知をメールで受信」を選択します。
今回は「すべての通知をメールで受信」を選択しました。
手順④kintoneアプリで通知の設定
kintoneアプリの右上ネジマークから設定画面を開き「設定」タブをクリックします。左下にベルマークの通知項目が表示されるので「アプリの条件通知」を開きます。
赤枠の人アイコンをクリックし、「ユーザーを選択」をクリックします。「グループ」タブをクリックすると左側に「Administer」「Everyone」の選択肢が表示されるので、「Everyone」を選択し、右側に表示される自分の名前を選択、追加します。
通知先の選択肢に自分の名前が表示されるので、通知が届くように設定したい場合には、「レコード追加」「レコード編集」「コメント書き込み」「ステータスの変更」にチェックします。
実際に通知が届くかを試してみます。一度ログアウトしてから、再度山田花子さんでログインし、先ほど通知設定をした顧客リストアプリのレコード追加を行ってみます。
その結果、山田花子さんがレコード追加をしたという内容のメールが届きました。レコード編集やコメントを追加した場合もしっかりメールが届き、ポータルサイト画面にも通知が届いていました。
設定個所が多いですが、一つひとつ確認しながらおこなってみてください。
メール通知の豆知識
kintoneで「@メールアドレス」の形式でメンションすることで、メンションされた側にメールで通知がいくようになります。必要に応じて活用してみてください。
kintone通知メールをカスタマイズする方法
メールでもう少し詳細な情報を受け取りたいという方は、通知メールをカスタマイズして利用するのもおすすめです。
下記では、3つのカスタマイズ方法を紹介していきます。
Smart at messageを利用する
Smart at messageは、kintoneの更新情報をメールやチャットへ自動通知できるプラグインです。メールの件名や本文を自由に変更できるため、通知内容を自社向けにカスタマイズしたい場合に便利です。
また、kintoneアカウントを持たないユーザーにも通知を送信できるため、社内全体で情報共有を行いたい場合にも活用できます。
外部サービスへの登録は不要で、プラグインを追加して設定するだけで利用できるため、プラグインの活用が初めての人にもおすすめのサービスです。
SendGrid APIを利用する
SendGrid APIを利用してプラグインを作成すれば、kintoneを利用していないユーザーにもメール通知を送信できます。
アメリカのクラウドメール配信サービス「SendGrid」を活用する仕組みで、月12,000通まで無料で送信可能です。大量の通知メールを安定して配信したい場合や、社外ユーザーにも自動通知を届けたい場合に適した方法です。
kintone WebhookとZapierでGmailと連携する
Webhookとは、Webアプリケーションでイベントが発生した際に、外部サービスへHTTPで通知を送信する仕組みです。
kintoneではこのWebhook機能を利用することで、メール通知の内容をカスタマイズし、Gmailへ自動送信できます。
連携する際は、Gmailのアカウント、kintoneアプリ、Zapierアカウントをあらかじめ準備しておきましょう。Zapierは、複数のWebサービス間でデータを連携できるノーコード自動化ツールで、kintoneから送られるJSON形式のデータをGmail送信形式に変換し、自動で通知を行えます。
>関連記事:【図解付き】kintoneのWebhookでできることと設定手順
FormBridge経由でレコード追加時のメール通知
最後にトヨクモのkintone連携サービス「FormBridge」をご利用されている方、管理者の方に向けて、FormBridge経由でのレコード追加時のメール通知について解説します。
FormBridgeとは、kintoneアカウントを持っていない方でもレコード追加ができるwebフォームを作成できるサービスです。
作成したアンケートやお問い合わせフォームから回答がある都度、kintoneに保存されるため、ユーザーや顧客が入力した情報をわざわざkintone内へ移し替える必要がなく、業務の効率化をはかることができます。キャンペーンサイトに設置するフォームとしても活用されています。
その他、自動送信メール機能や公開期間設定、回答数制限、メールアドレス認証、スパム対策などさまざまな制御機能もあり、デザインのカスタマイズも自由に行えます。
導入費用は通常初期費用無料で月額7,000円〜50,000円の5つのコースから選択しますが、30日間の無料お試しも利用可能なため、そちらもぜひ活用してみてください。アンケートフォームや社内申請用フォームも定額で作り放題になります。
>関連記事:kintone連携「FormBridge」とは?できること・使い方
FormBridgeを通してレコードが追加されてもメール通知が届かないという経験をされる方もいます。その場合の設定方法につきまして下記で解説していきます。
FormBridge経由でレコード追加時のメール通知設定方法
kintoneヘルプページの「ユーザーヘルプ」から「メール通知を設定する」項目を開き、kintoneのメール通知を受け取る設定をします。下記の設定が必要になります。
- 必要に応じて各アプリの通知設定をおこなう。
- 通知を受信するメールアドレスを設定する。
- システム管理者がシステム管理の設定をおこなう。
- すべての通知設定をおこなう。
手順①アプリの条件通知設定
FormBridgeを通してレコードが登録されるアプリの条件通知設定で、通知を受け取るユーザーの「レコード追加」にチェックを入れます。
手順②メールアドレスの設定
メール通知を受信するユーザーのユーザー情報にメールアドレスが設定されているか確認します。kintoneのアカウント情報からプロフィールをクリックして確認することができます。
手順③システム管理の設定
kintoneのシステム管理から「利用する機能の選択」をクリックし、「REST APIの通知をメールで送信」にチェックが付いているかを確認します。
kintoneのシステム管理設定をおこなう際は、kintoneシステム管理権限が必要になります。システム管理権限を持っていない場合は、管理者に相談しましょう。
手順④すべての通知設定
kintoneの個人設定から、メール通知の対象に「すべての通知」が選択されているかを確認します。
以上が、FormBridge経由でのレコード追加時のメール通知設定方法です。
上記の設定が完了してもメール通知が届かないという場合は、迷惑メールに振り分けられていないかをご確認ください。
【事例】kintoneとFormBridgeによる問い合わせ業務の効率化
ここでは、kintoneとFormBridgeの連携で、問い合わせ業務を効率化した事例をご紹介します。
サイボウズ株式会社
サイボウズ株式会社様では、kintoneとFormBridgeを組み合わせることで、パートナー企業とのコミュニケーションを円滑化し、問い合わせ対応の効率化を実現しました。
この仕組みでは、顧客がパートナー企業に問い合わせを行う際のフォームにFormBridgeを利用し、入力内容が自動的にkintoneへ保存されます。
同時に、FormBridgeの自動返信メール機能によって、顧客とパートナー企業の双方に問い合わせ内容が送信されます。
さらに、kintoneのメール通知機能を活用することで、社内の担当者にもリアルタイムで情報が共有され、関係者全員が同時に状況を把握できる体制が構築されました。
その結果、対応スピードが向上し、問い合わせ業務全体の効率化につながっています。
さくら製作所株式会社
さくら製作所株式会社様では、社内の基幹システムをkintoneとトヨクモ全製品で構築し、業務改善と顧客満足度の向上を同時に実現しました。
導入以前は、電話による問い合わせ対応を受け付けており、電話で受けた内容を紙やExcelに転記していました。
しかし、転記ミスや電話番号の聞き漏れ、電話の混み合いによってクレームに発展していたとのこと。
そこでkintoneとFormBridgeなどのトヨクモkintone連携サービスを導入し、Webフォームから問い合わせ→kintoneへ自動登録→自動返信メールや電話で対応→修理業者へ見積書の共有といったワークフローを構築しました。
>事例記事: 社内の基幹システムをkintone x トヨクモ全製品で構築、業務改善と顧客満足度の向上を同時に実現した
神戸市役所
神戸市役所様では、kintone×FormBridgeの導入で問い合わせを大幅削減し、これまで発生していた残業時間を100時間以上削減しました。
これまでは、国勢調査に関する問い合わせ対応を全て電話で行っており、鳴りやまない電話に対応するため休日に事務作業を行うこともあったそうです。
FormBridgeを導入することで、以前まではひと月で150時間(1人あたり)あった残業時間が3分の1に削減し、合計13,000件以上の電話件数を削減することに成功しました。
>事例記事:神戸市役所がkintone x フォームブリッジの導入で電話問い合わせを大幅削減、残業時間を100時間以上削減できた
kintoneのメール通知設定を使いこなして業務を効率化しよう
kintoneのメール通知設定は一見複雑ですが、手順さえ間違えなければ問題なく設定可能です。特に「個人設定」は見落としやすいため、最後まで確認しておくと安心です。
またkintone標準の通知機能は基本的な項目がそろっている一方で、通知内容の自由度は高くありません。より柔軟な運用を行いたい場合は、プラグインの活用を検討しましょう。
トヨクモのkintone連携サービス「FormBridge」には豊富な機能が備わっており便利でおすすめです。自社の目的や状況に合った通知方法を選択していきましょう。