kintone引き継ぎで失敗しない!スムーズな移行を実現する方法

「異動することになったのでkintoneの運用を後任者に引き継ぎたいが、どのように引き継げばいいの?」
「引き継ぐときのポイントは何だろう?」
kintoneの運用を引き継ぐ際、事前にしっかり準備して計画的に進めなければ、引き継ぎ後に不明点が出てきてしまい、業務に支障が出てしまいかねません。
本記事では、kintoneの運用の引き継ぎで失敗しないために、チェックすべきポイントや引き継ぎ方法を解説します。
目次
kintone運用で引き継ぎが発生するケース2選
kintone運用で引き続きが発生するケースは以下の通りです。
ドメインが変更になった場合
kintoneを運用している際、引き継ぎが必要となる代表的なケースの一つがドメインの変更によるものです。
例えば、グループ会社の統合・分社化や、セキュリティポリシーの見直しに伴い、新しいkintoneドメインへ移行する必要が生じることがあります。
現時点ではアプリ全体をコピーする機能は備わっていません。
そのため、旧ドメインからアプリのテンプレートとデータをエクスポートし、新ドメインでインポートする操作が必要です。
ドメイン移行時の引き継ぎは技術的な知識だけでなく、作業手順の整理や関係者との連携も求められるため、慎重に対応しましょう。
別ドメインのkintoneに情報を引き継ぐ方法については、下記記事で詳しく解説しています。
>>別ドメインのkintoneに情報を引き継ぐ方法!ドメインを分けない情報共有方法も紹介 | kintoneapp BLOG
運用者が変更になった場合
担当者の異動や退職によってkintoneの運用者が変更になる場合も、引き継ぎが必要です。
kintoneを運用する際は、アプリの設定や業務フローの把握だけでなく、外部サービスとの連携状況など、システム全体を理解しなければいけません。
引き継ぎが不十分だと業務の停滞や情報の断絶を招く恐れがあります。
カスタマイズされたアプリや個別の運用ルールがある場合は、アプリの使用や運用ルールが適用されている背景や経緯も共有しておきましょう。
管理用のアプリ一覧や、アプリ管理者用メモを活用して設定意図や注意点を明記しておくと、後任者がスムーズに運用を継続できます。
運用者が変更する場合は細かな点を後任者に伝える必要が生じるため、計画的に引き継ぎを行いましょう。
kintone運用の引き継ぎ時にチェックすべき項目4つ
kintoneの運用を引き継ぎする際は、以下4つの項目を確認しましょう。
- 管理者権限
- 業務フローとマスタデータの保存場所
- 各種アプリの使い方
- 活用ノウハウ
管理者権限
kintoneの引き継ぎ時に確認すべき項目の一つが「管理者権限」です。kintoneには複数の管理者区分が存在し、それぞれ役割が異なります。
例えば、ユーザーや組織を管理する「cybozu.com共通管理者」、アプリの設定やカスタマイズを担う「kintoneシステム管理者」、そしてスペースやアプリ単位で設定を行う「スペース管理者」や「アプリ管理者」などです。
これらの管理者権限を適切な人物に引き継がなければ、運用が滞ったり、セキュリティ上のリスクが生じたりするため注意が必要です。
また、引き継ぎ時には後任者が実際に操作しながら慣れる時間を確保しましょう。必要に応じて複数人で管理体制を構築しておくと業務の属人化の回避にもつながります。
業務フローとマスタデータの保存場所
業務フローとマスタデータの保存場所も、kintoneの運用を引き継ぐ際に把握しておく必要があります。
kintoneのアプリが整備されていても、業務そのものの流れやマスタデータの所在が不明確だと後任者は運用全体を把握しづらくなります。
特に自治体や大規模組織では、年度をまたぐプロジェクトや根拠法に基づいた手続きなど、複雑なフローが存在するため、業務一覧や業務マップの共有が欠かせません。
また、マスタデータがどのアプリやスペースに保存されているか、更新ルールはどうなっているのかも明示しておくと、後任者は業務の全体像をスムーズに把握できます。
各種アプリの使い方
kintoneを引き継ぐ際は、各種アプリの具体的な使い方の確認も欠かせません。
アプリは業務ごとにカスタマイズされているため、入力ルールや操作手順を理解せずに利用を始めると誤操作やデータの不整合が生じるリスクがあります。
アプリ管理者用メモに使用目的や注意点を明記したり、画面上にマニュアルを表示できる拡張機能を活用したりして、操作のポイントをアプリ内に組み込んでおきましょう。
引き継ぎがスムーズにできるよう、実際の業務フローに沿ったアプリの使い方を可視化しておくのがおすすめです。
活用ノウハウ
kintoneを円滑に引き継ぐには、機能や設定の説明だけでなく、運用の中で培われた活用ノウハウを共有するのもポイントです。
例えば、どのような工夫で業務効率化を実現したのか、どのプラグインや連携サービスが実際に役立ったのかといった経験値は、表面化しにくい情報です。そのため、引き継ぎ時に意識的に後任者へ伝える必要があります。
また、過去の改善履歴やトラブル時の対応方法なども文書化しておくと、後任者は短期間で運用の質を維持できる可能性が高まります。
組織全体でkintoneを効果的に運用するために、成功事例はもちろん、失敗談も含めて実際の運用で得た活用ノウハウを後任者に引き継ぎましょう。
kintoneで引き継ぎを行う方法3選
ここからは、kintoneで引き継ぎを行う方法を3つご紹介します。
権限の変更
引用:管理者の設定方法 | 引き継ぎや属人化防止に|kintone
kintoneの引き継ぎを行う際、権限の変更を行いましょう。
管理者や担当者の異動に伴って適切なユーザーに必要なアクセス権限を移行しなければ、アプリの設定変更やユーザー管理が行えず、業務が停滞する恐れがあります。
kintoneでは、cybozu.com共通管理者やシステム管理者、スペース管理者やアプリ管理者など、役割ごとに異なる管理権限が存在します。それぞれの運用範囲と責任を明確にしながら権限を設定しましょう。
属人化を避けるためには、引き継ぎ前に複数人へ権限を分散し後任者が操作を試せる環境を整えておくのが理想です。
正しく権限を管理・移行することで、kintoneの運用が安全に継続できます。
kintoneアプリ管理を活用したアプリの引き継ぎ
kintoneアプリ管理の活用も、kintoneで引き継ぎを行う際に役立ちます。
kintoneアプリ管理とは、cybozu.com共通管理者が利用可能な専用アプリで、全アプリの使用状況や担当者、運用履歴などを一元的に管理できます。
アプリ一覧をCSVでエクスポートし、フィールドを追加することで、アプリの目的や連携先、注意点などの情報の記録が可能です。
さらに、コメント機能によりアプリ担当者間での引き継ぎに必要なやり取りを記録できるため、属人化を防ぎながら情報を共有できます。
活用されていないアプリの可視化にもつながるため、引き継ぎ時の整理や棚卸しにも最適です。
アプリ管理者用メモを活用した情報共有
引用:kintone管理者を引き継いだセンパイからアドバイスがあります|kintone
kintoneを引き継ぐ際、アプリ管理者用メモを活用して情報共有しましょう。
アプリ管理者用メモには、各アプリの管理者が作成経緯や設計意図、注意点などを記録できる機能があります。そのため、引き継ぎ時の情報伝達に便利です。
例えば、文書化されていない設定理由やカスタマイズの経緯を記録しておくと、運用上の混乱を防げます。
また、情報が共有されることで特定の担当者に依存しない体制が整い、チーム全体での継続的な改善にもつながります。
予期せぬ異動や退職に備えて日頃から情報共有しておくと、スムーズに運用の引き継ぎが可能です。
kintone引き継ぎを成功させるための3つの秘訣
kintone引き継ぎする際に、以下3つの秘訣を押さえておくとスムーズに引き継ぎできます。
以下では、kintone引き継ぎを成功させるための3つの秘訣を解説します。
引き継ぎ計画の作成とスケジュール管理
kintoneの運用を次の担当者へ引き継ぐには、計画的な準備とスケジュール管理が不可欠です。
引き継ぎの直前に慌てて対応するのではなく、時間に余裕がある段階で段取りを組みましょう。
その際、関係者全員と進行状況を共有しておくのがポイントです。
例えば、kintoneの利用目的やアプリ構成、管理権限の概要などを早めに伝えて実際に操作できる期間を設けると、後任者が運用の理解を深められます。
関係者との連携とコミュニケーション
kintoneの運用引き継ぎ時、関係者との連携とコミュニケーションも大切にしましょう。
新旧担当者間だけでなく、実際にアプリを利用する現場のメンバーや情報システム部門、外部パートナーとも情報を共有すると、運用の継続性が担保されます。
kintoneは業務ごとにアプリが細分化されているため、運用の背景や意図を正確に伝えるには口頭やメールだけでなく、アプリ管理メモの活用が有効です。
引き継ぎの段階で質疑応答の機会や共同作業の時間を設けることにより、後任者の理解も深まり、移行後の混乱を最小限に抑えられるでしょう。
引き継ぎ後の運用体制の構築
kintoneの引き継ぎは、後任者に情報を共有するだけでは完了しません。引き継ぎ後も安定した運用を継続するためには、体制の再構築が必要です。
例えば、管理者を一人に固定せず、複数人で分担する体制を整えることで、業務の属人化を防ぎつつ運用負担を軽減できます。
また、アプリやスペースの管理状況を一覧化し、更新履歴や今後の方針を明示することで、誰が見ても現状を把握できるようになります。
さらに、マニュアルや操作ガイド、事例紹介を通じて、新たな担当者が自律的にスキルを習得できる環境を整えることもスムーズな引き継ぎに効果的です。
kintoneをより便利に使うならToyokumo kintoneApp
kintoneをより便利に使うためにおすすめしたいのが、トヨクモ株式会社が提供するkintone連携サービス「Toyokumo kintoneApp」です。
kintoneの基本機能では実現が難しいことも、トヨクモの連携サービスであればさらに便利に活用することができます。
Toyokumo kintoneAppでは、以下6つのサービスが提供されています。
FormBridge | kintoneへデータが自動で保存されていくwebフォームを作成できる |
PrintCreator | kintoneアプリのデータをPDFで出力できる |
kViewer | kintoneライセンスがない人に、kintoneアプリのデータを共有できる |
kMailer | kintoneアプリのデータを引用してメール送信できる |
DataCollect | 複数のkintoneアプリに登録されたデータを集計できる |
kBackup | kintoneアプリに登録されたデータを安全にバックアップする |
ここからは、Toyokumo kintoneAppの各サービスについて紹介します。
FormBridge
FormBridge(フォームブリッジ)は、kintoneアカウントがない人でもkintoneに直接データを保存できるWebフォーム作成サービスです。
kintoneの基本機能における「ライセンスを持たないユーザーは情報を登録できない」という問題を解消できます。
また、FormBridgeで作成したフォームは、kintoneに直接データが保存されるため、転記の必要がなく、業務効率化や入力ミス・漏れの削減ができるのがメリットです。
kViewer
kViewer(ケイビューワー)は、kintone内の情報を手間なく外部に公開できる連携サービスです。kintoneアカウントを持たないユーザーにも簡単にkintone内の情報を公開できます。
kintoneの情報を共有する際にわざわざデータを移し替える手間もなく、グラフなどの数値情報もそのまま外部に公開することが可能です。
公開範囲を設定することもできるので、社外秘の情報が漏洩するリスクを抑えつつ、社外の人に資料やデータを気軽に共有できるようになります。
kMailer
kMailer(ケイメーラー)は、kintone上で管理しているメールアドレス宛に、kintone内のデータを自動引用したメールを自動・手動・予約で送れるサービスです。
kintoneで管理している顧客に向けて一斉送信や、kintoneからのテキスト引用などを行ったり、誰にいつどんなメールを送信したかなどのログを確認することもできます。
普段社内で使っているメールアドレスからメールを送信するため、新たにメールサーバーやメールアドレスを用意する必要はありません。
誰に、いつ、どんなメールを送信したか、受信者がいつ資料をダウンロードしたかなどの情報をログとして確認することもできます。
DataCollect
DataCollect(データコレクト)は、関数を利用した計算や複数アプリ間の収集・計算・加工を可能にし、kintoneが苦手とする予実管理や在庫引き当てを実現できるサービスです。
Excelと同じ感覚で複数のアプリから情報の集計や計算が可能で、スケジュール設定による自動実行やリアルタイム更新などにも対応しています。
事前に設定しておけば、手動で操作することなく情報を自動で収集・計算できるので、情報の集計漏れや更新忘れを防げます。
kBackup
kBackup(ケイバックアップ)は、kintoneアプリに登録したデータが消えてしまった際に備えて、kintone内のデータを別環境にバックアップできるサービスです。
kintoneの基本機能では、kintone上のすべてのデータを一括でバックアップすることはできません。kBackupを利用することで、誤って必要なアプリを削除してしまったり、スペースが復旧できなくなったという事態を防げます。
また、大切な顧客情報や添付ファイルのバックアップにも対応しています。
まとめ:Toyokumo kintoneAppでkintoneをより便利に活用しよう
「kintoneをより便利に使いたい」「kintoneを活用する幅を増やしたい」とお考えの方は、kintone連携サービス「Toyokumo kintoneApp」の利用がおすすめです。
トヨクモのkintone連携サービスは1万3千契約を突破し、サイボウズのオフィシャルパートナー評価制度においても全製品で受賞と、実績と使いやすさに定評があります。
トヨクモ連携サービスを導入することで、紙の書類を介さず、直接データの書き込みや管理が行えるため、職員の負担軽減や業務効率改善が図れるでしょう。
FormBridge | kintoneへデータが自動で保存されていくwebフォームを作成できる |
PrintCreator | kintoneアプリのデータをPDFで出力できる |
kViewer | kintoneライセンスがない人に、kintoneアプリのデータを共有できる |
kMailer | kintoneアプリのデータを引用してメール送信できる |
DataCollect | 複数のkintoneアプリに登録されたデータを集計できる |
kBackup | kintoneアプリに登録されたデータを安全にバックアップする |
悩みややりたいことに合わせて最適な機能を追加できるので、kintoneと一緒に使いたい便利なサービスをお探しの場合は、30日間無料お試しからぜひ実際の使用感を体感した上でご検討ください。

トヨクモ編集部
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