申請業務を劇的に効率化!株式会社GENDAが年間520時間の削減に成功した申請管理システム

トヨクモが主催する「トヨクモ kintone フェス 2025」のリアルイベントで開催されたコンテスト「トヨクモALIVE」のセッションをご紹介します。
今回は、株式会社GENDA 松野 絢佳氏にご登壇いただきました。
目次
会社紹介/自己紹介
株式会社GENDAの松野と申します。
本日は、「GiGOの“ALIVE”改革が生んだきっかけ – トヨクモエコシステムで加速するGENDAのDX戦略とM&A新規参画企業への広がり」というタイトルで発表いたします。
まずは、会社紹介と自己紹介です。
株式会社GENDAは、ビジネスエンターテイメントを手掛ける東証グロース上場企業です。設立は2018年5月、連結従業員数は約13,150人となっています。
ゲームセンター施設のGiGOやカラオケ施設のBanBan、スタンド型レモネード専門店など、エンタメ領域で幅広く事業を展開しています。
私は、IT戦略部に所属し、DX推進担当として、総務部が使用するツールの運用やkintone・トヨクモ製品を活用した業務改善の推進をしています。
株式会社GENDAさまの過去の登壇記事はこちら
■300店舗分のExcel発注をシンプルに!GENDAがFormBridge × kViewerで実現したアミューズメント施設の発注業務デジタル化
■Excelやメールでの報告作業から卒業!GENDAがFormBridge × kViewerで実現した「スマホ完結型売上報告システム」
法令書類の申請管理システムをトヨクモ製品で開発
それでは、FormBridge・kViewer・kMailerの3製品を活用して、ゲームセンター事業で扱う
法令書類の申請管理システムを開発した事例をご紹介していきます。
本プロジェクトには、現場からITへのヘルプがあったことがきっかけで携わることになりました。
相談を受けて悩んだ末に、ふと導入していたkintoneとトヨクモ製品を思い出し、「これなら解決できるかもしれない」と決意を固めました。
法令対応申請業務について
まずは、本事例の対象となる法令対応申請業務について解説します。
一言で言えば、法律に基づいて行政手続きを行うことです。なんと、ゲームセンター施設のGiGOではゲーム機の位置を動かしただけでも、都度警察に申請する必要があります。
こちらが、業務フローの例です。店舗がレイアウト変更届を出す場合を想定しています。
- 店舗が総務部に申請書類の作成を依頼
- 総務部で作成し、店舗に発送
- 店舗が官公庁に行き届出、押印で許可をもらう
- 店舗から総務部に報告
このように、店舗と総務部で調整して警察に届け出る必要があります。
申請業務で抱えていた問題
現在、当社で扱う法令書類は約20種類です。多いものだと、月300件以上処理する書類もあるため、なかなかにハードな業務となっています。
この申請業務ですが、当時は大きく2つの問題を抱えていました。
1つ目は、作業工数が多いことです。メールとExcelでやり取りと管理を行っていて、非常に時間がかかっていました。
2つ目は、進捗管理の不透明さです。進捗状況を個人のExcelで手動で管理しているため、他の誰にも状況が分からなくなっていました。
先ほどの業務フロー図では、依頼の部分を一方通行の矢印で記載していましたが、実際には作成依頼〜確認まで何度もやり取りをする必要があります。
たとえば、「レイアウト変更を作成してください」とだけメールが来ても、部数は何部欲しいのか、いつまでに対応して欲しいのかが分かりません。
こちらから情報を聞いて、集まるまでやり取りをループしなければならず大変でした。
進捗管理についても、店舗ごとの進捗を1件ずつ、Excelで、しかも手作業で入力して管理していました。
月300件以上依頼が来るものもあり、担当者の負担はかなりのものだったと思います。
改善前の作業時間をざっくり計算してみると、年間で以下のようになりました。
- 総務:月に30〜60分(400店舗分)×20日=1,200分
- 店舗:1申請につき20分×400店舗=8,000分(※店舗は2ヶ月に1回は要申請)
- 年間でかかる時間:最大で約1,040時間
この作業時間、AIに聞いてみたところ、なんと世界一周できるくらいの時間らしいです。
これは結構な損失だと思い、トヨクモ製品での解決を試みました。
開発時の戦略とぶつかった壁
kintoneとトヨクモ製品のFormBridge・kViewer・kMailerを使い、トヨクモエコシステムなるものを開発することにしました。
まず、改めてこちらが改善前の業務フローです。
業務フローの前半における、依頼〜書類作成までのしんどいやり取りの部分を、以下のような形でkintoneとトヨクモ製品にリプレイスさせようと考えました。
方針として、kintoneとトヨクモ製品に統合し、工数削減のアプローチを図ること。そして、kViewerに移行して、進捗管理の見える化を目指しました。
そして、開発が始まったのですが、ここから毎日壁にぶつかることになります。
要件定義や設計フェーズでは、独自の業務を理解するのに苦労しましたし、開発フェーズでは、はじめて触るkintoneやトヨクモ製品に慣れるのに時間がかかりました。
そんなとき、解決につながったのが、業務フローの書き起こしとオンラインコミュニティ「トヨクモUC(現トヨクモPark)」の存在です。
業務フローを書いたことで、全体像から掴んで業務内容を把握できましたし、トヨクモUC(現トヨクモPark)に掲載された先人たちのアイデアをお借りして、1つ1つ乗り越えられました。
トヨクモ3製品で申請システムを構築
そうして、壁を乗り越えた末にできたのが、こちらのシステムです。データ管理もkintoneに生まれ変わりました。
ここからは、私がトヨクモ製品を使っていて便利だと感じた4つの活用例をご紹介します。
1つ目は、FormBridgeとkViewerの連携による自動入力です。
kViewerルックアップを使用することで、kintoneのルックアップと同じように、フォームに入力したい情報を自動で反映し、手間やミスを減らすことができました。
2つ目は、kViewerで作成した全社向けリアルタイムビューです。
今後の開発を見据えての実装でしたが、これによりkintoneのアカウントがなくとも、誰でも進捗状況を閲覧できるようになりました。
3つ目は、kMailerの送信後レコード編集です。
操作ガイド:送信後レコード編集とは
送信後レコード編集を使うと、メール送信後にアドレス帳アプリの該当レコードを更新できます。
さらに、自動送信の機能を利用する際にレコードの更新をフックにすることで、設定した条件によってメールを自動送信できるようになりました。
最後に、初期値の入力と回答保存プロセスを組み合わせた、擬似的なステータス変更です。
非表示にしているフォームのフィールドに初期値を入力しておき、回答してもらうことで、利用ユーザーが意図しなくとも、kintone内のステータスを変更できます。
このアイデアによって、店舗と総務のやり取りの状況を管理しています。
kintoneアカウントを持っていない人とのやり取りでは、便利に使える場面の多い活用法なのではないでしょうか。
最大で年間520時間の業務削減に成功
今回、kintoneとトヨクモ製品でシステム化したことにより、最大で年間520時間の業務削減に成功しました。こちらが、その詳細です。
作業工数については、本部は月10〜15時間、店舗は1店舗あたり5〜10分削減できました。
さらに、不透明になっていた進捗状況が、システムにより可視化されたのも大きな成果でした。
業務プロセスごとにまとめると、以下のようになります。
特に、内容確認とメール発送の部分を大きく減らせたのが、成功の要因だと思います。
総務・店舗の両者から感謝の声が届いた
システム化により、業務改善したことで、総務スタッフ・店舗スタッフの両者から温かいお声をいただくことができました。
総務からは、Excel・メールでのやり取りや更新作業がなくなり、フォーム化で依頼内容が把握しやすくなったことで、「申請処理が劇的に楽になった」と言われました。
店舗からも、総務とのやり取りを何回もする必要がなくなり、申請が楽になったことで、「お客様と向き合える時間が増えた」と嬉しいお声が届きました。
このように、双方にとってポジティブな業務改善に成功し、無事フィナーレを迎えることができたのです。
まとめ
kintoneとトヨクモ製品を導入して、本当によかったと感じています。
業務効率が圧倒的に向上し、会社全体が「生き生きと働ける環境」になりました。
また、kintoneとトヨクモ製品の使いやすさも魅力的でした。
最初に少し慣れる必要はありますが、プログラミングが分からずともノーコードで自由にアプリが作れる簡単さは、非常に素晴らしいものだと感じています。
加えて、GENDAのDX戦略にも、kintoneとトヨクモ製品はぴったりのツールでした。
現場が「面倒だな」と思ったことを、段階的に解決していき、会社全体の大きなパワーアップにつなげていく。そして、一人一人がアプリを開発し、どんどん仕事を楽にしていく。
そんな、現場主導で自走型の改善サイクルを実現するのに、最適なツールだと思います。
こうしたアプローチとkintone・トヨクモ製品の連携により、ALIVEな環境へつなげていきたいです。
トヨクモエコシステムに込めた想い
最後に、「トヨクモエコシステム」という名前についてです。
この名前には、いろいろな意味が込められています。
- kintoneとトヨクモ製品でどんどん業務を改善していこうという動き
- 他課やグループ会社へトヨクモ製品を広げていこうという動き
- ユーザー会などのコミュニティイベントへの参加
こうした、いろいろな出来事が、トヨクモを起点に社内で広がり続けていると思い、名付けました。
現在、当社でトヨクモ製品を使ったDX業務は50以上に上ります。
今後も、これだけでは留まらない、成長の輪を広げていきたいです。
本日は以上になります。ありがとうございました。
ご登壇ありがとうございました!
社内外問わず、煩雑な申請業務にお悩みのご担当者の皆様、「自社でも真似できそう!」と思えた部分はありましたでしょうか。
今回お話しの中でご紹介いただいたFormBridge、kViewer、kMailerは30日間のお試しを何度でもご利用いただけます。
ぜひお気軽にお試しいただき、小さな申請業務から改善を始めてみませんか?
その他にも、トヨクモ製品を組み合わせれば活用の幅が広がります。
どんな製品を組み合わせて何ができるのか、具体的な活用例を知りたい方は、業務別の活用テンプレートをご覧ください。
製品を組み合わせた具体的な業務改善のヒントが見つかります。